小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

6番目の歯が一番大事

2024-07-17 22:30:06 | インプラント

以前、前歯から数えて7番目の歯を抜いたらそのままでもいい、という記事を書きました(必ずではありませんが)。

7番目の歯はいらない!? - 小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)

 

それとは逆に、「6番目の歯が非常に大切である」というのが今回の話です。

 

咬合重心と言いますが、咬み合わせが安定するのに大切なポイントは5番目と6番目の歯の間にあります。

 

そして6番目の歯が人の歯の中で一番大きく、最も食事をするのに使う歯です。

 

上の記事に書いてありますが、一番奥にある7番目の歯は6番目の歯のサポート役なのです。

(ただし、7番目の歯を主に使って食事をする人もいます。人それぞれなんですね。)

 

ですので、奥歯で一番大切な歯は6番目の歯であるといえます。

 

そして、6番目の歯は6歳臼歯と言って、大人の歯で初めて生える奥歯です。

 

まだ自分でしっかり歯磨きができない6歳くらいで生えてくる歯なので、奥歯では一番虫歯になりやすい歯です。

 

実際、6番目の歯だけが虫歯になっていて、その他の歯には虫歯がないという人がけっこういます。

 

この6番目の歯が抜けてしまっている場合は、インプラントを一番に勧めることになります。

インプラント傾斜埋入について インプラント傾斜埋入 目黒駅前 小幡歯科医院 (obatadc.sakura.ne.jp)

 

ブリッジや入れ歯も治療の選択肢にありますが、最も確実に咬めるようになり将来的にも長持ちするのはインプラントです。

「ブリッジ」のブログ記事一覧-小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)

入れ歯の種類について 目黒駅前 小幡歯科医院 (obatadc.sakura.ne.jp)

 

6番目の歯がだめになって場合にはインプラントをお勧めしています。

 

 

 

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差し歯とインプラントは違う

2024-05-13 21:42:38 | インプラント

差し歯という言葉もインプラントという言葉も一般的に知られていると思います。

 

患者さんとお話ししていると、この両者を混同している方が意外に多いことに気がつきます。

 

差し歯とは歯の根に人工の歯を差し込む治療です。

審美歯科について 目黒駅前 小幡歯科医院 (obatadc.sakura.ne.jp)

 

インプラントとは歯の抜けてしまったとことに人工の歯根を差し込む治療です。

インプラント傾斜埋入について インプラント傾斜埋入 目黒駅前 小幡歯科医院 (obatadc.sakura.ne.jp)

 

 

歯があるか(歯の根がある)、歯がないかの違いがあって、この両者は大きく異なる治療なのです。

 

差し込むことによって歯をつくるイメージが共通しているためか、取り違えてしまうことがあるようです。

 

患者さんに「前の医院でインプラント治療をしました。」と言われて口の中を見ると、インプラント治療を行った形跡がなく、実際は差し歯の治療を行っていた、なんてことがあるのです。

 

 

実は、「差し歯」というのは現代の歯科においてはなくなってしまった治療法です。

 

専門的には「継続歯」という名の過去の治療法で、歯の根にいきなり直接的に人工の歯を差し込むものです。

 

現在ではそういう治療はしません。

 

現在では、まず歯の根に土台を差し込み、その上から歯をかぶせるという2重構造的に歯をつくるやり方で治療をします。

 

ただ、土台を差し込むという治療手順があること、差し歯という言葉が一般的に浸透していることを考慮して、本来は死語になっている「差し歯」という治療法で説明しているのが現状です。

 

 

その現代の歯科治療においては、土台の上にかぶせる歯の材質にいろいろな種類のものが用意されています。

 

大きく分けると、ジルコニア、セラミック、プラスチック、です。奥歯では金属を使うこともあります。

 

それらの材質の大きな違いは硬さです。

 

ジルコニアが一番硬くて、プラスチックが一番やわらかいです。

 

歯の状況を考慮して一番適切な硬さの歯を選択するようにしています。

 

 

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インプラントと移植はどちらが簡単か。

2023-04-11 21:46:43 | インプラント

歯を抜いたところに「歯を生やす」方法には、インプラント治療か歯の移植治療の2つの選択肢があります。

 

どちらの治療が難度が低いのでしょうか。

 

私は症例によって、どちらの治療法が簡単でやりやすいかが変わると考えています。

 

1 インプラント治療の方が簡単な場合

 

