即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

女王の品格

2008年05月15日 21時58分27秒 | 将棋
昨日行われたマイナビ女子オープン第四局で、矢内女流名人が勝ち、見事初代女王に輝きました。

これ、じょうおうでなく、じょおうなんですね。
Danchoさんこの記事で知りました。)
勝ちっぷりも局後のインタビューも堂々としたもので、和服も似合うし、風格があります。
皆で、女王様、じゃなく、矢内新女王と呼びましょう。

今週の週刊将棋に、マイナビ女子オープン第三局について、遠山四段の観戦記が載ってました。

越えるべき高い壁。女流名人に余裕あり。》というタイトル。

矢内女流名人と同期の遠山四段が、女流に対して、またこの二人に対して、愛情いっぱいの視点で筆を振るっていて、臨場感溢れるいい観戦記に仕上がっています。

1年半前の観戦記に、「近い将来この二人はタイトルを争う関係になる予感がする。」と書いたことが実現した。
それほど、甲斐女流二段には期待していた、とのことです。
そして、甲斐さんに必要なのは良い意味での開き直りだ、と指摘している。
いい加減さ、大胆さが備えられたら、さらに一歩成長するはず、と書いている。

そして、矢内さんの一皮向けた要因は「ゆとり」、としている。
相手に好きなだけ指させてカウンターを狙う将棋。

アントニオ猪木のようだというコメントもありましたが、それにはよほどの自信や余裕がないとできない。

しっかり瞑想して、無心で自分の将棋を指す。
ゆとりがあるからこそ、自分らしい自然な手を指せる。

将棋が好き、楽しいという気持ちに裏打ちされたしっかりした核のような部分ができている。

謙虚に将棋をまだまだ強くなりたいという意志のもと、それを中心とした生活ができている。

片上五段の大盤解説の時の写真が載ってます。

大盤の横に凛と佇む和服の矢内名人と、
大きなバッグを片手に抱えてマイクを持っている洋服の甲斐二段。

(甲斐さんにはかわいそうだけど)
どっちが勝ったというだけでなく、貫禄、風格、品格が明らかに違う。

感想戦の時に、
「なぜ急戦をしかけたのか」、と聞かれ、
「観戦記者が遠山君だったから。」
「一年半の自分の成長を見てもらおうと思って。」
と答えた新女王。

やるもんです。
自然体で気負いがなく、いい感じです。

前の将棋世界で、「私って鈍感なんです。」
とも言っていたけど、

矢内女王・女流名人は、まだまだ伸びていきそうな予感がします。

甲斐さんにとって、矢内さんの壁は高い、とありますが、
矢内さんにとって、清水さんという高い壁を越えることができるのかどうか。

ということで、ますます楽しみな女流王将戦です。
コメント (4)
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