普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

今年で気になったこと(さぼっている政治家)

2008-12-31 16:49:24 | 政策、社会情勢

 新聞各社では例に寄って今年の10大ニュースを発表していますが、私も今年を振り返って見て特に気になったことを考えて見ました。
             
 そして私の感想を一言で纏めて言えば「さぼっている政治家」です。
[田母神論文のとり扱い]
 その象徴的な例が田母神論文のとり扱いです。
 田母神さんの言動が文民統制違反だとして騒がれています。
 一番の問題点は政府の(正確に言えば外交的に表明している)歴史認識と差がある、彼流の歴史認識を発表したことが文民統制違反に当たると言うのです。
 文民統制と言いますが、軍人が直接に統制を受ける文民とは実質的には国民から選ばれた政治家の事だそうです。
 然し、麻生さん以下の政府関係者が、心の中でどのような詳しい歴史認識を持っているかは誰にも知りません。
 何故なら日本では歴史認識と言えば村山発言の曖昧で大まかな歴史認識しか公に表明したものは無いのです。
 だから今回の様な私が見ても瑕疵が多い論文が発表されるのです。
 然し文民である政治家が田母神さんの逸脱した言われる行為の原因である、定番の日本の歴史の不在の現状を改めるために、正確な歴史、日本のした良いこと悪いこと、その時の世界情勢などの正しい日本の歴史を纏める必要のあることは誰でも判る事です。
 然し、学者が日本の正しい歴史を書くまでは出来ても、それをどのように公表するかは外交的な配慮もあり、大きなエネルギーが要ります。
 そこで政治家たちの出番と責任があると思うのですが、彼らも私どもやマスコミと同様に批判ばかりして、実際に正確な歴史を作ろうと動きは全く見えないようです。
 日本に取ってーとても大切な正確な歴史の編纂は今の儘で、田母神さんが提起した問題はそのまま握り潰されています。
 政治家が高校のカリキュラムで日本史を選択にする位の歴史認識しかないでは困ります。
 田母神さんを批判する政治家は自分の責任を放棄しているとしか思えないのですが。

[捩じれ国会]
  動かない政治と言えばその最大の例はねじれ国会です。
 政権奪回を目指す民主党、防衛に躍起な自民党。
 これでは国会が動く訳はありません。
 緊急の大問題の経済危機や雇用問題の解決も、自民は第2次補正予算案の審議を先送りし、民主は雇用関係の法案をその日に提出、2~3時間の審議で強硬採決。
 結局は両党の党利党略のために適切な手も打てないまま年を越してしまいました。
 この原因は与野党が対立したときにも政治を進める制度が無いためです。
 日本の政治体制では、昔は良識の府と言われていた参議院が大きな役割を果たしてきました。
 然し今は衆議院と似た選挙制度を持つ参議院も政党に属する議員が大半を占めて、党利党略の争いの場になってしまいました。
 自民党でもこれに対して参議院制度改革を考えているグループもあるそうですが、その活動は全く表に出てきません。
 理由は判りませんが、参議院制度改革は議員や党自身に不利になる可能性がある問題だからでしょう。

[面倒なことは全て先送りしてきた政治家]
 政治家はややこしいことずっと先送りしてきました。
 少子高齢化、先進国で突出している国債費、いずれは避けられぬ消費税増税、小泉改革の負の部分(特に非正規社員の問題)の処理も先送り、自由主義経済に固執し、借金まみれ、ことあれば軍事力に頼る米国との付き合い方などなど。
 その間に年金、介護などの社会福祉、医療制度など多くの国内問題が発生し、米国経済の急落で非正規社員の首切りなど数えきれない問題が発生しています。
 今回の米国の金融危機も日本の金融機関に被害が少なかったことは、金融機関が米国のハブル現象に警戒感を持っていたからと言われています。
 言い換えれば日本政府は米国の行き過ぎた自由主義経済の危うさ付いて知る機会があり、出来れば米国に忠告し、日本の会社に警報を発することが出来た筈で、仮にそれが上手く機能していれば、今回のバブル崩壊の損害をある程度減らせた筈です。
 然し事実は相変わらずの米国追随一辺倒、企業の中では米国のバブル崩壊寸前まで工場拡張や派遣や期間従業員を募集をしていたようです。
 政治家はこのような動きに対して何をしていたのでしょうか。

 政治家は来年こそはややこしい事も解決困難なことも逃げずに立ち向かって貰いたいものです。

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大荒れの予感?の自民党と麻生さん

2008-12-30 16:26:58 | 麻生内閣

 今日の読売新聞は加藤・山崎氏が新党視野、来月にも新たに勉強会 で自民党内で政界再編成の動きを報じています、。

[政界再編を目指すグループ]
 それと解説記事によると次のグループがあるそうですが、その各グループの動き(青字)に付いて私の感想(黒字)を纏めて見ました。
・行き過ぎた市場原理主義の是正(賛成、多分自民党員の多数も賛成)を目指す加藤さんと山崎さんのグループ
 山崎さんは定額給付金反対(山崎さんと同意見、多分自民党員の多数も同意見)、加藤さんは小泉改革の負の部分の修正(賛成、私は安倍さんの時代にこのことを書きましたが、加藤さんは自民全盛の時代に何故言わず、自民危機の今になって言うのでしょうか?)を主張
・官僚組織の構造改革の推進(賛成、族議員を除いて多分自民党員の多数も賛成?)を目指す中川秀直さんや渡辺喜美さんのグループで「大き過ぎる政府」に戻そうとすることに反対(これは今の経済・雇用危機の時は一時期は見送らざるを得ないこともあると思います)
・財政再建の堅持(賛成、麻生さんも与謝野さんの主張を入れて3年後の消費税増税を約束しました、自民党の多数は反対?)を主張する与謝野さん、園田さん、後藤田さんのグループ
・道路特定財源の一般財源化(賛成、族議員を除いて多分自民党員の多数も賛成)、速やかな政策実現を求める(賛成)中堅・若手グループ
 