歯を抜いてから年数が経っていて、抜いた穴がなくなっていている場合です。

インプラントを埋入するのに必要な「穴」は直径4ミリ、長さ10ミリ程度です。

すでに抜いたところが治っている場合は、インプラント用の穴をあける方が簡単です。場合によっては切開せずにインプラントを埋入することができます。

インプラント傾斜埋入について インプラント傾斜埋入 目黒駅前 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

歯を移植する場合は、基本的にこれより大きな穴を骨に開ける必要があります。

 

つまり、抜歯してから長い期間が経っていると、インプラント治療の方が簡単に行うことができるのです。

 

 

2 移植治療の方が簡単な場合

 

歯を抜いて間もない場合で、骨に大きな穴が開いている状態の時です。

この場合は、その穴の開いたところに移植する歯を合わせるので、骨を削る必要がないことがほとんどです。骨がなくても、移植する歯に「骨を作る能力」があるので、新たに骨を付け足す必要がありません。

移植・再植について・ 目黒駅前 品川区 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

インプラント治療の場合は、穴が大きい場合は人工の骨を付け足す必要があります。

 

つまり、抜歯してすぐの場合(抜歯して2周間程度)は、移植治療の方が簡単に行うことができるのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

抜歯してからどれくらい期間が経っているかが、両者の治療の難度の差を決定します。

 

歯の移植をする場合は、歯を抜いてから2週間後くらいに行うのが適正です。

 

 

 

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インプラントの寿命

2022-09-30 00:35:04 | インプラント

寿命シリーズの最後はインプラントです。

 

当院の用いているストローマンインプラントについての残存率のデータがあります。

 

10年で96.2% (1999年、Buser)

10年で99.2% (2003年、Lambrecht)

 

と高い数字が出ています。

 

また、1995年に出された日本人(森田、石村、石川ら)によるデータでは

 

10~15年の寿命は上顎で90%、下顎で94%

 

となっていて、すべて90%を超えています。

 

ブリッジの寿命が8年で50%、入れ歯の寿命が4年で50%でした。

 

 

それらに比べるとインプラントの寿命はかなり長いです。ブリッジや入れ歯よりもインプラントの方が長くもつという点において、実際に臨床においても同じような実感があります。

 

きちんと適応症を選べば、インプラントが最も長持ちする治療と言えます。

 

 

 

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簡単なインプラントオペと難しいインプラントオペ

2022-04-27 09:09:52 | インプラント

インプラントを埋入する手術には「簡単なもの」と「難しいもの」があります。

 

インプラント傾斜埋入について インプラント傾斜埋入 目黒駅前 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

この記事は16年前に書いたもので、「簡単なインプラント手術」の内容になっています。

(そろそろ内容を更新しないといけません。)

 

手術を簡単なものと難しいものに分ける基準は、顎の骨の形によって決まります。

 

インプラントを埋入する部分の、顎の骨の長さと幅が十分であれば簡単な手術ですみ、不十分であれば難しい手術が必要となります。

 

具体的には幅が6ミリ、長さが10ミリあれば簡単な手術で済みます。

 

そして、簡単な手術では切開をする必要がなく、難しい手術では切開をしてなおかつ骨をつけ足す必要があります。

インプラントの骨造成 - 小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)

 

近年、難しいインプラント手術が増えてきました。

 

その理由の一つは、簡単な手術は多くの歯科医院でできるようになって、普通の治療法として定着したからです。昔はインプラント手術ができる歯科医院が少なかったので、近所の歯科医院でインプラント治療を断られることがよくありました。地方から、わざわざ東京に出向いて治療をしている人が多かったのです。現在は日本のどんな場所でもインプラント治療を受けられるようになりました。

 

もう一つの理由はある種の矛盾点なのですが、治療が厳しい歯を残せるようになったからです。それはどういうことかというと、保存の厳しい歯を残すと、その歯がダメになって抜いた後に顎の骨も十分な形に残らなくて、インプラント治療をするには難しくなってしまうということです。

 

実は歯に問題が生じた時に、なるべく早く抜いた方がその後のインプラント治療はやりやすいです。

 

歯が残すのに厳しい状態でも、なんとか残すように治療した場合の方が抜いた後のインプラント治療は難しくなります。

 

ですから、インプラント治療をする予定であれば「歯を早めに抜いた方がいい」という考え方があるのです。

 

