小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

血糖値とケトン体には負の相関関係がある

2016-11-30 18:12:26 | 栄養

血糖値は血液中のブドウ糖の濃度です。

             

ブドウ糖は解糖系のエネルギー源です。ケトン体はクエン酸回路のエネルギー源です。

http://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/2e7bead9089026497cb673462c198ea8

 

そして、解糖系とクエン酸回路は同時に働きません。

          

エネルギーをつくるのにはどちらか一方が働きます。

(解糖系は瞬発力のような瞬間的なエネルギー産生システム、クエン酸回路は持続力のような長期的なエネルギー産生システムです。)

               

血糖値が高いということは、血液中にブドウ糖が多いということです。

        

その場合、解糖系が優先的にエネルギー産生に働きます。

                

ブドウ糖がなくなって、脂をエネルギーとして使わなければならなくなって初めて、体はケトン体を溜め込もうとします。

            

ですから血糖値とケトン体濃度は反比例する傾向にあるのです。

        

ただし、インスリンが働けば血糖値は下がりますし、頭や体を使ってケトン体を消費していればケトン体は下がりますので、必ずこの両者が反比例するとは限りません。

      

私自身測ってみると、綺麗に両者が相反するデータが出ました。

 

 ケトン体    血糖値

①  100      110

②  400      103

③  800       89

④ 1200       74

             

①は糖質のやや多い食事をした後です。(牛丼屋のつゆとトン汁の根菜類です。)

②は糖質の少ない食事をした後です。(ステーキに付け合せがブロッコリーです。)

③は食後8時間経ってかなり空腹になっている時ですが、途中で補食をしています。

④は同じ食後8時間ですが、その間何も食べていない状態です。空腹でブドウ糖が枯渇するとケトン体が動員されることがわかります。

             

ところが例外もありました。

         

             

ケトン体も血糖値も低い状態です。血糖値は下がり過ぎの警告がついています。

         

これは激しい運動をして体が疲弊している状態で測ったものです。

               

エネルギー切れの様相です。

          

         

一時間の休憩をとったら、ケトン体は上がり血糖値は回復していました。

                

ブドウ糖の枯渇に対してケトン体が上がり、糖新生によって血糖値も回復しています。

(何も食べていません。)

              

激しい運動が体に悪いことが伺えます。

                 

少なくとも激しい運動をする際には、エネルギー不足にならないように脂肪を補給する必要があるでしょう。

                 

運動が激しくなるタイミングに合わせて糖質を摂るのもいいかもしれませんが、私は糖質を補給しないようにしています。

         

ケトン体と血糖値を測ることによって、体の中でエネルギー代謝がどのように行われているか推し量れるので興味深いです。

                     

 

 

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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血糖値とケトン体

2016-11-28 17:43:38 | 栄養

空腹時の血糖値の正常値は100mg/dl以下です。

           

これが110~125mg/dlであれば境界型糖尿病、126mg/dlであれば糖尿病と診断されます。

                

糖質を摂ると血糖値が上がります。

               

血糖値が140mg/dl以上になると体に悪影響を及ぼすようになると言われていますので、血糖値が不安定だったり糖尿病の人は血糖値が140以上にならないように気をつけています。

       

私の測定では80mg/dlでしたが、逆に60mg/dlと低いのは低血糖状態でありこれも体にいい状態ではありません。

                

これは今まででも常識だったのですが、ケトン体は違います。

              

                

 

正常値は28~120μmol/Lです。

              

私の1100μmol/Lは異常値です。

               

ですが、糖質制限をしてケトン体をエネルギーにする食事をすると、ケトン体が1000どころか2000,3000果ては5000μmol/L以上という方もいます。

          

ケトン体は体に悪影響を及ぼす物質ではなく、血液中の濃度が高くても問題はありません。

            

今までの常識と異なっています。

          

ケトン体を積極的にエネルギーとして使う食事スタイルをケトジェニックと言いますが、

101~999μmol/Lをセミケトジェニック

1000μmol/Lをケトジェニック

の状態といいます。

           

以前はケトン体が高いことは体が酸性に傾いて害があると言われていましたが、現在ではケトン体が高いことは問題とはなりません。

         

ただし、インスリンが分泌していないとケトン体が高いことが体の酸性化につながることがあるので、専門家の受診が必要です。

              

 


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ケトン体測定

2016-11-27 17:01:31 | 栄養

血中のケトン体濃度は血液検査で調べますが、最近は一滴の血で測定できるようになりました。

 

           

この器具から針が飛び出して、血が一滴出るようになっています。

        

その血液をセンサーに塗りつけて測定器に挿入すると、検査データが出ます。

                

ケトン体の測定です。

            

1100μmol/Lです。(機械では単位がmmol/Lです。)

            

この測定器では血糖値も測ることができます。

              

80mg/dlです。

                     

この測定器は医療従事者でなくても購入することができます。

               

フリースタイルプレシジョンネオという商品でいろいろなところで販売されています。

http://products.abbott.co.jp/general/diabetes/product.html

                     

ケトン体と血糖値を測ることで、自分の体の中のエネルギー代謝がどうなっているか想像することができます。


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東京ケトン体講演会

2016-11-03 14:48:07 | 栄養

遅れましたが、10月2日の東京講演会のご報告です。

         

                

宗田先生、三嶋先生と行った、大阪、福岡講演会に次ぐ第三弾でした。

                

今回もケトン体の効能を中心に宗田先生が産婦人科医の立場から、三嶋先生が塾の先生の立場から、私は歯科医の立場からお話をしました。

             

今回特筆すべきは専門家の方々に参加いただいたこと。

                 

写真は韓国からいらした4名の医師の方々と、新宿溝口クリニックの溝口先生とご一緒したものです。

                

              

さらに特筆すべきは、溝口先生に質疑応答に参加していただいたことです。

              

少し難しく講師3人とも専門外の質問が、会場から出ました。

              

そこで溝口先生にご登壇いただいたのです。

                   

もちろん栄養療法の第一人者の溝口先生は、明確にお答えになりました。

                  

講演を聞きに来ていただいた先生に、質問に答えていただくという荒業に快く応じていただいた溝口先生に感謝いたします。

            

溝口先生はブログにも書いて下さいました。

http://orthomolecule.jugem.jp/?eid=1275

 

 

また、会場にはたがしゅうブログで有名なたがしゅう先生もいらしていました。

http://tagashuu.blog.fc2.com/

                

糖質制限を推奨する神経内科の先生なのですが、とても理知的に質問をしていただきました。

             

実際にもお話ししましたが、とても知的な先生でした。

                 

             

講演ももちろんですが、質疑応答にとても刺激を受けた講演会となりました。


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