の各グループがあり、それにの複数のグループに入っているひともあるようです。

[麻生さんと自民党へ]
 これらの各グルーフの動きを見てみると、消費税増税の他の件については、族議員などを除いては自民党の多数も賛成し、麻生さんそれに乗っても全く可笑しくない事ばかりです。
 それが何故自民党を離れて政界再編せねばならぬか、政治の素人には全く判りません
 彼らが党を離れて自分たちの主張が実現できると思っているのでしょうか?
 それとも民主党に入って自分の主張のために、その他の気に入らない民主の政策実現に協力するのでしょうか?
 マスコミの言うように上の述べた動きは、各個人の選挙目当ての行動かも知れませんが、彼らの動きが選挙区民から支持されていると思っているのでしょうか?
 事実は各県連からの党本部への抗議に現れていると思います。
 麻生さんも自民党の流れを見てそれに乗り、党内の基盤が弱いとは言え、リーダーシップを発揮できる情勢だと思います。
 そのためには中川秀直さんや渡辺喜美さんなどに取り込んで協力を頼むなど思い切ったとをやれば良いと思います。
 唯一答えは判っていても処理に難しい問題は、不人気の定額給付金と道路問題と構造改革への族議員の抵抗だと思いますが、そこに麻生さんの強い決意があれば、多数の党員だけでなく世論の支持もあり突破出来ない事ではないような気がします。
 麻生さんは自民党内の反対や支持率低下に繋がりかねない3年後の消費税増税を約束しました。
 その他の件についてもその勢いで進んで欲しいと思います。
 何度も言いますが、今の閉塞状態にある日本で国民が一番求めているのは、指導者の強いリーダーシップであり、自民党としては一致団結して麻生さんがリーダーシップを取れる様に支えてその支持率を上げることに専念すべきだと思うのですが。。

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中国の金融・経済の危機と日本

2008-12-29 15:51:09 | 国際社会

 私のブログを訪問された方でお気づきになった方もおられると思いますが、米国を除いては、他のブログのように殆ど外国の批判をしたことがありません。
 今日は中国のことを書いて見たいと思いますが、色々と無知な点が多いと思いますが皆様のアドバイスをお願いいたします。

[中国の脅威]
 もう20年前になりますが、現役時代にシンガポールに単身赴任したことがあります。
 そこはご存知のように同国は社会主義政党の一党支配の国です。
 だから日本人から見ると、いくらも首を捻る運営もありましたが、中国系人中心の政府の実利的な市場中心主義的な経済運営、商売上手な中国人、英語が子供の出世に有利と判ると家庭でも中国語を捨てて、英語を使う中国人などを見てきました。
 そしてもし中国がシンガポールの真似をして、共産主義と市場中心主義を上手く組み合わせて行けば、日本に取っても脅威的存在になると、余計な心配をしていました。
 その後、私が心配したように小平さんが市場主義経済を導入し、その結果日本の最大の競争相手になりました。
 今、日本を悩ましている非正規社員の問題も、中国の台頭に伴う日本の競争力の低下に悩んだ企業が労働者派遣法の制定を政府に請求したことから始まりました。

[中国の政策の失敗?]
 その中国も今回の金融・経済危機→輸出の減少で混乱しているようです。
 然し中国は出来る対策があります、いや有りました。
 日本でも輸出減少の対策として内需の拡大が叫ばれていますが、既に品物が溢れていること、少子化に加えて非正規社員の離職者の激増で上手く行きそうにはありません。
 然し中国では膨大な人口の国民を持ち、金がありさえすれば購買意欲をそそるものが一杯あります。
 輸出から内需拡大などやろうと思えば出来ないのは、今までの政策に間違いとは言えないかも知れないが、問題があったからと思います。
 中国が忘れていた対策の手本は日本に有りました。
 日本は輸出で儲けた金を経済力の弱い層に廻し、ひと頃「国民層中流意識」を持つという諸外国から「理想的共産主義」と言う社会を持てた時期がありましか。
 もう一つの手本は経済発展の成果を国民全体に回してきたシンガポールでした。
 詰まり市場主義経済で潤ってきた財政を、国民全体を潤すように配分すべきだったのです。
 そして正に理想的な共産主義社会を作るべきだったのです。
 そして輸出ばかりに頼らずに内需の拡大もやって置くべきたったのです。

[日本の立場から中国]
 日本の立場も考えて言えば、反日教育で国民を纏めるより、国民を潤すことで政府に対する求心力をます効果が大きいと思います。
 国内に大きなマーケットを作る事は、日本だけでなくて韓国や東南アジアの諸国にもためにもなることであり、中国に取っても(日本とともに)にアジアの中心勢力になることが出来ると思います。
 この転換は今では遅過ぎるかも知れませんが、日本などより早くできると思います。
 何しろ一党独裁の国ですから、やろうと思えば直ぐ出来る国ですから、そして国内の潜在的な需要は無限に近い程ある国ですから。
 日本政府としては、今度の金融・経済危機に日本のためにもアジアのためにも中国とこの点についても話し合あべき時期だと思うのですが。

