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球磨焼酎(完結編?):令和2年2月2日のこと

(画像の蔵元は、松の泉酒造)
(前回の続き)
アルコール度数の高い蒸留酒(スピリッツ)は、
そのままで味わうより、水を加えて飲む(割り水)のも悪くない。
水を加えることで、香りが開くときもある。
もしくは、“和らぎ水(やわらぎみず)”をはさんで味わうのもいい。
(補足:和らぎ水 ⇒ 日本酒におけるチェイサー)
しかし、水道の水を、そのまま加えるのはいただけないところ。
日本の水道から供給される水質のクオリティーが、
きわめて高くても、デリケートな味わいを崩してしまうことも少なくない。
アルコール度数が高ければ、「強い酒」だから、
味わいが崩れないようなイメージを持たれる方もいるけど。
アルコール度数は高くても、球磨焼酎には繊細な味わいがあり。
クセのないミネラルウォーターや蔵元のマザーウォーターで割るのが、
オススメであり、美味しく味わえる。


(画像は、松の泉酒造のもの)



レストランサービスなどのプロには不満に思われそうだけど。
日常の食生活は、ソムリエやギャルソンがいる空間とも異なる。
そこで満足させてくれるのは、完璧なマリアージュではない。
…というよりも、マリアージュと言うものから
ちょっと離れて味わいたい。
球磨焼酎は、そんな要望にもピタリとくる。


(画像は、松の泉酒造のもの)
<4件目:松の泉酒造のHP(外部リンク)>
あらためて言うまでもなく。
お酒というものは、嗜好品であり。
一般的に、品質の高いものは、高級品となる。
高級品とは贅沢なもの。
贅沢だからこそ、いつも味わえるハズもなく。
この贅沢を得るために、また踏ん張ろうと考える。
ブログやインスタグラムに記事をアップする人たちには…。
単に自慢したいだけ、
もしくは、レポートをあげて客観視したいだけの方もいるか知れない。
それもアリだとは思うけど。
贅沢なときを味わえることは、ありがたいことであり、
そして、ウレしいこと。
正直、球磨焼酎は驚かされることが多く。
より多くの人たちに魅力を知って欲しい。
今回のツアー記事「令和2年2月2日のこと」の最初の記事



今回のツアーには、焼酎の蔵元以外にも見どころはあったのですけど。
それは、またの機会にでも、ね?
今回のツアーを組んでいただいた「ものがたり酒店」のHP
⇒ (外部リンク)
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球磨焼酎(後編):令和2年2月2日のこと

(画像の蔵元は、抜群酒造)
(前回の続き)
焼酎のアルコール度数は、
ほとんどの場合、20~30度ほどになるけど。
蔵元では、40度ほどのものも扱っている。
これは単式蒸留器で、さらに蒸留(2回目)が行うものもあれば、
蒸留の初期段階で得られるアルコール度数の高いところを、
とるものとがある。
※ウイスキーの再留で行われるミドルカットのような手法となる。
これらの手法は、蔵元によって異なる。


(画像は、抜群酒造のもの)
今回、見学させていただいた蔵元では、
その都度、メモを取っていたのだけど。
帰宅後、色々な資料と共に、ゴチャゴチャとなってしまった。
情けない話ではあるが、
それぞれの蔵で用いられていた“つくり”の特色などを、
分類できないこととなった。
いずれ球磨焼酎の蔵元へ確認できればと思っています。
<3件目:抜群酒造のHP(外部リンク)>


追記:
球磨焼酎は、WTO(世界貿易機関)にも
地理的表示が認められており、
フランスのシャンパーニュやスペインのシェリー(ヘレス)などと同じく。
この人吉・球磨の産地外のものは、球磨焼酎と呼べないものになっている。
日本国内においては、文化庁が認めている日本遺産であり、
同時に特許庁による商標として認められている。
これは生産者にとっては誇りでもあり。
なにより地域に愛されている。
(続く⇒)
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球磨焼酎(中編):令和2年2月2日のこと

(画像は、深野酒造のもの)
(前回の続き)
球磨焼酎では、日本酒(清酒)と同じように、
原料である米を精米してから、糀菌によって糖化される。
精米とは、玄米の表面を削って、
白米(食用白米)にするのと同じこと。
食用白米(飯米)の精米は、精米歩合90~92%となる。
日本酒では、糀菌を用いての糖化や発酵において、
不要となる表面を、食用白米より削ることになる。
純米大吟醸酒などに用いられる酒造米では、
精米歩合50%以下となるけど、
球磨焼酎では、そこまで精米されることはない。


(画像は、深野酒造のもの)

(画像は、深野酒造のもの)
日本酒とは異なるが、穀物である麦を原料としているビールでは、
麦を発芽させた“麦芽(Malt)”を用いている。
何故、日本を含めた東アジアの地域では、
カビの一種である麹(糀)菌が用いられたのかは不思議にも思える。
これについて、ウイスキー評論家の大先生(※)から聞いたことがある。
※ツチヤ先生なんだけど、ね。
米を麦芽のように発芽させ加工しても、酵素力は弱く。
酒造には向かない。
だから、日本を含め、アジアでは“麹”が使われてきた。



