普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

追求して欲しい民主党のマニフェストにない政策

2009-07-31 10:07:07 | 民主党

自民党へ
 自民党以外の各党のマニフェストが出ました。
 幸いに各マスコミ、特にテレビでも主に民主党のマニフェストの内容について報道、批評をしています。
 当然、自民党のマニフェストが出れば、自民・民主の代表選手もその放送に参加して批判しあうことになるでしょう。
 この時自民党は下記のような点について民主党を追求して貰いたいのですが。
 その理由は党側から言えば、勿論自民党勝利のためですが、私のような政権交代論者から言えば、万一民主党が勝っても日本の将来に禍根を残さないようにして貰いたいためです。
 何故なら自民党はかって社会党の村山さんを担いで、今でもその禍根に喘いでいる、自虐的な村山談話や河野さんの慰安婦発言を招いた失敗の歴史を繰り返さないためです。
 今の所、民主党有利の態勢が変わらない今、同党が政権を取ったお蔭で、日本が道を踏み外してその復帰に何年も何十年も掛かることのないようにする為です。

[民主党を追求して欲しい点]
・マニフェストから外されている民主党の政策
 永住外国人への参政権付与
 過去の日本の行為を追求する恒久平和調査局の設置
 人権擁護法案
 元慰安婦に謝罪と金銭支給
 米軍普天間飛行場の移設問題

・日教組の教育への影響を如何に排除するのか?
 民主党の教育基本法についての考え方と取り組みは?
 ゆとり教育への復帰はないのか?
 学力平等主義にならないのか、学力テストはどうするのか?
 民主党の教育関係のマニフェストは児童から学生への資金面の援助だけしか書いてなく、教育に対する基本的な考え方は何一つ判りません。

・省庁の不良職員の処遇
 高級官僚の締めつけだけでなく、年金問題をこんなに大きくし解決を長引かせている元凶の社保庁の職員、「ヤミ専従」など不正行為を行った農水省の労働組合役員達など官公労・自治労所属の不良下級職員の処遇は?

 勿論、日本の根幹である外交と安全保障や、民主党のマニフェストの弱点の今後の日本経済のあり方など追求も大切ですが、是非上記のような細かい点も忘れずに追求して下さい。

 幸か不幸か民主党はテレビの討論では、国民に人気の悪い輿石さんや横路さんなど左翼的な人達を引っ込めて、鳩山さん、岡田さん以下どちらかと言えば、自民党員の考えと余り違わない人しか出演させて居ません。
 この人達との討論では自民党の追求に対して、民主党はマニフェストに無いのだから、恒久平和調査局の設置や、元慰安婦に謝罪と金銭支給など考えてないし、教育に対する日教組の横暴は今もないし、今後もさせることはないと言うでしょう。 (希望的観測ですが多分そう言う返事になると思います。)
 逆に民主党が討論で恒久平和調査局の設置などその考え方に固執し、日教組や官公労・自治労を擁護するような発言をするとすれば、一般の人達に民主党の本質が判りその人気を落とすだけで、自民党の思うつぼになるでしょう。 (民主党はそのような真似は飽くまで避けるでしょう。) 

 その様な国民が不安に思っている点について言質を取っておけば、少なくとも輿石さんが文科大臣になることはないし、マスコミが言うように副総理にもなれないと思います。 (輿石文科大臣では日本の教育はメチャメチャです。もっとも後の方は私の予測がはずれるかも知れませんが。)
 そして、民主党政権成立後もしその言質に背いて、例えば永住外国人への参政権付与などの法案を提出したときの追求資料になるでしょう。
(勿論、今まで自民党が痛めつけられて来たテレビのやり方にならって記録に取って置きいざとなればそれ持ち出すことです。ついでですが、テレビがそれを取り上げないときは、youtubeなどで一般に公開してはどうでしょう。)

 私が何度も書くことですが、同じ負けるにも負け方があると思います。
 万一負けても自民党が直ぐ立ち直るため。
 そして負けても日本の行く先を誤らせないことが、長年政権を担ってきた政党としての責任だと思うのですが。 
(まさか、やけくそで民主党に政権を取らせて、国民にそれを選んだ愚を知らせれば良いとは思っていないでしょうね?
 それで困るのは国民だけでなくて、村山さんを担いだときと同じようにその後始末をしなければならないのは自民党で、自民党も困るのです。)


 勿論、上記のような討論を通じて、政権を飽くまでも固持しようとするのは当然のことで自民党も是非頑張って欲しいと思います。
 その点からも自民党が民主党に負けない優れたマニフェストを見たいものですが、果たして夕方に正式に発表されるものはどうでしょうか。

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地方分権・これで良いのか

2009-07-30 11:59:08 | 教育問題

  27日の毎日新聞に与那国町長選:あす告示 立候補予定2氏、振興手法で対立  
と日本の最南端の島で首長の任期満了と自衛隊誘致で賛成と反対の両者で対立しているそうです。
・任期満了に伴う与那国町長選が28日告示、8月2日投開票される。現職で2期目を目指す外間守吉氏と新人で元町職員の田里千代基氏が出馬を表明しており、2氏の一騎打ちになる公算が大きい。自衛隊誘致の是非や同町が2005年から進めてきた「与那国町・自立へのビジョン」などをめぐり、両氏の主張は真っ向から対立している。
・6月30日、外間町長と崎原孫吉町議会議長、金城信浩与那国防衛協会長が浜田靖一防衛相に与那国島への自衛隊誘致を要請した。今月8日にはさっそく浜田防衛相が与那国島を視察するなど、動きが活発化している。
・誘致の背景には急激な人口減少がある。2003年3月末に1803人だった住民登録者数は今年3月末には1567人となり、この6年で13%(236人)も減少した。
・島内に高校がないため15歳で島外へ進学するが、家族ごと島を離れることも多い。町財政も厳しく、09年度の一般会計21億7千万円のうち49・2%は地方交付税が占め、自主財源は13・5%と「町は疲弊している」(外間町長)。
・与那国防衛協会副会長の糸数健一町議(55)は「島に人が住むということが安全保障においては最も大事だ。過疎化が進めば尖閣のように領土が脅かされる」と危機感を抱く。
・一方、田里氏は「島を二分し、島の文化や自然を壊す」として自衛隊誘致に反対を表明。これまで築いてきた台湾との信頼関係を崩す懸念も抱く。与那国島への自衛隊誘致に反対する住民の会共同代表の新崎長吉さんも「町長は町民に対して何の説明もないまま要請し、自衛隊がどう経済効果をもたらすかも示さない。観光面から考えてもマイナス」と訴える。
・田里氏は「台湾と与那国を結ぶ新たな交通を整備することで、流通の中継基地として生き残れる」と、日本最西端の立地を生かした国境交流に自立の道を見出す。外間氏は「昨年度は国の予算で国境交流推進事業を進めたが、地域や民間からは手が挙がらなかった。見直しが必要だ」と慎重な姿勢だ。
・自衛隊誘致に対し、住民は賛成、反対と意見が二分しているが、町の説明不足もあって「自衛隊が来ることがいいのか分からない」とする住民も多い。町長選にのみ込まれて議論を深める場がない現状も浮かび上がる。

  一方、産経新聞は次の様に報じています。
 政府は4日、与那国島に陸上自衛隊の部隊を配置する方針を決めた。年内に策定する次期中期防衛力整備計画に盛り込む。実現すれば、沖縄で本島以外へ陸上部隊を配置するのは初めてとなる。付近を航行する船舶の監視を行うとともに、離島防衛の意思を明確にするのが目的で、軍事力を増強し東シナ海での活動を活発化させる中国に対抗し、南西諸島の防衛力を強化する狙いがある。
 配置する部隊は、レーダーなどで船舶の航行情報を収集する沿岸監視隊となる見通しで、規模は数十人。防衛省は、那覇市に司令部を置く陸自第1混成団(約1800人)を今年度末までに約300人増強し旅団に格上げし、その後、旅団から与那国島に部隊を新たに置き、レーダーサイトも設置する。
 実戦部隊の配置は、島内に演習を行える十分な土地がないことや、中国、台湾を刺激しないよう配慮した結果、見送る方針だ。ただ、与那国島には2000メートルの滑走路を持つ与那国空港があるため、将来的には有事の際に陸自部隊の来援を受け入れたり、海自の哨戒機P3Cを配備したりすることもありそうだ。(以下省略)
 
そしてこの動きに対して産経は与那国島に自衛隊 防衛の空白解消は当然だ
の「主張 」を出し、読売も29日の解説記事で産経と同趣旨のことを下書き、政府の対応の遅さを批判しています。

[私の意見]
 国の中心から遠く離れた過疎の土地、与那国島で国のことより先ず島の振興を考えるのは当然です。
 沖縄県は国に関して特殊な感情を持ち、左翼のマスコミの強い土地くらいの知識しかない私に取って、島内の動きにとやかく批判する立場にもないし、その気もありません。
 ただ日本全体として見れば、日本政府が与那国島からの申し出があるまで動かなかった、(または動けなかったか)のは如何に島内の人達の感情に配慮したものであり、その具体策も沿岸監視だけで僅か規模は数十人、しかも台湾にも配慮して実戦部隊もおかないと言う極々控えめの体制しか考えてないのに何故この様な対立が生れるのでしょうか。
 もし反対派の人が当選すれば、日本の防衛体制の整備はどうなるのでしょうか?
 一部の人達の嫌いな)米国の軍隊に頼るだけで良いのでしょうか?
 しかもその米国が中国に対して明らかな変化を示しているというのに。
 私は防衛に関しては過度にならない範囲で、やはりこと国の安全保障には、より安全サイドの立場を取るべきだと思うのですが。

 橋下さん始めてとする地方分権論者はマスコミの支援も得てその勢いを増しています。
 そして彼らの言う安全・防衛、環境、エネルギーなどは国、それ以外は地方と言うのも判りますが、今回の与那国島の問題はどうするのでしょう。
 これとよく似た問題には、原発、新幹線、ダム、米軍艦船の寄稿などなど政府施策に対する(その正否は別として)首長の反対があり、裁判での判決が出るまで、国の施策は大きく遅れたことも多くありました。
 地方分権論者は、今までのように、また与那国島で今後起こるかも知れないように、地方自治体の意見と国の意見が衝突したとき、今までの様に何年も時間のかかる裁判による解決でなくて、何らかの速やかな解決のシステムも考えるべき だと思うのですが。
 何故なら日本の裁判のペースより遥かに早いペースで世界が動いているのですから。

