小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

血糖値を上げないコツ(糖質制限その3)

2011-04-21 06:51:00 | 栄養

血糖値を上げないようにすれば血糖値は安定します。

 

 

そのポイントは糖質制限であることを書いてきました。

 

 

ただ、この糖質制限は人によってはとても難しいことです。

 

 

「どうしても甘いものがやめられない」人はいます。

 

 

それは意識が足りないとか、根性がない、ということではありません。

 

 

身体がどうしても欲してしまうメカニズムが体内にあるからです。

 

 

 

血糖値が高いということは、血糖値が低い時もあるということです。

 

 

低血糖はとても辛い状況です。

 

疲れやすい

集中力がない

気分が塞いでいる

イライラが続く

感情が抑えられない

 

など。

 

 

いてもたってもいられない状態であるといえます。

 

 

重度の糖尿病の人であれば低血糖の時に昏睡状態に陥ることさえあります。

 

 

ですから、いち早くブドウ糖を取り込んで血糖値を上げたい、と

脳が判断します。

 

 

そして糖分を摂ると肉体的にも精神的にも一瞬楽になります。

 

 

ところが低血糖時に急激に血糖値を上げて高血糖にしてしまうと、

その後に必ず低血糖がやってきます。

 

 

そして低血糖になったら糖分を補給せざるを得ません。

 

 

こうして高血糖と低血糖の血糖値が安定しないサイクルができあがり、

低血糖の度に甘いものを摂らざるを得なくなります。

 

 

これが「甘いものが絶対にやめられない」人の身体の中で起こっている

ことです。

 

 

この糖血糖と低血糖の悪循環が習慣化してしまうと糖質制限をすることは

至難の業になってしまいます。

 

 

糖質制限は血糖値が不安定になっていない人しか達成できない

ものであるといえます。

 

 

血糖値が不安定な人にはさらに栄養療法が必要になりますが、

それについては今後お話します。

 

 


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血糖値を上げないコツ(糖質制限その2)

2011-04-18 06:22:00 | 栄養

血糖値を上げないためには糖質を制限することが最も大切です。

 

 

糖質とは砂糖、果糖、乳糖などの糖分や炭水化物のことです。

 

 

歯医者でよく「甘いものはやめましょう。」と説明しますが、それに「ご飯やパン、

麺類、パスタ」が加わります。

 

 

私は現在、夕食のご飯を0にすることを中心に糖質制限を行っています。

http://blog.goo.ne.jp/obatadental/e/305e6d2ce6caf3f10cd7182c3b38f1cc

 

 

糖質を控えタンパク質、脂質中心の食生活にすると食後の血糖値は上がりにく

くなります。

 

 

おかず中心の食生活になるということです。

 

 

お腹いっぱいになるには今まで以上のおかず(タンパク質)が必要に

なりますので、この食生活には食費が高くなるという欠点があります。

 

 

 

もう一つとても重要なことがあります。

 

 

お腹が減った時に糖質を摂らないことです。

 

 

人はお腹が減った時に糖質(特に甘いもの)が欲しくなります。

 

 

低血糖の時に甘いものが欲しくなるのは脳が感じるからなのですが、それは

ワナです。(その理由は今後話します。)

 

 

そして低血糖の時に糖質を摂ると急激に血糖値が上がります。

 

 

砂糖だけでなく炭水化物でも急激に血糖値が上がります。

 

 

これは血糖値が不安定になる最大の原因になります。

 

 

お腹が減った時にはナッツやチーズなどのタンパク質を摂ると血糖値が上がら

ないので、血糖値が安定するようになります。

 

 

小腹が減った時にはタンパク質を補給してください。

 

 

 

最後に、炭水化物を食べる場合は食事の最後に食べることが大切です。

 

 

血糖値を急激に上げるものは糖質だけなので、野菜やおかずを食べてゆっくり

血糖値が上がった後に炭水化物を食べると急激に血糖値が上げるのを防ぐ

ことができます。

 

 

デザートも同じです。

 

 

デザートも食後に食べれば血糖値が急激に上がることはありません。

 

 

 

糖質の制限や食べるタイミングを工夫すると血糖値が上がりにくい

食生活を送ることができます。

 

 

ただ、糖質制限は人によってはとても難しいことです。

 

 

 

 


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血糖値を上げないコツ(糖質制限その1)

2011-04-15 06:14:00 | 栄養

前回、血糖値を上げないことが虫歯や歯周病の予防に有効である

ことを書きました。

 

 

実際は血糖値を上げないことは多くの病気の予防になります。

 

 

それは糖尿病が万病の元になることからも言えます。

 

 

それではどうすれば血糖値を上げないようにすることができるのでしょう。

 

 

 

とても重要で、原則的なことですが

血糖値を急激に上げるのは糖質だけです。

 

 

タンパク質や脂質では血糖値はあがりません。 

 

 

ですから糖質を摂らない、あるいは制限すれば血糖値は上がりません。

 

 

理論的にはとても簡単なことです。

 

 

でもこれがとても難しいことなのです。 


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糖質と歯周病

2011-04-11 06:14:00 | 栄養

今まで甘いものと歯周病を関連付けた内容は書いていませんでした。

 

 

甘いものを食べている人は虫歯だけでなく歯周病も悪化しやすいという

感触はありました。

 

 

