第20回チャンピオンズC回顧~チャンピオンの証明

2019-12-02 10:52:35 | 血統予想
中京11R チャンピオンズC
◎4.インティ
○3.チュウワウィザード
▲8.ウェスタールンド
△5.クリソベリル
△11.ゴールドドリーム
×16.ヴェンジェンス
インティはハナを切れず不完全燃焼のケイバがつづいているが、ここはスマハマもリアンヴェリテもドリームキラリもいないから労せずハナに行けるだろう。チュウワウィザードを突き放した東海Sのような楽な逃げになるとみて◎(ちなみにハナ切ったときは5戦全勝)。
チュウワウィザードは掻き込みの強いピッチ走法なので、中京1800なら良馬場でスローになったほうがいい。立ち回りの巧い馬でここはインティの直後の絶好ポジションが取れるとみた。
クリソベリルは揉まれた経験がほぼないし、ダッシュがそれほど速いほうでもないので、この枠だと馬群に包まれてしまう心配がある。全兄クリソライトは最後まで馬群がダメな馬だった。
ウェスタールンドはコーナリングが上手く速い脚がある差し馬だから、ギックリ腰の影響を感じさせないスミヨンが○の直後からインを狙えば昨年の再現。

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例によって、NETKEIBAの血統解説から1~3着馬を再掲します

クリソベリル
クリソライトの全弟でマリアライトやリアファルの3/4弟。アロンダイトの甥でダンビュライのイトコ。Nureyev≒Sadler's Wells3×4・5とNever Bend≒Bold Reason6×4・6だから配合も満点だ。力馬というよりは重厚な中距離馬で、しなやかで力強くて欧州芝の大レースを走らせたくなるスケールを漂させている。全兄同様揉まれ弱い面はありそうで、多頭数の1800よりは少頭数の2000のほうが安心して見ていられるが。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ゴールドドリーム
母モンヴェールはJRA4勝。3代母StatisticはジェイドロバリーやNumerousの全きょうだいにあたる。Specialにさかのぼる名牝系で、しかも本馬はNureyev≒Numberの3/4同血クロス3×4を持つ。同父のクリソベリルと比較するとこちらのほうがマイラー寄りで、今は大箱1600~1800がベストコースだろう。ゴールドアリュール産駒らしい揉まれ弱さはあるのだが、直線で外に持ち出せば必ず伸びるのが頼もしい。(距離○スピード○底力◎コース◎)



インティ
フロリダダービー2着Blue Burnerなどが出る牝系で、母キティはJRA4勝(ダ1700~1800)。父ケイムホームはタガノトネールやヒザクリゲなどを出すスピード型。Gone WestとアフリートとStorm Catのスピードを活かした配合で手先は軽いが、後駆や飛節はAlydar的に強靭だ。アフリートの血を引くので揉まれると淡白なレースになってしまうが、フェブラリーSのように気分よく先行ならスピードで圧倒。時計勝負は歓迎。(距離◎スピード◎底力○コース○)



+11キロでパドックに出てきたクリソベリルは、ついに本気で仕上げたという凄い体で周回していて、並みいるダートの猛者たちを差し置いて一頭だけチャンピオンの風格を漂わせていました

馬っぷりならクリソで決まりだろうと書いておきましたが、予想コメントに書いたように、内面も真のチャンピオンなのか、この枠から馬群を割って抜け出してこれるのか

名騎乗連発のスミヨンを見てのとおり、強い馬の直後、勝ち負けしそうな馬の直後のポジションを取るのが勝利への最短距離で、だから秋華賞も菊花賞も秋天もマイルCSも「川田の1人気の直後」がウィナーズポジションとなったのです

「単騎逃げのインティが簡単に止まることはないですから、その直後を取れたのが大きかった」という川田のコメントは重みがあるし、「クリソのポジションが取りたかった…」と祐一が悔しがるのもよくわかる

そしてルメールがゴールドドリームを出していって好位を取ったのもさすがで、ユタカがインティで逃げるのだから変なペースになるわけがないのだ、インティを目標に乗らないと勝ち目はないのだとみんな思っていた

