普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

ねじれ国会のゆくえ

2008-03-30 12:40:32 | 民主党

 27日、福田首相は09年度から道路特定財源制度は廃止するなど珍しく可なり思い切った新提案を記者会見で発表した。

 それに対して、民主党執行部は依然としてこれも拒否する方針だそうだ。

 いずれにしても、ガソリン税などの暫定税率が4月1日以降期限切れになるの事実上決定的になってきた。(3月30日12.00現在)
 福田さんの提案も閣議も通ってないし、自民党内の了承も受けてないあやふやな者だが、28日にも書いたように、福田さんの提案を記者会見で行った事に大きな意味があると思う。

 今回のこれらの一連の動きに関連して印象に残ったことを書いて見たい。

[福田さんと安倍さん]
安倍さん

 安倍内閣については私は安倍さんが裸の王様になりかけていると書き、自民党にもそのむね投書した。
 安倍さんの場合は衆議院選大勝の波に乗って、党から言わせればお友達内閣で、安倍さん流のリーダーシップを取った。
 然し一国民の私からみれば小泉改革の歪みに気がつかぬまま突っ走って、地方の疲弊などに気が廻らず、そこを小沢さんに上手く突かれて、大敗の一因となり気づいてみれば、いつのまにか、党内でも孤立した状態になり、僅か数人に相談下だけで下野をしてしまった。

福田さん
 福田さんの場合党内の内心では小泉、安倍内閣の反対のグループに担がれて首相になったが、年金問題に加えて、政府攻撃の的を捕まえるのが上手な小沢さんのため、海上給油問題、日銀総裁問題、道路特定財源などで福田さんは苦戦を強いられている。
 特に道路特定財源については、福田さんを担いできた党内の道路族の主張と民主党の攻撃に挟まれて、福田さんは報道のによる限りでは彼を担いだ党内の人達に相談もなく道路特定財源の一般財源化を打ち出した。
 そして安倍さんと同じように党内で孤立化した状態となっているようだ。

[自民党の一部(または大部分)特に道路族の戦略]
 以下は私の「下司の勘繰り」だ。
 民主党は小沢さん路線から考えて、福田さんの譲歩を見て国会解散→総選挙まで一押しだと考えて徹底的に福田提案を拒否するだろう。
 当然これに対しては、与党は衆院3分の2条項で再可決する。
 これに対して参議院では福田さん問責決議案が出るだろう。
 その時自民党としては、福田さんを下野させて、道路族またはそのシンパから総裁を出して衆院選を戦う。
 衆院選で勝てば(勝たなければこの計画のオジャンだ)今まで通りに10年先までの、道路特定財源をキープ出来その間に計画道路をほぼ完成できる。
 国会の捩れ状態はその後も続くが、これは福田さん続投の場合でも、ここ6年間は続くので、道路特定財源を受け入れる首相の方が好都合だ。

[民主党内の戦略]
 これは「下司の勘繰り」でなく報道による。
 民主党執行部は徹底的に福田さんを追い詰める作戦だ。(3月30日12.00現在)
 然し党内からは民主党の看板政策の道路特定財源を一般化を呑んだ福田さん提案も拒否する「抵抗政党」と言われるようなやり方に批判が出ている。
 党内には短期間のガソリン値下げより一般財源化を優先させるべきと言う声も出ている。
 前原さんは「政府、与党が本気で一般財源化を提案するなら民主党も譲歩出来る。それは民主党にとって革命的なことだ」と言った。
 中には、首相提案を丸呑みにすれば、自民党を切り崩し、民主党の政策も実行出来、一石二鳥だとの期待もある。
 然しこのような意見は執行部の大勢となっていない。

[私の意見]
自民党へ

 何度も書くから簡単に書くが、自民党はもっと危機意識を持つべきだ。
 何故なら今の政敵は、何をしても自民党に票が入る社会党とは違って、国民から受け入れられる価値観を持った民主党で、参院選と同じように下手をすれば負けることもあることを知るべきだ。

民主党へ
 民主党が主張する道路特定財源の一般化、暫定税率の廃止の実施を08年を09年まで伸ばす事は地方財政の08年度計画に影響与えないことも考えると、話し合いや譲歩など政治の局面では当たり前のことだ。

もし民主党が福田提案に賛成すれば、
 同党へ政権委託するに足りる党として国民から評価されるだろう。
 然し当面の目標の国会解散→総選挙の実施が遅れる。

もし民主党が反対すれば、
 当面の目標の国会解散→総選挙の実施が早まる。
 然し、僅か1年の実施の差だけで自党の主張が陽の目を見るのに、それでも反対するとは、特定財源の一般財源化など、海上給油、日銀総裁問題の反対と同じく、国に取って重要な案件を政争の具に使っているとの批判が国民から起こるだろう。

参照:カテゴリー → 福田内閣
                民主党

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沖縄自決問題判決

2008-03-29 11:13:52 | 政策、社会情勢

 沖縄戦で住民に集団自決を命じたと著書で虚偽の記述をされ、名誉を傷つけられたとして、旧日本軍の元少佐らが作家の大江健三郎さんと岩波書店に出版差し止めと損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。

 これについては多分多くのブログが触れると思うので私の気がついた所だけ述べることにする。
 これに対して29日の読売社説
は地裁判決に対して次の様に疑問を呈している。
 
沖縄戦の集団自決は、旧日本軍の「命令」で行われたのか否か――。
 判決は、旧日本軍が集団自決に「深く関与」していたと認定した上で原告の訴えを棄却した。
 しかし、「自決命令それ自体まで認定することには躊躇を禁じ得ない」とし、「命令」についての判断は避けた
 昨年の高校日本史教科書の検定では、例えば「日本軍に集団自決を強制された」との記述が「日本軍の関与のもと、配布された手榴弾などを用いた集団自決に追い込まれた」と改められた。
 軍の「強制」の有無については必ずしも明らかではないという状況の下では、断定的な記述は避けるべきだというのが、検定意見が付いた理由だった。
 沖縄の渡嘉敷島と座間味島の集団自決をめぐっては、戦後、長い間、隊長「命令」説が定説となっていた。沖縄の新聞社が沖縄戦を描いた「鉄の暴風」などが根とされた。
 しかし、渡嘉敷島の集団自決の生存者を取材した作家の曽野綾子氏が1973年に出した著書によって、隊長「命令」説は根拠に乏しいことが明らかになった。
 これを受けて家永三郎氏の著書「太平洋戦争」は、86年に渡嘉敷島の隊長命令についての記述を削除している。
 座間味島についても、元守備隊長が自決命令はなかったと主張していることを、85年に神戸新聞が報じた。隊長に自決用の弾薬をもらいに行ったが断られたという女性の証言を盛り込んだ本も、2000年に刊行された。
 一方で、日本軍が自決用の手榴弾を配布したとの証言もある。
 ただ、集団自決の背景に多かれ少なかれ軍の「関与」があったということ自体を否定する議論は、これまでもない。この裁判でも原告が争っている核心は「命令」の有無である。

[私の意見]
・読売の社説の指摘は正しいとおもう。

 軍の関与
・狭い島のなかで、米軍の攻撃にあって、行動を共にする住民に対する軍のなんらかの関与があるのは当然だ。

首を捻る判決の概要
・裁判長の判決は、平たく言えば、原告は自決を命令してないと主張し、裁判長もそれがあった事実は認定出来ないが、それがあったと推認(広辞苑にはないが推測して認定する?)した。
 一方教科書検定の対応、集団自決に関する学説など、被告が原告の自決命令があったことを信じさせる合理的資料があったので、それを信じたのは当然だから、原告の主張は認められないとした。

・この判決には明らかに無理がある。
 原告は自決命令などないと主張しているのに、明らかに認めたのは何らかの関与であり、命令自体は推認だけで逃げている。
 合理的な資料や、教科書検定問題にも触れているが、そのどちらも左翼的思想の人達が絡んでいることから、その正否に付いては多くの議論があるのに何も触れていない
 それを信じてそのまま鵜呑みして本を書いたのだから、それで被告に損害を与えても、責任はないなど明らかに可笑しい。
・現代史家の秦邦彦さんは「争点は隊長の自決命令があったかどうかであり、命令が出ていない可能性さえ認めているのに、関与という表現に置き換えて逃げている」と言っている。

判決に影響した「空気」
・この問題に共通する言葉は「空気」だ。
 戦争中は軍事政権により広められた「死して虜囚の辱めを受けず」と言う空気が日本全体に行き渡っていた。
 それと自決問題に大きく影響していたと思う。

 今回の裁判長の判断は、教科書問題に対する一部沖縄県民の反応や左翼団体の活動から全国的に拡がった日本軍のすることはなんでも悪いという異様な「空気」、ノーベル賞作家の書いたものだから、レポートでもそれなりの信頼性があると言う「空気」が大きく影響していると思う。

判決の重み
・裁判所は基本的には疑わしいものは罰せずの基本的な態度がこの判決となったと思うが、もし梅沢さん、赤松さんがが逆に被告として訴えられれば、判決文の傾向から読めば二人の方が必ず勝訴するに違いない。
 そしてどちらでも動く裁判所の判決が大江さん支持者の言うように「教科書問題に代表されるように、政治的、社会的問題に大きく影響される」のは大問題だ。
 その点で言えば裁判所はその判決の重みをもっと考えるべきだと思う。

著者の責任
・小説家が何を書いても良いが、少なくとも実在の人達に影響するレポートを書くときは、現実を良く確かめて、他に不当な影響を与えない様にすべきだ。
 報道によれば、大江さんはレポートを書く前に、沖縄に入ったのは良いが、そのレポートの資料となった「鉄の暴風」著者(その著者自身も現地取材してないそうだ)に逢っただけという余りにも軽率な取材だったと思う。
 その点反論を書いた曽野綾子さんの現地住民への広範囲かつ慎重な取材態度は遥かに大江さんより優れているし、その内容も真実性があると思われる。

参照:沖縄自決と大江さんと曽野さん
 
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福田さんの決断、つぎは小沢さんの番だ

2008-03-28 10:23:58 | 民主党

 27日、福田首相にしては珍しく可なり思い切った新提案を記者会見で発表した。
  これに対して、読売はその社説
「首相修正提案 民主党も大胆に妥協せよ」し主張し次の様に書いている。(引用前半のみ)
 福田首相が、年度末のぎりぎりになって、膠着(こうちゃく)状態の続く与野党対立の打開へ動いた。
 首相は、緊急記者会見し、暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など道路関連法案の修正内容を発表した。
 自らの考えを直接、国民に説明し、局面の転換を図る。首相が、修正案を示すという異例の行動に出たのは、そんな政治意思を明確にしたかったからだろう。
 首相の提案は、2009年度から道路特定財源制度は廃止し、一般財源化する。10年間で59兆円をつぎ込むとしていた道路整備中期計画は、5年間に短縮して、新たに策定し直す――。先に与党がまとめた修正方針から大きく踏み込んでいる。
 首相が記者会見で強調したように、租税特別措置の期限切れによって、国民生活や地方財政に無用の混乱を起こしてはなるまい。
 民主党は、この首相の提案を真摯(しんし)に受け止め、修正協議に入り、早急に合意を図るべきだ。

 これに触れなかった日経を除いて、朝日、毎日、産経の社説ともほぼ同じ論調だ。

 首相の新提案に対し、民主党の鳩山幹事長は記者団に、「暫定税率の(即時廃止しない)考え方は相いれない。まだ前向きな対応はできない」と述べ、拒否する考えを示した。民主党は菅代表代行や鳩山氏ら幹部が国会内で協議し、〈1〉道路特定財源の一般財源化は前進と評価する〈2〉暫定税率の維持は認められない〈3〉与野党協議には応じる――とする見解をまとめた。
 民主党内では、与党提案は条件付きで受け入れるとする意見もある。 
 共産、社民、国民新党も受け入れられないとの考えを示している。 
(読売新聞)

