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小人たちの黄昏(巳):さらば寒空小人

(前回からの続き⇒)
ある日、シフト勤務前の業務で手順ミスがあったことを、
関連会社のメガネの社員から伝えられた。
数日前、デジカメの画像をプリントアウトしたような書面が、
なにやらあったもの、具体的な記述もなく。
口頭での引継ぎもなかった。
「何故ですかね?」
「おたくの会社でキチンと報告をくれるのは、あなただけですよ」
こう言われたもの、どう答えていいのか分からなかった。
もし所定の業務を行っていない人物がいるのであれば、
こちらで把握しておく必要があり。
系列のグループ会社とは言え、不用意なことを、口にできなかった。
「新しい事業所では、やれることを一通りやっておきたいんですよ」
・・・とでも言うしかなかった。


(画像は、JR東日本、上野駅)

事業所での立場を、現場長は権力だとカン違いするようになり。
いつの間にか、現場を私物化していくようになっていた。
シフト上、顔を合わせる機会が、ほとんどなく。
所長が不在となれば、ケーブルTVのある多機能フロアで、
映画やドラマばかり見ている雰囲気もあった。
組織社会で関わってくる人物(同僚や上司など)が、
自分本位な行動ばかりするような身勝手な性格であれば、かなり悩まされる。
それに、何もしないのは、気分が悪かった。
再度、本社担当に、現場長の服務態度が疑わしいことを伝え、
「実態を把握していただけないでしょうか?」と頼むことにした。
この報告に対して、担当がとった行動は、あまりにも、お粗末なものだった。
不正行為をしている当人へと…、
「お前が、不正行為をしていると言うものがいるんだけど、
お前、不正しているのか?」と訊ねただけだった。

不正行為を行っている(疑いがある)人物だと申告しても、
それを本人に確認するような“芸のなさ”は、
きわめて愚かで考えのないものだった。
その後も、何度か報告をあげたもの。
それで調査は終わりとなった。



まさか担当である本社係長から、
“梯子(はしご)を外されている”とは知らないまま。
仕事を続けていく。

しかし、提供している仕事の質が、
どんどん下がっていく営利企業など存在しない。
いや、言葉が正しくない。
“存在しない”というより“存在できない”と言うべきかも知れない。
こんな事実の裏側を知ることになったのは、
その後、社内外が騒然とする不祥事となるからだった。



補足:
ビジネスとは、経済活動(生産、流通、消費など)において、
利益を得ていく事業活動のこと。
金銭と引き換えになる物品が存在しないサービス業も生産活動となる。
サービスやサポートの仕事は、職場の信頼や信用に関わってくるもの。
営業のような利益としては、数字が出てなくても…、
「お金を払わなくていいんだ♪」
無料(タダ)なのだと思い違いをすれば、大変なことになる。
社会的な信用は、お金では買えない。
それに値段のないものは、買い戻すことができない。
職場の信頼や信用に関わるものを失くせば、取り返せなくなり。
もはや、どうしようもなかった(続く⇒)


(2022年3月画像追加)
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