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また点数を稼いだ共産党と点数を落とした自民党

2008-12-28 16:32:12 | 麻生内閣

 今日のサンデープロジェクトで
・民主、社民、国民新党3党提出の雇用対策4法案を会期ぎりぎりで提出し、しかも僅か数時間で強引に採決したことに対して民主党の山岡堅次国対策委員長へ、
・第2次補正予算案を来年送りにしたことや定額給付金について自民党の石原伸晃幹事長代理、公明党の高木陽介選挙対策委員長にたいして
田原総一郎さんや反対党から批判が集まり、批判された側は苦しい答弁を強いられていました。

[点数を稼いだ共産党]
 その中で唯一ポイントを稼いだのは共産党の政策委員地の小池晃さんでした。
 国民新党の亀井亜紀子さんから、民主党が雇用対策4法案の強硬採決しようとする動きにたいして、小池さんがもう少し話し合いしようと言う動議に自民党席からも拍手が出たと話していました。
 そして報道によれば共産党はその採決にも棄権をしたそうです。

 新テロ特措法改正案のときも、民主党執行部が小沢さんの指示に従い、衆参両院で審議拒否する方針を固めたときも共産党は社民党とともに審議拒否に反対しました。
 共産党は秋葉原殺人事件当時から非正規社員の雇用不安と「蟹工船」ブームで入党者が増加したと報道されましたが、今回の金融危機に伴う非正規社員の大量解雇の影響でしょうが、同党の支持率が11月の1.4%から12月の2%と伸ばしていました。
 一方自民党は23.8→18.6、民主党は14.3→13.4といずれも支持率を落とし社民党は0.8→1.1と伸びています。
 選挙は水物ですから、次回の衆院選では共産党が若者の無党派層の票、ことによると社民党の票まで食って、予想以上に伸びることもあるかも知れません。

[国会のこれから]
 今回の雇用問題や2次補正予算案の自民党と民主党の対応のカッコ悪さ(つまりその党の支持率の低下)と、共産党のかっこ良さ(支持率の向上)の違いはどこにあるのでしょう。
 その違いは自民・民主とも政権が目の前にぶら下がっているから<つい政策より政局に眼が移るからであり、共産・社民はどう転んでも政権とは縁遠い存在だから、何でも言えるからと思います。

 この事から2つのことが考えられると思います。
1.国会が捩じれ状態が続くときと政権に遠く、正論を述べやすい、弱小政党が政局決定のキーマンとなること、今の共産・社民はそれには小さ過ぎるから、もう少し大きな政党が出来るのを待つか、政策に各党が共同歩調をとること。

2.自民・民主とも国民にとっては判り難い政権獲得や防衛→政局中心の国会運営から、、そのような事から離れて国民目線で政策を考えて、時には次の選挙のことより、判りやすい国会運営をすることも考えるべきだと思います。

自民党のこれから
 特に死に体同様と言われる麻生政権は、本当に死んだつもりでやれば却って国民の支持を得るかもしらない位の気持ちでやってはどうでしょう。
 その点で言えば選挙に不利になる消費税値上げ方針の堅持や、国民から不人気の定額給付金の資金の雇用対策などへの一括使用への使途変更で、またマスコミから政策の揺れと揶揄されても、それが案外に麻生さん支持の向上に繋がるかも知れません。
 そして麻生さんの強いリーダーシップには党内からの反対に逢っても、小泉さんの例のように国民の支持を得るかも知れません。
 何故なら国民は麻生さんに首相としての強いリーダーシップを望んでいるのですから。

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オバマさん登場と日本企業

2008-12-27 16:46:25 | 企業経営

 今朝の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」で塩川正十郎今年の最大のニュースとしてオバマさんの大統領選の勝利をあげ、その理由としてその主張の「Change」のように米国が大きく変わる可能性があるのに、この儘では日本だけが取り残されるのではないかと言っていたのに強い印象を受けました。
 塩川さんはそれ以上のコメントは言わなかったのですが、話の成り行きからみて、最近の金融危機や日本企業の素早いリストラの動き、非正規社員の大量解雇などが頭に逢ったのでしょう。

 私は素人ながら前々から日本の経済、軍事、企業の経営の全てに米国一辺倒で良いものかとブログで書いて来ました。
 06年の 「その場凌ぎの政治から抜け出すために

・世界の歴史で見るように、ローマ帝国その他の世界を制覇した国々は必ず何時かは滅びるか衰える。
・米国も多くの不安要因を持っているし、世界からみれば必ずしも好感を得ていない
・若しその様な評判の悪い米国がぽしゃった時、それに頼りきった日本の世界における立場はどうなるか
と言う様な日本として基本的な且つ難しい問題を研究するために、シンクタンクを設立しては
と言うアイディアを書きました。(*注記)

