栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜の重賞回顧~Hyperion絞り出しマン、ディープ×トニービンで飛び石連覇

2016-08-08 11:58:56 | 血統予想

小倉11R小倉記念
◎マーティンボロ
○ダコール
▲アングライフェン
☆メイショウナルト
△サトノラーゼン
△ベルーフ
△リヤンドファミユ
マーティンボロはヘイロー≒レッドゴッド3×4・4の機動力で走るので、新潟記念のようにスローになると直線長いコースでも好走するが、一昨年の小倉記念で絶妙のタイミングで捲ったように小回りコースの捲りが本領の中距離馬。七夕賞も超Hペースを3番手で追走したわりにはよく頑張っている。一昨年2着時の藤岡祐とのコンビ復活で狙いどころとみた。

--------

小倉記念は木曜ぐらいからマーティンボロとダコールの二択で、つまり木曜ぐらいからもう外れてたわけですが(^ ^;)、メイショウナルトの逃げは緩みがないし、ここから差し馬を拾っとけば何とかなるんじゃないかという安易な予想でした

クランモンタナは最近は以前にも増してダッシュが鈍くなってるし、内枠やと好位で揉まれて4角で一杯といういつものシーンがうっすら浮かんだだけで、この馬に費やした検討時間は1分半ぐらいやったかな(^ ^;)

レースの前後半が60.5-59.5、しかし5F目から11.8-11.8-11.6-11.7-11.8-12.6とずっと緩みなく流れてゴール前は凌ぎ合いに

昨年の超Hペースの小倉記念を上がり35.2で追い込み、京成杯を上がり34.8で差し切ったベルーフにとっては願ってもない上がりのかかる決着になりましたが、この先行馬総崩れの持続戦を2番手で踏ん張りとおしたクランモンタナは本当にしぶとかった

けっこうひいきにしている馬で、最近でも暮れのディセンバーSや昨夏の新潟記念で◎を打ってますが、当時のコメントを再掲すると
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105738/

「いつまで経っても揉まれ弱い性格が難儀で、最近は行けなくなっているので成績がなおさら上がりませんが、前々走小倉記念は大外から追い込んで際どい4着、ここは少頭数の外枠がまずありがたい。ディープ×トニービンというとストレッチランナーのイメージですが、この馬はスキーパラダイスの牝系でキャプテントゥーレの弟で、Fair TrialやBold Rulerの機動力も受け継いでいるタイプ」(15/12/20)

「キャプテントゥーレやアルティマトゥーレの3/4弟で本来は先行粘り強い脚質で、揉まれ弱いので春の新潟記念のように馬群の中だと力を出せないが、ここはマイネルとアーデント以外に確たる先行馬はいないので好位で揉まれず運べるのではないか。となると、ラストインパクトとの叩き合いをハナ差凌いだ昨年の再現があっても驚けない」(15/9/7)

「クランモンタナは血統表をみても実馬をみてもキャプテントゥーレとハーツクライを足して割ったようなイメージで、1800~2200mで前受けしたときは[2-3-1-0]」(13/3/31)

アングライフェンの川田は向正面で一気に3番手に押し上げて、前にいるのは9人気と11人気、しかも11人気の馬にはすでにステッキが入りまくりですから、それよりも後続のほうが気になるのは仕方ないところ

あそこで交わされずに可愛がってもらえたのは大きかったですが、でも和田は決して引かずに、残り1000mずっと追いっぱなしで、諦めるな、諦めるなとクランモンタナをゴールまで叱咤激励しつづけた

たとえば繊細に鋭敏に斬れるディープ牝馬とか、すぐエキサイトするサクラプレジデント産駒なんかに乗せたら、今でもそんなに上手な乗り役ではないと思いますが、でも今日のクランモンタナは和田竜二でなければ勝てなかったと断言していいし、一昨年のサトノノブレス(これも母父トニービンでディープ産駒にしてはHyperion的粘着力が持ち味)につづいて、Hyperion絞り出しマンの真骨頂を見せてくれたレースでした

レパードSは人気2頭の一騎打ち、武豊ケイティブレイブが絶妙な逃げを打ち、それを射程圏に進めた戸崎グレンツェントがキッチリ差し切ったところがゴール

「1番枠は厳しかった」とレガーロの田辺はコメントしていますが、Seattle Slewの血を引き伸びのある体型で緩慢なストライドで走るレガーロとネクストムーブにとっては、北米三冠のラニのように、馬群に入らず伸び伸びストライドを伸ばして走れるかどうかがまずポイントでした

