小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

歯周病はサイレントディジーズ(その2)

2019-08-12 06:05:14 | 歯周病

歯周病はかなり病状が悪化しないと辛い症状は出ないものです。

                

歯科における2大疾患は虫歯と歯周病です。

             

虫歯になりやすいピーク年齢は25歳くらいで、歯周病になりやすいピーク年齢は55歳くらいです。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/lifestage.html

               

そして、歯周病は一般的に40歳くらいから発症します。

(若くから歯周病に罹患してしまう「若年性歯周炎」という病気もありますが。)

            

            

ところで、一般論としてヒトには「虫歯になりやすい体質」と「歯周病になりやすい体質」があります。

            

どちらにもなりにくい人もいますしどちらにもなりやすい人もいますが、少数派です。

(実は、虫歯と歯周病のどちらにもなりやすい人は重度の糖尿病の人に多いです。

といいますか、糖尿病が悪化すると虫歯にも歯周病にも罹患してしまうことがあるということです。)

                             

虫歯になりやすい人は若いころに苦労します。

              

一方、歯周病になりやすい人は50歳以降に苦労します。

           

ですから、歯周病になりやすい人は40過ぎまでずっと歯にトラブルがなくて、人生の後半から歯で苦労することになるのです。

                  

虫歯になりにくく自分は歯がいいと思っていたら、後年歯周病で苦労するのは辛いことです。

                 

    

歯に自信があっても、35歳まで、少なくとも40歳までにはしっかり検診して歯のチェックをしましょう。

            

もしかしたら、虫歯にも歯周病にも強くて一生歯で困らないかもしれません。

                  

それを知るためにも検診は大切です。

         

               

               

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/

 

              

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯周病はサイレントディジーズ(その1)

2019-08-10 21:17:21 | 歯周病

silent diseaseという言葉があります。

              

「無症状疾患」や「静かなる病気」と呼ばれるもので、病気になっても気がつかないものです。

            

病気になるどころか、悪化していても気がつかないことがあるのが危険なところです。

          

肝臓の病気や糖尿病が有名ですが、「歯周病」もこのサイレントディジーズです。

              

歯周病は中等度以上にならないと、痛みが生じないものです。

              

痛みが出た時点ではかなり歯周病が進行している場合があります。

             

ただ、初期の頃でもよく気をつければ自覚症状は感じることができます。

                

それは、歯ぐきの「わずかな腫れ」と「出血」です。

            

特に、出血は歯周病の重要な初期症状なので、歯磨きをしていて歯ぐきから出血があったら歯科医院を受診しましょう。

                  

         

      

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯石があると歯ぐきの炎症が治まらない

2018-12-01 00:14:01 | 歯周病

恥ずかしながら、自分の話です。

               

最近、デンタルフロスを下の前歯に使うと出血がありました。      

              

毎日きちんと歯磨きをしているので、疲れが原因だと自分では判断していました。

              

実際に11月の初めに大きな歯科の勉強会で発表することがあり、その準備を含め忙しく緊張した日々を送っていました。

                 

「歯周病は歯磨きだけでは予防できない。食事や日頃のストレスなど生活習慣を整えることも大切である。」

 

というのが私の持論でした。

              

ところが、11月後半になって疲れも癒えたと思われた頃でも歯ぐきからの出血が時々ありました。

                

これはおかしいと思い当院のスタッフに診てもらいました。

               

しっかりと歯石がついていたのです。

             

自分で鏡を見ていても気がつきませんでした。

                

スタッフに歯石を取ってもらい、2~3日したら出血がピタッとなくなりました。

               

フロスの通りも全然違います。気持ちよくすすっと通ります。

          

今思えば歯石がついている時は、フロスの通りが悪かったです。

               

専門家なのに自分で気がつかないことが多かったです。

                   

歯周病の予防には、定期的に歯のクリーニングをして歯石がつかないようにすることが大切なことを、改めて痛感したのでした。

 

  

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グラグラな歯を治す

2009-12-24 09:47:00 | 歯周病

               

                              

歯がぐらぐらする理由には以下のものがあります。

                

                 

歯に負担がかかっている

             

歯ぐきに炎症がある

                

歯の周りの骨が溶けている

        

歯の根が短い

              

                     

治療方法としましては

                 

          

歯に負担がかかっている場合には歯の負担を取り除く治療をします。

             

具体的には咬み合わせの調整、歯ぎしりや食いしばりにたいする対応、などです。

              

             

歯ぐきに炎症がある場合は炎症を取り除く治療をします。

              

具体的には初期の歯周病治療です。

           

                

歯の周りの骨が溶けている場合は骨を回復させる治療をします。

         

具体的には中等度以上の歯周病治療です。

                

        

歯の根が短い場合には治療方法がありません。

              

歯の根が短くて歯がグラグラしている場合は、そのグラグラを治す方法は

ありません。

             

                   

歯がグラグラしている原因を適切に把握しないとグラグラを止めることは

できません。

                        

