小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

ジルコニアブリッジのつくり方

2015-01-28 00:45:31 | 審美歯科

最近のセラミックはジルコニアというとても固いセラミックに、通常のセラミックを盛り足してつくる方法が主流です。

                

このベースとなるジルコニアはコンピュータがつくります。

            

具体的には歯型をスキャンして得られたデータを元に、ジルコニアのブロックを専用の機械が削っていくことによって形をつくります。

                 

ブリッジというのは3本以上の歯がつながってつくられたものです。

           

一本単位であれば誤差は生じないのですが、数本つなげた形でつくるとなるとコンピュータでスキャンしたデータに誤差が生じることがあります。

                  

そこで従来の金属のブリッジを一度つくって、それをスキャンして同じものをジルコニアに置き換えるという作業を行います。

                   

             

まず一度金属とプラスチックで歯をつくります。

            

             

         

これは従来のブリッジのつくり方です。

              

              

それがしっかり口の中におさまることを確認したらスキャンしてジルコニアのセラミックに変えます。

                

                      

一度金属で確認しておくと完成したジルコニアもぴったり入ります。 

             

           

 

                

                      

コンピュータの解析データで寸分狂わない完成品ができあがることに時代の進歩を感じます。

              

ジルコニアは耐熱型セラミックともいわれ、とても固くて丈夫なので金属の代わりとして使うことができます。

                       

ジルコニアの出現によって、どんな歯でも金属を使わないでつくれるようになりました。

                     

 

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メタルフリーにする理由

2015-01-23 00:58:01 | 審美歯科

歯の治療を行うにあたって、金属を使わないようにすることが主流となっています。

                   

金属を使わない治療を「メタルフリー」といいます。

                   

金属を使わないメリットは以下の通りです。

 

              

1 金属アレルギーの原因をなくす

             

歯に入れる金属でアレルギー症状を起こす人がいます。

金属を使わないことで、アレルギーを回避することができます。

                        

                      

2 プラークをつきにくくする

                   

人の体には微弱な電気が流れていますが、口の中の金属がさらなる電流を起こすことにつながります。

金属を使わなければ電気的にプラーク(食べかすに細菌が集まったもの)が引き寄せられることがないため、汚れがつきにくくなります。

           

                       

3 亜鉛が失われるのを防ぐ

                  

あまり知られていないことですが、口の中の金属は亜鉛とくっつく傾向にあります。

結果、体から亜鉛を奪います。

亜鉛は味覚をつかさどる栄養素で、亜鉛不足が味覚障害を引き起こす場合があります。

口の中に金属があると味をおかしく感じる人がいるのはこのためです。

              

                      

4 腐食による悪影響がない

                 

電流が流れることと同じことですが、口の中の金属はイオン化し腐食します。

これは金属がさびるイメージですが、歯ぐきが黒くなったり味をおかしく感じることにつながる場合があります。

                   

                     

5 歯が割れるのを防ぐ

                    

金属は歯より硬いです。また、それ自体割れることがありません。

そのため、金属を入れた歯が割れてしまうことがあります。

(セラミックの場合は、セラミックの方が割れます。)

金属を使用しない方が歯が割れる心配が少ないのです。

         

                   

               

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ジルコニアブリッジ

2015-01-17 00:37:35 | 審美歯科

最近はセラミックの歯は金属を使わないものが主流です。

               

オールセラミックスといってまったく金属を使いません。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/4d4b1986ec6961aa4529257f76293680

              

                

これは一本一本単独の歯に用いる方法でした。

                

今ではブリッジといって3本、4本つながった歯にも適応できるようになりました。

                             

              

 

(写真が少し暗いですが、まったく金属を使用していないブリッジです。)

                    

これはジルコニアという材料を使ってつくるジルコニアブリッジです。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/fa2fb562cc2b9c3fc0f86b68c6641ac8

                        

                

このジルコニアはとても強い材料で、セラミックの歯の内部に使用することによってセラミックが壊れることがとても少なくなりました。

                     

もともとブリッジに使うことは可能だったのですが、色が悪いという欠点がありました。

               

                 

一番左の歯がジルコニアセラミックですが、透明感がなく妙に白い色になっています。

            

見えるところには使えない色合いでした。

                  

                        

                   

ところが最近、ジルコニアを使用してもきれいな歯の色を出せるようになったのです。

             

              

色の問題でジルコニアブリッジを使うのは控えていましたが、材料の進歩には素晴らしいものがあり、とても綺麗な色を出せるようになっていたのです。

                

                  

口の中に金属を使わないことが主流になった現在、ジルコニアブリッジが治療の中心となっていくでしょう。

 

           

            