(画像は、深野酒造のもの)
熟成に用いられている樽。
色々な試みがされているようで、今後も目が離せない。
<2件目:深野酒造のHP(外部リンク)>



(深野酒造にあったポスター。)
“アニメファンによる聖地巡礼”という訳でもないけれど。
球磨焼酎の産地、熊本県球磨郡と人吉市は追い求めていた場所の1つ。

(続く⇒)
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球磨焼酎(前編):令和2年2月2日のこと

(画像の蔵元は、大和一酒造元)
「焼酎」と言えば、
古くから日本で、米や麦、芋など用いて造られてきた蒸留酒。
「焼酎」の原料には、国税庁が定めた53種類が使用されている。
日本に蒸留技術が伝わってきたのは、
いつ頃になるのか正確には分からない。
もっとも古い記録としては、
鹿児島県大口市にある郡山八幡神社から
「神社の改修工事に際して、
ケチな施工主は一度も焼酎をふるまってくれなかった」
…という宮大工が永禄2年(1559年)に書き残した落書きが
見つかっている。


(画像は、大和一酒造元でのもの)

1546年 …
フランシスコザビエルの手紙の中にも米焼酎の記述がある。



(画像は、大和一酒造元でのもの)

江戸時代、焼酎1杯の値段は、大工の1日分の給金だったとのこと。



本格焼酎が、それぞれの県で造られている九州地方の蔵元は、
いずれ訪れてみたいと思っていた場所の1つだったが、
資料集めは進んでいないのが実情だった。
それぞれの県で特色ある焼酎が生産される九州地方は、
暑さに弱い黄麹で造る清酒ではなく、
腐敗を防ぐクエン酸を大量に生成する黒麹(白麹)で
仕込まれる焼酎文化が根付いった歴史的土壌があり。
そんな九州地方の中央部にある熊本県は、
九州全県と県境が接している。
面積は7409平方キロメートルになる。
熊本県の焼酎は、米焼酎が主流となり。
その代表とも言える球磨焼酎は、本格焼酎(乙類焼酎)となる。

九州地方の焼酎には、麦や芋も印象的だと思われるけど。
歴史的には、米焼酎が、一番、古いものとなる。
<1件目:大和一酒造元のHP(外部リンク)>



追記:
新旧の文化が、生活の中に入り混じっているのは、
珍しいことではないけど。
それを強く意識させられる。
都市部での生活に慣れてしまったいるからという訳でもなく。、
ここ(人吉球磨)は、そのような場所。

(続く⇒)
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怪猫:令和2年2月2日のこと

(前回の続き?)
ちょっと話が外れますが…。
猫とハードリカー(蒸留酒)の組み合わせと言えば、
ウイスキー蒸留所のウイスキーキャットの話が有名だけど。
人吉駅より、北東に位置する千光山生善院には、
酒蔵にネズミを寄せ付けないウイスキーキャットのような存在ではなく、
化け猫の物語が伝わっている。



熊本県球磨郡は、鎌倉時代から明治維新までの700年にわたり
領主・相良氏が治めてきた。
人吉駅より、北東に位置する千光山生善院の場所には、
かつて普門寺という寺があり、化け猫の話が伝わっている。
その昔、普門寺の住職は、相良氏によって、
無実の罪で非業の死を遂げ、同時に寺も焼かれたとある。
住職の母、玖月善女(くげつぜんにょ)は相良氏を呪いながら、
愛猫と身を投げたことから、
その後、相良氏は、化け猫に悩まされることとなり、
霊を鎮めるため、普門寺跡に建立されたのが生善院になるという。
(正直、かなり省いています。)
京都(みやこ)の喧噪も遠く、のどかな地域での700年と聞けば、
安定的に平和だったようにも思えてしまうけど、
このような怪談話が伝えてくるのは、呪いや妖怪が実在するかではなく。
死して、人を呪うほどの業(エネルギー)があったということ。

蛇足:
子供の頃に見たマンガには…、
“神の姿を写そうなどとは畏れ多いことだぞ!!”
と言う描写があり、
寺社などへカメラを向けるのは、ちょっと抵抗感がある。
神仏として崇拝されている偶像(アイドル)というものは、
パブリシティが発生している商業的な”アイドル”とは、
「格」や「質」と言ったものが異なる。
なんかバチがあたりそうなのだ。
…と言うことで、
この“はんぐおーば”では、寺社や仏閣、教会の画像は(ほとんど)ない。
(関連する過去の記事)
そこで、こんな画像で勘弁いただきたく存じます。
(次回からは球磨焼酎に関してとなります:続く)


(画像は、ものがたり酒店前で撮ったもの)
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