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中川昭一さんが苦戦

2009-07-29 10:52:17 | 麻生内閣

 昨日の毎日新聞の「岐路の夏:09衆院選 北海道11区 中川氏VS小沢氏元秘書、逆風の選挙戦で中川昭一さんの苦戦の模様が伝えられています。
・「いろんな反省がありますね、私は。今の時点では、私の方が下にいるんだろうと思っています」。前財務・金融担当相、中川昭一氏の事務所開き。取材に応じた中川氏は、民主党前職の石川知裕氏(比例道ブロック)の存在を念頭に、苦戦を率直に認めた。口調は重かった。
・今回は9期目を目指す。経済産業相や党政調会長を歴任。道内では町村信孝前官房長官とともに「首相候補」と期待された
・しかし、順風満帆だった経歴は今年2月、ローマでのろれつの回らない「もうろう会見」で吹き飛んだ。「候補者を代えた方がいい」。父親譲りの後援会内からそんな声もあがった。
・これまでは選挙期間中でもほとんど地元入りしてこなかった。しかし、3月以降は、妻郁子さとともに「数千軒」の支持者宅をおわび行脚した。
・小選挙区が五つある岐阜県とほぼ同じ面積。黒塗りの高級車の使用はやめ、白いワゴン車のシートに納まる。帯広市の事務所に掲げていた看板は実績を強調する「実力本位」から「新たなる決意」に差し替えた。
・しかし、風向きは変わっていないようだ。
・池田町の事務所。約100人の支持者を前に、中川氏の声が響いた。「反省を含め、皆さんとともに歩んでいく決意で訴えている」
・石川氏は小沢一郎・民主党代表代行の元秘書。前回05年は敗北したが、比例で繰り上げ当選した。小沢氏直伝のドブ板選挙を実行し、今も週1回のつじ立ちを欠かさない。農協を突然訪問するなど中川氏の支持基盤の切り崩しも図る。
・今年3月、小沢氏の資金管理団体「陸山会」などを巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検の参考人聴取を受けた。「多くの有権者、支持者に心配をかけたことをおわび申し上げる」。直後に地元入りして謝罪した。小沢氏も代表を辞任し、陣営は「影響は少ない」とみている。
・27日早朝。音更町の十勝大橋近くの交差点に石川氏は立った。手を振ってくれるドライバーもいる。「『有権者の信を得た』と確信はできない。でも、悪い手応えではない」。成果を感じていたこれまでの活動に影が差したのは、一瞬だったと信じている

[私の意見]
 中川さんの「もうろう会見」はテレビで繰り返し繰り返し放送され、その前夜の女性記者と飲んでいたことまで洗いざらいぶちまけられ、すっかり中川さんのイメージを落としてしまいました。
 勿論、重要な地位にあり、しかも翌日の記者会見を控えている中川さんは体調管理に充分気をつけるべきだったと言う責任を問われてもしかたがないことです。
 逆に言えば、後になって判った酒と薬による複合中毒に気付かなかった体調管理に失敗しただけの責任です。
 これで日本のイメージでほんのちょっぴり落としたかも知れませんが、ただそれだけの事です。
 中川さんの辞任と麻生さんがそれを認めたのは、唯でさえ政権基盤が弱い上に、数々の失言などで、支持率が低下しているなかでの決断です。
 つまり党内の反麻生の人達の批判(最近の中川秀直さんたちのように、自民党が危ないときに、良くもこんなことをマスコミの面前で言えたものの思いますが)と野党の問責決議案に麻生内閣が耐えきれなかっただけのことです。
 手っとり早く言うとマスコミ、特にテレビの得意の繰り返し放送により、小さな出来事を拡大して見せ、あたかも中川さんが世界からの日本への信頼性をがた落ちさせたかのような攻撃が政局を動かし中川さんの辞任になったのです。
 事実は、始めて判った酒と薬による複合中毒が起こったこと、外国紙の中川さんの「もうろう会見」を揶揄したような報道しただけに終わっているようです。

 私は政権交代論者ですので、民主党が政権担当能力があれば交代すべきだと思うし、党が発表したマニフェストにたいしてマスコミが色々な批判を加えて、党の公約の問題点を洗い出し、その結果より良い公約になることは良い傾向だと思っています。
 マスコミの報道を悪く取れば、最近また麻生さんが年寄りのことで失言をしましたが、珍しくこれは余り取り上げられていないようです。
 何故ならマスコミには民主党のマニフェストと言う、大きな報道のネタがあるからです。
 中川さんの場合は、マスコミが麻生さんに逆風が吹いているのに、今更サミットでもあるまいと、冷やかしていたところで、中川さんの問題会見がでたので、これが格好のネタとなり繰り返し放送されたのです。
 中川さんも運が悪かったし、前にも書いたようにその体調管理失敗の責任は負うべきですが、それでも毎日新聞が言うように中川さんの首相候補にもなれる力量が減った訳ではありません
 中川さんのような大物でも、人気商売ですからマスコミで作り上げられた虚像を否定する(そんなことをすれば人気が落ちる)訳にも行かず、ひたすらお詫びするしかないのでしょう。
 現在、日本にはリーダーが不足と言われています。
 その乏しい人材の一人である中川さんを体調管理を失敗しただけの理由で、潰して良いのでしょうか
 当面の相手の石川さんは小沢さんの資金問題に絡んでいるそうです。
 小沢さん自身やその秘書の石川さんまで法律違反をしているかどうか判りませんが、少なくとも政治資金規制法の精神に違反していることは間違いないと思います。
 小沢さん問題が下火になっているのは、鳩山さん同じ問題と同様に選挙間近で司法・検察が動きを控えているのに過ぎません。
 中川さんと小沢ー石川ラインのどちらに道義的により大きな責任があるのでしょう。
 中川さんは自分の好きな酒のための失敗は二度と繰り返さないでしょう。
 私は北海道の選挙区民の良識のある判断を期待しています。
 どうぞ日本のために有能な政治家を潰さないで下さい。

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日本のこれから

2009-07-28 06:49:15 | 経済・財政

 日曜日のテレビ朝日の「サンデープロゼクト」で自民党の与謝野さんと民主党最高顧問の藤井 裕久さんの間で、国民の最大の関心事の景気回復を中心に討論が行われました。
 その中で、財部誠一さん、朝日新聞の星 浩さんなどレギュラー陣から両党とも今後の日本のあるべき姿を示すべきだとの意見が出ていたが、具体的には何の意見も出ませんでした。

[私の感想]
行き詰まり状態の日本経済

 今の日本経済は行き詰まり状態ですが、下記のように具体的な名案はないようです。
 一般的に言われている対策は、
・内需拡大
 膨大な未開発地域を抱えている中国ならともかく、経済的に飽和状態にある日本では拡大と言っても限度がある。
 その他に日本では少子高齢化と言う内需拡大の足を引っ張る解決困難な問題がある。
・輸出産業の重点を環境技術中心の産業に移す
 環境機器の生産量と従来型の自動車、電子機器の生産量ではケタ違い。
・農村の開発
  これも上記と同じで、GDPを大幅に上昇させるほどの力はない。
・育児・介護などの福祉施設と体制の強化
 肝心の施設や体制の強化するには日本の財政の悪環境が足を引っ張る。
 などのように、これと言った決め手となる対策はなく、後はひたすら世界的な経済の回復を待つしかないようですが、その一方では中国、インドそれから多分ロシヤなどの膨大な国土と低賃金の国の台頭に伴う日本企業の競争力の低下、非正規社員の増加、社会格差の発生などの問題が否応なく深刻化してきます。
 一人元気なのは竹中平蔵さんで、改革を続行すれば良い、具体的には法人税減税だと言っていますが、それだけで日本経済が回復するとはとても思えません。
 竹中さんの対極の立場にある人達は「円」をどんどん印刷しろと言いますが、円の下落で膨大な国債の償還はできても、開発途上国の天文学的な数字の紙幣の発行などを聞くと、素人では首を捻るばかりです。

[私の提言]
・シンクタンクの設置
 経済面で言えば、世の風潮に流されない、長期的視野に立った、 基礎的な研究をして、外国の真似でなく日本の環境に合った戦略を政府や財界にアドバイスをする機関の設置です。
 日本人は応用技術の開発は得意ですが、じっくり腰を据えて研究することは余り得意ではないようです。
 外国で開発された技術を元にして、これも米国から導入した品質管理手法を発展させた自主管理で各種の技術の改良や発明により、自動車や電子機器などの輸出で世界をリードして来ました。
 然し経済や経営手法では、米国追随一辺倒でやって来た結果が今日の未曽有の不況です。
 然し、これも完全に防げなかったかと言えば、日本のバブルを経験してきた、日本の銀行は最小限の被害で済ませました。
 つまり日本にはそれなりの警戒信号があったのです。
 もし日本に信頼あるシンクタンクがあり、そのアドバイスが政府や財界に伝わっていれば、生産や設備建設の縮小などで被害を最小限に防ぐことが出来たかも知れません。

参照:カテゴリー→その場凌ぎの政治(からら脱却しようシリーズ)

・経営者の育成
 日本の経営者は創業者かサラリーマン重役のどちらかです。
 後者は専門分野で実績を重ねと経営者にまで登り詰めるのが普通ですが、一部の企業は経営者候補の教育をしているかも知れませんが、一般には米国のビジネススクールのような教育機関も無く、後は個人の自己啓発にたよるしかないようです。
 小泉改革では規制緩和、後は自己責任としましたが、その前提は日本企業の経営者が、みな有能で見識も倫理観もあると前提に立っていたと思います。
 ところがそうで無かったことは今回の様な全国的な大量解雇や、経団連の御手洗冨士夫 さんの発言やその率いんキャノンの非人間的な非正規社員の解雇で明らかになりました。
 政府も財界も経営者は必ずしも万能でなく、あるいは経営者としては凡庸または無知かもしれないという前提で育成を考える必要があります。
 経営、金融・経済理論、世界環境、企業倫理など経営者に必要な知識を専門に教育する機関があれば、今回のような大打撃はことによったら避けた、相次ぐ企業や経営者の不祥事も避けたかも知れません。

・日本株式会社化
 日本は誰も言うように狭い国土に乏しい資源の国です。
 そしてグローバル化と言われながらも、各国は当然の話しですが、自国の利益を守るために躍起になっています。
 それでもう一度、日本は政府と民間の協力で過去の成功体験を活かしてはどうでしょうか。
 前に書いたように、シンクタンクの設置や経営者の育成も政府・財界が一体となってやれば良いし、日本の環境に合わない外国金融資本の流入の管理もやるべきだと思います。 日本の低金利の資金が海外の金融資本に流れて結局はそのバブルで日本が大打撃を受けないようにすべきだと思います。
 この提言の一つの欠点は海外からの日本の企業への資金の流入が減ること、株式市場の縮小などの問題があります。
 然し次に書くようにに、日本社会に大きな影響を及ばさずに、日本企業が今までのような大きな発展ができるか、そのため大量の海外資金が今後とも必要か言うう問題があります。
 その問題を考えるのが私の言うシンクタンクの設置の一つの理由です。

幸福度 の考え方の導入
 日本は経済では(もうすぐ中国に抜かれるそうですが)世界第二位ですが、その幸福度は世界で90位だそうです。 (米国23位、中国は82位)
 
それと何時も言うことですが、中国などの台頭に伴う日本企業の競争力の低下→非正規社員の増大→日本の貧困化の問題も避けられないようです。
 勿論、外国人の尺度による評価より、日本流の尺度で幸福度を考えればよいことですが、これからは必ずしも富ばかり考える時代は過ぎようとしていると思います。
 もう一つの理由は、世界経済ののグローバル化の進行と、これに相反するように見える各国のエゴイズム(必ずしも悪いことでなく仕方がない)のために日本経済の大きな成長は望めないからです。
 幸福度の重要視など、今のような経済優先の時代では、敗北主義と思われても仕方がないし、 (私も幸福度など考える前に、シンクタンクの設置、経営者の教育、日本株式会社化など日本も頑張るべきだと書いてきました。)政治家や政府がこんなことは口が裂けても言えない時代ですが、いずれは余り遠くない時代には、じっくり考えねばならぬ時が来ると思います。
 このような長期的な視野でものごと考えるためにも(哲学的な)シンクタンクの設立は重要だと思います。