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解糖系とクエン酸回路(鉄と酸素不足)

2015-01-15 06:34:28 | 栄養

体の中のエネルギー産生に関して、最後に鉄欠乏について考えてみましょう。

                 

前にお話ししましたが、解糖系は酸素を必要としないエネルギー産生システムです。

                    

呼吸をする間もない(息を止めて頑張る)程、急速にエネルギーを必要とする時に働くイメージです。

                 

                    

                

                

一方、クエン酸回路は酸素を必要とするシステムです。

              

酸素を利用することによって大きなエネルギーを生み出すことができます。

(その分、活性酸素が発生してある程度体が酸化するのは、生きていくうえで避けられないことです。)

              

                 

                    

                  

もし、体に鉄が足りなかったらどうなるでしょう。

           

                

              

             

鉄欠乏性貧血という診断がありますが、鉄が足りないと赤血球が育ちません。

                

赤血球に含まれるヘモグロビンの「ヘム」には鉄が含まれています。

               

ご存じのとおり赤血球は酸素を体のすみずみに運ぶ役割をしています。

             

そのために鉄不足になると体に運ばれる酸素が少なくなるのです。

            

いわゆる酸欠です。

                 

              

                  

そして酸素が足りなければクエン酸回路の働きも弱まってしまいます。

                

鉄分が足りていない人が元気がなく不調を訴えることがあるのは、エネルギーがつくられないからなのです。

              

                        

                     

                            

                    

鉄には動物性の食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄とがあります。

                 

吸収率でいうとヘム鉄の方がずっと高いです。

                

ヘム鉄は2価のイオン、非ヘム鉄は3価のイオン。 

              

2価のイオンの方が10~20%の吸収率と高く、3価の鉄イオンは吸収率が2~5%で、2価に還元されないと吸収されません。

                  

非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂らないと吸収が悪くなりますし、お茶と一緒に摂っても吸収が悪くなります。

              

                    

                             

            

鉄分補給には、ヘム鉄が多く含まれる肉やレバー、赤身の魚、あさりなどがお勧めです。

              

ホウレンソウやプルーンではなかなか鉄が補給できないと覚えておくとよいでしょう。

 

            

                     

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解糖系とクエン酸回路(タンパク質と脂質の重要性)

2015-01-14 00:56:29 | 栄養

ヒトはブドウ糖を体の中でつくることができます。

            

タンパク質や脂肪を材料としてブドウ糖をつくることができるのです。

                    

(図ではアミノ酸からブドウ糖がつくられていますが、脂肪が代謝されてできるグリセリンからもブドウ糖はつくられます。)

       

これを糖新生といいます。

            

 

                       

「糖質を摂らないでも大丈夫なの?」という問いの答えが、この糖新生です。

             

体の中でつくることができるので、糖質由来のブドウ糖は必須栄養素とはなっていません。

                 

タンパク質に関しては必須アミノ酸、脂肪に関しては必須脂肪酸があり、体の中でつくることができないので食事から摂ることが必須となっています。

 

                    

           

動物性の食品をしっかり食べてタンパク質、脂質、ビタミンB、鉄を確保して糖質に頼らないエネルギー産生をすることが理想です。

            

ブドウ糖からのエネルギーに頼らなければ乳酸が発生することも少なくなります。                    

            

ただし、体にタンパク質が足りなければ筋肉を切り崩して糖新生を行うことになるので、タンパク質が足りていない状態でいきなり糖質制限をするのは危険です。

          

まずは動物性のタンパク質や脂質をしっかり食べられるようになることが大切です。

                 

                  

そしてタンパク質、脂質、ビタミンB、鉄でクエン酸回路をしっかり回すことができるようになれば、糖質を摂ってもその悪影響が少なくなります。

                 

           

これらの栄養素を効率よく含む食材が肉です。

               

                  

糖質制限でお肉を食べることを推奨するのがこの理由です。

          

(続く)

 

                

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解糖系とクエン酸回路(糖質を制限したら)

2015-01-13 06:35:37 | 栄養

それではエネルギー源の糖質をなくしてみましょう。

              

これがいわゆる糖質制限です。

           

 

                    

ブドウ糖がなくなって解糖系が働かなくなっても、脂肪酸があればクエン酸回路はまわります。

      

そしてそのエネルギーはブドウ糖でまかなうエネルギーよりもずっと大きいものとなります。

                 

ただし、前回お話ししたように、タンパク質とビタミンBと鉄が不足しているとクエン酸回路は正常に回りません。

               

さらに脂肪が足りない場合は、クエン酸回路を回すためにタンパク質→ピルビン酸というルートを使用せざるを得ません。

                    