 07年3月の 「米国との関係の見直し
」には米国の情勢の変化として、死に体と言われるブッシュ政権、日本の孤立化、米国と中国の経済的結びつきの増大などを上げ、特に米国経済を支えてきた、住宅バブルの雲行きの悪化もその一つに取り上げました。
 その後も米国型の市場中心主義、自由主義経済など、米国型の企業か株主のもの、成果主義の問題、何がなんでも米国一辺倒のやり方に疑問を投げ、これを研究する機関の必要性を書いてきました。(*注記)

 そして今回の金融危機です。
 私が言う様に米国は「ぽしゃり」ませんでしたが、金融やビッグスリーは「ぽしゃり」かけています。
 そして塩川さんの言うオバマさんの登場です。
 彼の政策はブッシュさんと違ってブレーキのついた市場上主義経済、ビッグスリー救援と言うかっての自由主義経済からいざと言う時の政府の介入のようです。

 日本での企業のリストラも、米国流の企業は株主のもの企業の設備と同じ立場に置かれている従業員を、設備と同様に要らないものか切って捨てると言う、以後の彼らの生活無視の有無を言わさぬ首切りと言う、昔では考えられぬ米国流のやり方です。
 これが米国の社会では通じるかも知れませんが、日本人の心情はまだ完全に米国型になっていないために、大きな社会問題になろうとしています。
 私はビッグスリーに学ぶこと
で書いたように、日本型の経営にも多くの優れたところがあり、外国の良い所は取りいれても、日本の良い所は残したり、それを積極的に外国にそれを発信するべきだと思います。
  オバマさんが率いる米国が変わろうとしているのに、日本だけが従来型の米国の流追随していては塩川さんが言う様に、日本だけが孤立するかも知れません。
 今回の金融危機やオバマさんの登場は、日本に取ってもその行き方を考え直す良い機会だと思います。

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*注記:参照
       グローバル資本主義の見直し 
       米国型市場経済中心主義は万能か 


品物扱いの非正規従業員

2008-12-26 16:31:46 | 企業経営

 25日の読売新聞の「論点」で 法政大学の藤村博之さんが「非正規社員の削減」について書いていました。
 その対策として、
・労働者が身を守る方法として、パートや派遣でも、企業でも重要な 仕事を任されたひとの立場は揺らいでいないことを考えて、企業からから必要とされる様に自分の能力を高めること。
・企業は日本の競争力の源泉である「ものづくり」の強化、中長期の視点での経営、米国型でない日本型の株式市場を作ることを上げている。
を上げていました。

 私も前にも何度か同じような提案を書いてきましたが、特に2番目の提案は長いスパンで見た日本型の経営、「短期の利益を求める海外の資金が本当に日本に取って必要なのか」など書いてきた私しては大賛成です。

[企業にとってとても便利な労働者派遣法]
 然し藤村さんの非正規社員の大量解雇の理由として、
 金融ビッグバン→株式市場の米国型化→四半期毎の行政の開示の野義務化→これを怠れば株主の代表訴訟→企業の1年単位の利益最大化→非正規社員の雇用は経営者に取って訴訟リスクを負ってまで守る対象でなくなる→今回の大量解雇
を上げていました。
 然し私は今回の大量解雇は企業はその防衛の為に非正規社員を切ったので、藤村さんの言う「株主代表の訴訟リスク」の恐れなどは二の次だと考えが公平な見方だと思います。
 それを容易ににしたのは、労働者派遣法の制定と労働基準法の改正と派遣会社の発生です。
・大企業は非正規社員を切ろうと思えば、請負会社と派遣会社との契約を切れば良い
・そして労働者を首にすると言う会社にとって人聞きの悪い評判や、企業倫理や企業の社会責任などの批判は全て請負会社と派遣会社(何故か両者ともよそ事のような顔をしている)が全て引き受けてくれる
・そして、請負会社と派遣会社はお客様である大企業には何も言えない
・そして、大量解雇の後始末は国や地方自治体がやってくれる
・そして、経団連の会長は「この問題の解決は景気の回復だ」と全て政府の責任だと言わんばかりの態度で済ます
 藤村さんは多分これらのことは全て判っていても、短い文章の中では書き切れなかったのだろうと思います。

[非正規従業員の実数を知らない企業のトップ]
 私はその藤村さんのホームページを見ていて、気になるエッセイ、検証日本企業の人事、正社員が競争力の源泉を見たので紹介します。
派遣労働者を受け入れると、派遣会社に代金を支払う。この費用は、企業の会計処理上、人件費ではなく物件購入費や管理費に組み入れられていることを読者はご存じだろうか。
・企業では派遣や請負な間接雇用の人数は末端の部門では判っていても、企業全体としては、正社員の数はわかるが、その他の非正規の社員の実体を知らない
・これで、本当に効率的な人事管理ができるのだろうかと心配になってくる。
・ある電機メーカーの人事部が各事業所の人事担当に調査を依頼して、間接雇用の人数も含めて集計した。すると驚くくらいの数の派遣労働者や請負労働者が働いているという実態が明らかになった。しかも、研究開発の重要な部分で派遣労働者が多用されており、自社の競争力の将来に不安を抱いたという。その結果その会社は正社員を積極的に雇用するようになった。
・サービス業のある会社で、「本当の人件費」、会計上の費目に関係なく、広義の人件費を計算すると、十年前とまったく変わらなかったそうだ。
・正社員の解雇が難しいために、数の調整のしやすさが派遣や請負を使うメリットだと考えられている。確かに、短期的には人件費の削減になり、コスト競争力を高めるだろう。しかし、中長期の企業競争力を考えると、必ずしも得策とは言えない。新しい財やサービスを生み出したり、斬新な仕組みを考え出したりすることによって出てくる競争力は、正社員によって担われているからである。人事部は.何が競争力の源泉かを見極め、それを強化する人事施策を展開しなければならない。