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民主党マニフェスト原案と平沼さん

2009-07-26 16:21:25 | 民主党

 昨日の日本テレビの「ウェークアップ!ぷらす」に今回の衆院選を期に平沼グループを立ち上げた平沼さんと民主党の渡部恒三さんが出席していました。
 平沼さんは自民、民主との連携はあるかの問に「民主党は政策の中に、外国人地方参政権、人権擁護法案、国籍法、戦時中の日本の加害行為を調査する「恒久平和調査局」設置などの政策をもっている限り提携はできない」と言っていました。
 実は私もこのような民主党内の動きがあり、「友愛精神」、「日本の領土は日本人だけのものではない」と言う鳩山さんの発言もありますが、政権奪取を目の前にして、このようなとんでもない政策をマニフェストに入れる訳はない と思って居ましたので、ベテランの政治家の平沼さんがテレビでこのことを言っていたので驚きました。
 実際に私が考えていたように、海上給油、海賊船対策、憲法論議、北朝鮮貨物検査の実施など現実的な対応への変化が出始めた今、余りにも酷いこと考えているなんて。
 私は念のためネットを探して産経の「民主がマニフェスト原案 外国人への地方参政権付与も」
の記事を見つけました。
 民主党の左派・リベラル系政策 民主党は23日、衆院選マニフェストの原案となる「政策集INDEX2009」を発表した。外交政策で現実路線に舵を切る一方、永住外国人への地方参政権付与など結党以来の政策はそのまま踏襲。戦時中の日本の加害行為を調査する「恒久平和調査局」設置や、 「慰安婦」調査への取り組み も表明しており、内政政策で従来の政権との違いが際立つ内容となっている。
 政策集は、第一ページに「戦後諸課題への取り組み」を記載。先の大戦で「内外に多くの犠牲が存在したことを忘れてはならない」と総括、国立国会図書館に恒久平和調査局を設置するための国立国会図書館法改正や「慰安婦問題への取り組み」を打ち出した。
 「慰安婦」問題で民主党は「旧日本軍による『慰安婦』問題の解決を図る」と主張してきた。元慰安婦だと名乗り出た外国人に国家が謝罪と金銭の支給を行う「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」も過去10年間にわたり国会提出しており、民主党が政権を取れば、法案を成立させる可能性が高い
 法案提出の事実は、昨年の政策集に記載されたが、今回から削除された。永住外国人の地方参政権付与問題でも「党内に永住外国人地方選挙権検討委員会を設置した」などの記述が消え、分量も圧縮。世論への配慮をのぞかせた
 一方、外交政策では、海賊対策での自衛隊派遣容認や、国連決議に基づく北朝鮮貨物検査の実施など、これまでの国会対応を転換する内容を盛り込んだ。

[私の意見]
 民主党のマニフェストについては、予てより政府寄りと批判のある読売新聞でもこの問題の政策に触れて居ませんので、政権交代論者の私は産経の記事を信じたくないのですが、事実であるのは間違いないのでしょう。
<民主党へ>
・平沼さんの指摘した問題点は政局一本槍の小沢さん流の、政権奪取のためには左派・リベラル、社民党、在日外国人などを取り込む為には手段を選ばない との考えに徹し過ぎていると思えてならないのですが。
・日テレの番組に同席していた渡部恒三さんも平沼さんの意見に賛成していましたが、マニフェスト作成に当たっては、民主党の主流であり、多数を占める(と思う)反対者の意見も聞いたのでしょうか
・政権奪取後の問題の政策実施に当たって党内外からの反発に耐える自信はあるのでしょうか。
・今回は(自民党の敵失のお蔭の)時の勢いとそれを煽っているマスコミ、特にテレビのお蔭で衆院選を勝利しても、世論調査であるように、本来は自民党の方が良いが、お灸を据えるために今回は民主党に政権取らせて見たいと言う意見が大半のように、まだ民主党の基盤は脆弱と思います。
  その勢いに浮かれて、問題の政策を公約に入れ、それを仮に実施すれば、私のような政権交代論者の公平な(と思っている)眼で見ても、民主党政権も今回限りその後の政権交代も無いと思います。
政権基盤の弱い民主党は政権の維持や交代を確実にするために(そして勿論日本のために)政策に少しの瑕疵のないように慎重にも慎重に考えるべきだと思います。
・最も問題政策の実現のためには政治生命を賭けると言う強い政治信念を持っているのなら致し方ありませんが。
 それにしても今回の問題政策をマニフェストに入れるなど脇が甘すぎる と思えて仕方がないのですが。

<平沼さんへ>
 私は以前から、今のような捩じれ切った政局をスムーズに動かすには、自民・民主の政策に是々非々に徹する第三の勢力が必要だと思っていました。
(その点では自民党(正確には小泉自民党)憎さのあまり、自民党と同じ価値観極を持っている国民新党が徹底的に民主党に協力していては、その存在価値が次第になくなるような気がしてならないのですが。)
 その点では今の日本では、一番首相に相応しいと言われている平沼さんがいよいよ決起されたことには大歓迎です。
 然し率直に言って私のような一般国民から見て、平沼グループの候補者の中には平沼さんと、城内 実さん以外は余り知名人はいないようで、衆院選は苦戦になるかも知れません。
 然し、一番大切なことは平沼さんが立ち上がること です。
 そうすれば何かが起こるような気がします。
 平沼さん始めグループの方達のご奮闘とご幸運をお祈りします。


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程度が低いのは国民それとも?細田さんの失言

2009-07-25 12:35:02 | 情報、マスコミ

 今日の読売新聞によれば、細田さんの失言について次のように報道しています。
 自民党の細田幹事長は24日の報道各社のインタビューで、自民党役員人事の見送りが大きく報じられたことについて、「役員人事だろうが閣僚人事だろうがどうでもいいことだ。だけど、その方がみんな面白いんだから。それは日本国の程度を表している。国民の程度かもしれない」と語った。
 細田氏はインタビュー後、「マスコミ批判をしようとしただけで、国民を批判したわけでない。誤解を招く表現なので、撤回して謝罪する」と報道各社に伝えた。役員人事を巡る混乱などで内閣支持率が低迷し、衆院選でも党の劣勢が伝えられるだけに、いら立ちが思わず口をついたようだ。
 その他に細田さんが話したことは朝日と産経によると
・(首相が)字が読めないらしいですねなんて楽しんじゃっている。ぶれたらしいなんて。どうでもいいことだが、その方がみんな面白いんだよ。
・報道各社の世論調査についても「麻生さんをどう思いますか、鳩山由紀夫民主党代表とどっちがいいですかって、もういい加減にしてくれっていう感じなんだけどね。それ聞いて何か意味あるのか?
・麻生政権に関する報道について、「何が正しくて、どういう方向に行くべきかの座標を失ってウロウロ、(マスコミの)皆さんが磁石を失ってウロウロしているというのが私の分析だ。
と言ったそうです。

[私の感想]
 ・世論調査は何故するのか?

 細田さんに言われて見ればマスコミが世論調査を何故するのかはっきり判りません。
 a.国民にとっては意味がない?
    世論調査の結果とその質問の対象者の考えや政策の正否とは相関関係がないと思いますが。
  b.一般の人達が何を考えているのかを関係者に知らせること
    マスコミの世論調査する目的はどうであれ、人気商売の政治家達にとっては無視できない数字です。
 だから細田さんもこの結果に苛立つのは当然です。
  c.世の風潮に流されやすい人達への世論誘導?
  こんなこと思いたくありませんが、そうとしか考えられない報道が多すぎます。

・国民の程度は低いか?
  国民が面白がって見ているのでなくて、テレビが面白がって放送しているのです。
 細田さんの言うよう様なマスコミ、特にテレビ報道を面白がって見ているのは、野党支持者だけで、殆どの人達は、しかめ面をして見ていると思います。
 しかめ面の理由は、
a.麻生さんがもう少し頑張れば良いのにと思っていること
b.他に大きな問題があるのに、テレビがこの細田さんの言うような、くだらない事を繰り返し放送すること
c.テレビのアンカーや解説者、コメンテーター(私はこの言葉は嫌いですが)がくだらないコメントをすること

・本当に程度の低いのは誰か?
  結論から言えば一番程度の低いのは一部のテレビです。
 マスコミの内、新聞は余程低俗な、そして某政党の機関紙紛いのものを除いては、細田さんの言うようなことは一・二度は書きますが、何度も繰り返すことはありません。
  何故なら繰り返し書いても読者が読んでくれないからです。
 然しテレビは一旦スイッチをいれたら、余程くだらない内容か、頭に来る放送で無い限り、チャンネルを変えることはありません。
 それてくだらないことを繰り返し繰り返し放送しても、視聴者はまたかと思いながら辛抱して見ているのです。
 繰り返し放送する理由は、
a.新規放送のように制作経費がかからない
b.テレビがニュース報道番組を増やしたことと、ニュース報道がワイドショー化して放送時間が長くなるのでネタが無い時の穴埋めになる
c. 細田さん側から言えば、反自民の世論形成のため
  前にも書きましたが、こんなこと思いたくありませんが、そうとしか考えられない放送が多すぎます。
 それでこれも前に書きましたが、他に是非国民が知って置かねばならない大きな問題があるのに、くだらないテーマをを繰りかえしているのです。
  そして一番問題なのは、多くの人達が新聞を読まなくなり、政治関係の情報蒐集をテレビに頼っていることです。
  勿論そんな人達でも意識の高い人達も多くいますが、政治など関係ないと言う人達もかなりいるそうです。
  そしてそう言う人達が、いざ選挙になればテレビのくだらない繰り返し放送の情報に頼って投票に臨むのです。
  それが小泉さん大勝→安倍さん大敗という大きな国政のブレが生ずる一因となるのです。
  報道の内容から見れば、細田さんの言いたかったのは、本当はマスコミ、特にテレビのレベル低さだったと思います。
 そしてこれから肝心のテレビは細田さんの失言をまたどう取り上げるのでしょうか。
 普通なら全く無視するのが常識ですが、またこのことを取り上げて繰り返して放送して、その低レベルぶり世の中に晒すのでしょうか。

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参照:テレビの政治関係ニュース報道の不思議


日本型経営で48期連続増収増益の企業

2009-07-24 16:06:26 | 企業経営

 昨夜のテレビ東京の ワールドビジネスサテライトのシリーズ企画の「オンリーワン社員を狙え」に関連して日本総合研究所副理事長の高橋進さんが、終身雇用、年功序例制の日本型経営で48期連続増収増益業績を伸ばしている伊那食品工業のことを紹介して居ましたので、ネット上に調べてみました。
 Wikipediaで見ますと、所在地:長野県、事業内容:寒天、ゲル化剤などの製造、販売、国内のマーケットシェア:約8割、代表者:井上 修、資本金: 9,680万円:従業員数 399名と言う中堅会社です。
 その経営の特徴はキーワードで言えば、終身雇用、年功序列、年輪経営(長期的視野に立った低成長を目指す経営)、高い利益率、高い商品開発力、地域貢献です。

