栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」
柔らかくしなやかなサンデーの血は高速馬場の芝中距離を走るのに適しすぎていて、その血の拡散によって日本の芝中距離のレベルは間違いなく上がったし層も厚くなりましたが、一方で短距離～マイル路線のレベルダウンという代償も少なからずあったのではないか…ということは何度か書いてきました
ザックリ言ってしまうと、グランプリボスやダノンシャークやダイワマッジョーレといったマイル路線の王道を歩んできた馬を、別路線からやってきたトーセンラーやロードカナロアやショウナンマイティやサダムパテックが中距離馬の(もしくはスプリンターの)格や性能でねじ伏せてしまう…というのが昨今の芝マイルG1
そして中距離馬が格で差せないときには、リアルインパクトやショウワモダンやエーシンフォワードなんかが勝ってしまって望田はもうお手上げ状態(^ ^;)
けっきょくそれは、グランプリボスやダノンシャークやダイワマッジョーレがマイル路線の主役を張るには少し頼りないからで、なぜ頼りないかというとサンデーを血を引くぶんマイル王としては少ししなやかすぎて頑強さが足りないので、芝1600mのHペースでうなりをあげて抜け出してくるマイル王の横綱相撲がとれない
私の辞書にあるマイル王ってのは、タイキシャトルもアグネスデジタルもエアジハードもみんなそうですが、Hペースになればなるほど喜び勇んで抜け出してくるのですよ
最近で惜しい例は名繁殖コートアウトの息子でサンデーの血を引かないストロングリターンで、あの馬がもう少し脚元が丈夫だったならば、うなりをあげるマイル王に2年ぐらいは君臨できたかもしれない…とも
今年の安田記念の登録馬でサンデーの血を引かないのは、香港のグロリアスデイズと8歳のレッドスパーダだけです
芝マイル路線
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/1b5a21aa5e3e0a21563b70f31b30a7af
■『ディープインパクト好配合馬リスト(2013)』で栗山求が推奨したパリーアーク(牡3歳)が土曜東京2Rの3歳未勝利戦(ダ1600m)を勝ちました。
○パリーアーク(牡・母ムーンライトダンス)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104086/
脚が丈夫ならとっくに重賞を勝っているムーンリットレイクの全弟。母は愛インターナショナルS(G3・芝8F)の勝ち馬で、その半兄に愛ダービーやタタゾールズゴールドC(いずれも愛G1)を勝ったグレイスワローがいる良血。芝中距離向きの高いポテンシャルを感じさせる馬で、兄を超える活躍を期待したい。
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2012)』で栗山求が取り上げたヘヴンズチョイス(牝3歳)が土曜東京3Rの3歳未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がりました。
★シルクホースクラブ
父マンハッタンカフェ
母アーティストチョイス(ジャイアンツコーズウェイ)
牝 募集価格：1500万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103770/
近い世代にStorm CatとRobertoを併せ持つのでトレンドハンター(フラワーC、桜花賞－3着)と似ており、母の父Giant's Causewayが抱えるRahyは父マンハッタンカフェと相性がいいことで知られています。母のNorthern Dancer4×4も好ましいですね。この配合を活かせるかどうかは豊富な筋肉量に掛かっていると思うのですが、本馬の馬体を見るかぎり、Robertoの影響なのかしっかりとした腹袋とトモの発達が目を惹き、なかなかの素材ではないかと思います。芝向きの中距離タイプで仕上がりも早いでしょう。(栗山)
ヘヴンズチョイスは強かったですね～(・∀・)
アーティストチョイスはGiant’s Causewayの強力な相似配合で緊張度の高い配合で、これを緩和できる種牡馬をもってくればだいたい走る仔を出しそうな
一つ上のラッフルズチョイス(父ネオユニヴァース)なんてなかなかの好配合やったんですが、デビュー2戦目で骨折予後不良、妹は兄のぶんまで活躍してくれるでしょう
あと申し訳ないですが、「望田潤の3歳勝ち馬評価」は一週お休みで、来週まとめて2週分更新します