 企業の人事部、当然に企業のトップが非正規従業員の実数を知らないなど考えられないほど酷いと思いますが、藤村さんのエッセーには皆さんも御存知の方が多いと思いますが、かなりの注釈がいります。

[品物扱いの非正規従業員]
 正規の社員の費用は固定費として計上されます。
 私どもが働いていた製造業では一部を除いて設備の運転員はすべて正規社員でした。
 設備のメンテナンスや製品の流通などは業者に任せること多く有りましたが、それは変動費として処理されました。
 その場合必要な技術、設備や工具などは全て業者で提供していました。(最近の非正規社員の提供は単に人員の提供だけです。)
 その理由は勿論社外発注による経費の削減です。(藤村さんはこのことを多分書き忘れています。)
 大企業の社員は実際に受け取る給与は外注の社員のそれより多いのですが、企業の経理上では社員の給与の上に社員管理に関する膨大な間接経費が加算されるので、帳面上からの正規社員の費用と外注への(比較的少ない間接費を含む)支払い工賃の差は5~10倍近くにもなりますので、企業にとってもは外注の魅力は大きかったでしょう。
 中国などの台頭に伴う相対的な企業の競争力の低下のために、企業は労働者派遣法などを政府に請求して、昔は固定費扱いだった設備の運転員の費用を、外注化し経理上からも固定費の大幅な削減をしました。
 そして外注の労働者のみの導入は変動費で処理されました。
 変動費だから企業の業績が悪いときに、部品納入の下請けへの発注を削減すると同じように、非正規社員を削減することが出来るし、固定費である程度身分を保証された従業員を首にするなどに伴う良心の呵責の念など感じずに済みます

 然し正規社員も人間です
 そんなに遠くない昔は、企業の人員の大半を占める設備の運転をする人達も小集団活動で改善提案などして来ましたし、それが企業の業績向上に大きく貢献して来ました
 現在の製造業やサービス業ではその設備の運転をする人達の大半を身分不安定、安い給与の、当然のように意識の低い非正規社員で占めています。
  技術とチームワーク(それも成果主義の名のもと壊した?)しか売り物のない企業がどうして世界で勝ち抜いて行くのでしょう

 自由主義経済、グローバル化、規制改革の名の元で、長期的視野に立った企業の経営をその場限りの経営にし、従業員の首を切って企業の業績を上げた株主と経営者だけが儲かることで、改善活動やチームワークを誇っていた従業員の意欲を低下させるなどを、米国の陰謀だと言う人もいる様です。
 その真偽はとにかく、米国は自国の都合の良いとばかり言うと非難しても仕方がありません。
 日本がお手本のしてきた、その米国の金融も製造業の中心のビッグスリーも破綻をしています。
 日本は、日本人は、日本の企業はどうあるべきかを考え直す時期に来ていると思いませんか。

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不毛の臨時国会と定額給付金

2008-12-25 14:44:44 | 麻生内閣

 昨日で臨時国会が終わりました。
 これに付いて毎日を除く全国紙は社説で論評を加えています。
 結論はいずれも不毛の政治で良いのかと言う似たような論調ですが、どちらかと言えば、読売
は各党の批判だが公明党と民主党の批判が中心、朝日は如何にも朝日らしく完全な政府・自民党批判、産経は麻生さんに同情的で民主党批判の傾向がある様です。
 そこで私の考えに近い読売の社説をベースに私の考えを書いて見たいと思います。

 麻生首相は衆院解散に踏み切れず、小沢民主党は解散に追い込めなかった。解散含みで議員は落ち着かず、政策論議は置き去りにされた。
 首相は冒頭解散を打つ腹づもりがあったからだろう。
 しかし、発足早々の麻生内閣の支持率は思いの外伸びず、米国発の金融危機が拡大した。これらが首相に解散を逡巡させた。
 発足早々の麻生内閣の低い支持率は、総裁選の裏を見透かしたようなマスコミの報道にも原因があると思いますが、与謝野さん、中川さん、舛添さん以外は取って付けたような閣僚を決めた麻生さん、マスコミからつけ込まれると判っているのに、総裁選中から閣僚の名前が出るような、脇の下の甘い自民党にも大きな責任があると思います。
 それでも、自民党執行部や公明党は「10月末解散」で動いた。首相はこれを見送った。「選挙の顔」として選ばれた首相に対する与党内の反発が広がった。
 首相が、「政局より政策」のスローガンの下、景気・雇用対策に邁進すれば活路も開けたろう。
 だが、首相は、追加景気対策を盛り込んだ第2次補正予算案を延長国会に提出しなかった。
 この理由は公明党提案の不人気な定額給付金について野党からの攻撃を恐れたためだと言われており、その結果が今回の麻生さん支持の急落に繋がったと言うのが定説の様です
 政局でも政策でも、一貫性を欠いた首相の姿勢に、強い批判が出たのは致し方ない。
 首相は不用意な発言で、2割台に落ち込んだ内閣支持率を今後盛り返していくのは、容易でないだろう。
 一貫性を欠いた首相の姿勢は党内基盤が弱い麻生さんの自信過剰が招いたもので、麻生さんと共に彼を支えなかった自民党にも責任があると思います。
 公明党が、解散日程や消費税率引き上げ問題などをめぐり、自説を主張するのは是としても、党利ばかりにこだわっては、政権与党の責任は果たせまい。
 読売では触れていませんが、福田さん時代に国民に不人気な定額減税→定額給付金に固執して、自民党の足を引っ張ってきた公明党の責任は大きいと思います。
 一方、野党・民主党の国会運営も右往左往した。
 衆院解散が見送られると、一転して協力姿勢を捨て去った。改正新テロ対策特別措置法も、衆院は短時日で通過させたのに、参院では、採決の与野党合意をほごにして引き延ばしを図った。
 会期末近くになって、参院に提出した雇用対策4法案では、わずか2時間半の委員会質疑の後、これみよがしに可決した。何のために採決を強行したのか、首をかしげざるをえない戦術だった。
 雇用法案は政府案との共通点も多かった。景気が後退する中での緊急課題に関し、与野党が政策協調できなかったことが、今国会の不毛ぶりを象徴している。
 民主党は、雇用法案廃案に抗議して衆院解散要求決議案を衆院に提出したが、否決された。自民党を揺さぶる狙いもあったろう。その政局至上主義は、国会閉幕まで変わらなかった。
 民主党に対する読売の批判については同じ意見で特に付け加えることはありません。