 その会社を発展させてきた事実上の創業者である会長の塚越 寛さんの考え方を下記の資料から拾って見ました。
・企業再建の考え方
 普通は、経営状態の悪い企業を再建には、人を削減、機器を導入して合理化を図るが、もともと最低人員の12人しかいない、機器を導入する資金もない。結局、残っているのは「人」だけだった。社員みんながやる気がおきる企業にするしかない。
 「やる気がおきる会社」にするには、「自分の家と同じように思える会社」をつくることだ。
 (そのために取ったのが、終身雇用、年功序列、家族的経営、経営情報の共有、従業員の家庭までの細かい配慮です。)
・経営に対する基本的な考え
 会社は経営者や株主のために存在するのではなく、従業員全員のもので、会社は社員の苦労に報いるために発展し、利益を上げる必要がある、会社の発展を通じて、社員がみな幸せになり、社員の幸せを通じて社会に貢献するべきだ。
・企業の成長の考え方
  社員の幸せのためには、企業が永続すること、目先の利益だけを考え、(リスクを冒して)短期的に高い売上高を追い求めて高収益を上げても、長続きしなければいい会社とは言えない。永続するためにゆるやかな成長は不可欠だが、最低必要な成長でいい。
・企業戦略
 (経営安定のための)寒天という相場商品からの脱却→原料を海外に求める、それを備蓄して安定供給、相場があがるときは放出するなど相場の変動に対応
 新商品を開発してパイを拡げる。新しく用途開発したところは、同業他社が追いつくまでは全部うちのシェアだから収益性も高い。中小企業の生きる道は、開発型企業になることだと、従業員の1割以上を開発要員にあてている。
・開発の要点
 寒天の基本物性にとらわれずに、そこからどれだけ逸脱できるかを常に視野に入れる。たとえば寒天は固まる力があるという常識を打ち破って、固まらない特性を持ったもの開発する、現在化粧品のファンデーションや口紅などに使われている。今後は医薬品の分野も有望だ。
 異業種と研究開発面で提携、共同研究することで視野が広がるし、自分たちだけでは考えもつかなかったニーズがわかる。基礎研究の分野はとかくお金がかかって成果が出にくいが、将来の種まきとしては非常に重要だ。
・他企業との比較
 設立以来、連続増収を続けてきたが、それは無理をせず、ゆるやかに成長してきたからだ。急成長しようとすると、どうしても無理な投資をして、それを回収するために、大量に人を採用して、必死になって売上高を伸ばそうとする。けれど、業績が悪くなると一転、リストラをして人件費を削ろうとする経営者が多い。
 私は社員の人件費ははたして「人件費」という「コスト」なのか疑問に思ってきた。人件費は、幸せを求めて働く社員たちへの労働の対価であって、削減すべきコストではないはずだ。利益も成長も、会社の目的ではなく社員の幸福を実現するための手段にすぎない。

・業績がいいのに何故東京に出ないのか?
 当社は、地域に根を下ろした企業活動をこれまで続けてきたし、これからもそうありたいと思っている。地元にかわいがってもらって育ってきたのだから、地元に税金を納め、雇用をつくりだすことも企業の務めだと思っている。みんなが東京に出ていけば、いっそう都市の過密化が進行し、片方、地方ではますます過疎化が進んでいく。過密と過疎が共存する国なんて恥ずかしい話だ。
・「公」を意識すること
 会社には「仕入れ先を大切にする」「町づくりをしっかりやる」といった決めごとが10カ条あるが、その精神は、公を意識しながら会社を運営していくことの大切さだ。公を意識することは、すなわち自分自身の行動を客観的に眺めることにつながる。経営者や上司が公の意識を持ち、大きな視点で行動していれば、おのずと社員たちとのつきあい方にも節度が出てくる。

・会社の若い人について
 (会社に必要なのは)
和やかな人間関係の中で、自由にのびのびと自主的に働ける職場環境だ。私は社員に売上げなどの目標設定は一切しない。叱るときは従業員の怠惰なときだけだ。そのかわり、礼儀作法には口うるさい。例えばスーパーなどへ駐車するときは、決して入り口の近くに駐車するな、できるだけ遠くにおけ、といつも言っている。入り口の近くに駐車してしまうと、体の弱い人やお年寄りなどが入り口から遠くに車を止めなければならないからだ。クルマで通勤する社員には、本社の施設に入るときに右折するなとも言っている。朝の通勤時間の渋滞というのは、右折車があることが大きな原因だから、遠回りになっても左折して会社にたどり着けと言っている。

[私の感想]
 私は何度か「優良企業」のことを書いて来ましたがそれには下記の様な共通点があるようです。
経営者が自分なりの哲学を持っていてブレないこと
長期的な視野を持ちその企業の規模、業種に適応した経営をしていること
従業員大切にしその能力を最大限は発揮させていること
経営者、従業員が相互に信頼していること
他社に真似できない企業を支える技術を持ちそれに投資していること
企業活動を通じての社会貢献という理念を持っていること
 今回の金融危機で、大量のリストラをした企業の中には、単に企業を大きくすることで、総合的なコスト削減、規模による競争力の強化など安易な教科書通りの経営をしていた会社もあるかも知れませんが、伊那食品工業のやり方は一つの参考になり、今後とも厳しい経済環境が続く日本で生き抜くためには、同社の行き方が大きなヒントになるような気もします。、

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参照資料:
 トヨタも驚愕!伊那食品工業「48期連続増収増益」の秘密 | 社長の仕事術
 
伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越寛氏 - インタビュー
 
社員の幸せを露骨に追求する会社:日経ビジネスオンライン
 伊那食品工業 - Wikipedia 
 
伊那食品工業(株) - マイナビ2010


テレビの政治関係ニュース報道の不思議

2009-07-23 11:10:52 | 情報、マスコミ

 最初にお断りして置きますが、テレビのニュース番組でもピンからキリまであります。
 ここではテレビ朝日とそれと同じ傾向を持つ一部のテレビのことを書いておりますのでご了承下さい。

民主党鳩山さんの政治資金の問題を何故追求しないのか?
 安倍内閣の時の「政治と金」の問題では単なる秘書の事務所経費の記帳ミスでしたが、野党と共にテレビが次々に問題を掘り起こし、同じ問題を執拗に繰り返し放送し、遂には自殺者までだしても、飽き足らず参院選真っ最中でも「絆創膏報道」と政治と金問題を結びつけて報道し、安倍さん大敗の一因となりました。
 鳩山さんの場合も秘書が勝手にやったこととされていますが、政治資金収支報告書の虚偽記載問題については、単なるミスでなく意識的にやったこと、相続税の脱税など明らかに法律違反があり、告発されても仕方がない重要な問題なのに何故追求しないのでしょう。 (今日の新聞では自民党は選挙後に鳩山さんの資金問題は刑事事件になると期待していると書いていました。)
 安倍内閣のときは閣僚だから問題で、野党の人のやったことは見過ごしてよいのでしょうか?
 もし鳩山さんが総理になったときは、野党に廻った自民党が必ずこの問題を追求することになると思いますが、そのときのテレビはどう対応するのでしょうか?

民主党が提出した政治資金規正法改正案について自ら審議拒否をした異常事態について何故、民主党を追求しないのか?
 テレビは民主党と同じようにこれが鳩山さんの政治資金問題に繋がることを恐れたのでしょうか?
  民主党の対応は判りますが、テレビが何故民主党を追求しない(または出来ない)のですかね?

・野党やテレビが言うように安倍・福田・麻生さんが何故国民の信任を得なければいけないのか?
 日本は議会制民主主義です。
 前回の衆院選で、自民党が大勝しました。
 つまり大統領制度ではない日本国民は小泉さんでなく自民党を信任したのです。
 そしてそれを率いる小泉さんが総理大臣になりましたが、任期途中で辞任しそのあと三人が引き継ぎました。
 今回の選挙は小泉さんから麻生さんまでの自民党の信任が切れるまての、自民党政治のあり方について、国民の審判を受けるので麻生さんだけが審判をうけるのではありません。
 小泉さんの本来の任期中に首相が替わるたびに信任が必要なら、テレビは法律(多分憲法も?)の改正を主張すべきです。
  勿論、そうは言っても今大きな問題になっている小泉改革の負の部分について、自民党は厳しい審判を受けることになるでしょう。
 テレビでは小泉さんと比較して、麻生さんの小物ぶり批判していますが、現在、より強く批判されるべきなのは小泉さん・麻生さんのどちらでしょう?
 もし麻生さんや自民党が嫌いなテレビも、小泉改革の負の部分について言わず、麻生さんの責任を追求するだけでは物事が矮小化し、国民は選挙に当たって正確に判断することが出来ません。

・今回の自民党の内紛でテレビに何も責任はなかったか?
 テレビでは今回の中川さんグループの「麻生降ろし」が両院懇談会で無事に終息したのに、余程悔しかったか、茶番劇だとか、中川さんが麻生さんと握手したのは筋書き通りだったとか、いろいろ批判しています。
 事実は中川さんたちが都議選敗退の総括をしろとの主張は、肝心の自民党都連から選挙前から党内の内紛についての抗議、敗戦後も中川グループへの「麻生降ろしの動きに加わる衆院議員を支援しない」とする内容の決議文を提出するなど、足元から揺らぎ始めたことと、党内からの総スカンを食ったため中川さんグループの全面的敗北に終わったのに過ぎません。
 麻生さんと中川さんの握手で拍手が起こりましたが、党員の殆どは中川さんのお詫びと取ったと思います。
参照:自分達の責任は棚に上げ他の責任を追求する政治家達 

 そして中川さん達の判断の誤りに気付くのが遅れたのが、テレビの報道姿勢です。
 実は党内ではごく一部の勢力に過ぎない中川さんや、武部さん、加藤紘一さんなどの発言を中心に取り上げ、彼らに反対する党内の大多数の意見を僅かしか取り上げなかったので、彼らはテレビを動かせば何とかなると思ったのに違いありません。
 そしてテレビも自民党内の不一致を拡大して見せ、自民党批判の材料にしました。  (武部さんが総裁選前倒し論を話しているときの会では僅か5人しか出席していなかったそうですが、それは画面にはでていませんでした。)
 それが東京都議連の心配するように、自民党一人負けの一因に繋がりました。
 つまり中川さんたちはテレビでピエロ役にされて仕舞ったのです。 (と言っても彼らは立派な政治家ですからその責任は自分で負うべきです。)
 両院懇談会での発言は、党内でヨイショ役を作ったなどと言う人もテレビでいましたが、それより常識的には党内の圧倒的多数が中川グループの動きに反感を持っていたと考えるのが当然です。 (テレ朝の二反園さんは中川さんが地元の人たちから抗議されたのが、彼が降りる決心をした決定的要因だと説明していました。)
 テレビではあまり有名でない批評家が、これは自民党伝来の権力闘争だとか、自民党は昔のように権力争いをするエネルギーもないとか言っていましたが、事実は「麻生降ろし」グループの一人相撲で自民党に迷惑を掛け散らしただけで終わったのだと思います。
 結果的には「麻生降ろしグループ」はテレビから操られ、そのテレビは自民党が内紛で批判し、両院懇談会もコテンパンに言うなど、テレビはなんで自民党にそんなに恨みがあるのかと思います。
 麻生さんが総会にするか懇談会にするか、オープンにするかクロウズドにするか、決断に迷ったのは、今世論を動かす一大勢力となったテレビの影響を考えたのに違いありません。
 テレビはその麻生さんの決断の遅れを批判してもよいですが、テレビもその影響力を持つ程自身の責任の重さを痛感すべきだと思います。 