これはすなわち、筋肉を取り崩してエネルギーを得ることで、体がやつれてしまいます。

                   

タンパク質、脂質、ビタミンB、鉄が足りない場合は糖質制限をするのは危険だということがわかります。

                   

                   

                         

                   

                   

具体的には穀物、野菜、豆腐を中心に食事していた人が、糖質制限としてその穀物を控えてしまう状態です。

                     

豆腐の植物性タンパク質はエネルギーを得るには不十分ですし、野菜ではビタミンBや鉄が不足してしまいます。

                 

ビタミンBや鉄は動物性食品に豊富なのです。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/d2e340e78d534a7e4d2c03941c9aae9b

                   

                 

                      

                  

                        

糖質制限を行う場合はタンパク質、脂質、ビタミンB、鉄が揃ってからでなければうまくいきません。

                           

これらの栄養素が体に入っていない場合はいきなり糖質制限を行うことは避けた方がいいです。

         

(続く)

 

 

                 

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解糖系とクエン酸回路(エネルギー産生のしくみ)

2015-01-11 20:36:00 | 栄養

解糖系はブドウ糖、クエン酸回路は主に脂肪酸を材料としてエネルギーをつくる体の中のシステムです。

                

 

 

向かって左側が「解糖系」、右側が「クエン酸回路」です。

                     

解糖系は糖質由来のブドウ糖を材料にエネルギーをつくります。

             

酸素を使うことなく瞬発的にエネルギーをつくることができます。

                  

猛ダッシュする時に息を止めているのは、この解糖系でエネルギーをつくっているのです。

                   

 

 

解糖系でエネルギーをつくるとブドウ糖がピルビン酸に変換されます。

              

このピルビン酸はクエン酸回路の材料にもなります。

              

ですから、ブドウ糖は間接的にクエン酸回路を回してエネルギーをつくることができます。

             

            

 

                      

ところが、解糖系は瞬発的に大きなエネルギーを必要とする時だけに働きます。

                

解糖系が必要ない時は、余ったブドウ糖は脂肪に変換されてしまいます。

(これが糖質で太る理由です。)

                    

しかも、クエン酸回路に回されなかったピルビン酸は乳酸に変換されてしまいます。

                 

疲労物質のイメージがある(実際は違うという説もあります)乳酸は体を酸性に傾ける酸化の要因となり、悪影響を与えます。

                   

 

     

                          

一方、脂肪由来の脂肪酸からクエン酸回路を回すのは効率がいいエネルギー産生です。

                  

脂肪酸がβ酸化されてアセチルCoAとなり、それがクエン酸回路の材料となります。

                   

またアセチルCoAはケトン体の材料となりますが、これはとても使いやすいエネルギー源で脳の活動もまかないます。

ケトン体は効率のいいエネルギー - 小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)

                   

しかも、脂肪酸から得られるエネルギー量は解糖系で得られるエネルギーの20倍近くの量になります。

                   

そして脂肪は脂肪細胞に取り込まれて貯蓄のしやすい栄養素です。

                  

効率よく、保存がきいて、得られるエネルギー量の多い脂肪がエネルギー源として最も優れているといえます。

                             

           

 

              

クエン酸回路の周りに小さい文字で書いてあるのがビタミンB群です。

             

また、クエン酸回路からさらに電子伝達系というエネルギー産生が行われるのですが、このシステムにはが必要です。

       

さらにエネルギー産生システムを動かすには酵素が必要ですが、その材料はタンパク質由来のアミノ酸です。

         

 

                       

つまり、脂肪とタンパク質、そしてビタミンBと鉄が揃っていることが元気に過ごす秘訣となるのです。

 

(続く)

 

           

           

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解糖系とクエン酸回路

2015-01-11 20:35:16 | 栄養

昨年の講演会でお話しした内容で、一番わかりにくかったと思われる部分を補足を含めて説明しましょう。

                

解糖系とクエン酸回路です。

(クエン酸回路はTCA回路やクレブス回路とも呼ばれます。)

                   

これは体の中でエネルギー(ATP)をつくるためのシステムです。

                   

解糖系はブドウ糖を代謝してエネルギーをつくります。

           

食事としては糖質がその材料となります。

            

                 

クエン酸回路はエネルギーをつくるのに、、タンパク質からのアミノ酸、脂質からの脂肪酸、糖質からブドウ糖のすべてを使うことが可能です。

               

その中でも脂質を材料として使うのがもっとも効率がよくたくさんのエネルギーをつくることができます。

                            

                     

結論としては、「糖質よりも脂質をエネルギーとして使うようにしましょう」ということです。

                      

具体的に話していきましょう。

 

 

             

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