 朝日はその社説の中で
 (政策には)
スピードが大事なのではないのかという批判には、正月が明けたらすぐに通常国会を召集し、短期間で2次補正を成立させるから大丈夫と言う。
 だが、その2次補正には野党が反対する2兆円の定額給付金が入っている。民主党は定額給付金の切り離しを求めているが、首相は「その考えはない」と言う。衆院の3分の2の多数で再議決してでも実現させる構えだ。
 これでは民主党にけんかを売ったに等しい。野党が参院で抵抗すれば、再議決まで60日間もかかる。2次補正が執行できるのは3月半ば。来年度予算はさらに先の話になる。
 首相は本気で「大胆な実行」を急ぐつもりがあるのか、それとも総選挙での政治決戦に向けて民主党との対決をあおろうとしているのか。国民は戸惑うばかりではないか。

 朝日の指摘は正しいと思います。
 もし2次補正予算案が可決しなくて、雇用情勢が緊迫化しているなかで、再可決まで60日間も掛かる間の批判の矛先が自民、民主のどちらに向くかは明らかです
 こんな事で更に麻生さんの支持率が落ちればもう致命傷になるでしょう。
 私は定額給付金を民主党の言う様に棚上げするか、それともマスコミや識者が言う様にその資金を一括して他の目的に使うほうが良いと思います。
 麻生さんが民主党の求めている「定額給付金の切り離し」の拒否姿勢を貫くのなら、その資金を国民の理解を得られやすいを他に一括の目的に変換してはどうでしょうか。
 問題は衆院選で協力が不可欠な公明党との調整と思います。
 公明党が今でもどれだけ定額給付金にこだわっているのか、改めて腹を割って話しあったらどうでしょうか
 それ位の目的の変更は「百年の一度の危機」など何で理由をつけることが出来ると思いますし、それで麻生さんの支持率が落ちる事はないと思います。

 政界再編が良く言われていますが、一番可能性が大きいのは民主党が政権を取ったあと、公明党が同党にくっつく可能性が一番大きいと思いますし、そうなれば自民党は万年野党に陥るでしょう。
 多分、麻生さんや自民党がそれを判っているだけに、公明党に遠慮ばかりして、麻生内閣の支持率を急落の危機を冒してまでして、同党の提案の定額給付金の入っている2次補正予算を来年回しにして来ました。
 今こそ麻生さんと自民党の大きな岐路に立っていると思います。
 残るは麻生さんと自民党幹部の決断だけだと思います。

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麻生さんと消費税値上げと構造改革

2008-12-24 17:36:08 | 麻生内閣

[消費税値上げ]
 麻生首相は24日午前、首相官邸で記者会見し、社会保障費の安定財源を確保するため、2011年度から消費税率を引き上げる考えを改めて表明した。
 その上で、税財政改革への筋道を示した「中期プログラム」に、消費税率の11年度からの引き上げを明記したことに関連し、「責任ある政治というもので、国民にお願いするということだ」と述べ、次期衆院選の自民党の公約に反映させる考えを示した。
 民主党が08年度第2次補正予算案から定額給付金の切り離しを求めていることについては、「今その考えはない。ベストの案だと思って作り上げた」と拒否した。民主党は、定額給付金を切り離さない場合は、来年1月5日召集の通常国会の代表質問(6、7日を予定)に応じない方針を明らかにしている。
読売新聞
より)

 麻生さんは2011年度から消費税率引上げの持論を飽くまでも通しました。
 これには読売は党内で麻生さんの顔を立てたのだろうとか、党内の反発があり問題含みだと批評しています。
 公平に言って麻生さんが前言をいつもの翻さないで、その支持率を下げず済んだと言うのが麻生さんを支持している人達の実感でしょう。
 然し前にも書きましたが、「たかじんのそこまで言って委員会」では何人の人達から、麻生さんがこれを持ち出した勇気を評価しています。
 そして私も麻生さんが消費税引上げを次期衆院選の自民党の公約に反映させる考えにも賛成です。
 民主党はこれを避けた、また色々の前提条件をつけた公約にすると思いますが、これで仮に自民党が負けても、これからは消費税論議は避けられないことになるのは、この問題を先送りしてきた日本のために良い事だと思います。
 消費税値上げには与党から景気が回復してからの条件がつき、麻生さんもそれに加えて、構造改革を行った後と言う条件を付けていました。
 これからもなお消費税問題は紆余曲折があると思いますが、この問題では麻生さんが粘るだけ粘って欲しいと思っています。