・テレビは自民・民主のマニフェストの比較をするのか、公平な比較ができるのか?
 どのテレビでも、事実上の選挙戦に入ったいま、自民・両党ともマニフェストを出さねばならぬのに自民はまだ出来ていないと批判しています。
 そして、これからはテレビ自身も両方のマニフェストを評価しなければならないと言っています。
 私はこの意見に大賛成ですが、過去の例からみて、一方の批判はしても片方の評価や批判は苦手?と言うか嫌いな?テレビが、両方の公約の対比、公平な評価をするのかどうか、実際の状況を見ないと判らないと言うか、どちからと言えばまともにせずに、今までのように詰まらぬことを取り上げて自民党批判をするのでしょう。 (何故か同じ政権与党の公明党批判は今までの通りに全くなしで?)
 後はテレビの良識に待つしかありませんが、まあ無理でしょうね?
 そして文字通りの浮動票に属する人達は選挙でこんなテレビを見て投票するのでしょうね?
 やっぱりテレビの責任はどう考えても重大だと思うのですが。

  もう一度念のためにお断りしますが、テレビと一括りで書いてきましたが、正確にはテレビ朝日とそれと同じ傾向を持つテレビの事ですのでご了承ください。

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自民党は早く公約作成を

2009-07-22 15:41:40 | 麻生内閣

<自民党へ>
 問題含みだった両院議員懇談会も無事終わり、国会も解散になりました。
 読売・朝日・産経の社説を始めテレビなどでも各党はマニフェストを公開して政策論争をすべきだと言っています。
 民主党は既にマニフェストを公開して、候補者ように解説書まで作っているそうです。
 国会解散で各党の議員は地方に散らばって事実上の選挙戦に入りました。
 民主党はマニフェストを支援者達に配って政策を訴えるでしょう。
 一方、自民党の議員は今の所、民主党の公約を批判するか、自分の意見を述べるしかありません。
 ただでさえ自民党の劣勢が伝えられているのに、始めからハンディがついては苦戦するのは明らかです。

 勿論ベテラン揃いの自民党の人達はとうにそんこと判っている筈です。
 その当たりの内幕を18日の読売新聞の自民公約づくりは非公開…「反麻生」結集恐れ?
で伝えています。
・自民党が次期衆院選の政権公約(マニフェスト)の骨子を明らかにしないまま、21日の衆院解散を迎えようとしている。
作成過程も非公開で、麻生首相に批判的な中堅・若手議員は秘密主義だとして執行部への反発を強めている。しびれを切らして党とは別の独自の公約を掲げようとする議員の動きもあり、党内の不協和音はますます大きくなっている。
・自民党のマニフェストは、公約作成プロジェクトチーム(PT)座長で「インナー」と呼ばれる5人が、6月中旬から秘密裏に会合を重ねて原案の作成を進めてきた。
・17日にPTと公約作成委員会の合同会議が初めて開かれ70項目の政策を盛り込んだ原案が提示されたが、批判が続出。「検討」「調整」「原則」などの文字が並び、財源や
・菅氏は幹部一任を取りつけようとしたが、尾辻氏らは頑として認めなかった。 執行部がマニフェストの公開に及び腰なのは「麻生降ろし」が沈静化する前に内容を示せば、「あれが足りない、これを入れろと批判が続出し、党内のドタバタに、火に油を注ぐ」と考えているためだ

[私の意見]
・マニフェスト作成はなるべく早く
 理由は前に書いた通りで改めて言うまでもありません。

・マニフェスト作成はオープンで
 両院懇談会で一応「麻生降ろし」は鎮静化したそうです。
 それでマニフェスト作成は密室からオープンに舵を切ってはどうでしょうか
 その理由は
.「麻生降ろし派」は懇談会で色々言えば四面楚歌状態になること、ここで党内不一致の状態を示せば党だけでなく自分自身の選挙に不利になると思って我慢した人も多く、ストレスを溜めたまま引っ込んだ人達も多いと思います。
 その人達と公約作成チームとの具体的な政策論議でストレスを発散させてはどうでしょうか。
 今日の毎日新聞は「ガラスの団結」など書いて居ましたが、この団結を本物にするためにも、彼らを公約作成に参加させてはどうでしょうか。
b.麻生降ろしの人達の考えている行政改革の意見は後記のように党のためにも有益です。
c.当初予定のマスコミ締め出しの懇談会には、暗いイメージ伴いマスコミ、得にテレビの冷やかしの的になって居ました。
 それと同様に密室状態の公約作成にも暗いイメージが伴い、マスコミの餌食に成りかねません。
 これは麻生さんの明るいイメージとま反対で、党の支持率の低下に繋がると思います。

・行政改革にはもっと充実した政策を
 「麻生降ろし派」の殆どが考えている行政改革の意見は絶対に入れること
 その理由は
a.国民が抱く閉塞感の一つは、企業などは厳しい合理化をしてきたのに、戦後以来、官僚制度改革には殆ど手をつけられず、官僚主導の政治が続けられていること です。
 もし麻生さんがマスコミの言うように本当に行政改革に反対か消極姿勢なら仕方がありませんが、その時は衆院選敗戦の確率90%は覚悟すべきでしょう。
b.行政改革は民主党の一枚看板です。
 もし自民党から民主党案と同程度かそれに勝る改革案がでれば、民主党の主張する争点が無くなります。
 あとは民主党は自民党が自党の真似をしたとか、お念仏のように「政権交代」を訴えるしかありません。
 そこを民主党の弱点の安全保障、外交、友愛精神に基づく問題の多い諸立法案や、価値観の違う社民党との連立問題を追求すれば、少なくとも政策論争では、自民党が優位に立つのはほぼ明らかです。(*注記)
 読売の報道では、衆院選の最大の争点となりそうな、官僚制度改革の自民党案で、今はっきりしているのは国直轄事業負担金の見直しと、道州制の検討だけのようです。
 これだけでは衆院選では政策論争の面からも自民党は不利な戦いを強いられる と思います。

・堂々と政策論争を
 今の情勢では余程のことがない限り民主党優位は変わらないようです。
 勿論自民党は政権死守のために頑張るのは当然ですが、万が一負けても日本がその方向を誤らないよう、後世まで禍根を残さないようにするのが政権与党として、そして政治家としての務めだと思います。
 たとえば、民主党政権が日米関係に無用なひびを入れたり、中国や北挑戦などと日本にとって不利な協定を結んだり、折角進みかけた教育改革を逆戻りさせるなどど、日本が国の方向を一旦誤ると村山発言のように、その禍根を取り去るなど限りない努力が必要になります。
 ここは徹底的に民主党の政策の問題点を追求し政権死守を図ること。
 万が一負けても、直ぐに復帰できるような負け方をすること
 そのためにも先ず衆知を集めて完璧なマニフェストを然も早く作って、民主党との本格的論戦を始めて貰いたいと思います。

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*注記:今日の読売新聞では全面広告で自民党と民主党の安全保障、教育、憲法に就いての政策の比較が出ていましたが、自民党はこの点に就いて、民主党が前回の全面広告の時のように、頬被りされないように、選挙戦や、マスコミなどの民主党との討論会では是非この点に就いて、集中的に論議して貰いたいと思います。
 教育だけを取り上げても、日教組の輿石さんが文科大臣や、副総理などなり(考えただけでも寒気がします) 、道徳教育反対、日の丸・君が代否定の考え方を学校教育に持ち込まれれば、今まで牛の歩みですが、少しづつでも改革されてきた教育が一挙に元に戻ってしまいます。
 公開の場での議論で、民主党が仮に政権を取っても、このような無茶なことををしないと言う言質を取って置く必要があると思います。


日本経済のこれから(2)

2009-07-21 17:07:24 | 企業経営

 昨夜、NHKで[NHKスペシャル マネー資本主義 最終回「危機を繰り返さないために」]がありました。
 その番組の趣旨は案内によると、NHKで世界的な金融不安が実態経済に深刻なダメージを残している一方で、景気の落ち込みも底を打ったとの声が出始めている。再び、バブルの誘惑に飲み込まれていくのか、それともあらたな経済システムをつくりだしていけるのか、今、私たちは岐路に立っているといえる。最終回ではこれまでのシリーズを振り返りながら、世界の賢人たちから寄せられたメッセージをもとに、これからの経済のあり方について探っていく。だそうです。
 その内容は
・米国の不況→低金利政策→これで得た資金と金融工学を利用した金融資本のギャンブル的経営→バブルの傾向増大→これを放置した自由主義経済を信奉するIMFのグリーンスパンさん→バブル崩壊・未曽有の金融危機の発生
・元西ドイツ首相のヘルムート・シュミットさんの行き過ぎた自由主義経済批判
・ノーベル経済学者でコロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツさんを中心とする国連での世界の共通通貨制定動きと米国の反対
 中国の清華大学国情研究センター主任胡 鞍鋼さんの「事実上の世界通貨を管理するIMFのトップは全て米国の有力政治家や財界の出身が占めており米国の意のままになる世界通貨はおかしい」として国連の動き支持

・一方、日本でも銀行本来の業務に戻ろうと、鹿児島銀行の地域の産業振興への協力の動き
・企業は株主のものでない、企業活動を通じて社会に貢献すべきと言う、日本的経営を主張する原丈人さん(NHKの案内より推定、間違っていたら御免なさい)率いるベンチャー企業の世界的展開の状況

・3人の識者の総括
 自ら金融機関をもつ米国の金融工学の専門家:自由主義経済が破綻したからと言って、政府が銀行の支援をするなど社会主義を持ち込むことは事態の解決を遅らせるだけだ。自由主義経済で格差が生れるのは当然だ
 東京大学名誉教授で数理経済学の権威の宇沢弘文さん:金融工学には人の心が入っていない、全て確率をもとに数学的に処理したもので、結果としては曖昧なものになっている
 米国コロンビア大学教授:自由主義経済の中に人の良心がなければこの体制は崩壊してしまう

・出席者のゲストが考えるこれからの資本主義とはの質問に対して
  経済小説の作家の江上剛さん:(国や社会や人との)絆の資本主義
  FXのトレードで失敗した経験を持つ漫画家の西原理恵子さん:ものづくりの資本主義
   机で座って金を扱っている人達でなく実際に社会のために働いている人達にそれなりの報いがあるべき、
  コピーライターの糸井重里さん:あたたかみの資本主義 
(人間的に温かみをもたらす資本主義)

