小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

ジルコニアのデメリット

2010-04-28 09:15:00 | 審美歯科

                                    

メタルフリーの急先鋒として華々しくデビューした「ジルコニア」ですが、

さすがに完璧な材料ではないことがわかってきました。

                    

                   

元来審美歯科では金属のベースにセラミックを盛り足してつくった義歯が主流

でした。

                  

以前から金属を使わないオールセラミックという義歯もありましたが、割れると

いう危険を常に秘めていました。

                    

近年オールセラミックのベースとなる材料も進歩し、1本単独の治療においては

割れる心配がほとんどなくなりました。

                         

進歩によって要望も高まり、複数本の治療(ブリッジ)にもオールセラミックを使用

することが望まれていました。

                 

            

そこに登場したのが「ジルコニアセラミック」です。

                 

金属を使用しないで何本の歯でもセラミックでつくることができるというふれこみ

でした。

                   

ジルコニアが登場して5年以上が経ちました。

           

そしてその評判が歯科仲間の口コミで聞こえてきました。

                   

やはりセラミックが欠けるというトラブルは避けられないようです。

                       

ジルコニアはとても頑丈な材料なので、それ自体が割れることはないようです。

                    

ところが、それに盛り足すセラミックが割れてしまうようです。

                  

これは金属を使用したセラミック(メタルボンド)と同じトラブルです。

                     

セラミックを使用する以上、割れるというトラブルから開放されることはないよう

です。

     

                  

小幡歯科医院                

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯を抜く理由(続き2)

2010-04-25 09:32:00 | 歯が割れた

歯を抜く場合は「抜く理由」と「患者さんの了承」が必要です。

              

この「抜く理由」というのは「歯科医学的にみて抜いた方が良い」ということです。

                 

ですから専門的な知識のない患者さんにはわかりづらい部分が多々あります。

                  

               

また患者さんにも「抜きたくない理由」があります。

                   

この両者の理由が一致していれば治療上問題は起こりません。

              

                         

時としてこの両者がとてもかけ離れている場合があります。

                         

もちろんそういう場合はじっくりと話し合う必要があります。

               

両者の価値観が一致(ほとんどの場合が妥協によるもの)しないまま治療に入ると

トラブルになりかねません。

                       

もっとも大切なことは、患者さんと歯科医が同じ方向を向くことだと

考えています。

                 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯を抜く理由(続き)

2010-04-21 09:18:00 | 歯が割れた

歯を抜く時には2つの条件があります。

                     

歯を抜く理由があることと、患者さんがそれを了承することです。

                  

どちらかが欠けていても歯を抜くことはできません。

           

                 

歯を抜く理由があっても患者さんがそれを認めていない場合は、抜くことが

できません。

                    

患者さんが抜くことを希望していても抜く理由がない場合は、抜くことが

できません。

                   

          

もちろんこれは絶対的な条件ではないので必ずそうしているわけではありません。

                    

患者さんが抜歯を認めなくても説得して抜くことがあります。

                     

抜かなくてもいい歯を患者さんの希望で抜くことがあります。

                  

              

ただ、基本的には2つの条件が揃わなければ抜歯は気安く行うべきではないと

考えています。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯を抜く理由

2010-04-18 09:10:00 | 歯が割れた

初診で患者さんがいらした時、以前歯を抜いている既往があれば「何故歯を

抜いたのか。」お聞きします。

                 

虫歯で抜いたのか、歯周病で抜いたのか、歯が割れてしまって抜いたのか、

親知らずのように邪魔だから抜いたのか、、、、、、。

               

それを把握することがその後の治療方針を決定するのに役立つからです。

        

         

ところが抜いた理由を覚えていない方がけっこういらっしゃいます。

             

詳しい説明を受けなかったのか、あまり考えずに抜いたのか。

              

               

また、「痛かったから抜いた。」という方もけっこういらっしゃいます。

                            

あまりの痛さに「こんな歯は抜いてしまいたい。」と思ったのかもしれませんが、

痛いだけでは抜く理由になりません。

                

きちっと診断してその診断にのっとって歯を残すことが困難である場合に、

はじめて歯を抜く理由が生じます。

           

続く、、、、、。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

細菌の話

2010-04-15 09:07:00 | 予防

先日の講習会は「細菌」の話でした。

            

お口の中には400種類以上の細菌がいます。

               

そのうち名前がわかっているのは10ちょっとです。

                      

Streptococcus mutans,Lactobacilli,Prevotella intermedia ,

Tannerella forsythensis Treponemadenticola ,

Porphyromonasgingivalis ,Actinobacillus actinomycetemcomitans

                         

暗号のようですが、口の中の細菌の名前です。

            

              