[今回の福田さんの提案の特徴]
・首相が道路特定財源を廃止する。野党が提案を受け入れなくても実施すると明言した。・国や自治体の苦しい財政状況を考えれば、2.6兆円もの税収が消えてしまうのは大きな痛手だ。
 その点から言えば、08年度は暫定税率を維持するのが現実的だ。
・福田さんの発想は国会の混乱状態を見てきた国民なら皆考えつく事だと言いばそれまでだが、小泉さんさえ、暫定予算の一般財源化は族議員の抵抗から先送りをさせられた、そんな難題をしかも道路族議員の応援で首相になった福田さんが「やる」と言ったのは永田町の人達から言えば画期的なことだ。
・福田さんが記者会見でこの様な重大発表をしたのは、民主党向けの発言の意味もあるだろうが、道路族を中心とする党内の反対意見に対して福田さんの強い姿勢を示したものだろう。

[民主党の問題]
 一方各社の社説を見ると、道路問題について最初腰の重かった福田さんをここまで追い詰めた民主党の功を評価する新聞も多かった。
 然し各新聞の期待に反する民主党の一番の問題は、今まで国会解散、総選挙一本槍の方針で寄り合い所帯の人達の求心力を辛うじて保ってきたやり方を一気に変えられるかだ。
 何故なら、今政府、与党との間で円満解決をすれば、今までの政府、与党の暫定予算の強行採決→福田さんの問責決議案提出→国会解散の線が消えてしまうからだ。

 今まで、海上給油、イージス艦事故、日銀総裁問題で、福田さんの問責決議提出の声が上がったがいずれも(多分世論の動向を見て)不発に終わった。

 福田さんは大幅に譲歩をしたが、08年度は暫定税率は維持するために参院で否決されても、衆院で再可決する方針だ。
 民主党の立場から言えばこのチャンスはこれっきりしかない。

 今までの党のやり方をみれば、大体決まっている。
 重要な政府案には徹底的に反対して何とか国会解散→総選挙に追い込む。
 政府、与党やマスコミ、世論からの批判に応えて対案を出す。
 その対案は海上給油のときは非現実的、暫定税率のときは肝心の税源を示さないでその処理は政府の責任とする。
 そのその不完全な対案は参議院に先に提出して審議させない。
 海上給油のときは国際的信用を人質に使った。
 日銀総裁問題は、経済的な国際的な信用を人質。(民主党から対案さえ出ていない。)
 暫定税率では国や地方の財政と、ガソリンの消費者の混乱を人質にしている。
 そして民主党も国家運営で大きな権力を握っていることは棚に上げてその責任は全て政府にあるとする。

 何故この様な首を捻るようなことがまかり通るのか、それは自民党の道路族もそうだが、民主党も永田町と言う日本の社会と隔絶した環境にある(と思っている)からだ。

 民主党は道路特定財源の即時廃止は国民の圧倒的な支持を得ていると思っていると自身満々だが、福田さんの08年度は暫定税率の維持の政策とどちらが、より国民の方の支持を得るかどうかはっきりと見極めを付けるべきだと思う。
 
[自民党と民主党のこれから]
 報道によると自民党内でも福田さんの発言には懐疑的な意見もあるし、昨夜のテレ朝の「報道ステーション」では、自民党の一部では、暫定税率の強行採決→福田さんの問責決議→福田さん下野→新政権は福田さんの個人的意見だと知らぬ顔をしようとしていると穿ったことを言う人もいた。

 そのような難しい党内事情や民主党な頑な態度も考慮に入れた上で福田さんにしてしは珍しくも大きな決断をした。
 こんどは小沢さんも難しい決断と思うが、党のためにも日本全体のことを考えて決心すべきときだと思う。

 と書きましたがやっぱり駄目ですかねえ? (3月28日10時現在)

参照:カテゴリー → 福田内閣
              民主党


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 然し最近、極く一部ですがコメント欄の中にはいたずらに議論を楽しむ?だけと思われものがあり、それに対して不快に思われ方から投稿者への抗議のコメントを頂いたこともありました。
 私は自分のブログのキャッチコピーに「批判ばかりでなく前向きの議論を聞いて下さい」と書いてあるように、私は訪問者のコメントを含む私のブログ全体として、是非「前向き」のものでありたいと思っています。
 何故ならケチを付けるだけの「後ろ向き」の意見は何も産まないと思うからです。
 つまり、私の文章の一部の不備や私の意見についてご批判があるのは当然と思っていますが、その代わりに具体的にどのように考え直すべきとか、私の意見などよりもっと優れた案があるとか、私の提出した問題点の他にこのような問題があるなど「前向き」のご提案を頂きたいのです。
 然しそうは言っても一端公開されたものを削除するのは、書かれた方のお考えもあり、私が気にいらないだけの理由で削除するのには大きな抵抗があります。
 それで訪問者に不快の念を与えるようなコメントでかつ「前向き」を目指す私のブログの傾向に反するもの(と私が感じたもの)を合法的?に削除する方法としてブログのルールに従って3月21日から「当面の間」、事前承認制にすることにしました。
 然し、ブロクを読まれた後の全体的なご感想や主旨に賛成のご意見は勿論ですが、厳しいご批判や反対のご意見なども出来れば「前向き」のもの、またはそうでなくても他の訪問者に不快感を与えるものでなければ、今までと同じよう、いやそれ以上に歓迎しますので、ご遠慮なくコメント頂きますようお願い致します。
 そして私の小ブログにわざわざコメント頂ける方や私にとっても、不便な事前承認制など早く撤廃し自由にコメント頂ける時期が早く来る事を祈っております。

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今の日本は平和か

2008-03-27 06:16:39 | 政策、社会情勢

[日本は平和か]
 21日にJR常磐線荒川沖駅周辺の無差別殺傷事件で1人が死亡、2人が重傷、5人が軽傷を負ったことについての詳細の報道があった。
 25日にはJR岡山駅・山陽線下りの2番線ホームで、電車を待っていた岡山県職員が阪府の少年から、背中を押され、約1・5メートル下の線路に転落、直後に入ってきた電車にはねられ死亡した。
 同じ25日に東京都板橋区のマンションで区立小6年の男子児童が卒業式を終えた直後にら転落死した。遺書から自殺として見られているそうだ。
 以上は26日の読売新聞の社会面の報道だ。

 荒川沖駅、岡山駅の犯人はともに極く普通の青年、少年だ。
 その動機も少年のように犯罪を冒して刑務所に入りたかったなど、普通の大人では考えつかないことばかりだ。
 これを親の責任と言っても、このような極端な事件を犯すことを未然に防ぐ訳にも行かない。
 自殺した男子児童も卒業式の直後に自殺など考えつきもしないことだ。

 暗い夜道の一人歩きと違って、多くの人のいる駅での出来事、そして二人が言う様に誰でも良い、然も突然のこととなると全く防ぎようがない。
 一般の人達は見えない敵にどうして身を護り、父兄はその子供達の自殺願望をどう発見し、未然に防ぐことが出来るのだろうか。

 この様な状況は戦前、戦後を通して生きてきた私たちの眼から見ても明らかな異常事態だ。
 私は昔から山登りをしているが、トラックでも頼めば直ぐ乗せてくれたし、登山口の家では何処の誰とも知らぬ一人旅の登山者にも快く泊めてくれた。
 田舎は勿論、街でもその周辺の家などまともに戸締りをする家は少なかった。
 都会でも、世界から日本は安全だと言われたのはそんなに古いことではない。

 今のような状態でもまだ日本は平和と言えるのだろうか。

 25日付けの読売寸評は阿久悠さんの「清らかな厭世」を次のように紹介している。
 
「近頃(ちかごろ)の流行(はや)りは妙である。ミョーと表記し、発音した方が実感できるかもしれない。次々と起こる事件の原因と結果に納得がいかない」◆「過去にも残酷な事件は数え切れないくらいあったが、事情は呑(の)み込めた。納得はしないまでも、そうか、しかし他に方法もあったろうにという思い方もできた」と続く◆が、ここ何年かはそうではなくなった。阿久さんは昨年亡くなったが、妙な世の中はますます妙だ。茨城県土浦市の連続殺傷事件でミョーを痛感する。動機も殺意も全く不可解だ◆世の中のミョーについて、阿久さんは「小さい異変を見逃してきたことが積み重なって怪物化した。それが社会の価値観、人の美意識を腐らせてしまった」という◆「少女売春を援助交際と言い換えた時」「勤勉、真面目を野暮、ダサイと笑いものにした時」「死をリセットと信じ込ませ、ゲームでその気にさせてしまった時」……これらの小異変の都度、角度がついて世は曲がって行った◆警世の名句を残して去った作詞家の鋭い見方に同感する。

 読売が書いたように、岡山駅の犯人の犯罪の動機も殺意も全く不可解だ。
 自殺した少年もいずれその動機も分析されるだろうが、普通の大人では考えつきもしなようなことになるのかもしれない。

 近頃この種の不可解しかも残酷な事件や、家庭内殺傷事件、小学生、中学生の自殺が紙面を賑わす。
 そして一部ではあるが荒れる学校、モンスターペアレンツ、急増する精神疾患の教師。

 これで日本は平和と言えるだろうか。

[躾けを忘れた日本]
 この事件の報道に関連して有名な役者の梅沢富美男さんが言っていた。
・若い弟子達を叱ると彼らは親からも教師からも叱られた経験がないため真っ青な顔をするそうだ。
・その弟子を預けた二年後に親が梅沢さんのところに来て、久しぶりに帰宅した弟子がきちんと挨拶をしたと言ってお礼を言った親に、子供のしつけをどうしていたのかと叱ったそうだ。

 梅沢さんの発言を受けて、他の人達が今の子供達は辛い経験や挫折を味わったことがないので、その経験を受けてときの衝撃が大き過ぎるのだといっていた。

・差別語が問題になったとき、その流れに乗って、マスコミは少女売春を援助交際と聞こえのよい言い方に言い換え、少女売春する人達の罪の観念を無くさせた。

・親や、教師、マスコミは勤勉、真面目な人達を少年少女がダサイと笑いものにした時誰もたしなめ無かった。

・ゲームに夢中になり、死んだ人をリセットするのに慣れて、現実にも死んでもリセットできるし信じ込みだしたとき、親も教師もスコミも何も言わなかったし、ゲーム機のメーカーもソフトの会社も何の配慮もしなかった。

 これらの事柄から浮かんで来るキーワードがある。
 甘え、甘やかしだ。
・児童生徒に対して自由、個性尊重などの理由をつけて、放任する教師。
・プライバシーの名のもとに子供に個室を与え、子供の好き勝手をさせる親。
・叱らない親や教師とそれに甘える子供。
・家庭内殺傷事件も、親子兄弟なら人に迷惑を掛けないと言う甘え。
・ゲーム機や携帯を与え、その管理をしない、または出来ない親。
・援助交際する大人とそれに応じる少女。
・真面目で勤勉な人たちを「ダサイ」と片づける少年少女を無批判に放送するテレビ。
 その様な子が成長するに連れて、世に出て挫折を味逢って今までの甘い考えが通らなくなったとき、その一部が大人の考えも及ばぬ行動を取るのではないだろうか。

 今の日本に欠けているのは子供に対する躾けではないだろうか。

[平和主義者特に日教組へ]
  平和主義者は日本は平和憲法のお蔭で、50年間戦争せずに済んだと言う。
 然し前に上げたような事件の続発する日本が平和と言えるだろうか。
 前に書いた以外にも、小中学校のイジメはなくならず、新手の携帯によるイジメも激増しているとそうだ。

 そのような社会の劣化を恐れた文科省が学校に道徳を導入しようとすると、軍国主義に繋がると称して、反対する所謂平和主義者の抵抗に逢う。

 平和主義者、護憲論者、所謂進歩的知識人の人達は、軍国化を防ぐ活動も良いし、これらの社会劣化、平和な日本を護るためにも、上記のような問題に真剣に取り組んで、文科省の道徳教育へ対案を出してもらいたものだ。

 日教組の人達も、処罰も恐れずに学校での君が代、日の丸反対すると同じかそれ以上の情熱を持って、まず第一に学校の平和、それと学校教育のあり方も大きく影響している前記の社会に起こる不祥事の問題に取り組めないのだろうか。

