小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

歯を失う原因

2022-10-06 23:48:05 | 歯が割れた

2018年に8020推進財団の行った「永久歯の抜歯原因調査報告書」に歯を失った原因の順位が載っています。

document-tooth-extraction-investigation-2nd.pdf (8020zaidan.or.jp)

 

その結果は以下の通りです。

 

1位   歯周病(37.1%)

2位    う蝕(虫歯のこと)29.2%)

3位    破折(歯が割れること)(17.8%)

 

当院でも歯周病で歯を失う例がもっとも多いという実感があります。しかし、う蝕と破折に関しては違います。

 

当院においては虫歯で歯を失うよりも破折で歯を失うことの方が多い実感があります。

 

近年、材料と治療技術の向上によって虫歯が原因で歯を抜くことは減りました。

 

その分、歯が割れる「歯根破折」という診断で歯を抜くことの方が多くなりました。

 

歯根破折歯はいつ起こるか予測がつかず、ある時突然に歯が割れるという悲劇が生じます。

 

神経を取ってから10年以上経過していること、もともと歯が弱いこと、歯ぎしりや食いしばりなど歯に負担がかかることを行っていること、普段の食事でも強くかむ癖があること、などが歯が割れる原因として浮かびますが、歯がいつ割れてしまうのかは誰にもわかりません。

 

そのため、歯が割れてしまわないように治療においていつも以下のことを気にかけています。

 

・神経を取らないこと

  根の治療について 品川区 目黒駅前 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

・歯を割らないような材料を選択すること

  ハイブリットセラミック - 小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)

   ファイバーコアについて

 

・歯ぎしりや食いしばりをしないような習慣をつけてもらうこと

  歯ぎしり 食いしばりしてませんか? 品川区 目黒駅前 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

・ストレスをためないような生活を心がけること

 

など、を意識しながら治療を行っています。

 

歯周病と虫歯の治療が進歩してきた現代、歯が割れてしまう歯根破折への対応が歯を失わないために重要になってきています。

 

 

小幡歯科医院

目黒駅 品川区 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

 

 

 


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ハイブリットセラミックで歯の破折が防げなかった例

2019-06-01 15:07:59 | 歯が割れた

ハイブリットセラミックは、歯より柔らかいので歯を傷めることがありません。

            

硬い金属や硬いセラミックよりも安心して使える材料です。

 

噛むと痛いような弱った歯や、ヒビが入っってしまった歯には最適な材料だと考えています。

               

ところが、治療というものは必ずしも成功するものではありません。

               

今回は、ハイブリットセラミックを使ったにもかかわらず歯のヒビの進行を食い止められなかった症例をお見せします。

              

歯にヒビが入っています。

             

痛みや歯ぐきの腫れがないので、抜歯せずに残すことにしました。

               

ハイブリットセラミックを入れて1年目です。

              

すでにセラミックの一部が割れています。

            

そして歯ぐきが少し腫れています。

                 

2年経ったところで痛みが出てきたのでハイブリットセラミックを外しました。

              

すでに歯が割れているのがわかります。

              

全ての材料を取ってみると、歯が完全に割れていました。

               

ヒビが入った歯を、ハイブリットセラミックを使って長くもたせられた症例もたくさんありますが、このようにうまくいかなかった例もあります。

              

ヒビの入った歯の治療は難しいというのが実感です。

 

       

              

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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歯が割れる人は骨が強い

2018-12-05 00:39:38 | 歯が割れた

前回は、歯が糖化すると歯が割れやすくなる、というお話をしました。

https://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/15a99ef7e01a44e865716770f87a8b17

                   

今日は特殊な治療法である「割れた歯の再植」についてお話しします。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/ishoku.html

               

                 

虫歯ではないのに歯が割れました。

             

甘いものが好きな方ですが、虫歯はほとんどありません。

            

虫歯にはなっていませんが、歯が内部から糖化して弱くなっていると考えられます。

                 

「割れた歯の再植」を行いました。

                

                 

一旦、歯を抜きます。

             

                

歯をきれいにした後、接着剤で元通りくっつけます。

            

                

うまくいくと、普通の歯のように問題なく使えるようになります。

           

割れていたとは思えないほど、歯ぐきがきれいに治っています。

              

                

最終的には、通常の歯と同じようにかぶせ物をして治療終了です。

               

                

この「割れた歯の再植」の治療は意外とうまくいきます。

(もちろん、成功率100%ではありません。)

                    

この治療がうまくいくコツは、歯が感染してよごれていないことと、歯ぐきや骨が再植した歯としっかりくっつくことです。

                    