歯がどのような状態になったら抜歯するか、という基準は各医院まちまちです。正解はないと言えるでしょう。患者さんの年齢、健康状態、生活環境、経済状況など様々な要因を考慮して決めることです。

 

当院では厳しい歯でも残す方針でやっていますので、難しいインプラント手術が多いです。

 

手術法も材料も常に進歩しているので、情報収集と研鑽を常に積むようにしています。

 

 

 

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6番目の歯が大切

2021-06-28 09:00:00 | インプラント

前回、7番目の歯のインプラント治療は積極的にお勧めしていないことを話しました。

          

これと逆に、6番目の歯の治療は積極的にお勧めします。

 

6番目の歯が奥歯でものを咬む時に要となるからです。

 

ですので、6番目の歯にインプラントをお勧めすることがとても多いです。

        

ブリッジを避けて左下6番にインプラントを入れました。

      

 

たまたま全て左下ですが、6番目の歯があるとないとでは大違いです。

                

インプラント治療をすることに抵抗がある人でも、このように奥歯1本で咀嚼能力が上がることが見込める場合は、第一選択としてインプラント治療をお勧めしています。

 

 

 

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7番目の歯はいらない!?

2021-06-27 21:15:59 | インプラント

歯は親知らずを除くと全部で28本あります。

 

右上や左下などと片側に着目すると、前歯から数えて7本の歯があります。7本の歯が上下左右にあるので、7本×4=28本となります。

 

すべての歯は大切で無駄にしたくないのですが、あえていらない歯があるとすれば前から7番目、一番奥の歯が該当します。私達は専門的にその歯を「7番」と呼んでいます。診療の場面で、歯を「〇番」と呼んでいるのを聞いたことがある方も多いと思います。

 

一番奥の歯を失った時に、あえて治療を行わずに抜けたままにすることは多いです。

 

もし7番目の歯が抜けた時に治療するとなると、インプラントが第一選択となります。

 

7番目の歯が必要かどうかは、基本的には左右の咬み合わせのバランスを考慮して決めますが、一番のポイントは患者さんが咬みにくくないかどうかです。

 

7番目の歯がなくても6番目の歯で十分咬むことができる人もいますし、7番目の歯がないと咀嚼能力が急激に落ちてしまう人がいます。もともと人間が奥歯でものをかむ時に、一番使うのは6番目の歯です。7番目の歯は6番目の歯で咬むことをアシストする役割です。7番目の歯の助けを借りなくても6番目の歯で咬むことができる人は、7番目の歯を治療する必要がなくなります。

 

そういうわけで、7番目の歯のところにインプラントを入れることは多くありません。

 

右上7番がインプラントです。

 

右下7番がインプラントです。

 

左下7番がインプラントです。

 

これらは患者さんの要望によってインプラント治療を行ったもので、実際にインプラント治療を行って咀嚼能力が上がりました。

 

7番目の歯の治療は歯科医側からは積極的にお勧めしないものです。

 

 

 

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Anycheck

2019-11-24 20:57:16 | インプラント

 

これは何の器械でしょうか?

 

一見、おもちゃのように見えます。

 

Anycheck というインプラントに関わるアイテムです。

    

具体的には、「インプラントがどれくらい骨にくっついているか」を測る器械です。

     

使い方はこのサイトがわかりやすいです。

https://neobiotech.jp/2019/01/28/anycheck/

 

要は、この器械でインプラント(につけているキャップ)を叩いて「インプラントがどれくらい骨にくっついているか」を測ります。

 

その評価は数字で行われ、70以上で問題なくインプラントがくっついていると判断され、50以下であれば問題がある(インプラントと骨のくっつきが弱い)と判断されます。

          

実際使用してみると、その再現性の高さに驚かされました。

       

何度測ってもほぼ同じ数値が表示されるので、この器械はかなり信用して使うことができます。

         

叩かれると少しびっくりされると思いますが、それほど強く叩かれることはないので不快ではないと思います。

   

今後、インプラント治療をされた患者さんはこの器械で叩かれることになります。

     

            

         

 

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インプラントの骨造成

2019-11-15 21:47:36 | インプラント

顎の骨が足りないところにインプラントを埋入する場合に、骨をつけ足す手術法を「骨造成」といいます。

               

骨を付け足して顎の骨のボリュームを増してインプラントを骨の中に入れます。

            

問題はつけ足す骨をどこから持ってくるかということです。

             

持ってくる骨は大きく分けて3種類あります。

    