参照:平和主義者たちに聞いて見たいこと

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福田さん、小沢さんとも不支持の世論調査

2008-03-25 06:45:08 | 政策、社会情勢

  昨日の読売新聞は3月15日~16日に行った世論調査の結果を報道した。(一部既報)

福田内閣の評価
・あなたは、福田内閣を、支持しますか、支持しませんか。
 答え 支持する 33.9  2.支持しない 54.0 

・あなたが支持しない理由を、2つまであげて下さい。
 答え 政治姿勢が評価できない      47.8
    安定感がない                26.8
    首相が信頼できない           23.4
    経済政策が期待できない       37.9

・あなたは、福田首相がどのような政治を目指しているか、よくわかりますか、よくわかりませんか。
 答え 1.よくわかる  8.8   2.よくわからない 88.7  

民主党の評価
・あなたは、日本銀行の新しい総裁の人事をめぐる民主党の対応を、評価しますか、評価しませんか。
 答え 大いにまたは多少は評価する       25.4
          全くまたはあまり評価しないあ    59.4
・あなたは、民主党の小沢代表の、党代表としての仕事ぶりを、評価しますか、評価しませんか。
 答え 大いにまたは多少は評価する      29.4
          全くまたはあまり評価しない      65.0

各政党の評価
・いま、あなたは、どの政党を支持していますか。1つだけあげて下さい。
 答え 1.自民党 33.1   4.共産党   2.5   7.新党日本    0.1
      2.民主党 17.6
 

今後への期待
・あなたは、今、どのような政権を望んでいますか。1つだけあげて下さい。
 答え 現在の自民党と公明党の連立政権    22.1
      民主党を中心とする野党の連立政権   16.1
     自民党と民主党を中心とする連立政権  20.7
      与野党を再編した新しい枠組みの政権      15.3
  
・あなたは、今の国会議員の中で、首相には誰が最もふさわしいと思いますか。1人だけあげて下さい。
    麻生 太郎   21.2  
    小泉純一郎  16.1  
    小沢 一郎   5.3 
    福田 康夫   4.0 
    いない     24.9
                 
[私の意見]
  私は何度も今回の政局に対する自民、民主両党の対応について書いてきたので、その点に付いては項目だけに留め、世論調査についてのその他の感想を書いてみる。
福田内閣と自民党
・福田さんのままあまあ主義が国民に理解されていない。
・福田さんが党員、特に道路族を制御しきれていない。
・倒閣一本槍の民主党に対して、日銀総裁後継問題、暫定予算の処理など、依然として実りの期待が殆どない話し合い路線を取り続けている。
 国民から見れば福田さんの話し合い路線が、何を目指しているのか判らないと評価されている。
・国民が自民中心の連立政権、民主中心の連立政権への希望が僅差となっていること、自民党が政権を失うかも知れぬと言う危機意識の欠如または危機への対処の仕方が国民の期待に反している

民主党
日銀総裁問題への対応が評価されていないのに、暫定予算への対応も全く同じ手法をとっている。
  この点について世論調査があれば、同じような評価を受ける事は間違いないと思う。
・政府内で社保庁、国土交通省などあれだげボロが出ているのに、政党の支持率で自民党から大差を付けられている反省がない。
・民主党はできる限り自民党のアラを抉りだして、選挙を有利にもって行こうとしているようだが、その一方で民主党が政権与党としての欠点を国民に曝け出していることの反省が全くないような気がする。
・世論調査にあるように国民は小沢さんの首相の適任者であるとを考えている人達は少数なのに、党内事情かも知れないが依然として彼を担ごうとしている。

日本のこれから
・日本を背負って立つ、福田さんもそれに代わるべき小沢さんの評価が低いのは日本に取って不幸なことだ。
・次期総裁として麻生さんの人気が高いのは同県人としては嬉しい事だが、彼の著書をみると日本の将来について余りにも楽観視し過ぎているのが不安材料だ。
  彼については具体的に政策を聞かない限り、評価はできないような気がする。
・小泉さんはその人気から彼が首相になれば、次の選挙で自民が勝つ可能性が、高くなると思うが、その独裁的なやり方、米国一辺倒、改革に伴う弊害の防止の軽視、自己責任として予算カットに伴う荷を国民に押しつけるやり方など、私個人とはもう沢山だと思うが、ひょっとしたらひょっとして彼の再出馬もあるかも知れない。
・世論調査が適当な人が居ないと思う人が25%に達しているが、私もそんな気がする。
  これは日本にとっても国民に取っても不幸な事だ。
  各政党とも将来国を背負って立てるような、才能と識見のある若手政治家の育成に努めるべきだと思う。

参照:カテゴリー → 福田内閣
                民主党

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チベット問題に学ぼう

2008-03-24 07:27:20 | 国際社会

 チベットの暴動に関してマスコミやネット上で大いに議論を呼んでいる。
 私はその暴動の報道から日本として考えねばならぬことを書いて見たい。

[人種問題]
 中国のチベットの併合については、多くの問題があり議論の種になっているが、ここでは人種問題について考えてみたい。
 中国は併合問題の解決のために、経済発展によるチベット民族の融和を図ったとされている。
 その一つが漢族の導入による経済の振興であり、青蔵鉄道(青海チベット鉄道)の完成だ。 
 そして結果としては商売の巧みな漢族の一人勝ちとなり、伝統を重視するチベット族との間に経済格差を産んだ。
 それがチベット族の漢族に対する反感→中国への反感に繋がり、青海チベット鉄道さへチベット古来の文化を破壊するものと考えられる様になったそうだ。

 人種問題は日本も他人ごとではない。
 日本でも朝鮮、台湾を併合したとき、「八紘一宇」の名のもとに民族同化策を図った。
 これについては日本でも批判があるが、日本人と朝鮮人、台湾人の区別なく皆同等に扱おうと言う、善意もいくらかはあったと思う。
 その背景には、遣唐使や秀吉の朝鮮出兵以来、中国人、朝鮮人が完全に日本人に同化してきて、今のなっては区別が全くつかない長い歴史のがあった。

 然し、これは日本人の独りよがりで、結果的には朝鮮人や台湾人から民族のアイデンティティーを侵害されたと強い反発を受け、特に韓国の反日運動に繋がっている。

 もう一つ将来の問題として少子高齢化による労働力の減少→外国人労働者受け入れの問題がある。
 私は永い間、単一民族で、上記のように民族問題の処理に弱い日本はなるべく、単純労働者の流入→社会格差の発生を避けるために、少子化の問題は早急に解決すべきだと何度も書いてきた。
 事実、日本政府も今まで単純労働者の受け入れは日系ブラジル人を除いて原則的に拒否してきた。
 然し少子化の問題は既定事実のように扱われ、半分は諦め状態のように見える。

 日本はいずれ少子化に伴う経済縮小を防ぐため、単純労働者の受け入れ はいずれ認めなく成るだろう。
 そこで起こるのが価値観の違う外国人労働者と日本人の間で起こる社会格差の発生の問題だ。
 私たちは米国、近くではシンガポールのような多民族国家と共に、同じような中国の多民族の処理やそれに伴うトラブルなど他人ごでなく自国もいずれその問題が起こることを覚悟して注目すべきだと思う。

[求心力強化のための反日政策]
 多民族を抱え、かつその併合時に多くの問題を抱えている中国は政府への求心力を強めるために、反日政策を取ってきた。
 そして共産党が日本を破ったと宣伝し共産党政権の正当性をPRている。(私たち古い人間は日本は米国に負けたと思っているのだが。
 今はオリンピックを前にして、反日政策のトーンは下がっているが、反日教育はそのままだ。
 それと同じように政権の基盤が弱かった、韓国の盧泰愚前大統領は同政権への求心力を高めるために徹底した反日政策を取ってきた。

 その両国と似た状況にあるのが日本の民主党だ。
 もともとが自民党より右派と言われる人達から社会党左派に近い人までの寄り合い所帯だ。
 その上に大連立問題で、頼みの小沢さんと党幹部の意見の食い違いから、党の纏まりがつかなくなり、危機的状況になった。
 それで小沢さんへの求心力を強めるため取ったのが、国会解散、総選挙へ一本槍で突き進む方針だ。
 日銀総裁後継問題に代表される様に、政府、与党はもとより、マスコミや世論の批判にも眼を瞑って解散しか考えているとしか見えない首尾一貫しない、そして頑な党幹部の言動だ。
 他の批評家などと同席したテレビでの討論会では、いかにも話が纏まりそうなのが、党や国会に帰っると、全く正反対の意見が党の幹部から出る。
 民主党が念仏のように国会解散を唱えている限り、国会が全く進まないのも当たり前だ。

[専制政治か衆愚政治か]
 中国はチベットの反乱に対して、大勢の警官や軍隊を投入して鎮圧、警戒に当たり、外界への情報を遮断し、マスコミを動員して政府寄りの報道をさせているそうだ。
 彼らのやることは、迅速そして徹底的だ。
 これは経済活動でも同じだ。
 小平さんの号令一過、共産主義政権はそのままにして市場経済主義を取り入れた。
 所謂一国に制度だ。
 経済発展のためには、住民の意志など無視した、どんどん都市開発を進めている。
 そして今や日本を抜いて世界第二位の経済大国になろうとしている。
 そして世界への発言力も増してきた。

 然し共産党員を除く?日本人は私を含めて誰もそんな国に成りたくないと思っている。
 何故なら民主主義の方が共産主義より優れていると思うからだ。
 然し民主主義に伴う衆愚政治はWikipedia
によれば、
 イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルは独裁政への魅力を戒め、「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」と述べた。
そうだが、実際にその場に当たってみれば、困ったことだ。

 おなじ Wikipedia では衆愚政治とは
 民主政治の蔑称。有権者の大半が知的訓練を受けずに参政権を得ている状況で、その愚かさゆえに互いに譲り合い(互譲)や合意形成ができず、政策が停滞してしまったり、愚かな合意が得られたりする状況をさす。
とある。
 私は有権者の大半が知的訓練を受けていないとは思わないが、その愚かさゆえに互いに譲り合い(互譲)や合意形成ができず、政策が停滞してしまったり、愚かな合意が得られたりする状況をピッタリ指しているのは、今の政府、与党と民主党だと思う。
  今の状況を作り出しているのは昨日書いた様に、参議院制度の欠陥だと思うが、それを何とかするのが国会議員の英知だと思う。

 どうか政治家の人達も中国の拙速は学ばなくてもよいが、衆愚政治と言われないように、英知を絞って今の難局を解決して貰いたいものだ。

参照:カテゴリー → 福田政権
                民主党

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政治の停滞を防ぐために

2008-03-23 15:19:43 | 政策、社会情勢

[停滞する予算関連法案の審議]
 22日の読売新聞
は福田さんをあくまで話し合い路線で関連法案の修正を提示しようとしているのに対して、
 民主党の鳩山幹事長は22日朝、TBSの番組で、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など税制関連法案をめぐって与党が呼び掛けている修正協議について、「暫定税率廃止と道路特定財源の一般財源化の二つは切り離せない」と述べ、与党が暫定税率廃止を約束しない以上、協議を拒否すると与党側に回答する考えを明らかにした。
と報じている。

 ところが今日のNHKの日曜討論では鳩山さんが「国会での話し合いに反対するどころか民主党の方が話し会いを希望しているのだ」と言ったのに対して、自民党の伊吹さんが「鳩山さんの発言は微妙だが他の党は皆話し合いを希望している」と言って鳩山さんの発言に対して柔らかく批判をしていた。
 また公明党の北側さんが「今日の話し合いの結果をどうぞ国会に活かして欲しい」と念を押していた。

 こういう場で奇麗事を言っても党や国会の帰ると話がころっと変わるのが民主党の常道だ。
 私の勘繰りだが小沢さんの強硬路線に首を捻りながら発言をしている鳩山さんも大変だ。

 また22日の日テレの「ウェークアップ!ぷらす」ではゲスト出演の神戸大学の教授が、「G7の中で、米国のドル安は当然として、その他の国で自国の通貨が下がったのは日本とイタリヤだけだ。」
 「そして両国に共通しているのは、両院制でしかも両院が対等の力を持っているために、両国とも政治が停滞していることを上げ、日本の政治家は「日本売り」を避けるためにも、もっと国民の方に向いて政局にあたるべきだ」と指摘していた。

 日銀総裁問題では世論、特に珍しく揃ったマスコミの反対に関わらず、国民新党を除く野党は政府の提出した人事に反対をしてとうとう空席を作ってしまった。
 そして今までのやり方から考えると今度の暫定予算問題もNHKの日曜討論の話し合いの同意とは反対に民主党は頭からはねつけそうな気配だ。
 それでまた予算まで執行不能に陥ってしまいかねない。

[政治の停滞の問題点]
 日本では政治の停滞を防ぐために、予算関連法案については衆議院の3分の2条項で衆院の優位を認めている。
 そして今回の捩れ国会では政府与党はこれを利用して、予算案を通過させた。
 然し考えて見れば、これはたまたま小泉さん大勝のお蔭で、衆院で3分の2以上の席を占めていたのでこの条項を使えた。
 然し、今の政治情勢から見て、次回の衆院選挙で与党がまた3分の2以上の席を取ることは殆ど不可能のような気がする。
 だから仮に自民党が勝ってもいまの状態は変わらないどころか、3分の2条項は使えないので、次年度の予算とその関連法案は民主党の態度が変わらない限りは絶対に通らない。

 一つの希望は民主党が勝つて、両院とも今の野党が多数を占めれば、政治は停滞しなくてすむ。
 その時は野党に廻ったベテラン揃いの自民党は、今の民主党以上の猛烈な政府の攻撃をするだろう。
 今まで民主党が出してきた重要法案の対案を見ても、自民党の攻撃に耐え得る政策を民主党が持っているとはとても思えないし、結局は官僚達に頼る他ない。
 そして今の情勢、特に民主党が言う小沢さんの首相では短命に終わることは、容易に想像出来る事だ。

 その一方で、北叟笑んでいるのは政治権力の一つの官僚達だ。
 政治が停滞しても、政治抗争が激化しても官僚達の思うがままに実質的な国家の運営を掌握出来る。
 そして彼らの立場は依然として安泰だ。

[参議院改革の必要性]
 私は何度か政治の停滞を防ぐためには参議院改革を行って、昔のような「良識の府」とすべきだと書いてきた。(前記の教授も同じことを言っていた。)
 その内容は長くなるので、下記を参照願いたい。

参照:参議院選の選挙に行く前に [参議院の変質]
   
政治の停滞を如何に克服するか [参議院制度改革]

 そして、今回の日銀総裁の後継問題や予算案の審議の停滞を見ると、改めて誰でもが考えつく参議院制度を改革するか、他国の例を参照して、両院がそれぞれ反対勢力で占められても何とか政治の停滞を防ぐ方法を考える必要性を改めて強く感じている。

 然しこれには参議院で多数を占めて、そのうま味を知った民主党が参院改革などに賛成するとはとても思えない。
 まして次の衆院選で多数を占めて政権を取ったときに、自ら参議院を改革して政治運営をやり難くするなど考えないのは、今までの自民党と同じことだ。

 私は前にも書いたが、今のような衆議院と殆ど変わらない選挙制度を考えだしたのが、参議院の現有の政党勢力の拡大としか考えられないことから、今回参議院敗戦で苦い思いをした自民党や民主党以外の野党からも参議院改革の提案が出すなどとても思えない。

[参議院改革の進め方]
 日本の歴史を振り返ってみると、政治の形態を改革した原動力は
・戦国時代→武力
・明治維新→武力
・軍国主義化→5.15、2.26事件など軍の一部の反乱→軍の勢力増大
・民主主義の導入→占領軍の統治
などが上げられる。
 然しこれは全て政治の大改革でありすべて何らかの武力の行使によるものだ。
 それに比べれば、参議院の改革などはるかに簡単なもので、国会議員の性善説に立てば容易に解決できるものだ。

 もちろん私たちは武力の行使つまり自衛隊の関与など、考えられもしないことだ。
 然し今の政治家達の言動を見ていると自民、民主に限らず国会議員の性善説などは言うべくしてとても期待出来ないことだ。

 そうかと言って、民主主義の理屈から言えば一般国民が、政治を動かすのは投票によるしかないが、選挙で参議院改革するなどまず政党が公約で言い出さい限り、国民の意志が反映できない仕組みになっている。

 そして政党自身がそれを言い出すかどうかは、前に書いたように随分頼り無い状態だ。
 それで最後の手段として残るのは世論の力だ。
 そしてそれを代表するのがマスコミだ。

 先日も書いたが、福田さんを首相に担ぎ上げ、政治の停滞を防ぐために大連立を持ちかけるのに一部マスコミの人達が動いたと伝えられている。
 大連立など昔の大政翼賛会を思わせるような、またそれに付随して発生する問題が大き過ぎるような提案でなくて、真っ当な参議院制度の改革へマスコミがもっと動いたらどうだろうか。
 そして、一般の人達もネットでこの参議院改革の必要性をもっと大々的に主張してマスコミを動かしてはどうだろうか。

参照:政治と世論とブログ
[世論の動向とブロガー]

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高齢化社会で生きるために

2008-03-22 11:50:41 | 少子高齢化

 春分の日に久しぶりに娘夫婦と墓まいりにでかけた。
 前にも書いたが娘は新任教頭として某小学校に赴任と聞いて、その学校が荒れてないかと聞いて、良い学校だと聞いて安心した記憶がある。
 何故なら公立小中学校の教師にとって赴任した学校が良いか悪いかは運に任せるしかないのだ。

[学校の良否が決まる条件]
 墓まいりの車中でまた彼女の学校のその後の状況について聞いた。
 彼女は勤務する学校がうまく言っていること、そしてその理由として、次の条件を話した。
・都市部の学校に珍しく1学年1学級の小規模校であること
・小規模校のために教師に余計な負担がかかっているが、皆やる気でまた纏まっていること
・クラスの人員もある学年を除いて30人から35人と少人数で教師の眼が行き届いていること
・地域の人達が学校運営に積極的な参加していること
・逆に学校、市民生活センターが地域の人達と協力して地域の活動に協力していること。

 なお彼女は言わなかったがその他に学校の良し悪しは次の条件で決まるようだ。
・学校長の管理能力
・日教組のボスの存在の有無

[地域活動と老人パワー]
 たまたま彼女の学校は墓地の近くだったので、墓参り後彼女はわざわざ学校周辺まで車を廻して地域の自慢をした。
 正直言って私の見た限りでは、どこの地域とも余り変わらない町並みだったが、唯一目立ったのは、彼女の小学校、隣接する私立高校の塀にはそれぞれ小学生と高校の教師がボランティアで書いた絵で彩られていたし、小学校の直ぐ隣にある市民生活センターは「人情の街○○」キャッチフレーズが大きく掲げられていたので娘の自慢もなんとなく判った。

 娘の話では赴任後最初の卒業式での来賓が普通は10人そこそこなのに、卒業生が30数人に対して来賓が20名近くになったのに驚いて、如何に地域の人達が学校の運営に協力しているかに改めて感心したそうだ。
 特に彼女が言ったのは、その地域の活動のリーダー的な人達が私と同年代の70~80歳台の男性を中心に年寄りや若い奥さんたちが良く纏まっているそうだ。
 良く言われる若い奥さん中心のPTA活動にありがちな感情的なトラブルも甲羅の生えた年寄りの男性のお蔭で全くないそうだ。
 そして彼女の学校区以外の周辺地域では、学校内のいじめ、市民の犯罪の多発など問題行動が多いのに、彼ら達の活動のお蔭で、問題が殆どないそうだ。
 彼女の言うもう一つの特徴は校内外で活動する老人達の若々しいことだ。
 詰まり彼らの活動が彼らの若若しさの源になっているというのだ。

[いつまでも若さを保つために]
 多分、私のブログを見て頂いている方の殆どは、現役バリバリの方達と思うが、いずれ私ども年寄りが辿ってきた道を辿るのは間違いない事だ。
 それで将来の人生設計の参考のためににも、後になって後悔しないためにも聞いて頂きたいことがある。
・地域の活動に参加しよう
 それは前に書いたように地域の学校や地域の活動も良いが、地域での趣味のクラブ活動でも良いから家に閉じ籠もらないことだ。

・小さなストレスから逃げない事
 地域には色々の人達がいる。
 特に老人の中には身体は動かないのに口だけは達者で人のやることに一々文句を付ける人もいる。
 小母さんたちでも良く身体の動く人もいれば、知ってか知らずか人が動いているのに気づかないふりを決め込んでいる人もいる。
 それを見て頭に来て家に引っ込んでしまえば良いが、何も趣味のない人達のすることは一日の大半をテレビを見ることしかない?
 そのテレビで見たが、テレビを見る間の脳は完全に休止の状態だそうだ。
 これが毎日続けばどうなるかは考えなくても判ることだ。
 それと一つ男性の場合で言えば、家で何もしない存在は奥さんにとってストレスを増す事になるかも知れない。
 所謂「濡れ落ち葉」や「粗大ごみ」にならないようにしなければならない。

・趣味のクラブ活動に参加すること
 地域活動や学校の運営の参加など世の中の為になる活動も、社会のためにも自分の為にも是非参加すべきだと思うが、それには限度がある。
 その活動が自分にとって大きなストレスを産むときだ。
 会社勤めのときは生活のために耐えねばならぬこともあろうが、年金生活に入ればそんな時にはあっさりそれから逃げることだ。
 その時に役立つのが本人に趣味があるときだ。
 特に男性の場合は料理などの趣味は奥さん孝行の一助になるだろう。
 然し、この時も前に書いた様に家に閉じ籠もる弊害を避けるために、是非趣味の会に入り外界との接触を保つことだ。
 そして年をとってもいつも色々な人達とお喋りをして視野を拡げることだ。

[定年後に備えて]
 特に次の人生設計を考え始めると思う40台後半の人達にいつまでも若若しい老後を送るためのヒントを並べてみる。
・自分の趣味を持つ準備を始める
 40台後半からから始めれば、片手間にやっても定年時は15年近くの経験をすることになり、定年後に趣味の会に入っても中心的な存在としてその会の運営に貢献できる。
 人によっては指導的立場に立てるかも知れない。
 社会貢献であれ趣味であれ、自分が他人さまに役立つていると思えるのが本人の生き甲斐なると思う。

・趣味は出来るなら、頭、手、足を使うもの三つを持つのが望ましい
 詰まり老後の体力の保持とぼけの予防だ。
 毎日家で木彫りとか、登山に行かない日は一日中ぼんやりなど避け、変化のある毎日を送くるのは若さを保つ秘訣と思うのだが。

・健康生活にシフトする
 現役の時は生きるためには、運動不足になり、暴飲暴食も判っていとしなくてはならないことも多い。
 然し、身体のメンテナンスの面から言えば、老化が本格的に進行しだす40台後半からの体調の管理が大きくその後の健康に影響してくる。
 40台後半と言えば社会生活で一番責任を伴い、そして最も忙しいときだが、ここは何とかうまく調整して貰いたいものだ。
 私どもは現役時代の不摂生で、早死にした多くの人達を見ている。
 中にはやっと年金を貰える年に死んでしまった人もいる。
 仕事に殉じるのを本望と思う人もいるかもしれないが、そうとは思うわない方は是非年寄りの申し送りを将来の生活設計のヒントにして頂ければと思う。
 

参照:中高年の方へ(設備と人体の健康)

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空白の日銀総裁の席と政治の責任

2008-03-21 06:40:24 | 福田内閣

 とうとう日銀総裁の席が空白の事態になった。
 経済の素人の私でさえ、世界経済の危機、難しい舵取りを必要としている日本経済に直面して、日銀総裁の不在が大きな意味を持っているような気がする。
 一番大きな問題は日本に対する世界からの信用の低下だ。
 それを招いた政治、特に自民党と民主党の責任は大きい。

