韓国の経済政策でネットを探したところ、竹中平蔵さんの「いまこそ李明博の“政治主導の”経済政策に学べ」 と言う記事に出くわしたのでその概要を纏めて見ました。(青字は竹中さんの記述、黒字は日本の現状と私の意見です。)
・日本企業が世界のマーケットで苦戦を強いられているのを横目に、サムスン電子などの韓国企業は、世界シェアを獲得、拡大を続けている。
・なぜ韓国経済は強く、一方で日本経済はこれほど脆弱なのか。一部では、後の急激なウォン安によるものだ、という意見もあるが、為替だけが韓国経済の強さの理由とは考えられない。
・韓国経済の強さを語るうえで欠かせないのは、現大統領・李明博の政治的リーダーシップであろう。彼は、就任後「毎年7%の経済成長、10年で一人当たり所得4万ドル、世界七大大国入り」のスローガンの実現をめざした。 (民主党のスローガン「国民の生活が第一」。趣旨は良いことですがまずそのために必要な金があって出来ること。今の民主党政治の停滞の原因は財源不足という、基本的なものが抜けていたことを示しています。民主党はリーマンショックによる不景気が影響したと言って居ましたが、一番、日本経済で応えたのは、中国などの台頭による日本企業の競争力低下と言う深刻な経済変化であり、これはマニフェスト政策の前から判っていたことです。)
・李明博政権発足直後、韓国の未来戦略や公共部門の改革などについて大統領に助言を行なう私の他にビル・ゲイツ会長、シンガポール前首相のゴー・チョクトン氏を含む経済人15名から成る「大統領国際諮問団」を組織。 (これは自民党も同じですが専ら国内の学者や専門家、それも自分達の政策に沿った人達しか選ばないようなので、いざ政権を取ってからボロが出る原因となっています。)
・大統領選挙のマニフェスト作成には、約400名もの専門家を民間から集めた。 (報道によれば民主党のマニフェストの原案は元社会党の事務部門の人達が大半を占める民主党事務局が中心で作られたそうで、その政策に社会主義的な臭いが強いのはそのためです。おまけに小沢さんの選挙勝利第一のばら蒔き政策がそれに加わったので、政権を取った後の修正を余儀なくさせられています。)
・マニフェストの内容
国内企業が投資意欲を取り戻して経済成長を導くことができるように規制の撤廃、税率の引き下げ、企業関連サービスのグローバル・スタンダード化、労使関係の法制化を推進
法人税を競争国水準(20%)に引き下げ、税額控除を拡大。 (民主党の経済政策は中小企業中心の支援策が大半、肝心の発注側の大企業に対する政策が皆無。野党やマスコミの経済無策の批判で目玉の4つのばら蒔き政策がそうだと言い始めましたが、評価する専門家は殆ど居ませんでした。詰まり一口に言えば民主党は(長い眼でみれば一次的な)埋蔵金など無駄を省けば良い、その間に景気が回復するというバラ色の道を描いていたのでしょう。)
・金融分野においても、大規模な規制緩和 (記述およびコメント省略)
・FTA(自由貿易協定)の推進(韓国はすでに米国とは2007年にFTAを締結済みだが、現在、EUとも仮締結を終え、さらに中国・インド・ロシアとも締結に向けた交渉を進めている)。 (今、菅政権は韓国の後を追っています。然し韓国、中国が参加しないTPP参加のメリットは(先のことは判りませんが少なくても現在は)日本の輸出産業に取っては殆どメリットがないと言われています。やはり日本も韓国のようにEUとのFTA締結を考えるべきと思うのですが。)
・環境、最先端エネルギー産業、先端保健医療産業など、高付加価値の産業を掘り起こし、支援(日本もほぼ同じ路線ですが、先端医療の産業化などは考える必要があるような気がします。)
・研究開発の投資をGDPの5%に拡大するために、R&D投資に対する予算支出の拡大、研究開発資金に対する税額控除を7%から10%に拡大 (事業仕分けで科学技術予算を削り、学者やマスコミの猛反対で慌てて復活するなど、民主党は科学技術に関しては殆ど関心が無かったことを示しています。)
・教育政策では、「グローバル青年リーダー10万人養成」を掲げ、「5年間で3万人の大学生らを先進国の職業現場に派遣して、実務経験を積ませる」(など海外指向教育と政策)
(これは民主党政権の責任ではありませんが、企業側は所謂草食系の学生の発生に悩んでいます。これは日教組などに引きずられた権利重視、右へ習え式の一律教育、手を繋いで権利重視、義務責任軽視、チャレンジより安定などの教育の成果だと思います。)
これらの政策に就いて竹中さんはこれ等の政策が
勘違いしてはならないのは、ここまで述べた韓国の政策が、他国に比べ飛び抜けて優れているわけではない、ということだ。
たとえば、現在、韓国における法人税率は27.4%である。これは、他の先進国より特別に低いわけではない。当たり前のことを行なわない日本のほうが、自ら自分の首を絞めているのである。
と書き、韓国に学べと結論づけています。
この論文は鳩山さん時代のものですが、その後の韓国の動きとして、韓国はノーベル賞受賞者の輩出を目指し、今年大学院博士課程に入る成績優秀な韓国籍学生300人に、2 年間で約440万円ずつ支援し、特別チームの指導・助言制度を始める。(日本は高校無償化で余所が行くから仕方無しに高校普通科に行く生徒、同じ理由で大学の文学・英文学などの一般学科に進む生徒まで一律に援助しようとしています。)
韓国の優秀学生に一律440万円支給など乱暴ですが、高校無償化に比べると遥かにに韓国の方が筋が通っているし効果が上がると思います。
現在企業の需要と供給側の大学・高校のミスマッチ(特に多すぎる大学生が高校卒で も出来る仕事に就職など)が叫ばれ、特に一般学科の学生の極端に低い内定率が問題になっているのに一律の高校無償化?? (参照:就職氷河期と民主党政権の教育政策)
昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」の番組でも、あの田嶋さんでさえ子ども手当てよりも出産育児施設に投資すべきだと言うのに、子ども手当てにこだわり、しかも「国が育てる」と言う国民に判らぬ理由で財政が厳しいのに所得制限抜きで支給。
兼業農家にも専業農家にも同じ厳しい財源から一律の農家戸別所得保証をするなど、一体民主党(特に菅さんの現実路線に反対する党内野党の人達)は何を考えているのでしょう。
昨日の番組でも民主党が後2年の続けば、日本は破産をするかも知れないと言っていましたが、或いは現実になるかも!!!
菅さんも民主党も詰まらぬ見栄やプライドは捨てて韓国の政策の良い所は参考にしてはどうでしょう。
日本の不幸は経済環境激変の時に、 (経済の専門家が大統領となった韓国と反対に)社会主義的な政策の民主党政権が生れたこと。
そしてその責任は民主党は勿論、その成立を助けた自民党政権、そして民主党を大勝に導き、民主党政権に非現実的ないマニフェストを作らせ、緊張感のない運営をさせたマスコミにあると思うのですが。
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