1 人間の骨

2 動物の骨

3 人工の骨

              

1 人間の骨の場合

一般的には自分の顎から骨を取ります。自分の骨ですから拒否反応はありませんが、手術する場所が2か所になることと取る骨の量に限度があることがデメリットです。また、自分の骨は手術の後に吸収しやすいという特徴があります。

  

2 動物の骨の場合

安全に育てられた牛や豚から取った骨を使います。自分の骨と違い、いくらでも供給できるというメリットがあります。また、自分の骨ほどは吸収しないという点もメリットです(自分のものではないので吸収しにくいと考えられます)。

唯一のデメリットは感染のリスクを完全には否定できないということです。狂牛病が問題になった頃にその議論がよくなされました。観念的なものですが動物の骨を避けるドクターもいます。

 

3 人工の骨の場合

人工的に骨の成分を生成したものを使います。いくらでも供給できることと感染するリスクがないことがメリットです。生体(人や動物)由来ではないため、骨のできが悪いことがデメリットとされています。

             

当院では骨造成においては人工の骨をお勧めしています。一般的には骨のできが悪いことがそのデメリットとされていますが、2種類の人工骨を用いることによってそのデメリットを回避しています。

        

2種類の人工骨とはアパタイトとβ-TCPです。

 

アパタイトは歯磨き粉に入っていることで有名ですが、実際に骨の成分です。β-TCPはリン酸3カルシウムのことで、骨を燃焼させた時に得られる物質ですが、それを人工的に生成したものです。

 

アパタイト

        

β-TCP

                  

          

アパタイトは溶けません。β-TCPは溶けた後に骨に変わり(置換)します。この二つの人工骨を半分ずつ混ぜることによって、人工骨の骨のできにくいデメリットを回避します。溶ける人工骨と溶けない人工骨の特性のいいとこ取りをしようという考え方です。

      

当院でおこなうインプラントの骨造成には人工の骨を用いています。

       

       

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新しいインプラントシステムを導入しました。

2019-11-15 20:56:12 | インプラント

20年以上前から、当院ではストローマンインプラントを用いていました。

          

https://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/d1de553d3ed1b184f7077efa13ba4f33

 

このインプラントはスイス製で、世界でもトップクラスのシェアを誇るインプラントです。

          

顎の骨の幅と長さがきちんとある場合は、最も成功率の高いインプラントであると実感しています。

         

ところが最近は、インプラント治療をしようとしても顎の骨が薄くて難しいケースが増えました。

        

実は、歯を残そうとすればする程、歯を抜いた後の顎の骨の状態は悪くなってしまうという側面があります。

       

まだそれほど悪くなく残せそうな状態で歯を抜いた方が、抜いた後の顎の骨の状態はいいのです。

            

以前はインプラントを行うケースの顎の骨の状態がよかったというのは、当時(30年くらい前)は簡単に歯を抜いていたということです。

      

これは、その当時に歯を残すための器具や機械、そして材料がなかったためです。

 

当時残せなかった歯も、現在ではかなり厳しい状態でも残せるようになりました。

 

それだけ、歯科治療は進歩しています。

    

ところが、歯をとことん残そうとすると、その歯を抜いた後はインプラント治療がしにくいという状況になってしまいます。

   

だからと言って、インプラント治療をするために残せる歯を早めに抜いてしまうのは本末転倒です。

   

インプラント治療をする際にあごの骨の状態が良くない場合は、骨造成といって骨を付け足すという手術法があります。

             

その手術法に優れた特性を持つインプラントを新しく導入しています。

      

プラトンインプラントです。

 

https://platonjapan.co.jp/

 

このインプラントの特徴は表面がアパタイトコーティングされていることです。

(ストローマンインプラントの表面はチタンを加工したものです。)

 

アパタイトは骨の成分でもあり、骨誘導といって骨がくっつきやすい性質があります。チタンも骨と結合しやすいのですが、より積極的に骨がくっつくのがアパタイトコーティングのインプラントです。

        

顎の骨が足りなくて骨を足す必要がある場合は、アパタイトコーティングのプラトンインプラントを使います。

     

顎の骨が十分にある場合は、従来通りチタン表面のストローマンインプラントを使います。

              

今後は骨の状態によってインプラントを使い分けるようになります。

 

 

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インプラントに歯をいれても噛めない

2019-01-13 20:55:54 | インプラント

インプラントは顎の骨にチタンのボルトを埋め込み、自分の歯のように噛めるようにする治療法です。

             