[私の意見]
 NHKは台湾問題の報道でケチを付けましたが、この番組も明らかにNHKの意図を感じます。
 しかしこの番組は前者のように政治的な問題でないので、その意図も抵抗なくく納得出来ますし、私の持論の日本型市場中心主義、米国一辺倒の経済の見直し、適度のブレーキのかかった市場中心主義経済、企業活動による社会貢献などの線に沿ったNHKの主張に同意できます。
 また自由主義経済の主張者のような資本主義の世界では格差社会の発生は当然と言う考え方は日本人の心情に合いません。

 但し問題はそう簡単でなく下記のような問題が発生仕掛かっているし、また今後予想されます。
・中国、インドなどの台頭→日本企業の競争力の低下→低賃金で何時でも採用、リストラが出来る非正規社員の増加→日本平均賃金の低下と格差の発生
・国内の需要の飽和化、少子高齢化の進行、環境意識の浸透などで、内需拡大による財政収入が期待出来ず、やはり輸出に頼る他ないが、上記のような企業競争力増強とそれに伴う社会問題をどう折り合いをつけるか?
・最近、世界的に経済活動に何らかのコントロールが必要と言われているが、その実現が難しい中、世界の巨大金融資本や企業、国を上げての外国への経済活動の拡大する中国企業、自由主義経済を信奉する巨大な金融資本や企業と、NHKが示唆する(私も賛成の)日本型資本主義の企業が太刀打ちできるか?
など難しい問題が山積しています。
・前にも書きましたが巨大な領土を持つ中国、インドなどは膨大な低賃金の人口を武器に輸出により外貨を稼ぎ、世界的不況が起これば遅れている内地の開発で内需を拡大できます。
 それで余程政治や人種問題のなどの発生が無い限りそのGDPが日本を追い抜きそしてその発言権がますます増大するのは時間の問題でしょう。
 このようなことはある程度予測できても政治家も経済評論家も、不景気なことを言えば政治家は落選、評論家は飯の食い上げになるので言おうとしません。

 私は狭い国土と資源のない日本は、外国の真似でなく、今までのように優れた技術と人材、家族的運営、従業員の能力を最大限に発揮させる管理手法、長期的視野にたった経営、政府・企業・金融機関の緊密な連携と世界戦略、日本的経営を脅かす投機資金の排除、など針ねずみのように武装するほか、今までのような世界的地位に留まることはできないと心配しています。
 私は日本が今までのように余所の国の真似をするだけでは、コペルニクス的な大変化が世界や日本に起こらない限り、日本を取り巻く環境と日本人の性情からすれば、日本は北欧の国が理想とする、世界に対する経済的影響力はなくても、国民は少しは収入が減っても、心は豊かな国な、互いに助け合うコミュニティー、格差の少ない国に限りなく収斂して行きそうな気がするのですが。(戦前から戦争直後の貧乏を経験した私は、それも悪くないと思うのですすが、豊かな生活に慣れた人達が受け入れるでしょうか?)

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自分達の責任は棚に上げ他の責任を追求する政治家達

2009-07-20 10:41:00 | 麻生内閣

 いよいよ明日、自民党では両院懇談会が開かれ、国会では解散と言うことになるそうです。
 それで懇談会関連のニユースをweb版から拾って見ました。

両院総会要求は腰砕け、封じられた「反麻生」
 自民党で麻生首相に批判的な議員の動きが行き詰まっている。
 中川秀直、加藤紘一の両元幹事長や塩崎恭久・元官房長官らは1時間程度の懇談会を開く方針を説明する細田幹事長に、「2時間、3時間とじっくりやって、初めて団結のエネルギーが生まれてくる」と食い下がったが、押し切られた。
 執行部は懇談会を「非公開」とした。「党内が荒れている様子が報じられると、また衆院選へのマイナス要因になる」と判断したためだ。
 党内では、中川氏らが議決権のある両院議員総会にこだわるのは、東京都議選などに関する首相の責任を追及した上で、麻生降ろしのための総裁選前倒しの動議を提出し、可決に持ち込みたい思惑からだと見られている。ただ、両院議員総会開催を要求するための署名に応じた議員には、「あくまで地方選総括の場で、麻生降ろしに利用されるのは心外だ」という声が強く、開催要求は腰砕け気味に終わった。
 中川氏らには、「ゴタゴタした印象を与え、地方選の足を引っ張った」と党内の視線も厳しさを増している。
 党東京都連は17日、麻生降ろしの動きに加わる衆院議員を支援しないとする内容の決議文
を党本部に提出した。
自民都議の怒り爆発!…細田幹事長の訪問に
 
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090716-OYT1T00847.htm
 細田幹事長が「我々国会議員が大きな悪影響を与えてしまった。申し訳ない」と頭を下げると、足立区選挙区で落選した高島直樹・都議団幹事長は「国会のドタバタで自民の支持者が離れたのは事実」と強い口調で批判。
 都議からは「(麻生首相に批判的な議員が)今でも署名を集めているが、早く選挙区に帰って活動するよう言ってほしい」などと注文がついた。

 両院懇談会関連の報道を見ると中川秀直さんたちの都議選敗北の総括をして、麻生降ろしに繋げたいという作戦は明らかに情勢を読み間違えているようです。
 東京都連は選挙前から党内のごたごたに就いて党本部に抗議文を出し、そして今は中川さんたちの行動が都議選敗北の大きな要因の一つと考えているようです
 細田さんは自ら都議達の抗議を聞いているので、中川さんたちの申し入れを一蹴したのでしょう。
 そして細田さんが、両院総会を開けば、都議選敗北の総括が、麻生降ろしのグループと都議連と同じ考えを持つ人達の非難合戦になり、その(そして多勢に無勢で麻生降ろしグループが負けるのは必至の)状況をマスコミを通じて面白可笑しく編集して報道されれば、また自民党の支持率低下に繋がることを警戒したのも当然です。
 勿論、今回の自民党の動きについては、朝日の逃げ切り狙い「麻生隠し」自民の両院議員懇談会
の見方もあるし、素人目から見ても僅かガス抜きどころか 、ストレスが溜まるだけで終わる1時間足らずの懇談会でなく、(後に書くように麻生さん以下党員全てが自分達の責任を確認した上での)時間を掛けて都議選の敗因を分析し、麻生さんもじっくり自分の意見を述べるべきだと思うのですが。

 何よりも心に引っ掛かるのは、中川さんたちが私のような素人でも判る、情勢判断を何故間違えたかの原因です。
 そこで少し考え過ぎかも知れませんが、自分たちのことは棚に上げて、全て人の責任のしたがる世の風潮にどっぷり嵌まって、自分たちの動きが他人からどう見られているかなど、なんの反省もなく走ったのかも知れません。 (そう言えば昨日の新聞で大島国会対策委員長が「都議選や静岡で負けた、総括しろ」という中川さんが参院選で負けたときの幹事長だと講演で触れたそうです。)
 また麻生降ろしの動きも、誰か人気のある人を首相にしてその人気のあやかろうと言う、人頼みの考え方も余りにも今風だと思いますし、(前にも書きましたが)従来型の適当な人を担いで裏から彼をリモートコントロールするなどの古い自民党の手法を踏襲するなど改革派としては考えられないやり方です。
 その自分の義務や責任を言わず、他人の責任ばかり追求する原因は、戦後以来の権利重視、義務・責任軽視の教育にあるのだという老いの繰り言になるのですが。
  少し理屈を言えば、前にも書きましたが、議会制民主主義の国ですから、今回の衆院選は小泉さんの就任から任期満了までの、つまり小泉・安倍・福田・麻生さんの自民党政治の信を国民に問われる選挙です。 (野党やマスコミの言う麻生さんが国民の信任を得ていないと言うのは明らかに間違いです。)
  そして小泉改革のプラスの分の評価すべきは勿論ですが、現在、自民党政権の足元を揺るがせている、その負の部分の責任について自民党全員がその責任を負うべきです。
  少なくとも都議選の敗戦は都連の人達は彼らの敗戦の責任の一つは中川さん達にあると考えているようでし、中川さんグループもその責任を痛感すべきです。
  自民党の人達はみな他の責任を追求するより、自分達の責任、小泉さんから麻生さんまでを選んだ責任、彼らの足を引っ張ってきた野党、族議員、官僚たちに対して、側面から内閣をどれだけ支援して来たかの責任などを痛感すべきです。
  もし、麻生さん以下全ての党員が、他人の責任を追求する前に自分の責任について謙虚に反省しておれば、中川さん達が言うように、両院総会も懇談会もオープンにできるし、会合で挙党一致体制を築き、細田さんの心配とは逆にそれをマスコミを通じて誇示することも出来ると思うのですが。
  更に挙党一致体制が確立すれば問題の密室の公約づくりもオープンにすることにより、より優れた公約も作れると思うのですが。
  果たして懇談会はどうなるのでしょうか。
  お互いに足の引っ張りあいをしてま政権を転がり落ちるのか、お互いに責任を認め合って起死回生の体制がとれるのでしょうか。
  後は自民党員たちの良識にかかっていると思います。

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社民党支援の民間労組ゼロに

2009-07-18 17:58:29 | 政策、社会情勢

 今朝のネットは自民党のごたごたの記事が中心の中で、私鉄総連、民主支援へ…社民支援の民間労組ゼロに(読売より)の記事に惹かれました。
 私鉄やバスなどの労働組合でつくる産業別労組「私鉄総連」は16日、鹿児島県霧島市で開かれた定期大会で、2010年の参院比例選で組織内候補を初めて民主党から擁立することを決めた。
 これまで社民党の渕上貞雄副党首を支援してきたが、渕上氏の引退を機に民主党支援へ転換する。これにより、連合傘下の民間労組が参院選に擁立する組織内候補は全員、民主党公認となる見通しだ。労組が次々と離れた社民党には大きな痛手となりそうだ。

 何しろ一昔は社民党の前身の社会党は、片山 哲内閣を創り、それ以後も野党第一党として、衆議院で170近くの議席をもち、共産党支持以外の官公労、日教組、民間労組の殆どからの支持を受けていた社民党がこの有り様ですから。
 都議選にも福島さんが先頭に立って議席回復を訴えましたが、全員落選でその凋落傾向は止まるようには見えません。
 同じ左翼政党の共産党はその支持労組がGHQからも強い干渉を受けながら、市民の世話活動で依然として善戦しているのとは好対照です。
 私か何度か社民党は地についた国民政党として立ち直らねば、絶滅危惧種に陥るかも知れぬと書いてきましたが、それがいよいよ現実に成り掛かっているようです。
 社民党は社会党以来労組の支持に依存してきましたがいよいよ無くなったと読売は言っています。
 そして村山内閣の現実路線(もっとも村山談話で日本に大きな禍根を残しましたが)→大幅な議席減からの反省から土井たか子さん→福島さんに替わった教条主義に徹して来ました。
 特記事項に書いたように、共産党は国の重要事項でその主張に大きく離れて居ないことは、筋を通して賛成をしてきましたが、社民党は頑にその主張にこだわり、ますます国民から離反して来ました。
 そしてまた同じような問題が連立を組もうとしている民主党の間に起こり掛けています。
 社民党はその前身の社会党の細川連立内閣~村山内閣と政権に近づく度に(つまり政権党として避けられない現実路線を取る度に)議席を減らしています。
 そうかと言って余り自党の主張に拘るとまた議席を減らすことになります。
 その現れが以下の報道です。
鳩山代表の非核三原則発言が波紋、連立に暗雲
・鳩山代表:「非核三原則が堅持される中で、現実的対応がされてきた側面がある。北朝鮮の問題も含め、必要性があったからこそ、現実的な対応がなされてきた。(今後も)その方向で考えるべきだ」
・社民党の重野幹事長:「『本音(密約)と建前(非核三原則)を使い分けるな』と言っているのだろうが、非核三原則の一角を壊すことは到底容認できない」と批判