歯ぐきや骨が弱い人はこの治療がうまくいきません。

               

しかし、歯が割れる人は歯ぐきや骨が強い人です。

                 

糖化の観点からみますと、歯は糖化しても骨は糖化しない人であると言えます。

               

逆に歯が糖化しないで骨が糖化する人は歯周病になります。歯の周りの歯ぐきや骨が弱いということです。

                   

歯、歯ぐき、骨のすべてが糖化しやすい人はあまりいないようです。

                    

歯が糖化しやすい人は虫歯になったり歯が割れる心配があり、歯ぐきや骨が糖化しやすい人は歯周病になる心配があると言えます。

             

45歳までにどちらのタイプかだいたいわかります。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/lifestage.html

                     

         

自分が虫歯になりやすいか歯周病になりやすいか、知ることは口腔ケアをするにおいても必要なことです。

              

                   

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/index.html


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歯が糖化すると割れる危険がある

2018-12-01 22:48:39 | 歯が割れた

             

先日、歯の象牙質が糖化すると、やわらかくなり虫歯が進行しやすくなることを書きました。

https://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/c6dffbc926bb9e434d3c1434f6b2222c

               

実は、この方の歯はその後割れました。

             

 

                

斜めに割れた跡が出ています。

              

一般的には、歯の神経を取ってから5年は経たないと歯は割れないものです。

               

この方の場合は、歯の神経を取ってすぐに割れました。

                    

歯の神経がある頃にすでにヒビが入っていたのかもしれません。

                 

歯の神経があればそう簡単に割れないものですが、歯が糖化していたのかもしれません。

                  

これは糖化した骨の画像です。

               

骨も糖化すると脆くなり骨折しやすくなります。

           

骨と歯の象牙質はその構造が似ています。

                    

糖化すると歯も割れやすくなるのです。

                   

         

この二つの画像は虫歯は全くないのに歯が割れてしまったものです。

           

どちらも甘いものは食べていてもあまり虫歯にならないタイプの方です。

              

甘いものを食べて外からむし歯にならなくても、歯の内部から糖化によって歯が弱ることがあります。

           

血糖値を上げる砂糖の入った甘いもの。

         

体の中から歯を弱くしているかもしれません。

            

  

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/

 

                

 

 


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論文を書きました

2012-10-27 06:38:00 | 歯が割れた

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久しぶりに歯科の雑誌に論文を投稿しました。

 

 

10年以上振りでした。

 

 

内容はこのブログでもよく紹介している、「割れてしまった歯を

一度抜いてお口の外で接着剤でくっつけて再び元のところに

戻す」という治療の紹介です。

 

 

専門的には「破折歯の口腔外接着再植法」です。

 

 

先輩が再植というテーマで雑誌に特集を組む際に、声を

かけていただき投稿することになりました。

 

 

最近歯科界で悪くなった歯を安易に抜く風潮があるのでは

ないか、という問題提起からこの特集が組まれたそうです。

 

 

私以外の先生達も抜歯をして当然の歯を、なんとか残そうという

努力をしている内容です。

 

こういう志の高い方達と一緒に同じ紙面に載ることは、とても

やりがいのあることでした。

 


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ガムで歯が欠ける

2012-05-06 17:31:00 | 歯が割れた

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歯のひびにアパガード

2012-01-31 07:43:00 | 歯が割れた

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ファイバーコアでは絶対に歯が割れないか。

2011-02-07 06:02:00 | 歯が割れた

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割れた歯の画像

2010-10-29 06:51:00 | 歯が割れた

 

                  

               

Hasetu_2

                     

割れてしまった歯の画像です。

                    

これくらいはっきり割れているとレントゲンでも判断できます。

                  

                   

                     

                           

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歯が割れている手前の状態である「ヒビ」はレントゲンには写りません。

                         

目に見える部分であれば診断できますが、歯の内部にヒビがあって外から

確認できないこともあります。

                              

明らかに割れていれば治療に緊急を要しますが、ヒビだけで症状がない

場合は様子をみることが多いです。

                           


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歯を抜く理由(続き2)

2010-04-25 09:32:00 | 歯が割れた

歯を抜く場合は「抜く理由」と「患者さんの了承」が必要です。

              

この「抜く理由」というのは「歯科医学的にみて抜いた方が良い」ということです。

                 

ですから専門的な知識のない患者さんにはわかりづらい部分が多々あります。

                  

               

また患者さんにも「抜きたくない理由」があります。

                   

この両者の理由が一致していれば治療上問題は起こりません。

              

                         

