栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週の雑感・東京編~東京でこそ光り輝く、Seattle Slewのダートの決め手

2012-11-13 19:55:02 | 血統予想

土曜の錦秋を勝ってついにオープン入りしたウォータールルドは、ピクシープリンセスやアグネスウイッシュにも乗っておられたeddieさんが育成に関わった馬で、和風スプリンターと洋風ステイヤーと砂マイラーという異なるカテゴリでみんなオープン級に出世ですから、よっぽど育成者の腕がいいんでしょう(・∀・)

レアなウォーターリーグ産駒でもありますが、Mr.ProspectorとVice RegentとボルキロラトロとHalo≒Boldnesianをクロスする完成度の高い相似配合で、たしかにオープン張っても不思議ない説得力はあります
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102251/

フェラーリピサにミスプロのソースをぶっかけたような配合でもありますから、やっぱり東京の軽いダートが合うし距離もマイルがピッタリ

2着ツクバコガネオーは母父A.P.Indyで4着ナイトフッドは父シンボリクリスエスですから、Seattle Slew持ちが1,2,4着したレースでもありました

東京ダ1600mは昔からナスキロ血脈がモノをいうレースで中でもSeattle Slewは強く、サクセスブロッケン、カジノドライヴ、ダノンカモンといったフェブラリーを好走したSeattle Slew持ちは、その実績で阪神のJCDでも人気になるのですがことごとく人気ほどは走れず…というのは『サラブレ』でも書いたネタ

京王杯のエーシントップはStorm Cat系でMr.Prospector3×5にBold RulerとRound Table-Princequilloの組み合わせのクロスを重ね、東京の良でも柔らかみのある身のこなしで軽やかに駆け抜けましたが、レースぶりが大人びていて完成度が高いのもたしかでしょう

ラブリーデイはキンカメにRobertoですからストライドよりピッチで加速するタイプで、本来は東京より中山向きというべきですが、今日はピッチ加速の馬に向いたレースになりました

カオスモスはマイネルラヴ×ファルブラヴの血統通りのスプリンターだと思いますが、デイリー杯に続いてスプリンターのピッチ走法で好走可能な質のレースになった…ということで

マイネルエテルネルは欧州のパワーと粘りのスプリンターですから、今日はスローに落としすぎで鋭さ負けしました

ヴァンフレーシュはまさかのシンガリ負けも、上がり3F34.7は自身最速を更新、つまり上がり34秒後半の競馬で強い馬で、Kingmamboの硬い体質がONになっているパワー粘着型ですから今日のようなレースでは出番なし

「2歳勝ち馬評価」で取り上げたのでここでは詳しく触れませんが、日曜5Rでベステゲシェンクが新馬勝ちして、これで母系にAllegedを引くディープインパクト産駒は10頭中9頭が勝ち上がり、そのなかにはベステゲシェンクの全姉シュプリームギフトをはじめ、エタンダール=クリサンセマム、ラスヴェンチュラス=ディープサウンド、そしてベールドインパクトが含まれており、異性の全きょうだいが揃いも揃って走っているということからも、信頼度の高いニックスというべきではないかと

この組み合わせはTom Rolfeの母PocahontasのクロスになるのでRoman的なパワーがONになりやすく、そしていつも書くようにスプリンターやマイラーの母からマッスルを補強したディープ産駒は、開花や完成が早めになる傾向もあります(スーヴェニアギフトは米短距離G3勝ち)

ベステゲシェンクも姉とはタイプが少し違いますが、手先のパワーが凄いという点は共通していますね~

ノベンバーはアナバティックが1000m通過59.3で逃げたので1.45.8の好時計決着となりましたが、調べてみると東京芝1800mの準オープン戦で1000m通過が60秒を切ったのは2010年11月ノベンバーS以来というのだから泣けてきます…(これがG3エプソムCになると頭数が揃うこともあって、5年連続で58~59秒台で流れてるんですね~)