民主、インド洋即時撤退は「白紙」 野党共闘には影 

・鳩山代表:インド洋での海上自衛隊による給油活動について、次期衆院選で政権交代が実現した場合、当面活動の継続を容認する考えを示した。
・社民党の福島党首:給油活動延長について「絶対にダメだ。これまでの活動について検証もされていない」と周囲に不満をもらしている。社民党はこれまで自衛隊の海外派遣に一貫して反対姿勢を貫いている

  この難しい問題を解決するには、基本的の国民政党として如何にあるべきか、そして自民・民主の間に埋もれないためにはどうすれば良いかを考えるべきだと思うのですが。
  その具体策としては他の小さな政党も同じですが、
・国民から遊離した存在にならぬように国民とのコミュニケーションを図ること、
・是々非々主義を貫いて、自民・民主の横暴による国会の停滞や政局の混迷からの脱却の役割を果たす
ことでその存在感を見せることしか生き残りの道はないと思うのですが。
 今までのように野党共闘として、国会審議拒否や内閣不信任案提出など続けていれば、いずれは民主党に呑み込まれてその存在意義を失うことになることは、過去の社会党やその分身の民社党などみれば判ることだと思いますが。

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*特記:社民党の歴史
・1995年の参議院選挙では、社会党は空前の大敗北(136→70議席)
・1996年日本社会党第64回大会での名称変更、初代党首は村山富市
・成立時は更に新党を作るための過渡的政党との位置づけだったが、旧民主党へ30名転籍、旧支持基盤の労働組合の大半が旧民主党支持に転じた
・党首は土井たか子に代わる。
・10月の第41回衆議院議員総選挙では女性中心に15議席を獲得、彼女らは「土井チルドレン」と呼ばれた。
・1997年、社民党機関誌では、「20年前に少女が行方不明になったことは事実だが、それが北朝鮮によるものというのは何一つ根拠がなく、元工作員の矛盾だらけの又聞き証言やその他の意味付けがされて生まれたのが実態であり、日本政府が食糧支援をさせないために最近になって創作された事件である」と記載がされている。2001年、日本人拉致事件が明るみになっても、拉致事件を「荒唐無稽」「新しく創作された事件」と記述した論文を同党のホームページに掲載し続ける
・2000年第42回衆議院議員総選挙では4議席増の19議席を確保
・2001年参議院選挙では得票・議席とも大幅に減らす 
・旧幹部が退き、幹事長に福島瑞穂、政審会長に辻元清美など市民派が重要ポストに就いた
・2001年、不審船対策として、停船命令に従わない不審船への船体射撃を認める海上保安庁法改正案が自民党から共産党まで圧倒的多数の賛成で成立する中で、社民党だけが反対投票を行った
・2002年3月に辻元清美が秘書給与問題で議員辞任、離党・除名者(田嶋陽子、大渕絹子、大脇雅子ら)が出た
・公式HPで拉致事件を批判する声明を出し、朝鮮労働党との関係を凍結
・2002年国連の
「テロ資金供与防止条約」を批准するための関連新法が国会で可決、自民党から共産党まで圧倒的多数の賛成で成立する中で、社民党だけが反対投票
・2003年の第43回衆議院議員総選挙では6議席と惨敗し、党首の土井も小選挙区で落選、
・土井たか子は党首を引責辞職し、福島瑞穂が後任に選ばれた。幹事長には労組出身者の又市征治が就任、市民派の影響力は後退
・2004年参議院選挙では、福島をはじめ2議席を確保するに止まった
・2005年党は直近の選挙でリストラ反対とワークシェアリングによる雇用確保を主張していたが、財政難を理由に党職員の整理解雇を職員団体に通告裁判沙汰になる
2005年衆議院が解散、副党首の横光克彦、元政審会長の濱田健一が離党、いずれも民主党に鞍替
・辻元は、同区では落選したが比例近畿ブロックで復活当選したが、比例単独であった土井は落選、議席数は公示前の5議席から7議席に回復
・2006年2月11日-12日の第10回党大会で、自衛隊が「現状、明らかに違憲状態」であり、「縮小を図り」、「非武装の日本を目指す」との内容を含んだ「社会民主党宣言」が採択
・2007年国の海洋政策を一元化するための海洋基本法と、ガス田掘削施設などの周辺への船舶進入を規制する海洋構築物安全水域設定法が、日本共産党を含む各党の賛成により可決成立したが、社民党のみ反対
  私は下線部分の社民党の対応がその支持者を失った大きな原因の一つだと思うのですが。


自民党の内部抗争

2009-07-17 15:05:01 | 麻生内閣

 昨日から今朝にかけてのマスコミの報道では、麻生さんに批判的な中川秀直さん達が求めている両院議員総会の開催と党執行部が考えている議員懇談会のどちらになるか、自民党内の駆け引きが行われているそうです。
 これに関しての私の感想です。

[党内抗争より公約作りが優先だ]
 昨夜のテレ朝の「報道ステーション」で古館さんが「民主党がマニフェストを作りその説明のための資料を全国に配布しようとしているのに、自民党ままだ出来ていない。衆院選を前にして我々もその比較しなければならないが、自民党は党内抗争などする暇があれば公約を作るべきだ」と言う趣旨のことを言っていました。
 古館さんにしては珍しい真っ当な発言です。
 私も何度も書いているように、自民党も政権党ですから野党の民主党の負けないほどの公約は作ろうと思えば直ぐ作れると思いますし、次の衆院選は負けても勝っても両党ともその公約を元として堂々と戦うべきだと思いますし党内抗争などする暇はないと思うのですが。

[麻生さんの失政?と自民党の責任]
 テレビである批評家が「考えてみれば麻生さんにこれといった失政がない」と言って居ました。
 そう言えば野党の攻撃は麻生さんのリーダーシップ欠如は言っても、これと言った失政の例を殆ど口にしていません。
 勿論、麻生さんの「郵政改革はもともと反対だった」という、一国の首相としては許されない大失言、定額給付金については言い出しっぺの公明党との接触窓口だったこと、麻生さんが指示した地方分権、厚労省分割など頓挫と停滞、補正予算中の所謂「国立マンガ喫茶」、保留していた筈の高速道路建設の滑り込ませなどの失敗もあります。
 然しこれが自民党政権陥落の危機に、あえて麻生さんを引きずり降ろすほどの理由になるとは思えません。
 野党がこぞって攻撃して来たし今でもしている、定額給付金や高齢者医療制度は麻生さん就任以前から決まっていたことです。
 また自民党内閣の足元を揺るがしている、医療・介護制度の崩壊、地方の疲弊、教育問題、労働者派遣法の製造業務の派遣解禁、それを補うセイフティーネット整備不足などの大きな問題は、全ては小泉さんの政策がもたらしたものであり、年金問題は小泉さん~安倍さん時代から判っていたことです。
 前にも書きましたが、日本は議会制民主主義の国ですから、今回の衆院選は小泉さんの就任から本来その任期の切れる筈の現在までの施策について国民の信任を受けるべきであり、その責任は小泉、安倍、福田、麻生の各氏とそれを支えてきた(中川秀直さん、武部さんを含む)自民党の人達全員でその責任を負うべき です。
 今回の会合には、先ず自民党議員の全員が今までの自民党政治の責任を負うと言う、謙虚な態度で審議を進めるべきです
 何でもかでも他人の責任にしては、選挙を前にして党内バラバラの印象を与え、野党やマスコミを喜ばせ、更に麻生内閣と自民党の支持率を落とすだけです。

[選挙直前の会合のあり方]
 一般の人達が考える選挙直前の会合のあり方は、
 会合の前に(密室での)都議選など地方選の敗因の分析とその対応策の決定
 会合で敗因分析の結果、その対策の発表と承認
 団結の確認
と対外的に奇麗事で済ませ、良い所を見せて終わるのが普通です。
 話しによると今回の会合はマスコミにフル・オウプンだそうですが、伝えられる反麻生グループは麻生さん(と党内の)ボロをマスコミの全面に曝け出す作戦のようです。
 そんな自民党の支持率低下というリスクを冒して、仮に他の総裁を選んでその支持率がどれだけ上がのでしょうか。
 マスコミ受けの点から言って、一番意外性のあるのは小池百合子さんの起用ですが、マスコミが小泉さんの時のように、選挙中に大きく取り上げて呉れ、他の候補者にどれだけプラスになるでしょうか。
 小泉さんの時は郵政改革賛成か否かが争点でしたが、改革派の中川秀直さんが訴えたいと思う官僚制度改革は民主党も言って居ますので、争点にも話題にもならないから、ただ小池さんを画面に取り上げるだけの結果になりそうです。
 だから訴えるとしたら、民主党が弱い財源問題、安全保障、外交、友愛精神に基づく諸立法を突くしかないと思いますが、これは麻生さんの考えと殆ど変わらないと思いますが????
 それよりも、マスコミの面前でこの儘では間違いなく起こる党内抗争を曝け出して、あと挙党一致で衆院選に当たれない、そしてそれが選挙に及ぼす悪影響が如何に大きいかを考えるべきです
 これは「普通のおっさん」を自認する私の意見ですが、一般の人達も殆ど似た考えをもっていると思います。
 中川秀直さんや高橋紘一さんなどの発言など地もとの人達は支持しているのですかね?
 批評家の中には、自民党内の動きに「くだらない」とか「みっともない」とか言う人達もいるようですが、反麻生のグループの人達の動きは、(本人たちは大まじめで考えているのでしょうが)何だか浮世離れをしているような気がしてならないのですが