でもそれは口の中に入った糖分が歯周病菌の栄養となっていることしか

理由は浮かびませんでした。

 

 

ところが血糖値を中心に考えてみると糖質と歯周病が密接に関係している

ことがみえてきます。

 

 

糖尿病の方の治療をしていると感じるのですが、

血糖値が高いと歯ぐきは弱ります。

 

 

 

 

血液の中にブドウ糖が多いということは組織に栄養がいかないということです。

 

 

そのため、栄養不足になり病気に対する抵抗力が弱ります。

 

 

それ以外にも歯ぐきのタンパク質の代謝がうまくいかなかったり、歯ぐきの

血管も傷んだりします。

 

 

つまり血糖値が高いということは歯ぐきの抵抗力がおち、回復力も

なくなっている状態です。

 

 

そしてもう一つ、血糖値が高い時には細菌が活動しやすい状態にあります。

 

 

血糖値が高くなっていると唾液や歯ぐきから出る浸出液の糖分濃度も

高くなります。

 

 

そしてこの体内からの糖分が歯周病菌の格好の栄養になってしまうのです。

 

 

つまり血糖値が高くなると歯周病菌の活動が活発になってしまいます。

 

 

これが糖質と歯周病の意外な関係です。

 

 

この関係を繋ぐのが血糖値です。

 

 

血糖値を安定させることは歯周病の安定につながるのです

 


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血糖値とお口の健康

2011-04-08 06:11:00 | 栄養

急に血糖値と虫歯や歯周病の病気を結びつけているので、

困惑している方もいらっしゃるでしょう。

 

 

これは江部康二著「主食を抜けば糖尿病は良くなる」を読んだことが

きっかけでした。

http://blog.goo.ne.jp/obatadental/e/cce9ecb7afe30d60d1640c4e58a9345a

 

 

 

私が血糖値について敏感に反応した理由は、歯科と糖尿病の

関係にあります。

 

 

糖尿病は空腹時でも血糖値が高くなる病気ですが、糖尿病の方の

虫歯や歯周病治療はなかなかうまく治せないのが現実です。

(実際には糖尿病になっても虫歯や歯周病にならない方もたくさん

いらっしゃいます。糖尿病の合併症が体のどの部分に現れるか、

ということなのです。)

 

 

糖尿病になると組織に栄養がいきわたらないので病気の治りが悪くなる、

というのが一般的な説明です。

 

 

また糖尿病の方は甘いものを好むということから歯科の病気になりやすい

という面もあります。

(糖尿病の方は低血糖時に糖分を含まないと活動できないという側面もあり

ます。)

 

 

ところが糖尿病と診断されていなくても、糖尿病のような病態を示す方も

いらっしゃいます。

 

 

このような方達を「かくれ糖尿病」(正式には境界型糖尿病)として捉えて

いたのですが、医者にはそういう診断をされていない方も多いのです。

 

 

そして血糖値を中心にみてみると、糖尿病と診断されない高血糖という

状態があるということを知りました。

 

 

食後にかなり血糖値が上がるのですがその後急激に血糖値が下がるので

一般的な検査では糖尿病と診断されないのです。

 

 

ブドウ糖負荷試験という検査をすれば診断できるのですが、簡単に行う

検査ではありません。

 

 

食後だけ高血糖で急激に血糖値が下がるので、血糖値の平均値を取る

HbA1cという検査でも異常は出ません。さらに空腹時血糖も正常です。

 

 

糖尿病ではないのであえて診断名を作ると食後高血糖症、血糖値乱高下症、

血糖値調節機能障害、低血糖症などとなります。

 

 

 

歯科的に問題となるのは

 

高血糖の時間帯に虫歯や歯周病の危険がある

低血糖の時に甘いものを必要とするので虫歯の危険がある

 

ことです。

 

 

 

血糖値が安定すると虫歯や歯周病になる危険が低くなる、というのが

この「栄養」カテゴリーのメインテーマです。 

 


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タンパク質と血糖値

2011-04-05 06:41:00 | 栄養

以前は食生活の中で「砂糖の量」を常に気にしていました。

 

 

でも口の中の環境を考える上で血糖値に着目する必要性を知り、「糖質の量」を

考えなくてはならないことがわかりました。

 

 

糖質とは砂糖、果糖、ブドウ糖などの糖類やご飯、パン、麺、パスタなどの

炭水化物のことです。

 

 

これらの糖質は食べると急激に血糖値が上がります。

 

 

急激に血糖値が上がるとその後急激に血糖値が下がりやすくなります。

(これは体質に左右されます。どんな食生活を送っても血糖値が安定して

いる人もいるそうです。)

 

 

血糖値が高い時は口の中が酸性になって細菌の活動が活発になり、

血糖値が低い時は甘いものが欲しくなる。

 

 

どちらも歯医者的には好ましくない状況です。

 

 

そこでタンパク質の登場です。

 

 

タンパク質は血糖値をゆっくり上昇させます。

 

 

ですから食事も最初に野菜やタンパク質を摂り、血糖値がある程度上がって

から糖質を摂るようにすると急激に血糖値があがることがなくなります。

 

 

また、タンパク質は体をつくる基本の栄養です。

 

 

口の中でいえば歯、歯ぐき、顎の骨すべてはタンパク質が基本になっています。

 

 

体をつくると共に、口の中の健康を維持するにもタンパク質が必要なのです。


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