東京11Rヴィクトリアマイル
◎17.アスコリピチェーノ
○10.ボンドガール
△13.ビヨンドザヴァレー
◎ミアネーロは実は東京マイルがベストコースではないか、というストーリーでもう半分ぐらい書いていたのだが出走取消…。一気に力が抜けてしまったが、もともと印は4頭しか入れてなかったのでこの3頭で。
アスコリピチェーノは母系が欧州本格派で、ダイワメジャー産駒のマイラーとして充実一途で順調に成長してきた。特に前走は短距離でうなりながら先行したのが好感で、ダイワメジャーだからここも前で受けてこそだろう。ルメールが正攻法で押し切るとみた。
ヴィクトリアマイルはシアトルスルーの血を引く馬が好走するし美味しい馬券になる。ボンドガールは母母父がエーピーインディ系マリブムーンで、ダイワメジャーにしては脚長でしなやかなストライドで走るのはこの影響だろう。東京新聞杯ぐらい走れば馬券になるとみたいが、これもやっぱりダイワメジャーだから差しに回りすぎるとまた2着3着かもしれない。
アリスヴェルテが前走控えて好走しているだけに、ペースは上がらず前残りもあるとみてヒモ穴はビヨンドザヴァレー。イスラボニータにナスキロ血脈を重ねた大箱向きのマイラーで、いつも最後のひと押しが課題だがここは展開に恵まれそうだ。
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やることがいろいろあって遅くなりました…例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を
アスコリピチェーノ
アスコルターレやアスコルティアーモの妹で、母アスコルティはJRA2勝(芝1200~1400)。母母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝8F)勝ち馬で、タッチングスピーチやサトノルークスやミスタージーティーの母。母系にSadler's Wellsが入るダイワメジャー産駒といえばアドマイヤマーズやレシステンシアがいる。母方の重厚さも強く底力や成長力に富み、前走1351TSはダイワメジャーらしく前で受けて勝ったのも好感。充実一途でマイル女王の座へ。(距離◎スピード○底力◎コース◎)
クイーンズウォーク
グレナディアガーズの半妹。母ウェイヴェルアベニューはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち馬でMr.Prospector4×4・5。父キズナは昨年のリーディングサイアーで牝駒がよく走ることでも知られる。本馬は父を大型で北米パワー質に振ったイメージで、重の金鯱賞を力強く差し切ったように、パワー勝負に強い中距離馬。マイルの高速戦では、スピードの絶対値で一線級に譲る。脚元をみても馬場が渋るのはプラスで、雨で浮上。(距離○スピード○底力◎コース○)
シランケド
イメンシティ大賞(伯G1・芝1600m)勝ちVery Nice Moonのイトコ。母母ビーフェアーはブラジルオークスなどに勝ったブラジル最優秀3歳牝馬。父デクラレーションオブウォーはトップナイフ、タマモブラックタイ、セットアップなどの父。母父ディープインパクト譲りのしなやか体質で、地力と持続力に長けた中距離馬。デクラ産駒らしく脚質は逃げ差し自在で、3連勝で重賞制覇と上がりに上がる。ここはマイルの高速決着への対応が課題に。(距離○スピード○底力◎コース○)
「24年は前後半45.4-46.4の前傾ラップでマイル路線を走っていた馬のワンツーだったが、後傾ラップならランブリングアレーやスターズオンアースのような中距離馬も好走可能」と導入文で書いたのですが、今年はアリスヴェルテが離して逃げてレースラップは45.4-46.7、離れた2番手以降は46-46、後方組は47-45で走破したというレース
今の高速馬場においては、マイラーであっても中距離馬であっても、47ちょいで追走し45ちょいで上がることはたやすいので、だからゴール前は横一線の追い比べで8頭がコンマ3秒以内にひしめく混戦になったわけで、ちなみに前週のNHKマイルを45.8-45.9で差し切ったパンジャタワーがそのままのペースで走破すれば、アドマイヤマツリの2馬身前で先行押し切った計算にはなるわけです
まあグランアレグリアやソングラインやアーモンドアイのクラスならば47-44で走破できるんですが、そのレベルの馬がいなかったのでアスコリピチェーノが格でギリギリ差し届いたというレースだったかと
9Rテレ玉杯を勝ったボーモンドのルメールのコース取りをみても、東京芝コースは良に乾いても内のほうが伸びない馬場状態だったようで、掲示板に載ったのは8枠3頭と6枠12番と2枠3番、フルゲート18頭だと内枠は不利だったという結果にもなりました
だから1枠2番ステレンボッシュは外に出せればもう少し脚を使えたんじゃないかとも思いますが、シランケドも直線はまず内を狙ったものの、内にいる馬たちがみんな伸びあぐんでカベになりかけたので外に切り替えて、あれ最初から外に行っていればもっと際どかったかもしれず、それだけに2枠3番アルジーヌを直線で早々と外に持ち出し踏ん張らせたレーンの手腕も光りました
マイラーとしての能力ならばダイワメジャー2頭だろうと思ったんですが、ボンドガールは返し馬からもう押さえるのが大変そうで、ユタカは出していけずにソロッと乗るしかなく、それでもペースが速くないので最後方でずっとかかり気味でした
アスコリピチェーノの母アスコルティは芝1200~1400で2勝、しかし血統はDanehill Dancer×Sadler's Wells×Irish Riverですからなかなか重厚で、ダイワメジャー産駒で母系にSadler's Wellsとデインヒルが入るのはレシステンシアと同じ
Sadler's WellsとDanzigが入るのはメジャーエンブレムと同じで、Sadler's Wellsが入るのはアドマイヤマーズと同じで、仏G1ロイヤルオーク賞連覇のDouble Majorも母がDansili×Rainbow Questで、ダイワメジャーの大物はほとんどが重厚な欧州血統の母から出ています
ダイワメジャー産駒がG1を勝つたびに同じことを書いてますが、マイラー種牡馬には中長距離の肌、中長距離種牡馬にはマイラーの肌、というのが配合論のイロハのイで、ちなみに日本ダービーはというと
父エピファネイア、母BCJフィリーズ2着
父サトノクラウン、母芝マイル3勝
父ハーツクライ、母北米ダ短重賞2勝
父ディープインパクト、母母BCJフィリーズ勝ち
父ディープインパクト、母BCフィリー&メアスプリント(ダ7F)勝ち
「父芝12F×母北米短距離~マイル」的な配合が5年連続で勝ってます
“「父芝12F×母北米短距離~マイル」が5年連続で勝ってます”
という表現はちょっとモヤモヤ…。
まあフォルテピアノはBCフィリー&メアスプリントみたいなタイプやったし、明確に欧米血統を定義づけするのもなかなか難しいので
「的な配合」というモヤモヤした表現にしときます(^ ^;)