 民主党の責任については、マスコミで散々に叩かれ、私のブログでも何度も触れてきたが、今日はマスコミで余り触れられていない自民党の問題点について考えてみた。

[政治の黒幕の責任]
 福田さんは参院選大敗の後を受けて、民主党との話し合い路線を模索した。
 その一つが何人かのフィクサーのレールに乗った大連立構想だが、民主党の大反対→小沢さんの影響力の低下→党の求心力を高めるための倒閣一本槍路線の堅持に変わってしまった。
 総裁の後継問題では当然考えられる民主党との根回しも、民主党の硬化でそれもうまく行かなかったのが今回の総裁の空白を産んだ原因となったと言われている。、

 然し、この大連立を演出した黒幕と言われる人達、それを支持した読売新聞はその失敗について口を噤んだままだ。
 そしてその前に支持率34%の福田さんを担ぎだした大連立とダブルと言われている黒幕や自民党内の大多数の幹部達の反省の言葉も何もないままだ。
 彼らの反省や総括が無ければ、また同じような道を辿る可能性が大きいと思う。

[福田さんのまあまあ主義]
 一方、福田さんは依然として話し合い路線を続け、昨日も書いたが民主党の追求に従って政策の変更はしたが福田さん自身の発案の政策は殆どゼロでそれが世論調査の内閣支持率34%まで低下に繋がった。

 そして今は同じ流れで、暫定税率政策の変更を考えている。
 福田さんはそれで、民主党が話し合い路線に乗ることを考えているのだろうが、民主党の総裁問題の強行路線から考えると福田さんの話しに乗って来るかどうか判らない。
 ただはっきりしているのは暫定税率の問題は完全に民主党が主導権を握っていることだ。
 それも民主党の対案の審議もまったくなし?と民主党の意のままだ。
 このようになることは予算案の強行採決の時点でとうに判っていることなのに、福田さんは依然として話し合い路線を変えようとしない。

 一般庶民の私としてはただ民主党が話し合いに乗って貰い、国民生活に影響が出ないようにして貰うことを願うだけだ。

[自民党の危機意識の欠如または不足]
 報道によれば福田さんの暫定税率の変更について、なお党内の反対が多いそうだ。
 道路族の一部では暫定税率を固守すべきだと言う議論もあるそうだ。
 そしてそれを制御しきれないことが福田内閣の支持率の低下に繋がったいるのだ。
 これらの動きから見ると、自民党の危機意識の欠如ないしは不足しているのではないかと疑われても仕方がない。

 自民党は戦後一時期の野党の経験を除いて約半世紀に亙り、政権の座についてきた。
 その時期の政敵は党と政治理念のまったく違う社会党だった。
 そして国民の大半は自民党の考え方を支持した。
 だから自民党側に少々の問題があっても、自民党は政権の座を奪われることは無かった。

 時代は変わった。
 現在の政敵は自民党と考え方の余り変わらない民主党だ。
 これについて、一部の批判があるが、一般国民から言えば、自民党に問題があれば、民主党に乗り換えることが出来る。
 国民にとっての唯一の懸念材料は、最近の世論調査で今のような自民不利の情勢でなお、自民34%に対して民主17.6%の差となって現れているように、民主党も余り頼りにならないことだ。

 然し小泉さん大勝、安倍さん大敗で示されるように、今のようにマスコミ特にテレビの影響で大きく振れる世論の動向から見れば、このこの世論調査の支持率の差は自民党に取って必ずしも安全圏ではない
 この事実を前にして、自民党内にはまだ半世紀に亙る党にとって良き時代、弱かった社会党を相手にしていた時代の夢を見ている人達がいるのではないかと思われて仕方がない。

 どうか自民、民主両党とももう少し、緊張感を持ち、そして相手ばかりでなく、国民のほうを向いて政局に当たって貰いたいものだ。

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お願い
 私は今まで私のブログへのコメントについて、訪問者に不快の念を与え、また小さいながらも私のブログの品位を落とすいわゆるアダルト系のコメントを除いては、私の意見に反対や厳しいご批判もすべてそのまま公開してきました。
 然し最近、極く一部ですがコメント欄の中にはいたずらに議論を楽しむ?だけと思われものがあり、それに対して不快に思われ方から投稿者への抗議のコメントを頂いたこともありました。
 私は自分のブログのキャッチコピーに「批判ばかりでなく前向きの議論を聞いて下さい」と書いてあるように、私は訪問者のコメントを含む私のブログ全体として、是非「前向き」のものでありたいと思っています。
 何故ならケチを付けるだけの「後ろ向き」の意見は何も産まないと思うからです。
 つまり、私の文章の一部の不備や私の意見についてご批判があるのは当然と思っていますが、その代わりに具体的にどのように考え直すべきとか、私の意見などよりもっと優れた案があるとか、私の提出した問題点の他にこのような問題があるなど「前向き」のご提案を頂きたいのです。
 然しそうは言っても一端公開されたものを削除するのは、書かれた方のお考えもあり、私が気にいらないだけの理由で削除するのには大きな抵抗があります。
 それで訪問者に不快の念を与えるようなコメントでかつ「前向き」を目指す私のブログの傾向に反するもの(と私が感じたもの)を合法的?に削除する方法としてブログのルールに従って「当面の間」、事前承認制にすることにしました。
 然し、ブロクを読まれた後の全体的なご感想や主旨に賛成のご意見は勿論ですが、厳しいご批判や反対のご意見なども出来れば「前向き」のもの、またはそうでなくても他の訪問者に不快感を与えるものでなければ、今までと同じよう、いやそれ以上に歓迎しますので、ご遠慮なくコメント頂きますようお願い致します。
 そして私の小ブログにわざわざコメント頂ける方や私にとっても、不便な事前承認制など早く撤廃し自由にコメント頂ける時期が早く来る事を祈っております。

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円高95円が意味するもの

2008-03-19 06:54:14 | 国際社会

3月17日の読売新聞によれば、
 週明け17日の東京株式市場は、米金融機関の信用不安や急激な円高の進行を受け、株価はほぼ全面安となった。
 日経平均株価の終値は約2年7か月ぶりに1万2000円を割り込んだ。株価はアジアの主要市場でも軒並み下落し、欧州市場も下落で始まるなど、世界的な株安が続いている。
 東京市場では「他の金融機関にも経営悪化が広がるのではないか」(大手証券)との懸念が広がり、東京外国為替市場では円買い・ドル売りが加速して、円相場は一時、1ドル=95円77銭まで上昇、約12年7か月ぶりに95円台に突入した。
 円相場は午後5時、前週末比、2円91銭円高・ドル安の1ドル=97円36銭~39銭で大方の取引を終えた。市場では「米金融当局の対策は一時的な効果しかなく、ドル買いの材料にはなりにくい」(都市銀行)と、一層の円高、株安への警戒が続いている。
と報じている。

 私は1ドル=95円の意味するものを私なりに纏めてみた。
 勿論、経済は素人の私が書くのだから殆どが新聞、テレビや Web上の資料の受け売りが大半だが、特異な報道や資料(青字)についてのみ出所と私の意見を( )内に付記した。

[米国と世界の抱える問題]
懸念材料
・サブプライムローン問題が収束する気配がみえない。
・米国の銀行は新たな融資に慎重になり、住宅だけでなく、自動車も、消費のローンも審査が厳しくなっている。
・国内経済を支えてきた消費が落ち込み始め、企業の設備投資を抑え雇用を見合せなど、経済活動が萎縮し、景気後退が現実のものとなりそうな気配だ。
・景気対策ので金利を下げると、これがドル安を招きインフレの心配も生じるなど、八方ふさがりで不安が不安を呼んでいる。

世界的なドル離れ
・米通貨当局をさらに悩ませるのが、ユーロの普及とその価値の安定だ。
 中東産油国や中国などは外貨準備のなかのドル建て資産の比率を下げユーロ建て比率を上げている。
 各国外貨準備に占めるユーロの比率は約25%まで高まった。
・長い目で見た場合、ドルは最盛期を過ぎつつあるのかもしれない。

資金の流れの変化
・サブプライム・ローンのバブルが破裂→ドル売りの結果、世界中を巡り巡っているお金の流れに大きな変化が生じ、石油、金、食糧への投機に向かっている。

[日本の抱える問題]
今までの経過
・日本の超低金利政策で内外の投資家は、日本で借金してドルに代え、外国の企業や金融資産に投資してきた。
 (バブル崩壊で日本経済建て直しのための超低金利政策を取ったのに、日本の銀行はそれを企業へ廻さずに内外の投資家たちに廻し、彼らはそれをサブプライムローン関連の投資につぎ込んだ所謂「円キャリー」だ。)
・米国が政策金利を下げ、日本との金利差が縮小して投資の魅力が薄くなった上、世界中の金融市場が混乱する中、投資の動き自体細ってきた。
・3月は決算の月で、元々、輸出業者は手にしたドルの代金を円に代える金額も多く、この分も円高を進める形となっている。
・円高の結果株価が大きく値下がりしている。
 日本経済の輸出依存の体質→円高による企業利益の減少→株が売らる

日本のこれから(マイナス面)
・米景気の減速と円高のダブルパンチ→輸出企業の収益を直撃→企業業績の低下→個人の消費の減少に繋がりかねない。
・日本が為替市場介入でドルを買い支えようとしても、米国が中国当局のドル買い・元売りを批判している手前、政治的な困難がつきまとう。(日経)
 (この様な危機でも日本は米国の思惑を気にしなくてはならないのか。)
・日銀総裁人事での混乱は、投機筋の格好の材料となる。
・今起きているのは金融バブルの崩壊で、日本の経験から見ても、後始末には大変な時間と労力が必要だが、これはあくまでも米国頼みだ。

日本のこれから(プラス面)
・今までの円安傾向で企業は体力を付けている。
・市場の勢いから、もう少し円高になるかも知れないが、このまま一本調子で円高が進むことはないというのが大方の見方だ。

日本のこれから(プラスとマイナスの両面)
・円高になれば、海外から調達する原油や資源、食料などは、これまでより、割安な値段で買えるようになるが、原油や食糧などその影響する範囲とその価格の上昇幅が大きいため、円高メリットは限定的だ。
・円高は対ドルに対してだけであり、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、元、ウォンなどに対しては円安の傾向で安定している。
 これは円高になっても円は替われていないことを示している。
・この傾向は日本が危機状態→政治の停滞→日本の信用低下していることを示している。(日テレのミヤネ屋の解説者) 
(プラス面)
 企業によっては輸出先が中国など米国以外の国にシフトして来た会社もあるので一昔のような円高による打撃をまともに受けない。
(マイナス面)
 今回の円高はドル売りによるものだが、その金が日本買いに繋がっていない。
 むしろ日本の株売り→日本の株価の急落に繋がっている。(日テレ  
参照:
   NHKの時論公論 

   読売社説
   産経社説
   日経社説

[私の意見]
米国との関係の見直し

・私は昨年から米国経済の変調に対して、いざとなって慌てない様に、シンクタンクなど設立して、米国との関係の見直しなどの対策を考えるべきだと一昨年の8月から何度か書いてきた。
 そして残念ながら私の素人考えが当たりそうな気配だ。
 政府は今のところそれ所ではないだろうが、落ち着いた時点で再度日本の世界における立場の見直しと米国の連携のあり方について、考え直す必要があると思う。
参照:
 その場凌ぎの政治から抜け出すために 

 米国との関係の見直し 
 石油問題と米国との関係の見直し  
 日本経済と社会問題の見直し 

日銀総裁後継問題
 日本ではこの様な経済の重大な分岐点に立っている今でも、予算関連の法案さえ通りそうにもないし、日銀総裁の後任も決まらずに空白になりそうな情勢だ。(3月19日9時現在)

 民主党は反対ばかり言わずに適任者をこっそり政府関係者に推薦する位のことは出来ないのだろうか。(もっとも反対はしても実行不可能な対案を出さない今までのやり方から考えるとこれも出来ないのかな?)
   今日の「みのもんた」さんのニュース番組でも菅さんがみのさんから誰が良いかと問われても、返事しなかった。
   または出来なかったのか、また出来てもそれが政府に洩れて、政府提案に党として賛成に廻らねばならぬことを恐れたのか。