また歯周病が一定以上進行した場合はグラグラが止められないこともあります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どの歯が痛いのかわからない

2009-09-20 09:12:00 | 歯周病

                 

痛みがひどい時に「どの歯が痛いのかわからない」ことがあります。

                     

これはどこが痛いのか勘違いをさせる2つの種類の痛みがあるからです。

          

                    

放散痛

              

痛みがひどくなると痛く感じる部分の範囲が広くなります。痛みが放散する

のです。

           

そのため、隣の歯が痛く感じたり、極端な時は「前歯が痛いのに奥歯が痛く

感じる」ような場合もあります。

               

              

関連痛

           

これこそまさに脳の勘違いです。

             

痛みを感じるのは脳の仕事です。

            

脳には神経が張り巡らせてあって痛い部分を脳が的確に判断できないことが

あります。

             

歯の痛みにはこの勘違いが良く起こります。

                       

よく「下の歯が痛いのに上の歯が痛く感じる」というようなことが起こります。

             

脳が歯の上下の区別もつけられないことがあるのです。

                    

アイスクリームを食べて喉が冷たく感じているのに、こめかみがキーンと痛む

ように感じるのはこの「関連痛」です

              

                   

こういう痛みの勘違いはよくあることなので、私たちは患者さんが

「痛い」という場所を鵜呑みにすることはありません。

             

             

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/

                   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隙間を埋めたい

2009-07-10 09:55:00 | 歯周病

Fukusima_014

                        

年を重ねると歯ぐきは後退します。

                

歯ぐきが後退すると歯と歯の間の隙間が目立つようになります。

           

この隙間は見た目にも関わりますし、何よりものが詰まります。

                

そこで「この隙間を埋めて欲しい」と依頼されることがよくあります。

                           

ところが、ほとんどの場合「何もしない」ことをお勧めしています。

                 

中途半端に隙間を埋めるとかえって歯ぐきに悪影響が出るからです。

                           

歯は自然のままにしておいて、歯間ブラシで磨くことをお勧めします。

                

手間はかかりますが、歯を長持ちさせるためにはこれが一番です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かみ合わせが悪く歯が前に出てきた

2009-04-24 09:34:00 | 歯周病

                  

「かみ合わせが悪く歯が前に出てきた」という検索がありました。

             

これは歯周病の兆候です。

                      

歯周病になると歯が浮いた状態になり、歯が動きやすくなってしまいます。

              

上の前歯は歯周病になると出っ歯の状態になります。

                      

そのままでは歯周病が進行しやすい状態ですので、歯周病の治療とかみ合わせ

の治療を平行して行う必要があります。

           

          

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯石がつきやすい人は虫歯になりやすい?

2008-12-19 09:34:00 | 歯周病

(たけしの本当は怖い家庭の医学より)

              

これは本当にあることです。

              

歯石は唾液の中のカルシウム分が固まって歯にくっついたものです。

                 

この唾液の中のカルシウム分は歯を再石灰化させるので、虫歯を予防する作用が

あります。

                       

ですから、「歯石のつきやすい人は虫歯になりにくい」のです。

(例外もあります。)

         

ただし、「歯石のつきやすい人は歯周病になりやすい」ので、歯周病予防

のために定期的に歯石を取りましょう。

            

             

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

病の起源

2008-12-10 09:59:00 | 歯周病

先日、NHK「病の起源」で糖尿病について取り上げていました。

                            

                   

                 

太っているからといって糖尿病になりやすいわけではない。

                        

生まれつきインシュリンの働きが弱い人がいる

                  

昔から脂肪を多く取る食生活をしてきた欧米人は民族的に「脂肪に対する耐性」

がある

                     

日本人は近年脂肪を取る食生活に変化してきたので、民族的に「脂肪に対する

耐性」がなく糖尿病になりやすいといえる

                       

妊娠時母親が十分な栄養を取れない状況にあると、生まれてきた子供は先天的

にインシュリンの働きが弱い

          

などが述べられていました。

            

             

                     

今回のトピックスは、「生まれた環境によって糖尿病になりやすいことがある」

ということです。

             

私も漠然と「糖尿病は贅沢病である」と思っていましたが、それは間違いでした。

              

歯科医としても糖尿病と歯周病は密接な関係があるので糖尿病の話題は

見逃せません。 

            

               

今回の番組では糖尿病に関する最近の知見についての内容がメインで、

「では、どうすればよいか。」ということに関してはあまり触れませんでした。

                     

「運動が有効である。」という当たり前のことで番組は終了しました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Floss or die

2008-11-18 09:11:00 | 歯周病

"Floss or die"というフレーズが一時アメリカで言われました。

(最近聞かなくなりましたが。)

              

訳すと、「フロスをしますか、それとも死にますか?」

                 

         

お口の中の細菌(特に歯周病菌)が体に影響を与えることがわかってきました。

                   

糖尿病

心内膜炎

心筋梗塞

脳卒中

誤嚥性肺炎

早産

など

              

歯周病治療によって歯周病菌が減ると体の病気にも良い影響を与えることも

わかってきました。

             