時としてこの両者がとてもかけ離れている場合があります。

                         

もちろんそういう場合はじっくりと話し合う必要があります。

               

両者の価値観が一致(ほとんどの場合が妥協によるもの)しないまま治療に入ると

トラブルになりかねません。

                       

もっとも大切なことは、患者さんと歯科医が同じ方向を向くことだと

考えています。

                 


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歯を抜く理由(続き)

2010-04-21 09:18:00 | 歯が割れた

歯を抜く時には2つの条件があります。

                     

歯を抜く理由があることと、患者さんがそれを了承することです。

                  

どちらかが欠けていても歯を抜くことはできません。

           

                 

歯を抜く理由があっても患者さんがそれを認めていない場合は、抜くことが

できません。

                    

患者さんが抜くことを希望していても抜く理由がない場合は、抜くことが

できません。

                   

          

もちろんこれは絶対的な条件ではないので必ずそうしているわけではありません。

                    

患者さんが抜歯を認めなくても説得して抜くことがあります。

                     

抜かなくてもいい歯を患者さんの希望で抜くことがあります。

                  

              

ただ、基本的には2つの条件が揃わなければ抜歯は気安く行うべきではないと

考えています。


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歯を抜く理由

2010-04-18 09:10:00 | 歯が割れた

初診で患者さんがいらした時、以前歯を抜いている既往があれば「何故歯を

抜いたのか。」お聞きします。

                 

虫歯で抜いたのか、歯周病で抜いたのか、歯が割れてしまって抜いたのか、

親知らずのように邪魔だから抜いたのか、、、、、、。

               

それを把握することがその後の治療方針を決定するのに役立つからです。

        

         

ところが抜いた理由を覚えていない方がけっこういらっしゃいます。

             

詳しい説明を受けなかったのか、あまり考えずに抜いたのか。

              

               

また、「痛かったから抜いた。」という方もけっこういらっしゃいます。

                            

あまりの痛さに「こんな歯は抜いてしまいたい。」と思ったのかもしれませんが、

痛いだけでは抜く理由になりません。

                

きちっと診断してその診断にのっとって歯を残すことが困難である場合に、

はじめて歯を抜く理由が生じます。

           

続く、、、、、。


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ファイバーコアの機能的メリット

2010-01-14 09:12:00 | 歯が割れた

ファイバーコアに一番求められるものは、「歯にやさしい」ということです。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/fibre_core.html

              

具体的にはファイバーがやわらかいために土台として使用したときに歯に負担が

かかりません。

           

そして歯の根が割れてしまうトラブルを防ぎます。

                      

今までは歯よりも硬い金属の土台を使用していたため、噛む力が歯の根に

伝わってしまいヒビが入ってしまうことがありました。

             

ファイバーコアはやわらかいため、噛む力はファイバーのやわらかさによって

吸収されます。

                     

虫歯、歯周病の次に歯を抜く理由が「歯の根が割れてしまう」ことです。

                             

この歯の根が割れてしまうトラブルを防ぐためにファイバーコアは開発されました。

          


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歯が割れて歯ぐきが腫れる

2009-04-01 09:21:00 | 歯が割れた

歯にヒビが入るといずれは歯が割れます。

          

歯が割れるとレントゲンに写りますので確実に診断できるようになります。

                

歯にヒビが入っている時期よりも、歯が割れてしまった方が痛みが少ないことが

多いです。

              

ですが、歯が割れてしまったら猶予がなくなります。

          

割れている歯を残すことは体にも悪影響が出てきます。

          

歯が割れてしまえば膿が常に溜まる状態になり、全身に細菌がまわる

ことになるからです。

            

割れているのを確認したら次の処置を早めに相談する必要があります。


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歯にヒビが入って歯ぐきが腫れる

2009-03-31 09:20:00 | 歯が割れた

歯にヒビが入って歯ぐきが腫れることがあります。

           

歯にいきなりヒビが入ることはありません。   

             

長年使って徐々にヒビが入っていきます。

           

特に歯ぎしりや食いしばりをする方の、神経を取っている歯にヒビが入ることが

多いようです。

                     

            

歯のヒビによって歯ぐきが腫れる場合は、腫れるところはさまざまです。

               

ヒビは歯のどんな部分にも入る可能性があるので、歯の周りどこでも腫れる

可能性があります。

         

そのため、歯周病や根の化膿と区別がつかないことがあります。

              

           

ヒビはレントゲンには写らないので、レントゲンを撮ってもはっきりと診断できない

ことがあります。

             

診断がつかないうちは、腫れをおさえる処置をしながら様子をみることになります。

            

              

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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