実際は、自分の歯よりも強く咬めてしまうので、咬み合わせの調整はシビアになります。

                    

インプラントは歯のないところに埋め込むので、ある日いきなり歯ができることになります。

              

いきなり歯ができて噛めるようになるかというと、そうではない場合もよくあります。

              

向かって左側の歯のないところに、インプラント治療を行いました。

           

              

インプラント手術の後、2か月で仮歯を入れました。

                 

さあ、これで噛めるようになりますよ、と言っても「あまり噛めません」と言われることがあります。

               

なぜ、噛めないのでしょうか。

               

食べ物を噛む時には、歯だけではなくほっぺたや舌も使います。

        

ほっぺたや舌を使って歯の上に食べ物を乗せて、上下の歯で噛み砕いたり噛みつぶしたりします。

                 

歯がなかった期間が長いと、このほっぺたや舌がうまく動かなくなっていることがあります。

             

そのため、食べ物をうまく歯の上に乗せられないのです。

                    

また、ずっと反対側で食べていると顎がそちらの方にずれてしまっていることもあります。

                 

顎がずれてしまっていて、歯を入れた方では噛めなくなっているのです。

               

噛めるようになるにはリハビリという名の練習が必要です。

           

歯科でのリハビリを「オーラル リハビリテーション」と言います。

                

 

リハビリは数か月から半年くらいかかることがあります。

               

患者さんがリハビリするのに合わせて歯科医は歯の形を噛めるように調整していきます。

             

仮歯である程度噛めるようになったことを確認したら、本歯にします。

             

インプラントを入れてもすぐに噛めないこともあるのです。

      

       

                 

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インプラント体の進歩

2017-12-14 23:37:21 | インプラント

私は20年前からインプラント治療を行っていますが、この30年でインプラント体(フィクスチャーと言います)は日進月歩で進化しています。

    

黎明期のインプラントはセラミック、サファイア、アパタイトでつくられていましたが、強度が低く脆かったためおよそ30年前に純チタンのインプラントが主流になりました。

 

その表面の性状が絶え間なく進歩しているのです。

                

初期のチタンインプラントは機械研磨といって、表面がツルツルのものが使われました。今では当たり前ですが、チタンが顎の骨にくっつく(オステオインテグレーション)ことが証明された時代です。

 

 

その後インプラント体表面はざらざらしている方がより骨にくっつくことがわかり、TPS( Titan Plasma Spray coating)が開発されました。これはチタン表面をプラズマスプレーして表面を粗造にしたものです。

               

私がインプラントを始めた頃はこのTPSが主流でした。

                 

              

                 

そして、より骨にくっつくようにSLA. (Sand-blasted, Large grid, Acid-etched)が開発されました。

これはチタン表面にサンドブラストとリン酸エッチングの処理を併用したものです。

              

               

             

 

そして現在では、SLAactive が主流となりました。

             

           

SLA処理したインプラント表面は超親水性ですが、空気に触れると空気中の揮発性有機化合物がくっついて親水性が低下します。この超親水性を保つために、製造してすぐに生理食塩水に浸漬させたものがSLAactiveです。食塩水の中に保存された状態で出荷されます。超親水性の証拠に、血液に触れるとスポンジが水を吸い込むように血液がインプラント表面に吸収されていきます。

               

インプラント体の進歩とともに骨とのくっつきがよくなり、手術後すぐにインプラントに歯を入れることができるようになりました。

       

初期のインプラントは手術後4か月~6か月経過しないと歯をつくれませんでした。

    

現在では2週間で歯を入れることができます。

                 

これだけ進歩しているインプラントですが、長く快適に口の中で機能させるために定期的なメンテナンスが必要であることは、いつの時代になっても変わらないことです。

          

 

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大口式インプラント法と無切開手術

2017-12-11 14:18:02 | インプラント

当院のインプラント埋入手術は歯ぐきを切開しない無切開手術が基本です。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/implant.html

             

骨の状態がわかりにくかったり、骨が薄い場合には歯ぐきを切開して骨を確認したり、骨や人工骨をつけたしたりします。(現在ではCTによって事前に骨の状態が詳細にわかるので、切開が必要かどうかは手術前に決まります。)

             

当院では大口式インプラント法を導入しても手術を無切開で行うことが多いです。

      

大口式は骨の薄くなった症例に効果を発揮するので、基本的には切開をするものだと思っていました。

      

実際、導入前に受けた実習でも、紹介されているのは歯ぐきを切開している症例ばかりでした。

                 

ところがこんな動画を見つけました。

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/implant.html

                 

大口式を無切開で行っています。

            

大口先生ご本人の投稿ですから、無切開手術でも適応なのでしょう。

             

無切開手術自体がとても体に優しい低侵襲の手術になりますが、それに大口式を併用すると究極の低侵襲オペとなります。

         

手術時間は長くなりますが、体に優しいので患者さんには喜ばれる処置になるのは間違いありません。    

 

 

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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大口式インプラント法

2017-12-09 02:31:07 | インプラント

大口式インプラント法を導入しました。

http://www.medical-apex.com/service/product/pro-oam/

 

昭和大学の尾関雅彦先生のインプラントの講習を聴いたことがきっかけでした。骨の少ない難しい症例に低侵襲でリスクの少ないインプラント埋入法を紹介していました。

 

直感で自分の臨床に合うと思い、大口式インプラント法のセミナーを受けました。セミナーは豚の骨を使った実習でした。

                   

これは骨を削らないインプラント埋入法です。

                

 

最初に細い穴を開けたら、専用の器具で徐々にゆっくりとその穴の直径を大きくしていきます。インプラントのフィクスチャーの直径は基本的には3.3mmか4.1mmです。

          

削ることなく穴を大きくしていくメリットは骨が削り取られないことです。また、骨の密度を高める効果もあります。

            

特に顎の骨が薄い場合にその効力を発揮します。

                 

          

当院の基本方針である歯ぐきを切開しない方法(ノンフラップ手術)に応用しました。

専用の器具でインプラントを入れるための穴を徐々に大きくしていきます。

               

ドリルを全く使わずに処置を終えることができました。

             

歯ぐきを切開せずに、骨も削らずに手術を終えました。

究極の低侵襲のオペと言うことができます。

                

使用した器具、オーギュメーターです。

          

一番最初に細いドリルで穴をあけた後は、全くドリルを使わずこの器具で穴を大きくしていきます。

患者さんも「いつ、手術が始まるのかと思ったら終わっていた。」と話していました。

                 

ただ、この方法は通常のインプラント手術よりは時間がかかります。

今回の手術は10分で終わるところを、30分かかりました。

             

また、手で骨を拡大していくので、術者の手首が疲れます。

                

デメリットはそれくらいで、あとは体に優しく骨を無駄にしない、そして骨のないところにもインプラントが埋入できる素晴らしい手術法であると言えます。

          

細い穴から始めるので、様々な症例に応用が利くと期待されます。

      

何よりも手術の体に与えるダメージが少ないのが患者さんに喜ばれることでしょう。

 

 

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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保険治療と自費治療(その4)

2012-08-30 06:08:00 | インプラント

自費治療とは「時間」と「技術」をかけることであると説明して

きましたが、もう一つ大切なことがありました。

 

 

「知識」です。

 

 

どうすれば歯が長持ちするか、どうすれば快適に過ごせるかの

知識を患者さんに持っていただくことです。

 

 

知っていれば防げる病気というものは多いものです。

 

知識があるだけで健康になれる分野というものがあります。

 

 

その知識を得ていただきたいという目的でこのブログを書き

始めました(いちいち説明する手間を省きたいという思いも

ありましたが(笑))。 

 

 

歯科の主な病気、虫歯と歯周病になる原因の多くの部分に

「糖質」が絡んでいます。

 

 

 

そのため、最近は「糖質制限」の内容が多くなっています。

 

 

「そんなことを教えたら歯医者の仕事がなくなっちゃうんじゃないの?」

 

 

と言われることがあります。 

 

 

残念ながら、今の日本の現状では歯医者の仕事がなくなることは

当分なさそうです。 

 

 

 

では、何故せっせと糖質の悪影響を説いているのでしょうか。

 

 

答えは簡単、自分のつくった歯を長持ちさせたいからです。

 

 

 

多くの歯医者がそうだと思うのですが、自分のつくった歯を

芸術作品のように思っているものです。

 

 

芸術家が「作品は我が子同然だ!」と言うのと同じです。

 

 

自分のつくった歯が長持ちせずにダメになった時のショックは

計り知れません。

 

 

今回は感情移入した文章になっていますが、こんな思いで

糖質制限について語っています。 


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