 民主党にもし対案がないのなら、日本の信用を保持するためには、参院本会議で日銀後任人事に関しては、棄権、党議拘束を掛けないなど政治的決断などすべきだと思う。

 3月18日の読売新聞の世論調査では、内閣支持率も34%と下がった。
  これは福田さんが自民党内の道路族をコントロール出来ないこと、民主党からつつかれて動くことはあっても、福田さん自身の発意で動くことは殆どないことなどに因るのだろう。
   日銀人事問題で言えば舞台裏での調整ができない福田さん、自民党、民主党とも困ったものだ。

  民主党の支持率も前回より 2.4%減の17.6%に低下した。
  そして日銀総裁人事の民主党の対応を評価しない人が59%にも達した。
  民主党は政権奪還しか眼が向いてないと国民から見られているのがこの数字になったのだろう。

  自民党、民主党とも相手ばかり見ないで、来るべき選挙に備えて国民の方へもっと眼をむけるべきだと思う。

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首を捻る国会運営

2008-03-17 07:11:26 | 民主党

 体調を崩していた家内と同じ時間を過ごしたため、久しぶりに長い間テレビの国会の中継やニュース報道を見るる機会があった。
 それを見ながら今更のように気がついた素朴な疑問を纏めてみた。

[予算委員会の委員の仕事]
 予算委員会では党の代表質問者が政府関係者への質疑と言う形で進められている。
 その間の他の委員はそれを聞くだけで何もすることがないようだ。
 たまにすることは質疑者や回答者にたいする彌次だけ、それも時々は委員長から「静粛に」とブレーキがかかる。
 予算委員会は出席者が定数にならないと成立しないそうだが、少なくとも質疑の間のその他の委員の役割は何だろう。

[予算委員会の議題]
 野党の人達は審議不十分だとして与党の強行採決の非難をするが、審議の様子を見ていると、国交省の慰安旅行費用まるまる負担などの不祥事の追求などは予算に関連するのでまあ良いとして、焦点の暫定予算とその関連法案とはまったくかけ離れた、イージス艦問題や、次期日銀総裁問題、郵政改革についての批判、はては共産党の後期高齢者医療制度中の終末医療を何故老齢者に限るのかなどの政府攻撃などの他の問題までの質疑に相当程度の時間が掛けられているようだ。
 素人考えでは予算委員会だから予算に限って審議すれば数週間の審議で十分に尽くされるはずだが、国会中継が本会議と、予算委員会に限られているのがこの現象となっているのだろう。
 河野太郎さん、馬淵澄夫さんを中心とする自民、民主両党の7人の衆院議員が公表した国会改革案のなかに、「立法審査と行政監の分立」があるまさにこの弊害を直そうとするものだが、この提案にたいして、閣僚や党の有力者たちがどれ程の関心を払うのだろうか。
 
[品のない質問者]

 民主党の某議員は会計検査院長との質疑が終了した後、「もう後は用がないのでとっとと帰って仕事を早くしろ」(彼が言った言葉そのまま)と言って一部からの失笑を買った。
 院長は議員の思惑どおりの回答をしたのになんと失礼の言い方だろう。
 私は彼の名前など全く知らなかった。
 その様な余り有名でない彼は福田さん始め、閣僚の攻撃と次期政権を狙う党の議員として正義の味方気取りで、思い上がっていたのだろうが、この一言で彼の品性のないことを曝け出してしまった。
 私は彼の選挙区でいたら絶対に彼に投票をしないだろう。

[自説を振り回す質疑者]
 国民新党の自見庄三郎さんにとっては久しぶりの大舞台に立ってこともあったと思うが、彼の質疑は非常に迫力があった。
 唯その内容は、これも久しぶりに聞く大型公共投資必要論で、現在の800兆を越す国債、償還に国費の3分の1近くを使っていること、今後の日本経済の大規模な回復の期待は望めないと言う現実を無視したもので呆れて聞いていた。
 然し問題はその議論を補足する資料として橋本、小泉、安倍内閣時代からGDPが大幅に下落した資料を掲げて、構造改革の批判をしていたことだ。
 GDPの下落は小泉改革の影響より、中国を代表とするBricsの台頭による世界情勢の大幅な変化と、日本企業の相対的競争力の低下によるものだ。
 経済政策については自見さんと経済財政政策特命大臣の大田弘子さんの間で議論が交わされたが、経済の専門家の太田さんは、自見さんの提示した資料の読み方の間違いについて指摘しなかったし、これ以上の積極的な公共投資のための国債発行をしても、日本の競争力の減退→財政力の弱体化からから返還のめどがたたないことも言わなかった。
 これは政府関係者の全てに通じることだが、政府提案の法案を通して貰いたいあまりの野党に対する遠慮の現れで、それを良い事に自説をぶっても徒に貴重なに審議時間を浪費するばかりだ
 然し、自見さんが専門の郵政民営化の問題については流石に唸らせる発言が続いて、自見もさんの経済政策論議をにやにやして聞いていた福田さんも丁重に返答をしていた。
 このように質疑も的をついていれば、国会の論議も生きてくるのだが。
 無駄な議論で大切な審議時間を空費する傾向があるのは勿体ないことだ。

[日銀総裁の後継問題]
 この件に関する民主党の対応について、珍しく全ての全国紙の社説で批判されていた。
 これについての国民の意見はほぼマスコミの意見とほぼ同じだと思う。
 反対の理由は武藤さんが財務省出身であることはまだ良いとして、小泉改革のお先棒を担いで、超低金利政策を推進し、国民から預金利子を奪い格差社会をもたらしたと言うものだ。
 私も一庶民として、金利ゼロの預金は嬉しくないが、超低金利以外の政策があったのか、もしあったのならその対案を示して批判すべきだと思うのだが、例によって一方的に彼の批判をするばかりだ。
 鳩山さんは提案が遅れたのは政府の責任だと言うが、その前に彼が「政府が衆院3分の2条項を利用して予算を可決してので日銀総裁の審議をする環境にない」など、始めから政府の提案が誰であれ反対する態度のために、人事問題についての政府と民主党の交渉が遅れたのだろうと言う事はは誰でも想像がつくことで、鳩山さんの言う様に提案の遅れた原因は民主党にもあることは民主党以外の人達は皆思っていることだ。
 民主党は世論やマスコミの反対にも関わらず頑として自説を貫いているのだ。
 自民党はこの打開のために民主党が気にいりそうな人を選んでくるかもしれない。
 もしそうなったとして、日本の得たもの、民主党の得るものは何だろうか。
 日本の得たものと言えば、Japa"i”nの悪評だ。
 そして民主党の得るものは日本のことは二の次にしても党利党略に走る胡散臭い党の評判だけだ。

[二大政党の弊害]
 私は政権交代論者だ。
 然し考えて見れば、その前提は二大政党ともいざと言う時は、日本や日本人のために胸襟を開いて本音で語り合える党であることだ。
 勿論政治だから時に党利党略も必要だと思う。
 然し日本の存亡や重大に岐路に立ったときは党利党略は抜きで協力してことに当たる政党で無ければ、政権を担当させるわけにいかないと思うのは当然だ。
 そして、今日本は重大な岐路にたっている
 今まで頼りきってきた米国の経済情勢の回復も怪しい。
 米国と一歩置いた立場の中国やロシヤの台頭。
 米国の言いなりにならずに独り歩きするオイル・ダラーに代表される金余りのファンドなど。
 そして日本は過去の経済成長路線から、縮小路線へ岐路にたっている。

 米国では大統領が共和党、議会は上下院とも民主党だが、今回のサブプライムローン崩壊の危機では膨大な支出を即決に近い形で決めた
 もし議会が大統領と完全に対立しても、大統領の拒否権で少なくとも政治の停滞は避けられる。
 日本では政治は停滞したままだ。

 私は当面は政局の主導権を握る民主党に対する批判じみたことを言ってきたが、自民党もまあまあ主義の福田さんが首相になった途端に勢いを増してきた道路族がおり、党も野党に廻れば多分民主党と殆ど変わらないやり方で倒閣一本槍で進むと思う。
 私は両党とも国民の付託に耐え得る立派な政党であって欲しいと思う。
 もしも自民、民主が今の体質が変わらなければ、世論調査に見るような政権交代への国民の希望が潰れ、残るのは政治不信だけだ。

参照:カテゴリー → 福田政権
                民主党

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企業の人事管理

2008-03-15 06:35:36 | 企業経営・原発

 昨夜のNHKの「にっぽんの現場「定時制3年4組~生徒急増 いま何が~」を終わりまで見た。
 と言うのは私も若いころ、旧制の工業専門学校と、新制に変わったばかりの外国語大学のそれぞれの夜間部に通ったことがあるからだ。
 番組紹介では次のように概説している。
 
今回の現場は、神奈川県立横浜翠嵐高校定時制。ここ数年で入学者が急増し、1学年70人だった定員を2倍の140人に増やすまでになった。その背景には、いったい何があるのか? 2007年11月から4か月間、大学や専門学校への進学・就職など、自分の進路と向き合う3年4組の生徒たちを取材。定時制のクラスを取り巻く現実と若者たちの夢を見つめる。

 そこには私達の通った大学と高校の差はあるが、夜間部特有の雰囲気があった。
・昼間のクラスと比べると授業のレベルは落ちるが、皆それぞれの意欲を持って勉強していること。
・種々の経歴を持った生徒たち
・いじめなど無縁のクラスの雰囲気の明るさと健康さ

 私たちと彼らとの環境が違うのは、古き良き時代の中にいた私の同級生の殆どがそれぞれ一流の会社や官庁に勤めており、金銭的な問題より勉学の意欲を満足させるために来ていたのに反して、同高校生の人達は、
・金銭的な理由で昼間の学校にはで行けないこと
・パートで働きながらの通学、中にはパート代の一部を家計の補助をしているものもいる
・卒業後就職や進学の問題を抱えていること
など困難な問題を抱えていることだ。

 彼らには、授業のレベルに飽き足らず昼間の高校へ転学するもの、入学試験の失敗、高校に来る求人は給与も少なく(中には現在のパートで得ている収入と殆ど変わらない会社もある)余り安定していない小企業からの求人ばかりと言う厳しい現実が待ち構えている。

[企業の人事管理システムの歴史]
1.固定化した人事管理システム
 私の数年間の夜間部通学の間、私と同じ会社にも他の大学に通っている何人かの人達と知り合い友人になった。
 私の場合は前にも書いたが、学校の卒業後、転職などで一時的に給与が下がるより、当面の貧乏な家庭での家計を埋めるために現職に留まる道を選んだ。
 当時、つまり昭和25年から30年ころは一流企業でも(私もそうだったが)旧制中学卒の人を職員として採用するのが普通だった。
 然し友人の中には、旧制の中学卒だったが、旧制の高等小学校卒の資格で工員として入った人達もおり、卒業と同時によりよい職を求めて退職する人達も多かった。
 会社とは社員の夜間部通学を禁止する訳にもいかず、また当時(或いは現在も)会社の考え方では夜学で大学卒の資格を得たからといって、工員を職員とする訳にもいかず夜学通学生の取り扱いに苦慮していた。

 それで私の会社の出した対策は、旧制の中卒者を工員として採用するときは、従業員の子弟に限る事にしたことだ。
 詰まり、地方からの旧中卒の人達の中には就職機会の少ないことと、経済的な理由で進学出来ないため工場周辺からの採用者より比較的に優秀な人達の割合が多かったが、その人達を締め出して(彼らから言えば)円滑な人事管理を進めようと言う訳だ。
 言い換えれば、就職機会の多い従業員の子弟が、旧中卒でも職員に採用されないのは余り優秀ではない、だから彼らが夜学に行き、転職することはないと考えたのだろう。

2.工員から職員、職員から管理者への登用
 上記のルールには唯一の例外があった。
 一昔は、左翼政党に率いられた労働運動が盛んで、労働争議やストライキが頻発した。 
   経営者はその対策として、会社側に協力的な組合幹部の工員を職員に引き上げて比較的に運動に低調な職員組合に加入させたり、職員の中で管理的業務に従事する人を管理者に引き上げ組合と縁を切らせたりした。
 これは今問題になっている「名ばかりの管理者」のように残業代カットの目的より、当時まだ企業の景気が良かったので、労働運動に対処するものだったと思う。