今回は「平均ペースの馬だと思ったから」という好判断で祐一が緩めず逃げたので、準オープンの東京芝1800m戦としては2年ぶりに真の東京1800m適性が問われるレースとなり、これならエプソムCも勝つんじゃかなかろうかというぐらいの脚でサトノギャラントが圧勝、そして脚の回転は出走馬中一番遅いかもしれないアナバティックが、Nureyev4×3譲りの力強いストライドを伸ばしてギリギリ粘って2着

そして「本来は東京より中山向きのパワー加速ピッチ走法なのだ」と望田に言われ続けてきたヒシカツジェームスは、直線全く伸びませんでした

しつこいようですが、2010年以降の東京芝1800mの準オープン戦13Rにおいて、1000m通過が60秒を切ったのは2回だけです

これがせめて半分近くにはなってほしいと思うし、アナバティックみたいな緩慢なストライド走法で持続力で頑張るしかないような馬に乗るジョッキーの方は、この祐一の刻んだラップを参考にしてみてください

33秒0で上がる人気馬の近くでジッとしてたって、たぶん活路は開けませんよ

武蔵野は12.7-12.9-12.4と3~4角が猛烈に中だるみしたので、そこで馬群がひとかたまりになって直線はインは大渋滞、ナムラビクターの内を狙ったマルカフリートなんて完全に脚を余してました

なので結果論ですが、スローの上がりの競馬でも早めに外に出して追い上げた馬たちが正解だったというわけで、にしてもイジゲンの決め手はここでも一枚抜けてましたね~

これでJCDへという話もあるようですが、Seattle Slewを引き東京マイルで好走して人気になった馬たちは…あれさっき書きましたねこの話

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「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」ウインレーシングクラブ(二次)から1頭

2012-11-13 14:05:11 | 共有クラブ

先ほど「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」ウインレーシングクラブ(二次)から1頭ピックアップしました~

先週のピックアップ馬は、ローブティサージュ(望田)がファンタジーS2着、また新馬戦でもレッドオーヴァル(栗山)とミストフェリーズ(望田)が2着と勝ちきれませんでしたが、ローブティサージュは秋山もコメントしているように休み明けで1400mは少し忙しかったし、センスの良さで対応はしましたがやっぱりベストは1800mをHalo的な機動力で…という馬やと思うので、展望は広がった2着やったんやないかと

サンブルエミューズ(父ダイワメジャー)、ローブティサージュ(父ウォーエンブレム)、ロードシュプリーム(父ロードアルティマ)、ディアデラマドレ(父キングカメハメハ)、ディアマイベイビー(父ディープインパクト)、ハドソンシチー(父マンハッタンカフェ)、ブルーボンボヤージ(父Medaglia d'Oro)、ホワイトフリート(父クロフネ)、マイネルクレイズ(父ダンスインザダーク)、マイネルブルズアイ(父アルデバラン)、マジェスティハーツ(父ハーツクライ)、レッドセシリア(父ハーツクライ)と、昨年ピックアップ馬が続々勝ち上がり!
現在ウイン(一次、二次)、キャロット、グリーン、シルク、ターファイト、ノルマンディー、ラフィアン(一次、二次)、ロード、ローレル、東サラの募集馬をピックアップ中!

栗山求・望田潤の「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」
http://miesque.com/c00009.html

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『サラブレ』12月号にて、JCとJCDの記事を書いてます

2012-11-13 09:38:40 | その他

本日11/13発売の『サラブレ』12月号にて、「JC&JCダート出走予定馬の配合を分析 東京芝2400m&阪神ダ1800mでパフォーマンスが上がる配合馬・下がる配合馬」なる記事を書いてますので、よろしければご一読くださいm(_ _)m
http://www.enterbrain.co.jp/sarabure/

特集「確変血統を追え!」の加藤栄さんと栗山さんの対談も楽しみですね~

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