ですから体を健康に保つためにも歯周病のケアをしましょう、ということになるの

です。

                       

ちなみに歯周病予防のためにはフロスよりも歯間ブラシの方が有効です。

                  

ですから、「歯間ブラシ or die」なのだと思います。

               

           


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高血圧の薬

2008-11-04 09:12:00 | 歯周病

カルシウム拮抗剤という種類の高血圧の薬には、歯ぐきを増殖させてしまうという

副作用があります。

              

歯ぐきが増殖してしまうと歯周病になる危険が生じます。

            

ただ、カルシウム拮抗剤を服用すると必ず歯ぐきが増殖するわけでは

ありません。

        

また、歯ぐきが増殖しても必ず歯周病になるというわけでもありません。

                      

カルシウム拮抗剤を服用していて、歯ぐきが増殖してしまって、歯周病になって

しまっている場合は、担当の医科の先生に問い合わせて薬の種類を変更して

もらうことがあります。

              

薬を変更して歯ぐきの増殖がなくなると、歯周病が悪化する危険がかなり少なく

なります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯周病と薬

2008-10-28 09:09:00 | 歯周病

歯周病には飲み薬が効きます。

              

痛み止めも化膿止めも効果があり、歯周病で痛みを感じるときには有効です。

                 

ただし、薬を飲んでもその効果は一時的なものです。

            

薬を飲むことによって歯周病がよくなることはありません。

              

ですから、急性症状(ひどい痛みがある状態)がある時でなければ薬を飲む

意味はありません。

                

薬を飲まずに歯周病の治療を続けることで、歯周病の状態はよくなっていきます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯と年齢(65歳~)

2008-08-25 10:03:00 | 歯周病

この時期から歯周病で苦労することは少なくなってきます。

             

虫歯もすでに落ち着いてきています。

              

ただし加齢により、あるいは飲んでいる薬によって唾液の出が悪くなると

虫歯になりやすくなってしまいます。

           

           

この時期に歯周病、虫歯が落ち着いてくるのは社会的な理由もあります。

          

60歳後半になれば社会的責任から開放されていることが多いです。

          

そのため、体にダメージを与えるようなストレスや疲れが減ってきています。

              

全身的にも落ち着いてくるので、お口の中の環境も落ち着いてくるのです。

             

              

ただし、人によってはまだまだ現役で社会的責任が思い方もいらっしゃいます。

             

そういった重圧のある生活を送っている人にとっては虫歯、歯周病とも

安心できない状況です。  

                         

定期的なお口の中のチェックとケアが必要となります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯と年齢(55歳~65歳)

2008-08-24 10:00:00 | 歯周病

この頃から歯周病が収束していきます。

              

歯周病にならなくなるわけではないのですが、歯周病の進行が遅くなります。

                

進行が遅くなる理由は「病気に対する感受性が低くなる」ことと「体が無理をしなく

なる」ことが考えられます。

                 

            

「病気に対する感受性が低くなる」とは、歯周病菌に攻撃されても歯ぐきが

腫れたり痛みがでたりしにくくなるということです。

              

若い人の病気の進行は早いです。そして治るスピードも速いです。

           

年をとると病気の進行が遅くなります。ただし、治るスピードも遅くなります。

           

そういうわけで60歳近くなると歯周病が急激に進むことはなくなります。

               

                      

「体が無理をしなくなる」とは、病気になるほど無理に動かなくなるという

ことです。

                    

40代、50代は体が疲れていても無理をして動くことができます。

                  

この無理をして動く(仕事や生活の中で)ことで体に負担をかけます。

                     

そして自分の体の弱い部分がダメージを受けます。

            

疲れると、胃や腸にくる人、関節にくる人、頭痛になる人、腰にくる人、、、、。

          

歯ぐきが弱い人は疲れが歯ぐきにきて、歯周病になります。

                      

逆に無理をすることがなくなれば、歯周病が悪化しなくなります。

                  

                 

そういうわけでこの年代には歯周病が落ち着いてきますので、この時を目標にして

歯周病のケアをしていきましょう。

                   

なお、この時期に歯周病になっていなければ、もう歯周病で苦労することはあり

ません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯と年齢(35歳~55歳)

2008-08-23 10:00:00 | 歯周病

本格的に歯周病が始まる時期です。

             

歯周病は30代後半から兆候が現れます。

                

そして55歳くらいにピークを迎えます。

                

その後はだんだん収束していきます。(進行のスピードが遅くなっていきます。)

                    

「加齢による、、、、、」という言葉がはやっていますが、この時期に歯周病になり

やすいのも加齢による影響が大きいといえます。

                

歯周病の治療には定期的に歯科医院を受診する必要があります。

                 

が、この年代の人は忙しくて歯科医院に通う暇がないことも多いです。

           

そしてそのことによって歯周病が悪化してしまうことがよくあります。

               

1年に3~4回通うだけでも効果がありますので、歯周病と診断されたら定期的に

歯科医院を受診するようにしてください。                

          


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする