遅延型アレルギーは、その名の通りアレルギーの発症に時間がかかるものです。
即時型アレルギーにIgE抗体が関わるのに対し、遅延型アレルギーにはIgG抗体が関わります。
即時型と異なり遅延型は発現するのに時間がかかり、また蕁麻疹や呼吸困難、ショックなどの重篤な症状を呈さないためにアレルギーと気がつかない場合がほとんどです。
また、この検査は保険適応ではなく対応できる医院も限られています。
私も実際にその検査を受けている方達からの情報がほとんどで、臨床実感がないのが実情です。
遅延型アレルギーの具体的な症状は頭痛、めまい、うつ、などの精神神経症状、肩こり、慢性疲労や、便秘・下痢などの腹部症状、肌荒れ、にきび、アトピーなどの皮膚症状など、多岐にわたります。
しかもアレルギー症状とは思いにくいものばかりです。
体の不調と片づけられてしまうものばかりですが、アレルギーを改善しない限りその不調も改善しません。
やはり、現在のところ数は少ないですが専門の医院で調べてもらうのが一番です。
その検査も保険が効かず高額です。
また調べてみると多くの食べ物にアレルギーの判定が出て、「食べるものがなくなる」ことがあるそうです。
検査はある程度の覚悟を持って受けるべきだと思われます。
検査を受けずとも遅延型アレルギーを防ぐコツについてお話ししましょう。
遅延型アレルギーの原因がわかったら、その対処法は「原因の食べ物を3か月から6か月食べない」ことです。
もし思い当たる節があれば、自らこれを実践して体感がどう変わるかみるのもいいでしょう。
特に疲れやすさや皮膚の状態、便通などにいい感触を得られればその食べ物にアレルギーがあった可能性があります。
また同じ食べ物を毎日食べ続けないことも有効です。
お酒を飲まない休肝日をつくるように、「週に一回か二回その食べ物を食べない日を設定する」ようにします。
これだけでも遅延型アレルギーを防ぐことにつながります。
遅延型アレルギーの原因は腸の状態によるものではないかと言われています。
食べ物は胃や腸で消化されて吸収されます。
本来は消化されていないものや異物は腸の粘膜で弾かれて吸収されないようになっています。
ところが、腸の粘膜の状態が悪いと体に入れてはいけない未消化のものや異物も吸収してしまいます。
それは本来体に入るべきものではないので、体内でアレルギー反応を起こしてしまうのです。
ですから、思い当たる食べ物を避けながら腸の状態を良くすることが大切です。
栄養素としては、腸の粘膜の材料となるタンパク質(グルタミンというアミノ酸)や鉄、ビタミンAなどを補給します。
腸の状態がよくなるとアレルギー症状が改善して食べられないものが減っていくこともあるそうです。
健康になる秘訣は腸が握っているのかもしれません。
小幡歯科医院