[構造改革]
 消費税値上げの条件として麻生さんは構造改革を約束しました。
 これも是非消費税問題と同様に発言が振れないことを期待しています。
雇用・能力開発機構」の統廃合
 所がこれに関して問題になっているのは、麻生さんが構造改革に消極的だとの党内若手やマスコミからの批判があることです。
 その実例として、自民党行政改革推進本部が独立行政法人「雇用・能力開発機構」を統廃合するとした政府案を了承したことに対して、同会議に出席した元行政改革相の渡辺喜美さんが、「役所の権限を温存するものだ」、「税金の無駄遣い」、「今までやって来た行革はなんだったのか」と怒っている様子がテレビに流れました。
 然し行政改革推進本部の責任者や、政府案を内定したと言う舛添さんや甘利さんの話が全く表に出てきません。
 これでは麻生さんも自民党も改革に意欲がないことを証明したようなもので、また自民党や麻生さんの支持率が下がるでしょう。

 雇用・能力開発機構の業務の内容を覗いてみますと
 雇用開発に関する業務
 雇用管理に関する相談等
 中小企業の雇用創出、人材確保等のための助成金の支給、相談等
 建設労働者の雇用の改善のための助成金の支給、雇用管理研修の実施等
職業能力開発に関する業務
 公共職業訓練の実施、事業主等の行う職業訓練の援助等
 労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上についての労働者等に対する相談等(キャリア・コンサルティング)
があり施設としては廃止が決まっている「私のしごと館」の他には、職業能力開発総合大学校、同短期大学校、職業能力開発促進センター、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)、生涯職業能力開発促進センター、都道府県センターなどがあります。
 政府の離職者の職業訓練の強化の方針によれば、正に今これらの施設のフル活用が期待されるものばかりで、渡辺さんの言う様に行革案のまったくの骨抜きとばかりは言えない状況のようです。

 政府も自民党も渡辺さんの一個人の発言だと無視せずに、同特殊法人の合理化についての考え方を国民に判りやすく説明をしなければ、また構造改革に不熱心な印象を与え、渡辺さんが発言がまた麻生さんや自民党の支持率低下に貢献するでしょう。

省の地方局の廃止・統廃合
 次の構造改革の問題は国土交通省の地方整備局や農林水産省の地方農政局を廃止・統廃合の問題です。
 麻生さんは地方分権改革推進委員会に対しその方向で作業を加速するよう指示し関係閣僚にも協力を求めたそうです。
 これに対して、読売はその社説で
 国交省は、国直轄国道の整備・管理事務の18%、一級河川は総延長の7%の地方移譲案を提示しているにすぎない。農水省は、より消極的で、ほぼゼロ回答だ。
 「地方重視」を掲げる麻生首相は9月の所信表明演説で、出先機関見直しについて「私が決断する」と明言した。今回の指示を単なる決意表明にとどめてはならない。見直しが中途半端にならぬよう第2、第3の指示を出すべきだ。
と書いてます。

 幸か不幸か麻生さんは、解散などせずに職にとどまる積もりのようです。
 それで地方分権改革推進委員会の回答を受けとることになるでしょう。
 麻生さんは官僚は「敵ではなくそれを上手く使うことだ」と言い、官僚には「省益より国益を優先」するように言いました。
 私は麻生さんが官僚を上手く使う一方で、地方移譲案に対してゼロ回答するような省庁の幹部を更迭する位の強い決断をして見せれば、内閣の支持率が一気に上がると思うのですが、また官僚や族議員の反対にあうかも知れません。
 その時は是非とも、消費税値上げのように強い決意でことに当たって貰いたいものです。
 言い方は大変失礼ですが、麻生さんはもうこれ以上落ちる事は無いのですから。
 それよりも同じ負けるのなら、麻生さんの後々の政治生命に障らないような負け方をして欲しいものです。
 古い諺ですが「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」で、麻生さんの強い決断が一気にその支持率を上げる可能性もあると思います。
 何故なら今の日本は強いリーダーシップを持った政治家の出現を待っているのですから。

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グローバル資本主義の見直し

2008-12-23 16:18:48 | 企業経営

 昨夜の私たちの英字新聞輪読会では珍しく早く終わったので、残りの時間は雑談に終わりました。
 話題はいつものようにあちらことらと飛んで、非正規社員のホームレス化、EUの中でワーク・シェアリングをしている国、俗悪犯罪の続出、鬱などの精神病の一般化、浮き世離れした日本の国会などなど。
 私の「小泉さんが自民党を壊すと言ったが、今は日本も壊わしかかっているような気がする」との意見を出しましたが、「今このようなことが起こるなんて誰も想像しなかった」と年寄りの私にやんわりと反論されました。