追記:15.00現在で執行部は内輪の議員懇談会を開こうとしているのを、反麻生グループが巻き返しを図っているそうです。

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アフガニスタンの米軍の新戦術

2009-07-16 10:55:58 | 国際社会

 7月7日にNHKのクローズアップ現代で、「混迷のアフガニスタン」・「オバマの新戦略」について、翌日の8日には国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子さんが出演しての 「日本の復興戦略」の放送があったので、表記のことを書こうと思っていました。
 然し日本の政界の激動でつい政局中心のエントリーが続く結果と成りましたが、最近の自民・民主の泥試合、自民党内のごたごたでうんざり、かりかりしているので、私の頭を冷やす意味でもアフガンの問題を遅まきながら取り上げてみようと思いました。
 7日の「オバマの新戦略」のNHKの番組案内
では、治安状況が最悪となっているアフガニスタン。アメリカ・オバマ政権は、テロを押さえ込む「主戦場」をイラクからアフガニスタンに移すことを宣言。2万1千人のアメリカ軍部隊増派に加えて、農業支援などの「開発援助」を作戦の中心に据え、大幅な増員・増額をすることで治安状況の「潮目」を変えようとしている。しかし、出口戦略の要となるアフガニスタン人治安部隊育成には時間がかかり、汚職の根絶も進まない。一方、治安が悪化する中で、開発援助は軍と一体で進めざるをえなくなっているが、アメリカ軍が誤爆などで民間人を殺害しているとして、援助の受け手である地元民からは、アメリカへの反発が根強い。と紹介しています。
 今日は番組の後半に記してある、米軍の攻撃に関しての作戦変更について、私どもの英字新聞輪読会での解説資料の紹介をしたいと思います。
  出所は「Student Times」の7日付けの「New rules aim to cut Afghan death toll」ですが Web版はありません。
・アフガンでの戦闘と爆撃についてより厳しい新ルールは米軍にとってより複雑なものにするだろう。然し当局は彼らの戦闘の努力を台無しにする原因となっている、市民の死者数を減らす為には避けられないことだ。
・アナリスト: 今まで戦闘で空軍の援助に頼っていた地上軍に取って、もっと危険に晒されるような新しいガイドラインを彼らが直ぐに実行することはないだろう。
  然しそのリスクはもしアフガンの人達から戦争への支持を得られるのなら、その努力をする価値がある。
   つまり今までのように、最初に空からの攻撃を行い敵の戦闘能力を失わせて、地上軍が攻撃に入るという効率的な戦闘方針が、市民の死者増大で反感を買ってきたので見直そうと言うのです。
・Exum(シンクタンク・新米国安全保障):我々は米国人の死者がより減るをたしかにしようとしているのでなくて、我々はアフガン市民の死者の数を減らすためにいるのだ
  McChrystal(アフガンの米軍の総司令官)は間もなく米軍とNATO軍に空からの攻撃に対する新ガイドラインを指示し、もし彼らが出来るなら、民家に隠れている過激派との戦闘を避けるように告げるだろう。
・Smith(米軍報道官): 彼は米軍またはNATO軍が、差し迫った危険にさらされるなら、民家に隠れている過激派を攻撃しても良いし、応戦すべきだと命令を出すだろう。
 然し彼らが住宅街で攻撃を受けた場合は、彼らはその地域から不必要な軍への危険を避けて、脱出しても良い。 (攻撃または脱出の)どちらかを彼らかが選ばねばならない。何故ならそれらの住宅街にはタリバンによってしばしば一般市民が人質になっている可能性があるからだ。
   今までのように強引に攻撃して一般市民を巻き添えにしないようにする考え方です。
 今までガイドラインは強化されてきたが、この命令はアフガン国民を守るための米軍司令官による強い手段だ。
・国防省の役人や司令官達は一様に、この様な死者は彼らの暴動鎮圧の使命を傷つけている、何故ならそれは一般のアフガン市民に政府や米軍、NATO軍ほへの反感を抱かせているからだと言う。
・Excum:この変化は多分タリバンやたの過激派を勢いつかせ、市民の中に隠れたり彼らを人間の楯にすることを続けたり、さらに増大させるかもしれない。然し彼らがそうすれば彼らは国民から支持を失うだろう
 新ガイドラインによって、空からの攻撃は少なくなるし、不利な状況の中にいる地上軍に取っても選択の範囲が限られてくるだろう。
 ガイドラインは彼らの選択肢の幅を制限するだろう。しかし使命は兵士(の生命)より優先する。しかし私はこのことで彼らがタリバンによって制圧されるとは思わない。
・Korb(シンクタンク・American Progress)::新しいガイドランには地上軍を守るものだ。
 もし彼らが危険状態になれば、応戦する必要がある。しかしもし彼らが不必要な危険を避けて撤退するのも一つの選択肢だ。
 然し市民を防ぐことについて考え直す必要がある。  問題は(一時的な)戦闘に勝つのではなくて、戦争に勝つ(戦争の目的の達成)ことだ。
 市民の犠牲者はアフガン大統領と米国の間の摩擦の主な原因だ。
 昨年では829人の市民犠牲者をだした。
・Excum:大事なことは必ずしも一つのガイドラインではなくて、アフガンに新しい優先事項を示すことであり、McChristal総司令官がこれらの優先事項をどんなものであるかをアフガンの部下の司令官達にに示すことだ。
  彼はアフガンにおける作戦の考え方を変えている。
  タリバンを殺すことと、市民を救うと言う選択肢があるとすれば、市民を救う方を選ぶことだ。

[私の感想]
  米軍は第二次世界大戦で日本が、特に沖縄で経験したように、またベトナム、イラクなどでみるように、圧倒的に強力な空軍による空爆と、海軍や地上軍の砲撃で敵軍の戦力の殆どを消耗させた上で、(そして多くの一般市民も巻き込んだ上で)、地上軍(もとの日本で言えば歩兵)を突入させるのが伝統的な戦略・戦術でした。
 しかしオバマさんに変わってからの影響もあるかどうか知りませんが、アフガンでもタリバン殲滅の作戦一辺倒から、農業支援などの「開発援助」へそして、アフガン市民の安全保障へと戦略を変えてきたようです
  問題は資料でも一部指摘していますが、
・生命の極限状態にある兵士達が(シンクタンクの人達が机上で考えるように)、新しいガイドラインを護れるか
・逆にみすみす敵を目の前にして撤退するなど兵士の士気が低下しないか
・タリバンが市民の楯作戦を強化しないか
・この作戦ではタリバンの崩壊や、今までの米軍への反感から支持に変わるまで長い年月かかると思いますが、それに米国がどれだけ辛抱できるか
など大きくて難しい問題が残っているようです。
  しかしこの世界に大きな影響力を持つ米軍の作戦の"Change"は新しい試みとして一応は評価し見守って行く価値はあるような気がします。

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石原伸晃さん、平沢さんへ

2009-07-15 12:24:31 | 麻生内閣

石原伸晃様、平沢勝栄様
 今回の都議選では大変ご苦労様でした。
 今自民党はこの件に関して大揺れに揺れているそうですが、素人の私の意見も聞いて頂き何らかのヒントにでもなれば幸いです。
[麻生降ろしをしている人達の責任は?]
 昨日の自民党総務会での、加藤紘一さんの「幹事長の責任を明確にしろ」、武部さんの「責任は執行部にある」、丸山和也さんの東国原さんへの衆院選出馬を求めことに対する批判、古賀選対委員長の突然の辞意表明のニユースに、政権交代論者である私でさえ呆れから怒りさえ覚えて来ました。
・彼らは戦う相手を間違えているのでは無いのでしょうか。
・所謂麻生降ろしている彼らや中川秀直さん達の責任はないのでしょうか。
  マスコミで良く言われる麻生さんを担いだ責任は?
・今頃こんなことをやっていて衆院選に間に合うのでしょうか。
・都議選の日からのマスコミの論調は一変して、都議選の敗退の当面の一番の原因は自民党の内紛だ、これからは自民・民主とも堂々と政策論争をすべきだと、珍しく真っ当なことを言っていました。
今回の都議選で同じ政権与党である公明党が1議席殖やした意味を良く考えるべきです。
・先月の17日に自民党各都道府県連の幹事長達は、麻生首相に批判的な一部国会議員について、「理解に苦しむし、目に余る。愛党精神のかけらもみられない国会議員に、党本部が処分を含めて対応することを強く要望する」との決議を採択したそうです。
 この決議を無視して内紛に明け暮れた人達の責任は何もないのでしょうか。
 そしてこのことを一番も痛感していたのは、東京都議連の人達だと思うのですが。
 報道によれば都議選敗戦の総括をやるそうですが、責任者の石原さんや平沢さんは勿論、都議の代表者も是非論議に加わって貰いたいのですが。

[今回の衆院選は小泉内閣以来の諸施策にたいする審判]
・日本は議員内閣制ですから、野党が言うように安倍・福田・麻生さんに対する国民の信任が得ていないと言うのは間違いで、今度の選挙は小泉さんから麻生さんまでの内閣の信任を問う選挙です。
 つまり小泉さんのやって来た諸改革とそれをフォローしてきた麻生さんまでの施政に対して国民の審判を受けるのです。
  そして今、麻生さんを苦しめているのは、医療崩壊、福祉政策など小泉改革の負の部分と不幸にもその問題を増大させた、米国発の大不況と小泉さんが仕残した年金問題です。
  小泉改革の信奉者が小泉改革を完全にするために、直ぐにでもやらねばならぬことは、小泉改革を推進することでなく、その負の部分の修復です。
  この点で彼らはどれだけ貢献したのでしょうか。
  一般の眼から見れば傍観していたとしか思えないのですが。

[看板を変える意味]
・それを目先を変えて、新たな総裁を選んで、仮に一時的に支持率が上がっても、議院内閣制の日本です小泉さん以来の自民党の施策に対する国民への審判は変わらないと思います。
 反麻生と言われる領袖の加藤紘一さん、中川秀直さん、武部さんとも幹事長経験者ですから、麻生さんを降ろすのなら、堂々と自分で総裁候補に出れば良いと思うのですが、その結果は本にも良く承知なので、国民に人気のありそうな舛添さん、小池百合子さんなど選ぶのでしょう。これでは安倍さんや麻生さんを担いだ手法と全く同じです。
 国民が自民を見限りかかっているのはこのリーダーを担いで裏でリモートコントロールする手法に違和感を抱いているのは一因と思いますが、相変わらずこれを踏襲しょうとしているのは、改革派のやる事でしょうか。
  私は今までのマスコミ、特にテレビの傾向から考えても、自民党ないの動きを見透かしたような報道をし、それに乗せられる一般の人達の反応を考えると、頭をすげ替えても、自民内閣の支持率はせいぜい微増が、逆に低下する可能性が高いと思います。

[自民党が今やらねばならぬこと]
・一番の問題は自民党の政権陥落の可能性が限りなく高くなった今自民党が考えねばならぬことは、
a.選挙は勝つつもりで戦うのが当然だか、同じ負けるにも後の政権奪回に役立つような負け方があること
b.未経験の民主党が政権を取って国を誤らせないこと
  つまり安全保障、外交問題、日教組を抱える民主党の教育政策、官僚制度改革での官公労に属する人達の処置、所謂友愛精神に基づく外国人参政権など諸施策等、後々まで禍根を残さないようにすること
c.その為党の総力を上げて、出来るだけ完璧な公約を作り、民主党と堂々と政策論議をすること、そして民主党の公約の問題点や民主党が政権獲得のために意識的?に外した諸施策をの追求すること
d.そのために党内で挙党一致で事に当たること
だと思います。
 東京都議連で重要な地位を占められている石原伸晃さんは堅実な考えをお持ちの人のようですし、平沢勝栄さんはテレビで率直に正論を述べられているのを聞いています。
 今回の都議選の総括などに当たっては、お二人の積極的なご活躍と率直なご発言を期待しています。

追伸:これを書いた後、今朝のテレ朝の「スーパーモーニング」で加藤紘一さんか、自民党の内紛の説明を延々として居ましたが、内幕の弱点を暴露するなど、普通の人達の常識では考えられないことです。
 自民党の一部の人達は何故廻りの状況が見えなくなっているのでしょう。

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