阪神11R 阪神JF
◎13.コートシャルマン
○4.ココロノアイ
▲1.ロカ
△16.ショウナンアデラ
×11.レッツゴードンキ
×17.ダノングラシアス
コートシャルマンはストロングリターンやレッドオーヴァルの妹で、「2戦2勝のベタな良血馬」の肩書きのわりにはあまり騒がれていない印象もあるが、それは2戦2勝の内容が、たとえばココロノアイの荒っぽい重賞勝ちやロカの鮮やかな新馬勝ちなどと比べると、ちょっと地味に映るからだろう。でも地味に相手ナリに勝つところがこの血統の美点でもあり、名繁殖コートアウトがこれまで送り出してきた優駿たちと比較してみても、この牝馬にはハイペリオン的な美点が最も表現されているようにみえるから、ここも地味に勝つのではないか。ココロノアイはフェノーメノと同じステイゴールド×デインヒルで、東京マイルで引っかかりながら勝ったというだけでレッドリヴェールにつづく大物牝馬の期待が高まる。ロカの斬れ味も一級品だが、まだ少し緩いところのある中距離馬で、マイル戦で急かされて同じようにビュンと弾けるかどうか。ショウナンアデラとダノングラシアスは好配合で能力もたしかだが、母父がゴーンウエスト系だけに大物とまではいえず、そこを芝マイルのG1では少し割り引いた。
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ショウナンアデラは「ディープインパクト好配合リスト(2014)」で◎評価(ベスト10)にしたように(栗山さんも推奨)、母がElusive Quality×ZilzalでNorthern Dancer4×4を持つマイラーというディープ産駒の成功パターン、自身はHalo≒Sir IvorやSir Gaylord≒SecretariatやBurghclere≒Aureoleのニアリークロスもあり、これだけだとちょっと柔らかい体質になりすぎそうなところを、母のSearching≒Better Self6×6とか、Tudor MinstrelやForliなどを通じる「HyperionとLady Juror」の組み合わせクロスからパワーも補強していて、柔らかすぎず適度にパワー体質で、ロカのように緩いところがないのがいいのです(今日も最後の坂でシッカリ伸びていた)
ただし「Blushing Groomになれなかった男(2)」で書いたように、母父系のGone Westがミスプロ系でもちょっと軽すぎるスピードを伝える血で、新馬戦で楽々と先頭に立ったもののナヴィオンにナデ斬られたり、1400mのからまつを持ったままで抜け出して勝ってしまったりするところが、Gone Westの軽さも表現されているように私には見えました
Gone Westが表現されている馬が、2歳牝馬にとっては過酷な阪神外マイルのG1を、フワッと4角先頭で勝ちきれるだろうか? そう考えると一枚割り引きかなあ~という印に落ち着いたんですが、蛯名もそのあたりは気になっていたようで「もうちょっと後ろから差す競馬も試してみたい」とは言ってたんですよね~
この大一番で差す競馬をさせた蛯名も、それに応えた馬も見事で、これでまだ脚元が弱くて攻められないのが悩みというのですから、素質は一頭抜けていたと言うべきなのかもしれません
母オールウェイズウィリングは北米で3戦1勝、しかしその母Always Loralは仏1000ギニー馬でAnabaaやKey of Luckの妹で、オールウェイズウィリング自身はNorthern Dancer4×4、Secretariat≒Sir Gaylord4・5×5、Flower Bowl≒Aureole6×6、Searching≒Better Self6×6、Tudor Minstrel6×7という実に隙のない好配合
生産者の下河辺牧場さんは先のマイルCSをダノンシャークで勝ったばかりですが、オールウェイズウィリングもカーラパワーも特筆するような競走成績はありませんが筋の通った牝系に筋の通った種牡馬が代々配されていて、しかも自身の配合が良く、こういう繁殖を見つけてくるところはさすが老舗名門、社台に勝つにはまず繁殖から、競走成績は地味でも繁殖としてのポテンシャルでは劣らない、そんな繁殖をつくるか見つけてくるかでしょう
各馬の血統については「血統クリニック」再掲をご覧いただきたいですが、レッツゴードンキはメイショウマンボばりのKingmambo≒ジェイドロバリーのニアリークロス2×3、サンデー×ミスプロ的な柔らかさとSpecial的な機動力を兼備していて、外回りで差しても内回りで捲っても味があるオールラウンダーで、距離は1800~2000mがいいと思いますが、ただこれだけ2着3着が続くのは、何でもできる≒ハイレベルなところで器用貧乏、という言い方もできるのかと
ココロノアイは馬を前に置いたら折り合いはついたし、ノリとしてはレースプランどおりに運べたと思うんですが、今日のところはレッドリヴェール級ではなかったということで、でもステイゴールド×デインヒルでJFで3着というのは凄いことで、これも先が楽しみなことに変わりはありません
ムーンエクスプレスは母がメジロライアン×Rainbow Quest×Be My Guestでジリ脚ですがHyperion的な粘り腰はある馬で、この馬がファンタジー組最先着というのは、2歳牝馬にとって阪神外マイルというのはやはりタフな舞台なのだなあ…と実感
コートシャルマンはちょっと前半気分よく行きすぎた感はありましたが、直線バッタリでこれは現状力負け、でもこれもハーツクライ×コートアウトですから晩成と言っていい血統で、来年再来年が楽しみな馬には違いありません
ロカはパドックの歩様ひとつをとってもハービンジャー産駒とは思えないぐらい柔らかさしなやかさ緩さで、今日は大きく出遅れて直線は大外から伸びかかりましたが、最後の坂でちょっと失速気味
頑強なハービンジャー産駒というよりは柔らかなディープ産駒というイメージの馬で、これはもう少しパワーがついてくれば、緩さに一本芯が入ってくればオークスで…という期待でしょう
初めて尽くしの競馬で少し慌ててもおかしくない状況だったと思うんですけど、さすがでした。
来年デビューのショウナンアデラの全弟も楽しみになりましたね。
回顧を読んで、フムフム。
出資している2歳牝馬3頭が未だ未勝利な事を思い出しました…。
ディープ×ムチムチ×MJさん推奨
勝利の方程式^ ^
ディープ(Burghclere)も、Gone West(Mixed Marriage)も、Aureole(Aloe×Hyperion)というまとめならタフに走るかな?
ティルナノーグに似た血統構成だけど、あちらは奥の手Aureole遺伝子が発動しないかな?
Round Table?
繁殖フェチの私は、海外の種牡馬ランキングを見ながら、この種牡馬と近親の牝馬を買えばいいのにと妄想するのが大好きで、ガリレオと比べてファミリーが地味なモンジューの近親牝馬は、お買い得だろうと考えていたら、下河辺牧場が実際に購入していたので、同じことを考えている人はいるのだと感心しました。