Streptococcus mutans      有名な虫歯菌

Lactobacilli             大きい虫歯やものがつまるところにいる細菌

Prevotella intermedia      普通の歯周病菌

Tannerella forsythensis      普通の歯周病菌

Treponemadenticola        普通の歯周病菌

Porphyromonasgingivalis    やっかいな歯周病菌

                      家族間でうつるといわれている

Actinobacillus actinomycetemcomitans

                     とてもやっかいな歯周病菌

                      若くして歯周病になる原因といわれている

             

                         

近年細菌の遺伝子検査でどういう歯周病菌がいるかどうかわかるようになりま

した。

              

ですが、それに特化した治療方法はあみだされていません。

                       

よく、「歯周病を治すいい薬はありませんか?」と聞かれます。

                       

抗生物質を飲めば一時的に細菌を抑えることができます。

                  

しかし、薬をやめてしまえば細菌は元のように増えてしまいます。

                       

一生薬を飲み続ければ細菌を抑えることはできるでしょうが、それは現実的では

ありません。

                

やはり大切なのは、プラークコントロール(患者さんの歯磨きと

歯科医院でのクリーニング)です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原始人の虫歯と歯周病

2010-04-12 09:13:00 | 予防

                

            

虫歯も歯周病も文明病です。

                

野生の動物には虫歯や歯周病がないのに、犬や猫などのペットに虫歯や歯周病

があるのは有名な話です。

               

人間が加工してつくったペットフードを食べることによって虫歯や歯周病になって

しまうようです。

                   

             

人間も原始人の時代には虫歯や歯周病は少なかったと思われます。

               

ですが、人骨を見ると古代の時代から人間に虫歯や歯周病があったことが

わかっています。

                         

その境界線は、、、、

              

人間が火をあつかえるようになったことで始まったといわれています。

                  

火を使い肉や穀物を柔らかくして食べられるようになって栄養面では格段に

向上しましたが、その反面虫歯菌や歯周病菌のリスクにさらされるように

なったのです。

                     

そんな昔から戦ってきた虫歯菌と歯周病菌ですが、現代でも治療で100%

勝つことはできません。

                        

治療のほかにも「予防」を導入して勝率を上げることが大切です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卒乳と虫歯

2010-04-08 09:09:00 | 小児歯科

                   

                                 

意外なことなのですが、母乳は虫歯の原因になります。 

                  

昔は1歳過ぎたら断乳するのが当たり前だったようですが、現在は卒乳という

考え方になっているそうです。

                   

授乳は母親と子供の大切なスキンシップなので2歳~3歳まで母乳を与えた

方が良い、という考え方です。

                   

         

ところが、2~3歳は乳歯が生えそろう時期で人生で最初に虫歯になりやすい時

です。

                        

では、何歳で卒乳するべきなのでしょうか。

                 

答えはありません。

                     

虫歯に関してだけ言えば、虫歯になりにくいお子さんであればずっと授乳して

いても構わないでしょう。

               

ただし、虫歯になりやすいお子さんの場合は早めに卒乳するべきです。

                  

その判断は、、、、、、

              

1歳半までにすれば良いと思います。

              

1歳半の段階で虫歯のリスクが認められれば、その時点で卒乳すれば良いと

思います。

                 

                


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

知覚過敏から歯髄炎に

2010-04-05 09:44:00 | 噛むと痛い

            

                      

レントゲンで何も問題がないのに歯がしみることがあります。

               

この状態を「知覚過敏」と診断します。

                 

しみる程度によりますが、「レントゲンで問題がないので様子を見ましょう。」

、となることが多くあります。

                      

しみる症状が悪化していく傾向になければ様子を見ても構いません。

                       

ただ、しみる症状が長期間(2ヶ月以上)続く場合は治療を要します。

                

まれに知覚過敏から歯髄炎になってしまうことがあるからです。

               

歯髄炎になると歯の神経を取ることになります。

                  

しみるのがひどい場合は仕方がないのですが、もったいないことです。

                      

長期に渡って歯がしみる場合は、しみなくなるまで治療を要します。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

義歯安定剤「新ポリグリップEX」生産中止

2010-04-01 09:53:00 | 入れ歯

2/19にグラクソ・スミスクラインという会社から「義歯安定剤「新ポリグリップEX」

生産中止のご案内」という通知がきました。

       

Polident_003

              

この義歯安定剤には亜鉛が入っていて、長期過剰に使用すると人体に影響が

出る恐れがあるというのです。

                       

このメーカーの他の製品には亜鉛は含まれていないそうです。

                   

おそらくすべての歯科医院に通知していると思われます。

                 

大変な手間だと思いますが、企業の姿勢として評価できる行為でイメージがアップ

しました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする