小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

ヒトはなぜ太るのか?

2013-08-20 19:16:17 | 栄養

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ゲーリー・トーベス著 「人はなぜ太るのか?」を読みました。

 

食べても太らない人がいる一方でちょっとしか食べなくても

太ってしまう人がいます。

 

太る体質があるのはなんとなく想像できますね。

 

それを科学的に説明しているのがこの本です。

 

 

 

太るということは体に脂肪が溜まるということです。

 

いつも言っていることですが、肥満の原因は糖質です。

タンパク質や脂質では肥満になることはありません。

 

体の中で、消費されなかった糖質が脂肪に変換されて

太ってしまうのです。

 

エネルギーとして使われなかった糖質はグリコーゲン

という形で肝臓や筋肉に貯蔵されます。

 

グリコーゲンとして貯蔵する量には限界があるので、

残った糖質(ブドウ糖)を脂肪に変えて体は貯蔵しようとします。

 

 

体質的に太りやすい人は糖質を脂肪組織に

溜め込むことを優先しやすい、というのが

この本における肥満の原因の答えです。

 

 

このブログでも説明してきましたが、脂肪は体にとって必要です。

 

脂肪酸はすぐに使えるエネルギーですし、中性脂肪は

脂肪酸からつくられる貯蓄用のエネルギーです。また

コレステロールは細胞の膜やホルモンの材料となります。

 

体を元気に保つためには脂肪は大切なのです。

 

大切な脂肪ですが、それをひたすら溜め込もうとする体質が

あるそうなのです。

 

体の中の脂肪を肝臓や筋肉に貯めずに、脂肪組織に溜め込む

ことを優先する。

 

それはどういうことかというと、必要なところに脂肪がいかない

ということです。

 

体の中に脂肪はたくさんあるのに必要なところに脂肪が

いっていないと、体は飢餓状態のようになります。

 

これを内在性飢餓というそうです。

 

たくさん脂肪を摂っていても体が飢餓状態になっているので、

さらにたくさん食べたくなります。そして飢餓状態であるため

カロリーを消費しないように動かないようにします。

 

太っている人が過食で運動しないことがあるのはこのためです。

 

 

過食で運動しないから太るのではなく、太っていながら体が

飢餓状態にあるため過食で運動不足なのです。

 

 

 

これには遺伝的な要素もありますが、生活習慣が原因の場合

もあります。

 

糖質を脂肪に変えるのは膵臓から分泌されるインスリンの

働きによるものです。

 

インスリンが出れば出るほど糖質は脂肪に変わっていくので、

インスリンは肥満ホルモンと呼ばれます。

 

ですからインスリンが出ないようにする糖質制限を行うことが

肥満を防ぐのに最も効果的な生活習慣です。

 

 

 

では、脂肪を溜め込む体質は改善できないのでしょうか。

 

この答えがタンパク質と脂質の摂取です。

 

体を動かす基本の栄養素、タンパク質と脂質をしっかり摂る

ことで体は飢餓状態から脱してエネルギーを貯蓄する体から

エネルギーを使う体に変わっていくのです。

 

脂肪の代謝を上げること、つまり脂肪を溜め込まないで

エネルギーとして使うようになれば活動的になり太る

こともありません。

 

究極はマラソンランナーでしょうか。

 

食べたものはみな運動の燃料として使うことができるので、

細身でありながらエネルギッシュに動くことができるのです。

 

 

糖質を制限してインスリンによる脂肪の取り込みを防ぎ、

タンパク質と脂質を積極的に摂ることによって栄養分を

取り込まずエネルギーとして使うようにする。

 

 

これは健康な体をつくることでもあります。                

 

低糖質、高タンパク質、高脂質。

 

 

いつも言っていることに収束しました。

 

 

なお、この内容をツイッターで解説したものをフォロワーの方に

まとめていただきました。

http://togetter.com/li/550170

 

詳しくはこちらをご覧ください。


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熱中症予防にスポーツドリンク!?

2013-08-13 23:18:08 | 予防

夏本番、暑い日が続きます。

 

 

「熱中症予防にスポーツドリンク」という標語を聞いたことは

ありませんか。

 

 

脱水症状にならないようにスポーツドリンクを飲むことが

あるのではないでしょうか。

 

 

今回はこのスポーツドリンクにダメだしです。

 

 

 

スポーツドリンクにはかなりの量の糖分が入っています。

 

この糖分によって虫歯になる危険があるのが第一点。

 

この糖分によって血糖値が不安定になるのが二点目。

 

そして、糖分を含む飲み物を飲むとかえって脱水が進む

という第三点目が今回の本題です。

 

 

 

糖分は分子量が大きく浸透圧で水分を引き寄せます。

 

 

ですから、糖分が体の中にたまるとかえって水分と一緒に

体の外に排出されます(利尿作用)。

 

 

これは塩をふくむと水が欲しくなるのと似ていて、糖分を含む

飲み物を飲むとかえって喉が渇いて余計に水分が欲しくなる

という悪循環を生みます。

 

 

脱水防止には水分と塩分を補給するのがよいのです。

 

 

塩分は食事から摂って、「水」を飲むのが一番だと思います。

 

 

カフェインにも利尿作用があるので、脱水防止にはお茶も

よくありません。

 

 

脱水防止にはその名の通り、「水」を飲みましょう。

 

 

塩分は食事の塩っ気を少し増したり、日本の伝統的な

保存食「梅干し」を口に入れるのもいいでしょう。


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長生きの秘訣は動物性食品だった!

2013-08-09 22:30:49 | 栄養

こういう記事をみつけました。

http://www.oil.or.jp/info/21/21_1.html

 

 

100歳以上の長寿の方々の食生活を調べたら、当初菜食主義者が

多いと予想していたのに反し、肉や魚や卵などの動物性食品を

たくさん食べていることがわかった、というのです。

 

 

これは私の「臨床実感」とも一致します。

 

 

当院に元気に通っている80歳以上の方々に食生活のことをお聞き

すると、まず例外なく「肉が好きで今でもしっかり食べている」と

おっしゃるのです。

 

 

これは肉、魚、卵などに含まれる豊富なタンパク質が体をつくり、

長生きの元になることを示しています。

 

 

歯の内部構造、歯ぐき、顎の骨はタンパク質を中心として

つくられています。

 

 

お口の中の健康を保つためにも、動物性たんぱく質をしっかり

摂りましょう。


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腸の話を聞いてきました。

2013-08-03 23:58:59 | 栄養

先日、腸についてのセミナーに参加してきました。

 

以前、藤田 紘一郎先生の「脳はバカ、腸はかしこい」という本をご紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/d/20130311

 

すでにそういう雰囲気がありますが、これからは腸がブームになるでしょう。

 

 

以下、セミナーの概要です。

 

腸内細菌叢を変えることは至難の業、といいますか

不可能に近いです。

 

 

善玉菌を増やし悪玉菌を減らしたいところですが、直接

それを達成する方法はありません。

 

 

そういう環境をつくり、間接的に少しでも改善させようとする

しかありません。そういう商品開発はされていますし、今後も

増えるでしょう(プロバイオティクス、プレバイオティクス)。

 

 

ヨーグルトを食べても、その中の善玉菌が胃酸をくぐり

抜けて腸まで達する可能性は少ないです。

 

 

商品開発者の方々も腸に届かせることを命題としていますが、

これがまた至難の業なのです。

 

 

ちなみに、細菌を善悪に分けたのは人間であって、両者とも

必要な仕事をしています。悪玉といわれる菌もなくてはなら

ないものなのです。

 

 

悪玉菌は便通を不快にしたり嫌な匂いのガスを発生させますが

、必要だから行っています。下痢や便秘にも意味があって、そう

なる原因があるから悪玉菌がそういう仕事をしています。

 

 

もちろん、通常の便通になるような環境づくりは大切です。

 

 

 

第二の脳と呼ばれる腸には独立した神経系と免疫系があります。

 

 

原生動物の頃から獲得されていたこの腸管免疫はとても賢く、

適切に身体の状態を把握し身体に有害なものを排除する機能

があります。

 

 

下痢は優れた異物排除システムなのです。

 

 

また、腸内細菌叢と口腔内細菌叢は連動します。

 

 

腸の具合が悪いと口の中も調子が悪くなり、その逆もあります。

 

 

そして、口腔内のカンジダなどの酵母の中にピロリ菌が常在

しています。これは除菌した胃のピロリ菌再感染の原因に

なり得るものです。

 

 

口腔内の細菌叢を変えることも難しいのですが、その細菌数

を減らすことは可能です。

 

 

そのためにはしっかり歯を磨きましょう。

胃や腸を健康に保つためにも歯磨きはとても

大切なのです。

 


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