栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2019-2020」

第71回阪神JF回顧~圧巻の前傾ラップ逃げ切り、メジャーはこれでいい

2019-12-10 11:58:04 | 血統予想
阪神11R 阪神JF
◎3.ウーマンズハート
○15.リアアメリア
▲8.オータムレッド
△6.クリスティ
△9.マルターズディオサ
阪神外マイルになってからのJF勝ち馬13頭に共通するのは、必ず1600以上での勝ち鞍があること(阪神外マイルになってからの朝日杯も同じ)。まずはリアアメリアとウーマンズハートの一騎打ちとみたいが、リアアメリアは外枠だとカベをつくれず引っかかる心配が残る。母母父Mr.Greeleyは底力に欠けるスピード血脈で、この血を引くG1勝ち馬はダートのベストウォーリアしかいない。ウーマンズハートの新潟外マイルでの斬れ味のほうを信用したい。オータムレッドはワールドエースの娘で速い脚はないが粘り強いので、アルテミスのような上がりだけのケイバでは瞬発力で劣るが、ペースが流れて上がりがかればもっと食い下がれるはず。

--------

例によってNETKEIBAの「血統解説」より1~3着馬を

レシステンシア
ミッキーブラックの3/4妹で、母マラコスタムブラダはフィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)勝ち。3代母Pulmaは亜G1を3勝した2歳牝馬チャンピオン。母父Lizard IslandはレイルウェイS(英G2・芝6F)に勝ったデインヒル系の短距離型。この母父の影響も強い体型体質走りで、ファンタジーSは番手押し切りの正攻法で快勝だったが、1F延長はプラスとは言えないか。(距離○スピード◎底力○コース○)



マルターズディオサ
アルタイルの半妹で、母トップオブドーラはJRA3勝(全てダ1000)。母父Grand Slam(Gone West直仔で北米2歳G1を2勝)はカフェオリンポスの父、ゴスホークケンの母父として知られる。父キズナはStorm Catの仕上がり早いスピードもよく伝え新種牡馬リーディングを快走中。本馬は父をマイラーに寄せたイメージだが、脚長でしなやかでベストは大箱1800だろう。阪神外回りに替わるのはプラスとみる。(距離○スピード○底力○コース◎)



クラヴァシュドール
母パスオブドリームズはStorm Bird≒Nijinsky3×4・5で、その全姉にヴァージニアオークス(米G3・芝9F)に勝ったExcitedがおり、BCディスタフのSpainなども近親。母父Giant's CausewayはStorm Catの代表産駒でツクバアズマオーやマスクゾロの母父。母方のパワーマイラーっぽさも強い体質で、坂コースのマイル戦は合っているのでここも崩れはないだろう。(距離◎スピード○底力○コース◎)



「レシステンシアの坂路調教がヤバかったです」とクレバーさんが言ってましたが、ダイワメジャー×デインヒルの肉量豊富な大型牝馬で、ブルドッグボスやロジチャリスのようなパワー突進のイメージ

母マラコスタムブラダはNumber≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス3×3、母系にSharpen UpやWordenなどPretty Polly血脈が強く、パワーと地力はあるけどややしなやかさに欠けるゴリ押しメジャーで1400を先行押し切りで2連勝、阪神なら外1600より内1400やろなあ…JFで更にパフォーマンス上げるタイプではないやろなあ…という、それぐらいの2分ぐらいの思考で消してました(^ ^;)

とはいえ、こういうダイワメジャーがディープ産駒やハーツ産駒に付き合って、同じ位置からヨーイドンで追い出してもナデ斬られてしまうのは明らかですから、活路を見出すには45.5-47.2で逃げまくるしかなかった

芝マイルG1の前後半800mで前半が1秒以上速いケースはなかなかないんですが、たとえばレーヌミノルが4番手から抜け出して勝った桜花賞は馬場が悪かったのもありますが、前後半46.5-48.0ですからこれもかなりの前傾ラップで、ソウルスターリングやアドマイヤミヤビといった人気の中距離馬が追走で脚を使ってしまったというのも似ています

ふつうの年ならJFも桜花賞も47-47(1000m-600mでいうと59-35)ぐらいで流れるので、A級の中距離馬ならば49-45(61-33)という追走で、牝馬の斬れ味で差せるんですよね

ハープスターが勝った桜花賞も45.3-48.0(57.0-36.3)という超Hペースで、それを最後方から60.0-32.9でまとめて差し切ったわけですが、Mahmoudさんが言うように、ウーマンズハートやリアアメリアがこれをやれば60.0-32.7で差し届いたかもしれないし、60.1-32.8で2着ぐらいには追い込めたかもしれない

でもレシステンシアが57秒で逃げるかどうかはスタートしてみないとわからないですから、たしかにそれは結果論でもあり、仮に距離延長を考慮して北村友一がスローに落として逃げたら、イン3を取りにいたビュイックはファインプレーと言われたでしょうからね

マイル戦でここまで前傾ラップになると中距離寄りの馬は追走で疲れるので、ミッキーアイルやストレイトガールのような短距離寄りの馬が勝ちやすくなるという現象と、マイルCSは後傾ラップで流れると毎日王冠を使ってきた中距離勢が強くスワン組は不振という現象(マイルCS回顧参照)、これは裏表の関係なのだというね

となると、レシステンシアやミッキーアイルやストレイトガールが勝つのが真のマイル戦なのか、まあ老害血統屋から言わせてもらえば、タイキシャトルの頃はマイル王はみんな前傾ラップをうなりながら追走してねじ伏せていたんですけどね

新馬戦を鮮やかに勝った素質馬期待馬たちは、先々にJFや桜花賞をにらんで、60秒で追走して33秒で上がることを教え込まれて晴れ舞台に挑んでくるわけですが、そんな問題はテストに出なかったというわけで、新潟2歳でもサウジアラビアでもアルテミスでもアイビーでも、58秒で追走して35秒で上がる問題は出なかった

血統屋もここでそんな問題が出るとは露ほども思わず予想してたので、直線で後続を突き放したところで「ああそうか…ダイワメジャーはこれでエエんか…」と呻くしかなった

むしろ上がり22.46の香港マイルをダイワメジャーで差し切り、京都外回りG1をステラマドリッドで差し切るスミヨンのほうがレースが終わった今でも理解不可能で、内ヨンは恐ろしいというより血統観を変えさせられるぐらいヘンタイです(^ ^;)

46.9-47.6のJFを4角先頭で完勝したメジャーエンブレムは、クイーンCも46.1-46.4で楽々と逃げ切り、大本命となった桜花賞は47.1-46.3のスローで馬群の中で不完全燃焼、そしてNHKマイルを46.0-46.8で逃げ切って鬱憤を晴らしました

レシステンシアと北村友一がこれからどんな逃げを見せてくれるのか、桜花賞路線が俄然面白くなりましたね(・∀・)
コメント (3)