普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党の経済政策

2009-08-15 11:07:59 | 民主党

 一昨夜、毎日放送系で党首討論会がありましたが、そこで鳩山さんは予てから批判があった民主党の経済戦略について子供手当てなどの内需拡大への方向転換による経済成長政策を言っていました。
 民主党の経済政策に対しては産経ニュースによりますと GDP押し上げ効果はわずか0・1% 民主党政策 
として次のように報道しています。
 野村証券金融経済研究所は民主党政権が誕生した場合、その経済財政政策による実質GDP成長率の押し上げ効果は、平成22年度で0・1%、23年度で0・4%にとどまるとの試算をまとめた。「子ども手当」などで個人消費が押し上げられる一方、景気に“即効性”がある公共事業が削減される可能性があり、「効果は限定的」とみている。
 月額2万6000円の子ども手当のほか、高速道路無料化やガソリン税などの暫定税率廃止により、個人消費が22年度に0・3%、23年度に0・5%押し上げられると試算。一方で、公務員の人件費削減などによるマイナスを差し引くと、押し上げ効果は22年度で0・3%、23年度で0・4%にとどまる。
 一方、公共事業の伸び率は22年度に4・6%、23年度は1・0%成長率を押し下げられるとみている。
と報じています。
 読売の民主党のマニフェスト紹介の内から鳩山さんの言う国内消費に影響しそうなものを探してみますと、
・独立行政法人、公益法人をゼロベースで見直す(国内消費マイナス)(出向の公務員はもとの官庁に戻るとしても、その他の人達が失職しただけ国内消費が減る)
・国家公務員の天下りあっせんは全面的に禁止(国内消費マイナス)
(・国家公務員の総人件費を2割削減?この件については注記を是非ご覧ください
・国会議員の定数削減(国内消費マイナス)
・1人当たり年31万2000円子ども手当を創設(国内消費プラス) (家庭の収入が増えれば支出も増える)
・公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減(国内消費プラス)
・生活保護の母子加算を復活し、父子家庭にも児童扶養手当を支給、児童扶養手当の減額制度を廃止 (国内消費プラス)
・保育所の待機児童を解消(国内消費プラス) (母親の就労で収入が増え消費も増える)
・年金受給者の税負担を軽減(国内消費プラス)
・介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる(その分を介護保険料で頼るのであれば国内消費マイナス、職員の賃金が上がる面ではプラス)
・高速道路を原則無料化 (国内消費プラス)
・戸別所得補償制度で農山漁村を再生、畜産・酪農業、漁業にも適用(国内消費プラス)
・中小企業向けの減税を実施(国内消費プラス)
・製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る(国内消費プラス)
・最低賃金を引き上げ(国内消費プラス)

 以上の項目を見ますと、もともと経済戦略ではまるでなく、非正規社員問題や最低賃金引上げ、中小企業向けの減税などの対症療法は良いとしても、子ども手当てに5兆円近くをつぎ込むのを始めとして、高速道路無料化、(自民党の補助金政策で失敗で疲弊が進む)農山漁村の所得保障など、高額の金を投入して、本気で経済を立て直すと言うよりも、小沢さん一流の政権を取るためには何でもやる考え方が優先しているような気がしますがどうでしょうか。
 そして経済に対する基本政策が欠けているとの批判に対して、今までの輸出依存より内需に転換したと主張しているに過ぎないような気がします。
 野村総研から「GDP押し上げ効果はわずか0・1%~0.4%」と指摘された経済成長に殆ど効果がない民主党の政策の上に、(私も賛成ですが)上記のリストで示したように官僚組織の改革を進めることに伴う国内消費の減少、派遣社員の制限、最低賃金のアップによる企業競争力の減少はさらに経済成長の足を引っ張ることも忘れてはいけないと思います。

[私の提言]
 そうかと言っても、民主党は今更、子ども手当てなど目玉の政策を引っ込めることは出来ません。
 そして民主党政権発足の可能性は高くなってきました。
 そこで私の提言です。
 民主党は政権奪取後も安全保障の問題では、外交の継続性を訴えて方針の転換をしましたが、経済環境が改善するまで、そして政権について始めと知ることが出来る(国民やマスコミの反応の変化を含む)廻りの状況が良く見えるまで、そして効果の殆どない民主党の経済政策で、日本の経済をガタガタにしないために、自民党の金融・経済危機に対する緊急政策を継続してはどうでしょうか。
 その間は民主党の一枚看板である、公務員制度改革や、今までの官庁の慣行の改善に党の勢力を集中し、日本経済が立ち直ってから徐々に様子を見ながら、民主党の他の公約を実行してはどうでしょうか。
 政権を取ったからと浮かれて、ばら蒔き政策を急激に進めたり、今まで表に出て活躍していた自民党出身者や松下政経塾の出身者を引っ込めて、日教組出身者や社民党の閣僚など入れれば、民主党の政権も一回限りになると思います。
 政権交代を継続的に行うためには、民主党の慎重にも慎重な政局運営を期待したいのてすが、果たして?
 小沢さんが作った細川政権の二の舞になりまた、自民党の天下が続くことにならなければよいのですが。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ

追記:国家公務員の総人件費を2割削減?
 これについて私はその経済効果は当初、(国内消費大きなマイナス?)と書いて居ました。
 自民党も公務員の2割削減を唱えるていますが、これは良く言われるように、公務員をリストラ出来るようにする代わりに、自治労に団体交渉権を与えるやり方をするもので、民主党も同じやり方をすると勘違いしていたのてす。
 然し、昨日のテレ朝の「スーパーモーニング」の報道で、民主党の「国家公務員の総人件費を2割削減」の意味は、地方分権に伴い今まで政府所管の業務が、地方に移管されるに伴い今まで担当してきた公務員も地方に移動するのだと判りました。
 確かにその旨を「民主党政策集INDEX2009」に書いてあります。 (当然にその経費も民主党の主張する一括交付金の中に入っているのでしょう。)
 流石に出鱈目をしてきた社保庁の職員を歳入庁で全員救済しようとする、自治労を抱えている民主党のやり方です。
 だから正確には「国家公務員の総人件費の2割を地方に移管」とすべきで、日本全体とすれば、全く経費削減になっていないのですから、マニフェストで「国家公務員の総人件費を2割削減」と私のような普通のおっさんが引っ掛かりやすい宣伝をするのには首をひねります。(私が危うく引っ掛かりそうになったのは、読売の民主党のマニフェストの紹介に「国家公務員の総人件費を2割削減」だけの記述しか無かったからです。)
 然し、橋下さんの様に、地方の公務員の削減に必死にやって来た一部の首長がそして地方の力次第に強くなってきた今、果たしてリストラの出来ない国家公務員をすんなり受け入れるでしょうか?