阪神11R 桜花賞
◎2.アマルフィコースト
○15.プリモシーン
▲13.アーモンドアイ
△1.ラッキーライラック
×17.マウレア
アーモンドアイの後駆のバネとスピードに乗ってからのストライドの伸びは圧巻で、少々スローになっても大外一気で決めてしまう気はする。母はG1馬フサイチパンドラで、ヌレイエフ5×3とトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2で配合も最高。この単は買いたい。
ラッキーライラックはオルフェ産駒としては満点の配合だとほめてきたが、母系に馬群を嫌うヴェイグリーノーブルの血が入るだけに、そしてこれまでほとんど揉まれたことがないだけに最内枠は気になる。姉のラルクも先日久々に逃げたらめちゃんこ強かった。
プリモシーンはトムフール的な機動力が抜群で、東京でテトラドラクマを捲った脚も目を引いた。ディープ産駒で母父がダンジグ系のマイラーで母がノーザンダンサーのクロスというのは最も桜花賞向きの配合で、ここも好走は間違いない。
マウレアはアユサンの全妹でディープインパクト×ストームキャットの黄金配合だが、姉より中距離馬っぽい体質や走りに見えるので、オークスで印を上げたい。
馬券的な狙いはアマルフィコーストだろう。母はクリスとノーザンダンサーのクロス、母父ハイチャパラルはサドラー系の英ダービー馬、母母ローズジプシーは仏1000ギニー馬。母系は底力があり、配合パターンもメジャーエンブレムとよく似ていて掛け値なしのダイワメジャー黄金配合だ。JFでも◎を用意していたが使えず、前走フィリーズレビューではスタート後に落馬と踏んだり蹴ったりだが、今週の追い切りはよかったし、順調にきていれば上位人気の一角を形成したであろう実力馬。14人気ならば迷わずここから入りたい。
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毎年桜花賞ウィークになると、「今年もパンツネタ楽しみにしてますよ!」とか「一番華のある馬はどれでしょうね」とか、私がよく使ってきたキーワードで声をかけてもらうんですが、これはなかなかありがたいことで、最近はキーワードを発した本人がそういうことを忘れてることもちょくちょくあるんですよね(^ ^;)
昨日の阪神5Rなんて酷いもんで、出馬表を開いたら大外に強そうなエンパイアメーカー(エンパイアミライ)がいたので、「お~い大外パイアメーカーがおるぞ!」と呼びかけたら、「相手はクロフネ×フジキセキ(ケールダンセール)でいいかな」とメタボ博士がいうので、俺もそれでエエわ~と1点だけ買って、飯食いながらレース観てたら「ん? マイネルオスカル? あああれやんか、ドンフォルティスに勝ったやつやんか。うそおおおマイネルオスカル出とったんかあああっ!」
新馬戦でドンフォルティスとド1点勝負して、「コ、コマッキーそれはないでえええっ!」と絶叫した、あの記憶がもう吹き飛んでしまっていたのがあまりにも情けない(^ ^;)
ホンマにもうね、記憶力と集中力の欠如によるボーンヘッドが多くて泣きたくなる昨今です
新馬と特別を勝ってJFから桜花賞トライアル、エリートコースに乗った牝馬が桜花賞出走までに経験する実戦なんてだいたい5戦ぐらいですから、まだそれほど鍛え上げられたわけでもない乙女たちが、3歳4月に天賦の才がどれだけ開花しているのかを競うのが桜花賞というレース
だから今年も、お尻や太腿に肉をつけてパンツ見せて走っとるのはどれや? “ハッとする脚”を使って華麗に勝ったんはどれや? というところにいったん立ち返ってみる
大谷翔平がメジャーで通用するのは誰もがわかってたし大きな期待を持っていたけれど、それにしてもこんな凄いパフォーマンスをいきなり見せるとまでは想像できなかったわけで、もう一つ上のレベルで更にパフォーマンスを上げられるような潜在能力がまだあるのか、それをまだ出し切っているのかいないのかを推察するのはなかなか難しい
