第69回安田記念回顧~最強のピッチ、最強の継続騎乗、最強の名繁殖

2019-06-03 10:37:40 | 血統予想
東京11R 安田記念
◎14.アーモンドアイ
○15.ダノンプレミアム
▲7.モズアスコット
△5.インディチャンプ
アーモンドアイとダノンプレムアムの激突は今春のハイライトの一つ。30年にわたって安田記念を見てきた老害血統屋としては、能力が拮抗していればいるほど、ハイレベルの戦いになればなるほど、芝マイルの高速決戦ではストームキャットの血を重視したいし、東京マイルの末脚勝負ではヌレイエフの血を重視したい。
アーモンドアイは前走ドバイでも例のウサギのようなアクションでビュンと反応して、マイラーのようなアクションで抜け出してから四輪駆動で更に持続するのがこの女傑の真骨頂だ。
インディチャンプは前走ガツンと引っかかったが福永祐一が持っていかれるということはエンジンがG1級の証。モズアスコットの前走は明らかに重かったが、今回は追い切りの動きも目を引く。次位にはこの2頭の巻き返しをとりたい。

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「戸崎の逃げやからヴィクトリアよりペースは落ち着くはずで、2強の動き次第やけどスローの公算が高いのでは」
「ロゴタイプの年のパターンですか」
「そやな…ロゴタイプとかヴィルシーナが前で残るパターンなんやけどな」

というやりとりをさっさん会ラインでやってて、しかし出馬表を見直してもロゴタイプっぽい先行型は見当たらず、強いていえばHalo4×4のレース巧者グァンチャーレの先行か…しかしさすがに足らんわな…

だから直線は「うわあああロゴタイプがきた!」と声が出ましたが、もうちょっと馬が強ければ馬券に絡んだはずで、超高速馬場で前後半は45.8-45.1、ロゴタイプがモーリスの追撃を封じたようなスローの安田記念でした

大外16番枠のロジクライはなんか外を見たようで、ゲートを出た直後に内に急激に逃避したために12~15番が玉突きのように接触し、人気2頭も大きな不利

テレビ画面は内からなので何が起こったかハッキリせず、アーモンドがスタート良くなくてダノンもなんでこんなとこにおるんや? と思いながらレースを追ってました(離れた最下位で入線したダノンプレムアムは、今のところ大事ではないようでひとまずよかった)

アーモンドアイにこんなアクシデントが降りかかるとは思いませんでしたが、このスーパー名牝が負けるとしたら、ウオッカがヴィクトリアで負けたようなパターン、スローの上がりのケイバになって、怒涛のストライドで追い込むも、インからピッチでスルスル抜け出すエイジアンウインズにやられるあのパターンじゃないかというね、そんな絵はザックリとですが描けました

となると、まとめて負かす可能性があるとしたらスローになったときのインディチャンプじゃないか、とにかく回転の速さならナンバーワンやからね…ということもレース前に書いておきました

だから馬券はインディ→アーモンドの組み合わせも買っておいたんですが、「祐一がもっていかれる馬は強い」「トキオリアリティーは孫の代でも最強」と、当ブログでも何度も何度も書いてるのにうまいこと当たらんもんです(^ ^;)





トキオリアリティーは直仔のリアルインパクト、ネオリアリズムにつづいて孫の代でもG1馬を出したことになり、これも同じことを17回ぐらい書いてそうなので簡単にとどめますが、Northern DancerもHaloもMr.ProspectorもSpecialも有力な血を何も使わなくても、MeadowlakeとIn RealityとCrozierで、「緊張と緩和」「3/4と1/4」の概念だけで、こんなスーパー名繁殖をつくることができるのです

乱暴な言い方をすればね、インディチャンプやリアルインパクトの配合なんてあんまりどうでもエエんですよ、トキオリアリティーやゴールデンサッシュやサンデーサイレンスの配合こそが名配合であって、それがほとんど全てなんであってね

だからいつも言うように、血統屋としてはインディチャンプをつくるのではなくトキオリアリティーやゴールデンサッシュをつくるお仕事がしたいのだと、名繁殖トキオリアリティーをつくりましょう、名繁殖レディブラッサムを見つけてきましょう、という話を生産者や馬主とはよくしています

「Mahmoudさんが福永祐一の騎乗を絶賛してますよ」と言われてツイッター見たらたしかに絶賛してましたが、今年行われた11のG1レースにおける勝ち馬で、いわゆるテン乗りだったのは、皐月賞のサートゥルナーリア(ルメール)とヴィクトリアマイルのノームコア(レーン)だけ