3.ホワイトカラー・エグゼンプション、名ばかり管理職
 中国の台頭による競争激化に対応して、企業の経費削減のために、比較的会社に忠実なホワイトカラーの従業員を対象に、経団連は「ホワイトカラー・エグゼンプション」と言う所謂「残業代ゼロ法案」を提案したが、世論の反発により自民党は法案としての提出を見送った。
 それと同じ頃出てきたのが、日本マクドナルド社に代表されるサービス産業に多い、名ばかり管理職だ。
 これは管理職の名の元に残業代カットしようと言う呆れたやり方だ。
 いずれも、理由こそ違え上記のような昔からの工員を職員に登用、職員を管理者にしようとするやり方を引き継いでいるような気がする。

4.固定化した人事管理システムへの回帰
脱却不可能なパート、契約労働者
 従来は、労働基準法で派遣労働はごく一部の特殊技能を有するものに限り、下請け業者による労働者のピンハネを厳重に取り締まってきた。
 この法律の根底には人道主義があり国民の多くからの支持があった。

 上記のような中国台頭に伴う厳しい競争に直面した、経団連は企業の競争力強化→コストカットの為に、労働者派遣法を提案し、派遣労働の範囲を単純労働迄に拡げ、人材派遣会社は労働者を企業に提供し、派遣会社の指揮の元に働かせるとは名ばかり、労働者は派遣先の指揮の元に働かせ、実質的に労働者の給与のピンハネをしてきた。

 パート、契約労働者は一旦その仕事に付いた後は、いくら長く勤めていても派遣先の企業の正規社員になる道は殆どないと同然の状態に置かれている。

 昔は極一部の例外を除いては、学歴によって職種、身分が固定化されていたが、同一会社の正規社員であり、成績次第では通常旧制中学卒の人が係長で終わるところを課長か会社によっては部長待遇までになることが出来た。

 然し、契約社員はその名の通りの正規社員と別契約で採用、派遣社員は仕事先の会社とは別の社員なので、正規社員と同じ労働をしても、彼らは給与は勿論、昇進などとは全く無縁の全く固定化された存在だ。

 それが、最初に書いた現在の夜学生に突き当たっている現実だ。
 仮に小企業の正規社員として、採用されても契約社員を雇った会社との競争や、元請け会社の締めつけで、給与レベルは契約社員と変わらないか、まともに厚生年金の会社保管分を出して貰うとか、失業保険などの積み立てをしてくれるかどうか判らない不安定な環境におかれる危険性もあるのだ。
 なお可哀相なのは、小企業の正規社員にもなれずに、折角夜学で苦労して勉強したのに、人材派遣会社の社員として、永久に派遣社員として働かねばならぬ生徒達だ。

 それに対して、政府も労働者派遣法の見直しや、異例の企業に対する給与のベースアップなどの要請をしている。

 また企業もユニクロのように派遣労働一本槍から正規社員40%にするなど社員の構成を見直したり、製造業でも、製品の品質の向上や技術の伝承、日本企業得意の改善活動の見直しなどで、契約社員の正規社員化を考えも始めたところも多いようだ。

 昨日放映された国会質議で、日本マクドナルド社の「名ばかり管理職」は同社が米国の本社の直営になってからこの問題が起こったと指摘していたが、企業間の競争が厳しい今こそ、今まで書いてきたような小手先の方式から脱却して、日本独特の家族主義経営や、人を人として活かす企業経営のよい点をもう一度見直す時期に来ていると思うのだが。

参照:
   
マクドナルドへの地裁判決について  
   
企業の進むべき道  
    
従業員をロボットにしないため 

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教育格差ほか(大丈夫?日本人の学力-2

2008-03-13 12:53:10 | 教育改革、ゆとり教育

   先日のブログで私ごとを書いたところ多くの方からご心配のコメントを頂きまして大変恐縮しております。
  お蔭さまで家内もなんとかすこしづつ落ち着いております。
  本当にありがとうございました。

 3月8日の夜、NHKで恒例の「日本の、これから」で「大丈夫ですか?日本人の学力」のタイトルで早稲田大学教授の榊原英資さん、東京大学大学院教授の佐藤 学さん、作家の「あさのあつこ」さん、有名な杉並区和田中学校校長の藤原和博さん、ローソン代表取締役の新浪剛史さんと、レギラーの三宅民夫さんと武内陶子さんの司会、それに市民40人と中学高校の生徒約7,8名を加えてのての討論会が行われた。
 そして、その中で特に印象に残ったものとして、11日は、[何故勉強をしなければならないか]と[携帯にはまる子]を取り上げた。

 今日はその残りの問題を纏めてみた。

[杉並区和田中学校の塾利用]
 杉並区の和田中学校での保護者の有志団体によりつくられた「和田中学校地域本部」主催による『夜スペ』と名付けた補習授業が2008年1月26日より実施されている。
ことに対して基本的には評価していた私に取って、非難が集中したのは意外だった。

主な批判と回答と問題点
・教育の機会均等に反する。
  回答:土曜日に授業に遅れた子に補習授業をしている。
  公立中学校でこれを土曜日補習授業に現役の教師とボランティアでやっているのは珍しいと思うが。
・塾講師でなくて何故現役の教師を投入しないのか。
  回答:教師の負担が大き過ぎる
・この様な良い方式があれば、民間企業だったら直ぐ真似するのに、何故和田中学校に限られているのか。(ローソンの新浪さん)
 回答:なし。
 私は教育委員会や各学校の校長にことなかれ主義と余り仕事を増やしたくない後ろ向きの考えが浸透しているのが原因だと思う。
 彼らは「ゆとり教育」の主旨に沿った、土曜日の現役教師による課外授業や補習授業さえまともの取り組んでいないのだ。
 詰まり彼らは学力低下している生徒より教師や教育委員会の方を向いているのだ。
 そしてこの番組の教育の機会不均等批判もその線に沿ったものだと思う。

 参照:和田中と地域を結ぶホームページ

    
杉並区立和田中学校 (Wikipedia) 

[教育格差と習熟度別授業]
 東大の佐藤さんは、先進国の中で社会格差の点で日本が最低レベルに近いことを上げこれが教育格差を産んでいると主張し、NHKも東大合格者の大部分がその父兄の収入の多い人達で占められていると資料を見せた。
 私は公立の中小学校でも教師は勉強ができなくても意欲のある生徒には、万難を排して且つ優先的に、それに応える義務があると思う。
 具体的に言えば、そう言う生徒全員が例えば100点満点で70点は少なくとも取れるようにすべきだ。
 そのためには習熟度別でも良いし、場合によれば補習授業もすべきだ。
 そしてそれを妨げるものがあればそれを一つづつ除いて行く努力をすべきだ。

教師が教育に専念出来ない原因と考えられる対策
1.その最大の者は教師の仕事が多過ぎることだ。
・教師の書くレポート多過ぎれば減らす→校長、教育委員会。
・モンスターペアレンツへの対応→教育委員会または専門の人に任せる。
・教科の取捨先選択と重点化→小学校の英語廃止、私の意見だが国語力の強化など
・教師作業の標準化と他教師のノウハウの交換、資料の共通化
・一般事務の合理化→事務員の採用、一般企業でやっている小集団活動による改善運動の推進
・部活動の範囲の縮小、重点化→学校の選択制度の採用
・面白おかしい授業と繰り返し計算など忍耐や辛抱のいる授業の採用のめりはりを付ける
2.地域や学校によって違うと思うがもう一つ大きいのは日教組所属している教師し所属そていない教師と価値感の統一→生徒の方を向いた授業だ。

優秀な生徒の希望者の育成
・優秀な生徒で希望者への問題集解答を中心とした特別教育
 優秀な生徒には(手間のかかる)特別な授業をしなくても判る筈だ。
・和田中学方式
・生徒が希望する特定のテーマの自主研究の援助
 これらを見て判るように、この殆どが下記に書く様に、当日殆ど議論されなかった日教組、校長、教育委員会や中央教育審議会が大きく関わっているのだ。

[番組で取り上げられなかった問題]
日教組とモンスターペアレンツ
 私はNHKの番組のタイトルを見て、最初に思ったのは、教育問題の根源に必ず介在する日教組の話は先ず絶対に出ないだろうと思ったが、その他に学校を悩ましている「モンスター・ペアレンツ」の言葉さえ全く出なかったのは意外だった。

教育委員会
 日教組全盛時代にその対応のため教師管理対策に特化したまま、すっかりお役所化してしまい、時世が変わって今では家庭教育により重点を置き、へんてこな父兄から教師を護らなければならないのに、その対応が全く出来ず、相変わらず学校と教師管理ばかり考えている教育委員会の言葉一つ出なかった。

・家庭の責任
 これについては、専業主婦と思われる人が、今の教育の基本的な問題は家庭の教育責任を忘れているとの熱弁に満場の拍手、特に意外にも生徒の殆どが拍手していたのに、全くこの問題(11日に書いた携帯に嵌まった子の親のあり方を含めて)について論議されなかった。
 NHKは学力向上に大きな影響を与えるこの問題に何故取り上げなかったのだろう。

[番組の出席者の選定]
 NHKのこの種の番組で目立つのは出席者の選定の問題だ。
 今度の問題でも、気がついたのは質問に対する出席者の回答がほぼ均衡しているのに、携帯による一般の人達の回答に大きな差が出ていることだ。
 そして、私から言わせれば出席者より一般回答者の意見の方が遥かに健全のように見えるのだが。
 これをNHKの側に立って言えば、なるべく多くの考えの人達の討論で、NHKの提示した問題点を多方面から考えさせようと言うのだろう。
 然し、この報道で、国民をミスリードしている危険性を考えたことがあるだろうか。
 例えば昨日の「携帯に嵌まった子」やそれを甘やかせるだけの親を無批判のまま見せられたた生徒達の何人かは、携帯やゲームに熱中して勉強をさぼる仲間やそんな優しい親もいるのだと心強く思った生徒もいたに違いない。
 そして、この拮抗する論議を見た生徒の中には、自分達が勉強したくないのは学校や先生が悪いのだと自己弁護の種を見つけた人達もいるのではないか。
 本当は一般の聴取者からの意見のように、多くの人達が健全な考えを持っているのに。

 出席者選定では特にゲスト出演者にNHKの傾向がもっと強く現れている。
 今回の出演者のなかで「あさのあつこ」さんなど全く知らなかった。
  Wikipedia のあさのあつこ
さんの人物評では、
 毎日新聞のインタビューに「(美作市に)住んでいて、憤りを感じるんです。繁栄に取り残されているというか、景気が上向いたなんてどこの話? って」「中央や絶対の権力に抗いたい気持ちが私にはある。それは彼の大人への抗いに通じます」などと応え、地方在住者としての中央や大都市への強烈な反撥を隠さない。
とある。
 彼女の選定はNHKに良く出る、政府に批判的な金子勝
さんと同じ流れの選定だが、NHKはどうして、そしてどこから彼女を探して来たのだろう。
 その様なゲスト出演者と、一般の参加者の中で、一般にリベラルと見られている榊原英資さんなど出席者の中では一番右翼的な発言をしているように見えた。

 私は、時々はNHKも思い切って、「たかじんのそこまで言って委員会」レギュラーの三宅久之さん、宮崎哲弥さん、勝谷誠彦さんなど歯に衣を着せぬ人達と、日教組の役員を呼んで教育問題を論議させたら、その問題の本質の一端が明らかになるのではないかと思うのだが、NHK(民放も多分同じ)や日教組のやり方を見ておれば所詮夢に終わるのは間違いないのが残念だ。