そういう潜在能力や天賦の才を測る有力なモノサシは、走破時計や相手関係や着差よりも、肉眼で際立つ数完歩の動き、“ハッとする脚”ではないかと、桜花賞みたいなレースにおいては力説してきたつもりです
そして今年のメンバーで、一瞬息を呑むような“ハッとする脚”を使ったのは、チラッとパンツが見えてドキッとしたのは、アーモンドアイのシンザン記念のゴボウ抜きと、プリモシーンがテトラドラクマと叩き合ったレース、東京マイルでこんな捲りちょっと見たことないというアレですね、この二つだけやったんですよね
ラッキーライラックはオルフェーヴルの教科書といえる好配合、馬っぷりはいい、パワーもスピードも勝負根性もある、一戦ごとに石橋脩との絆も深めてきた、ほめるところはいくらでもあるけれど、でも息を呑むような脚を使ったというまでの記憶はなかった
後方から外に持ち出して追い込むといういつもの競馬で、ルメールが直線で満を持して追い出す前に勝利を確信したほど、アーモンドアイのスピードに乗ったときのストライドは圧倒的でした
ウインズB館のオッチャンたちも「と、と、飛んどるがな!」と呆気にとられてましたが、あのストライドは他の17頭がこの先どれだけ鍛錬しても真似できないもので、59.9で追走して33.2で爆発した天才少女
2月に「サラブレ」でやったラッ血対談「3歳牡牝番付」において、アーモンドアイのことをMahmoudさんが「天才少女」と評していたのが印象的で、ここでも拝借させてもらいました
そして天才少女の爆発力にみんなが感動したのは、デビューから二人三脚で歩んできたラッキーライラックと石橋脩のコンビが、桜花賞の本命に恥じない立派な内容で2着に踏ん張ったからこそなのだ、ということは言っておきたい
他にも書きたいことはいっぱいあるのですが、新種牡馬の当たり年と言われるこの世代のクラシック第一弾が、Nureyev5×3とトライマイベスト≒ロッタレース5×2を持つロードカナロア産駒と、エレクトロアート≒Sadler's Wells3×5を持つオルフェーヴル産駒で決まったというのは(もちろんどちらも「3/4Northern Dancerクロス」)、笠シショーの配合論的にも極めて順当なのだ、ということも言っておきたいです
母のフサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬で、パンドラの全兄サムソンハッピーを来年の皐月賞馬だと競馬通信社のPOG本でイチオシしたのが懐かしいですが、牝祖Sex AppealはEl Gran Senorとトライマイベスト兄弟を産んだ名繁殖
Sex AppealはBusanda≒Mr.Busherの3/4同血2×3の強大なパワーを誇り、フサイチパンドラもサンデー牝駒にしてはパワーの勝ったタイプだったし、フサイチパンドラの産駒もパワーとスタミナはあるのですが手先の重いタイプが多かった
父キングカメハメハの3/4姉サンエルビスはダ1800mで1勝、Nureyevとトライマイベスト≒ロッタレースのクロスになるのは同じですから、Sex Appealのクロスというのは魅力的なんですがパワーが強大すぎてキングカメハメハ×フサイチパンドラだと力馬方面に寄りすぎてしまうぐらいで、そこがレディブラッサム(Secretariat=Syrian Sea3×4)の柔らかさを強く伝えるロードカナロアだと硬軟のバランスがちょうどよかった、という言い方はできるでしょうね
あと発売中の『POG・クラブ馬選びに役立つ 走る馬がわかる本』では「2018年POG&一口出資で勝つためのトレンド配合11大チェック」と題して書かせてもらってますが、この11トレンドの一つに「ロードカナロアのNureyevクロス」を取り上げていますので、そちらもご一読いただければと思います