直線で川田はインティの内を突こうという素振りもあったんですが、そのときクリソは「え?ここに入っていかなきゃいけないの?」と少し躊躇しているように見えました

そこから切り返してインティとゴールドドリームの間に入り、川田が渾身の力で追い出すと、馬は力強く抜け出して、内面もチャンピオンであることを平然と証明したのです

ゴールドドリームは16年チャンピオンズは揉まれてしまって末脚不発でしたが、大箱1800はベストコースですから、直線外に出せればチャンピオンズはベストパフォを出せる舞台

来年からレックスでスタッドインとのことで、ゴルア産駒はエスポワールシチーが手堅い成功をおさめているし、名牝系で好配合でマイルのスピードもあるし、種付料もお手頃になりそうで人気を博すでしょう

インティは48.7-12.1-47.9で1.48.7で走破したのですから立派な内容で、さすがユタカという逃げでしたが、パドックで見た印象はあれ?もうちょっとしなやかな動きするではなかったかな?という気もして、まだフェブラリーの頃の絶好調とまではいかないのか、ややパワー体質に振れてきているのか

チュウワウィザードは母が持つノーザンテースト3×4の影響も強い掻き込みピッチ走法で、小回りの良馬場で機動力が最も活きるタイプですが、それだけに1角の入りでちょっと引いてしまってワンポジ下がってしまったのは痛恨でした

「オメガパフュームやリッジマンはスウェプトオーヴァーボード産駒やのに、なんで帝王賞やステイヤーズSを勝つんですか?」と聞かれるんですが、スウェプトが帝王賞やステイヤーズを勝つわけがないので、彼らはスウェプトじゃないんですよと簡潔に説明することにしてます

母オメガフレグランスがゴールドアリュール×リアルシャダイでダ1800で3勝、母母ビューティーメイクは京都大賞典4着など芝の長いところで活躍しましたから、母方はコパノリッキーをスタミナに寄せたような血統で、そのイメージのままの中距離馬で、ほっそりした体つきや脚長の体型からも大井2000や東京2100でベストパフォを出すタイプだとずっと書いていますが、1800でこれだけ高速決着になるとちょっと苦しい

ウェスタールンドは上がり2~3Fにピッチを凝縮したような差しなので、これだけ緩みなく流れるといかにスミヨンといえど脚の使いどころがなかったですね

クリソベリルは一口とPOGで推奨した馬で知り合いも何人か持ってるので、ツアーからデビューまで何回も実馬を見せてもらってますが、いつ見に行っても素晴らしい馬っぷりでいつもスタッフ絶賛で、順調にデビューを迎えたら圧勝つづきで、こんなに生まれたときからずっといい馬のままというのもなかなかいないですが、それにしても今日のパドックは圧巻でした

残念なことに名繁殖クリソプレーズは今年キタサンブラックの仔を産んだ後に死んでしまいましたが、クリソベリルはクリソプレーズ仔のなかでも最もNureyev≒Sadler's Wellsの剛な要素、野太さみたいなものが表現された馬やと思ってるので、来年は海外遠征という方針も明らかになったようですが、いつの日か欧州の大レースに挑んでほしいなあ~と思っています

クリソベリルはNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス3×4・5、ゴールドドリームはNureyev≒Numberの3/4同血クロス3×4

┌Northern Dancer
Nureyev
└Special

┌Northern Dancer
Sadler's Wells
└△
 └Special

 ┌Northern Dancer
┌○
Number
└Special

ゴールドアリュールのダート適性は主にNureyev譲りと考えられ、NureyevにSadler's Wellsを合わせたり(Nureyev≒Sadler's Wells)、Mr.ProspectorやRobertoを合わせたり(Nantallah≒Nashua)するとダートの大物が出る、ということはゴルア産駒がダートG1を勝つたびに書いてきました

Nureyevの名血を最大限に活かす方法とは、その血を3/4同血クロスすることに他ならないのだ、というのが配合史的血統論のまさに根幹ですからね(・∀・)

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