だから向正面で早々と外に持ち出し、そのままグルッと外を回してきた田辺はさすがで、あそこで距離ロスはあっても残り200mからの脚はレガーロが一番よかったわけですからあれで正解で、テン乗りで馬のキャラに合わせた乗り方ができるのが一流の証

ネクストムーブはアスカノロマンみたいな先行馬に完成するだろうと期待していますが、これも代々ナスキロ血脈を重ねた配合で柔らかく大きく走るので、行けずに内々で揉まれては苦しく、レガーロ以上に内枠が応えてしまった格好

直線バラけてからジワジワ伸びていたので能力があるのは間違いなく、大箱の高速馬場でフワッと先行できればオープン級やと私は思ってます

ウインズで「松若あああああああっ!」と叫んでたのは私だけでしたが(^ ^;)、帰りはメタボ博士と「ふる里」へ





そのあとは競馬関係者もよく集う「オジオコ」で飲んで帰ってきました
博士の行きつけの店ですが、競馬の楽しい話がいろいろできる居心地のいい店です

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8/6,7の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-08-08 10:36:16 | POG

■『ディープインパクト好配合リスト(2011)』で望田潤が推奨したクランモンタナ(牡7歳)が日曜小倉11R小倉記念(G3・芝2000m)を勝ちました。

○クランモンタナ(牡、母エアトゥーレ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105738/

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2016)』で望田潤が推奨したランガディア(牡2歳)が日曜新潟5R新馬戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

★ランガディア(牡、母マリーシャンタル)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106166/
プリンスダムの全弟。ルーラーシップ(キングカメハメハ×トニービン×ダイナカール)やドゥラメンテ(キングカメハメハ×サンデーサイレンス×トニービン×ダイナカール)とかなり近い配合になるが、こちらはエアグルーヴをくぐらずトニービンが入らないのでHornbeam≒パロクサイドのニアリークロスが少し弱い。美しい中距離配合には違いない。(望田)

■『ディープインパクト好配合リスト(2015)』で望田潤が推奨したハンナ(牝3歳)が土曜札幌2R未勝利戦(ダ1700m)を勝ち上がりました。

○ハンナ(牝、母リップスポイズン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106149/
母リップスポイズンは独1000ギニー(独G2・芝1600m)勝ち馬。Sadler's Wells≒Nureyev3×4、Far North≒Nijinsky4×4を持つ強力な父母相似配合になっていて、ディープの相手には面白い繁殖だ。母系の奥にFair Trialの血が強いのも好感。母父Mamoolはサドラー系の重厚な中距離馬だったので、本馬も2000mぐらいが合っているかもしれない。(望田)

■『ディープインパクト好配合リスト(2015)』で栗山求が推奨したサトノケンシロウ(牡3歳)が土曜小倉7R未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

○サトノケンシロウ(牡・母マジックストーム)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106088/
セレクトセール1歳で落札価格2億円。ラキシス(エリザベス女王杯、大阪杯)、サトノアラジン(共同通信杯-3着、ラジオNIKKEI杯2歳S-3着)の全弟という良血。母マジックストームは現役時代にモンマスオークス(米G2・ダ9F)を勝った。「ディープ×ストームキャット」はキズナ、アユサンなど多くの活躍馬を出しているニックス。上が活躍しているとなればあとは馬のデキ次第となる。兄姉の傾向から晩成タイプかもしれないが、この懸念が杞憂に終わるような産駒なら楽しみ。(栗山)

■土曜新潟4R障害オープン タイセイドリーム(ディープ・栗山)
■土曜札幌9R500万下 ケルティックソード(POG・望田)

クランモンタナは「ディープインパクト好配合リスト(2011)」の一期生で、リストに入れた同期生はディープブリランテ、スピルバーグ、ジョワドヴィーヴル、ディサイファ、フィエロ、ヴァンセンヌ、ファイナルフォームなどがいます

ランガディアは追い切りを見たときに「全兄プリンスダムよりもドゥラメンテ的な体質に見える」と書きましたが、直線狭くなってブレーキを踏んでそこから開いたときに加速する際のあのしなり、ああいう身のこなしはプリンスダムにはなかった

マリーシャンタルの仔はオール勝ち上がりでファントムライトを筆頭にみんな上級に出世しますが、その中でも屈指のデキやと思いますよ(・∀・)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする