普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民党大敗の敗因

2009-08-31 12:21:13 | 麻生内閣

 予想されていたように自民党が大敗しました。
 その敗因について普通のおっさんの眼から見たことを並べて見ようと思います。
 いつもながらの書き漏らしや勘違いもあると思いますが聞いて下さい。

 この件についての各社の社説の中から割の公平に書いている読売の社説は概要次のように書いています。 (青字は社説、黒字は私の意見です。)
・小泉内閣の市場原理主義的な政策は、「格差社会」を助長し、医療・介護現場の荒廃や地方の疲弊を招いた。
 私は今回の選挙は(麻生政権と言うよりも)小泉さんの任期中の総括であること、小泉さんのやり方と後を引き継いだ安倍さんがまだ自民党の勢いがあったときに、小泉政治の引き継ぎでなくて、その脱却か修正を唱え行うべきだと書いてきました。
 それをしなかった付けが今回の大きな敗因の一つです。 (なお福田さんと麻生さんは小泉改革の負の部分の後始末や金融危機の処理に追われるだけで精一杯でした。)
・小泉後継の安倍、福田両首相は相次いで政権を投げ出した。
  マスコミは安倍、福田、麻生の三人とも国民の信任を受けていないと批判していましたが、議会制民主主義では自民党内閣が国民の信任を受けていることや、小沢さんの国のことより政局中心でゴネ廻って政治を停滞させた責任に就いては殆ど触れていませんでした。
・麻生首相は、小泉路線の修正も中途半端なまま、首相としての資質を問われる言動を続けて、失点を重ねた。
 私は麻生さんが一番に問われるべきは、「私はもともと郵政改革に反対だった」と言う自民党政権の首相にあるまじき言い訳をしたことだと思います。
(そして当然のようにこの発言で麻生内閣の支持率は急落しました。)

[私の意見]
 ・不運な麻生さん

 私は、総裁選のとき、麻生さんが念願が叶ってやっと自民党総裁になっても、当時から自民党の敗戦は予想されたことで、敗戦の責任を問われて翌年の9月には総裁の場から降りることになり、2度と総裁になることはないだろうと、麻生さんの選挙区の区民として私情を交えて書いたことがありましたが、その通りに成ってしまいそうです。

・霞が関改革に弱腰の麻生さん?
 麻生さんは公務員制度改革で人事院総裁の反対、地方の出先官庁の統合問題で官僚の反対に逢い、先のばしにして仕舞いました。
 あの時断固として強い態度に出ていれば、一気に麻生さんの支持率が上がる のにと書きましたが、そうはしませんでした。
 私は今回の選挙での敗戦の最大の原因の一つは、麻生さんの霞が関改革への弱腰?となりそうだと書きました。
 そして事実は、
a.解散直前まで霞が関改革を訴える中川秀直さんや武部さんのおおっぴらの反発に逢い、渡辺喜美さんの離党と共に内閣と自民党の支持率を大きく落としたこと
b.同制度改革を訴えた「みんなの党」が民主党の勢いに埋没することなく、1議席増やしたこと、さらに比例で2議席取れるはずが、同党に所属の議員が復活に必要な有効投票総数に届かず他党に譲ることになったこと
c. そして自民でも日本郵政の西川善文の解任(詰まり改革の見直し)を主張して総務大臣の辞することになった鳩山邦夫さんが当選
など考えると、私の心配が当たった様です。
参照: 民主と「みんな」の比例議席、他党へ 4議席「譲渡」

・甘い選挙戦術
 a.上記のことに関して言えば麻生さんは「責任力」と言っていましたが、国民の中には麻生さんの言葉から、彼が霞が関改革に反対の官僚の言い分をそのまま呑み込んで先のばしにした、無責任と思われる弱腰姿勢を思い出した人も多いと思います。
c.民主党のマニフェストの子ども手当てや高速道無料化に対してはマスコミも指摘したようにかなりの不安要素があります。
  唯唯一批判がなかっのは霞が関改革です。
  もし自民党がマニフェストの中で官僚制度改革の方針を強く打ち出したら、民主党の一枚看板の選挙効果を相殺することになり、民主党は政権交代を訴える他自民党に対抗する手段はなくなっていたはずなのに
d.鳩山さんは民主党は政権交代を訴えて自民党を批判しているのに、麻生さんは自党の政策の有利さを訴えるだけなのを見て、郵政選挙のとき小泉さんが郵政改革の抵抗勢力として民主党の批判をしていたのに、岡田さんは明後日を向いたように消費税の値上げなど民主党政策のPRをしていたのを思い出しました。
 相手が喧嘩を売っているときは、それを買うべきです。
 昨日の読売では、自民党は全面広告で、「日本を壊すな」としてばら蒔き政策で子どもたちにツケを残すな、日教組に子どもたちの将来を任せるな、特定の労働組合の偏った政策を許すな と書いてありました。
 しかしこの広告の効果は一日限りです。
 テレビは鳩山さんと麻生さんの毎日の演説を放送していました。
 然し毎日放送されるテレビでの麻生さんの演説から民主党のアキレス腱をぐさりと突くような発言は聞いたことはありませんでした。 (あるいはテレビが編集したのかも知れませんが。)
 これでは小泉さんの時の岡田さんと同様に麻生さんが喧嘩に勝てる訳はありません。 
(まともに喧嘩をしても、自民党の敗退は避けられなかったと思いますが、少なくとも今回のようなぼろ負けは避けられたと思うのですが。)

・自民党の脇の甘さ
 そして自民党が今後の問題を含めて一番考えねばならないの自民党の脇の甘さです。
 党内基盤の弱い麻生さんを担いでおいて、マスコミ向けのおおつぴらの麻生批判、前に書いたように中川秀直さんグループの麻生降ろし発言。
 自民党陥落を面前にして党内が団結しなければならないときに、普通の常識では考えられないことです。
 私の持論ですが、過去何十年にも亙っての第一野党は絶対に政権が取れない社会党で、何をいっても何をしても政権が転がり込んで来る、自民党に取って古き良き時代の反省が全くないいままの習性が、 (現に天下を取った民主党の出現でも判るように)時勢が全く変わっているのに、なお残っている としか思えません。
 政権陥落を眼の前にしているときこそ、総裁に問題があればマスコミに言う前に、外にもれない形で彼に忠告し、皆で団結して支えて行くのが普通と思うのですが。
  昨日の各局の国政選挙結果報道の特集番組の中で、自民党の有力政治家が「麻生さんが負けっぷりの良さを言っていたのだから、潔く辞任するのではないか」と言ったことを紹介していました。 (自民党員総崩れの報道のなかで、こんなことを良く言えたものだと思われませんか。)
 自民党は外野から言わずとも、今までのあり方など検討するし、その前に敗戦の総括をすると思いますが、その時麻生さん一人に責任をオッ被せていては、自民党の再生は出来ないと思いますが

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