2着も春天のグローリーヴェイズ(戸崎)だけで、毎度毎度コロコロ乗り替えてるイメージのわりにはそんなにテン乗り勝ってないですよね

G1ともなると、前哨戦で勝っても負けても、前哨戦以上の騎乗をしないとなかなか勝てないもんで、前哨戦からの継続騎乗のほうが前哨戦より上手く乗れる可能性は高いですからね

東京新聞杯の勝利~マイラーズCの失敗~安田記念の勝利はもちろん線でつながるもので、現役最強のピッチ走法で2強を負かすにはどう乗ったらいいか、高松宮のミスターメロディにしても阪急杯では外枠で上手くいかないことが重なって、それが全てプラスに転じたかのような内枠を活かしきった好騎乗でした

安田のインディチャンプは4人気で高松宮のミスターメロディは3人気ですか、馬券を買う人が一番シビアですからね、祐一が失敗しても、その失敗を糧に次は何とかしてくれるだろうと、継続騎乗への期待と信用をもってファンは馬券を買った(だから人気が落ちなかった)

残念な不利が生じたレースでしたが、全馬に不利やロスが生じないレースなんてないので、不利やロスやミスを糧にして、次こそはとファンが力を込めて馬券を買って応援できるような継続騎乗がもっと見たいです

ルメールが断然人気のダイワメジャーでドスローで逃げてナデ斬られてしまうのも次があるからで、ルメールや祐一と違って若手は失敗したら次がないことも多いのでかわいそうですが、でも未勝利戦なんかはそんな悠長なことも言ってられないですからね…

アーモンドアイが歴史的スーパー名牝だということが改めて証明された安田記念でしたが、今回はインディチャンプと福永祐一が勝ってよかった
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11 コメント

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Unknown (Y子)
2019-06-03 16:01:01
インディチャンプ「なあ、ワイこそ、凱旋門賞が似合うてると思わんか?」
ブラストワンピース「…」
アーモンドアイ「…」
返信する
Unknown (Unknown)
2019-06-03 18:35:51
ルメールが断然人気のダイワメジャーでドスローで逃げて

メジャーエンブレムのことでしょうか?

よろしくお願いします。
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Unknown (シュポシュポ)
2019-06-03 18:45:40
↓アブソルティスモのことではないですか。
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Unknown (MJ)
2019-06-03 19:53:19
はい、メジャーエンブレムと同じ轍を踏んだアブソルティスモのことです(^ ^;)
返信する
Unknown (野崎)
2019-06-03 23:18:59
ロジクライは初の大外で、右側から何も来ないのが怖かったんですかねー
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Unknown (ロジクライ)
2019-06-04 06:14:16
某巨大掲示板ではスタート直後にゲート裏でJRAのスタッフがダッシュしたのに反応したのではないかと言われてますね。
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Unknown (Unknown)
2019-06-04 23:29:02
今更ですが、今回もレースを作ったアエロリット。
VMも、安田も同タイム、らしさをフルに出し切って、春を締めくくりました。
斤量は違えど、これが限界なんでしょうか?
無理強いかもしれませんが、ハイペリオン振り絞ったらVMの様なペースでタイムが詰められたりと、考えてしまいますが。なかなか難しい理解しにくい感じてモヤモヤしてますが、血統的にどう捉えたらいいですかね。
独り言でした。
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Unknown (MJ)
2019-06-05 09:51:23
アエロリットはそもそもピュアマイラーではなく1800型なのでマイル戦だとスローに落としたいところなんですが、ステラマドリッドの牝系なので一本調子にガンガンいってナンボで上がりのケイバになりすぎると味がないという、落としどころの難しさがありますね
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Unknown (アサクサスケール)
2019-06-05 11:58:35
>血統屋としてはインディチャンプをつくるのではなくトキオリアリティーやゴールデンサッシュをつくるお仕事がしたいのだと、名繁殖トキオリアリティーをつくりましょう、名繁殖レディブラッサムを見つけてきましょう

いつもながら痺れます。
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Unknown (Unknown)
2019-06-08 00:39:03
「インディチャンプやリアルインパクトの配合なんてあんまりどうでもエエんですよ、トキオリアリティーやゴールデンサッシュやサンデーサイレンスの配合こそが名配合であって、それがほとんど全て」

それって「トキオリアリティーやゴールデンサッシュやウインドインハーヘアやサンデーサイレンスやキングカメハメハの配合こそが名配合であって、それがほとんど全て」とも言えてしまうような…

けっきょくインディチャンプもリアルインパクトも「名血名配合の名繁殖で固めた、血の選択に一切ミスのない配合」と言えてしまうのではないのでしょうか
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