参照:カテゴリー →教育問題
               教育改革、ゆとり教育

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大丈夫?日本人の学力

2008-03-11 07:35:09 | 教育改革、ゆとり教育

 3月8日の夜、NHKで恒例の「日本の、これから」で「大丈夫ですか?日本人の学力」のタイトルで早稲田大学教授の榊原英資さん、東京大学大学院教授の佐藤 学さん、作家の「あさのあつこ」さん、有名な杉並区和田中学校校長の藤原和博さん、ローソン代表取締役の新浪剛史さんと、レギラーの三宅民夫さんと武内陶子さんの司会、それに市民40人と中学高校の生徒約7,8名を加えてのての討論会が行われた。
 その中で特に印象に残ったものを書いてみた。

[何故勉強をしなければならないか]
・経済協力開発機構(OECD)の世界各国の15歳の生徒を対象に行った学習到達度調査(PISA)で2006では年では2003年と比べ、読解力は14位→15位へ、数学的リテラシーは6位→10位へ、科学的リテラシーは1位→5位へと順位を下げた結果の説明、
・文科省の「義務教育に関する意識調査」(2005年)によると、家庭で平日「ほとんど勉強しない」小学生は17%、中学生は43%の説明、
の後討論が行われた。
 その中で、生徒達から何故勉強しなければならないか判らないと言うお決まりの意見に対して、榊原さんが国際的な競争が激化している中だ、日本が生き抜いて行くためには優秀な人材が絶対必要だと言っていた。
 教育は言うまでなく日本の抱える大きな問題点であり、そのために日本が「ゆとり教育」を見直しと言う舵を切り、NHKでもこの番組を作った理由だ。

 ここで疑問なのは学校でこのような分かりきった勉強の理由を何故教えないのかということだ。
 これを書いていうちに一昨年のエントリーの
「私が見てきた教育荒廃の歴史」
の[何故学校に行くのか]を思い出したので紹介する。
 
(ゆとり教育導入時)、中学校の生徒と先生、生徒と当時の元東大の総長だった文部大臣の対談のプログラムがありました。
 その中で、生徒が高校の受験勉強でに苦しめられていることに関連して、生徒が何故学校に行かねばならぬのかと言う質問が出ました。
 生徒の意見は、「国民が教育を受ける当然の権利だ、だから、くだらない受験などのために学校に行く権利を放棄しても良いのではないか」と言うのです。
 しかしこの意見に対して、先生達からも文部大臣からさえも明確な答えが出ませんでした
 普通の人が直ぐ考えつく答えは、生徒が学校に行くのは、国民が教育を受ける当然の権利を行使するだけでないこと。
 人的資源しかない日本が、弱肉強食の資本主義が主流の世界の中で、他国と同じような生活レベルを保つために、不可欠な人材の育成をするために、生徒たちは将来日本の社会全体のためになるよう勉強しなければならないことは誰も異論のないことではないでしょうか。
 こんな判りきった答えが先生方や文部大臣からさえも出なかったのは、当時(今でも?)上から下まで、終戦以来から醸しだされてきた、権利のことは言っても義務や責任のことを言いにくい所謂「空気」にどっぷり漬かり過ぎていたからでしょうか。
 つまり少なくとも「ゆとり教育」から今まで、学校では何故勉強しなくてはならないのかという生徒がいつも疑問に思っていることを今日まで教えて来なかったのです。

 例に上げたのもNHKの番組だったが、今回の番組でも榊原さんの発言の他、生徒の勉強の必要性とか、最初にNHKが提示した学力低下そのものがもたらす問題点については殆ど討議が無かった。
 
 生徒達は学校で権利、個性尊重、自由など民主主義のバラ色の理想を生徒に与え続けていたのではないか、権利に伴う責任、個性の尊重や自由も他人に迷惑を掛けないこと、社会やグループのルールの制限があることなどバランス良く押してか来たのだろうか。
 そして昔の軍国主義のトラウマから人のため世のため、日本と言う生活共同体のために働くとか、それに備えて勉強することなど、どれだけ力を入れて教育して来たのだろうか。 
 NHKがとり上げたテーマは教育格差、習熟度別教育、藤原さんの塾の講師を呼んだ補習授業など言わば学力向上の周辺のことばかりだった。
 何故、生徒の勉強へのモチベーションを如何に高めるか、公立の学校内での学力の向上策も論議しなかったのだろうか。

[携帯にはまる子]
 番組では子供が勉強しない理由の一つとして携帯の流行を取り上げ、その一例として携帯にはまった子の家庭の状況を写していた。
 それにはある程度のやむを得ない「やらせ」やカメラの前と言う家族の意識もあったと思うが、見ているうちに頭が痛くなってきた。
・食事中の子供のだらしない態度。(子供の躾けはどうなっているの?)
・食事中に携帯をいじる子に食事中だけは止めてという優しく言う母親。
・それを黙って見ている父親。(???)
・自分の部屋に戻っても携帯。
・学校の宿題は先生に「出さなくても良いと言われた」からせずに、塾の宿題だけする生徒。(学校の教師は宿題だけだして一応の責任を果たしていると思っているのか?)
・学校より先行している塾の教材。(これで学校の授業が面白くないのと当然だ。)
・結局、家に帰って塾の宿題の他勉強一つせずにメールを打った数に250~260回。
・共働きだから連絡上携帯を持たせるのは仕方がないという両親。
・父親の子供が携帯で時間を取られ過ぎの問題は、子供がその失敗に自分に気がつくまで、子の自主性に任せたいと言う発言。(自主性など言い方は格好が良いが実質は子供養育の責任放棄だ。)
 子供の失敗に気がつくと言えば、携帯上のいじめからの人間不信、不純交際は何とか避けても、このような勉強や努力をしない子の将来は、志望校への入学の失敗、低賃金のサービス産業のパート、契約社員になるかも知れない。
 そして今の時代が変わらない限り、一度敷かれたレールから抜け出すのは、余程のことが無ければ出来ない。
 その時になって子供がその失敗に気がついたときは遅いのだ。
 他の子供も持っているからと言って携帯を与えて、わざわざ子供にその勉強に集中できない環境を与えるのと、携帯を持たせないか、持たせても家で使わないルールを決めて、勉強や読書の習慣を付けさせるのと、どちらにより大きな愛情があるのか。
 私は周辺の母親達の話から、この様な子供に甘い家庭はごく限られており、大多数の家庭は堅実な子育てをしていると思う。
 然しこの放送を見て、自分達の携帯の使い過ぎに言い訳の種を見つけた生徒も多いと思う。
 何故、NHKはこのシーンを放送するだけで、これに対する討論を省いたのだろう。

 私事ですが、家内が体調を崩して、エントリーが遅れた上に中途半端で終わり、他のより重要なテーマまで触れる時間がありませんでした。余裕が出来次第エントリーして皆さんに聞いて頂きたいと思いますのでご了承下さい。

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道路特定財源問題の整理

2008-03-07 11:54:08 | 政策、社会情勢

 道路特定財源問題が紛糾している。
 ここではNHKの
時論公論 「道路財源論議と修正協議」
の解説を借りて問題点を整理して見た。

[中期計画の問題点]
・道路整備に10年間で最大59兆円使うとした政府の中期計画について、政府がおおまかな内訳を示したのは、政府・与党の合意から2か月半経った後だ。
・中期計画は、全国で1万4千キロの高速道路網を完成させる前提に立っているが、その前提の道路の通行量の予測は、6年前の平成14年に公表されたものだ。民主党の追及によって、中期計画が決まる前の去年の3月の段階で最新の予測が中間報告の形で出されていたことが分かった。
 民主党の、最新の数字を基にすれば、通行量の予測が下方修正されて、予定されている路線の3分の1が計画の見直しを迫られたはずだの追及に対して、福田さんはこの秋に正式な数字が出れば、計画を見直す考えを示した。
・どこに道路を作るかの計画の決定手続きも問題だ。政府は国土開発幹線自動車道建設会議という、学識経験者に国会議員の代表を加えた会議できちんと議論した上で決めている、だから問題ないとした。しかし、国幹会議はおおむね2年に1度、しかも、毎回1時間か1時間半しか開かれていないと言う実質的には追認の場だ。これに対して冬柴さんはこの会議のあり方を見直す考えを示した。
・この他、道路財源を使ってマッサージチェアなど特別会計という財布に共通の問題も指摘された。
 
世論調査:道路中期計画は妥当だ 11% 妥当でない 51%

[道路特定財源の見直し協議]
・そこで問題になって来るのが、中期計画の見直しとそれを前提にした修正協議だ。与党側からは、年度内に参議院で円満に採決ができるよう、民主党との修正協議をにらんだ発言が相次いでいる。
・一方の民主党も、必要な道路は作るという立場だ。菅さんは宮崎の高速道路整備が遅れているのは政府・与党の決め方に問題があるからだと、地方を後押しする姿勢さえ見せている。
・このように、本当に必要な道路を、最小限の国民負担で整備するためにはどうしたらいいのかと言う議論を出来る環境がようやく生まれて来た。
・しかし、実際には、自民党内にも、選挙を考えれば、地方の道路予算を削るようなことはすべきでないという根強い声がある。民主党が税制関連法案の成立に協力するという確かな保証もないまま、自民党の方から大幅な妥協をすれば、党内に亀裂が生まれて、逆に収拾がつかなくなってしまう可能性がある。
・一方の民主党は対案をきょう参議院に提出しが、暫定税率の廃止と一般財源化という大原則は譲れないとしている。この国会で解散・総選挙に追い込むというのが民主党の基本戦略である以上、自分たちから妥協したような形は取れない。
・そうした中で、民主党の対案が提出された。参議院では、道路整備計画のあり方をめぐってさらに突っ込んだ議論が行われるだろう。与野党が激突した挙句、結局、59兆円の中期計画が何の見直しも行われないまま終わったということでは国会の存在意義が問われる。どちらが先に話し合いを呼びかけるか。与野党が、国民の立場に立って、道路財源とその前提になっている中期計画の見直しに取り組むことを期待したい。

[頼り無い自民党と民主党]
 これらのことから何となく判って来るのは、
・今までの道路計画は国会の管理の及ばない、道路特定財源を自民党の道路族と国土交通省の間で適当に処理してきたという常識的な観方が改めてて明らかになってきた事だ。
・政府、与党は野党の追求に対して、今までのように衆参両院での多数を頼んで、逃げや無視の手段がもう使えなくなってしまった。
 これは民主党が言うねじれ国会のお蔭かも知れない。
・今の情勢では明らかに民主党が有利な状況だ。
・それとこのような大きな問題について、与党、野党とも国の将来でなくて、自党と反対党の方ばかり向いていることだ。

 そして、事実はNHKの解説者が期待したような国会正常化の形跡は今のところ見えてこない。
 民主党は参議院での「審議を一週間」拒否を決めた。
 鳩山さんは政府、与党が予算関連法案の強行採決について謝らない限り審議に入らないと言っている。
 民主党は何故「一週間の審議拒否」と期間を限定したのか。
 明らかに国会空転に対する世論の反発を恐れているのだ。
 そして恐らく与党の謝罪のないまま、今までのように国のためなどとこじつけて審議に入ると言う見え見えのやり方をするに違いない。

 それと民主党の対案も問題だ。
 民主党の対案は(1)暫定税率の廃止(2)道路特定財源の一般財源化(3)道路整備計画の大幅見直しなどを打ち出した。
 この三つの柱はどれも頷けるものばかりで、例の海上給油の対案に比べればはるかに優れている対案だ。
 然し、暫定税率の廃止で発生する地方自治体の減収分を補い、民主党の必要な道路を整備の財源の引き当ては、他の財源からやり繰りすると言うだけで、与党やマスコミが言うガソリン税廃止に伴う約2兆円の減収をどうするかについて全く答えていない。

 以上を総括的に見ると、政府、与党もだらしないが、民主党も首を捻るようなやり方ばかりだ。
 民主党の鳩山さんは昨日のテレビで「せんたく議連」が怪しいと批判していたが、鳩山さん自身も民主党のスポークスマンとして、記者会見で党の方針発表しているが、彼の本音は別の所にあるような気がする。
 何故なら次期政権を狙う党の幹事長ともあろう人が、何もマスコミから言われなくても、今の情勢で政治家は日本のためにどうすべきかなどとうに判っていると思うからだ。

参照:カテゴリー → 福田内閣
                民主党

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