 たまたまその夜ネットを覗いていると産経の「正論」に多摩大学教授の中谷巌さんの「世界大不況をどう克服するか」と言う論文を見つけましたのでその内の日本として考えなければいけないと思う部分を紹介します。
各国一丸での財政出動とグローバル資本主義の見直し
 世界経済は大不況局面に入った。この不況を克服するには少なくとも3、4年、長ければ数年の期間が必要なのではないか。
 重要なことは、日本を含む世界各国がこのことを深く認識し、協調して大規模な財政出動に踏み切ることである。間違っても自律的回復に委ねるといった新自由主義的発想に回帰するようなことがあってはならない。グローバル資本を国境を越えて自由に動き回らせることが「正義」であるとした新自由主義こそ、今回の危機の主たる原因であることを思えば、それは間違いなく自滅行為である。
・市場原理主義とは決別を
 アジア通貨危機は、グローバル資本がちょっとした情勢の変化をきっかけに大量に流出したために発生した。今回も、アイスランドのような小国に分不相応な巨大な資金が流入し、一時期、同国は未曾有の繁栄を享受したが、今度は一転して、それら資本が大挙して流出したため、国の存亡を問われるほどのダメージをうけた。
 このように、グローバル資本という名の「モンスター」に「鎖」をつけないことには世界経済は、今後とも極度に不安定な状態に身を任せざるを得なくなる。しかし、人類が「自由」という禁断の実を食べてしまった以上、人間は「自由」を完全に捨て去ることはできない。「自由」のない計画経済では元も子もなくなる。
 他方、だからといって、資本の側から出され続けるであろうとめどもない「自由」への要請に対して、適度の自制を求めるような強力な国際的取り決めができなければ、世界経済は「自由」によって滅びることになるだろう
 子供が父親からの厳しい躾なしには健全な大人として育ちえないように、グローバル資本主義が健全な地球市民として成熟するためには、それ相応の厳しい国際的な規制が必要なのである。この点についても、国際協調は待ったなしである。少なくとも、規制などなければないほどよいという「市場原理主義」とはわれわれはもうそろそろ決別しなければならないのである。

 私はこれを見ていて欧米各国が世界中を植民地化した後、日本も同じ真似をして最後に日本だけが侵略国家と決めつけられると言う「ババ」を引いた ことを直ぐ連想しました。
 勿論この連想は正確ではありませんが、グローバル化の名前のもとで、日本も欧米各国の真似をしなければ、乗り遅れてしまう と言う強迫観念で同じ船に乗ってきたのでしょう。
 輸出に頼る日本としては、市場主義経済の恩恵を受けて来ましたし、逆に中国の台頭で競争力が相対的に低下し、その対策として賃金が安くて何時でも首切りが出来る非正規従業員の採用で何とか凌いできましたが、結局は金融・経済の危機で中谷さんの言う様なグローバル化の波に日本も翻弄されているのでしょう。

 私は06年の8月のその場凌ぎの政治から抜け出すために
から何度か米国型の市場経済中心主義、米国中心の経済、そしてそれが少し可笑しくなりかけている今でも米国追随一辺倒でよいのか、など日本の実情や日本人の心情にあったシステムの導入など、基本的な問題を考えるシンク・タンクの必要性を書いて来ました。(*注記)
 そして私の心配が幸か不幸か殆ど当たってしまいました。
 然し素人の悲しさで、今回の金融危機に際しての米国と欧州各国の対応の差を見て判るまで、自由主義経済やグローバル化の話には首を捻っていても、それが正確には米国型の自由主義経済やグローバル化であることを始めて実感しました。

 日本は米国のヘッジファンドのためにアジアの通貨危機が起こったときはEU各国と協力して、自信をも持って自由主義という名の金融資本の横暴を止めるよう米国に注文をつけるべきだったような気がします。
 それが安倍さんの言う主張する外交です。
 然し事実は飽くまでも米国追随一本槍で今までやってきました。
 多くの企業は米国を真似た成果主義の導入で日本の強みだったチームワークが弱まり、生産工場では派遣社員という名のロボツト化で何時でも首を切られると言う、かっての家族主義的経営から、かさかさした米国型の経営になってきました。
 米国並みの経営をすれば結局は資本力の差、中国のように低賃金と言う競争力の差で勝負が付いてしまいます
 今回の日本で起こっている非正規社員の首切りに伴う問題の原因となっている労働者う派遣法など労働者問題の関係法案の見直しも中谷さんの言う様に何もかも自由でなくて、何らかの規制(私の意見では日本人の心情にあった)を加えるべきだったと思います。
 そうしなかったために今回の問題についても大企業は減産を決めただけで、「首を切ったのは、請負会社か派遣会社なのでその責任は彼らにあるので、後のことは知らない、それから先は行政の責任だ」と言う日本人の心情に反した好き勝手な発言になるのです。(もっとも世論の反発に会って何社かは契約が切れてあとも宿舎を期限付きで提供し始めたようですが。)

[日本のこれから]
 経済面で言えば、中谷さんの言う規制のかかった自由主義経済、私のようなずぶのど素人でも判るような、米国中心の経済の見直しや、日本の国情や国民性にあった日本型市場主義経済への見直しをし、そのような日本の考え方を世界へ発信する時期が来ているような気がします。

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*注記:参照[その場凌ぎの政治から抜け出すために]シリーズの関係分
      その場凌ぎの政治から抜け出すために (06/8/09)
      石油問題と米国との関係の見直し (08/01/20)
      日本経済と社会問題の見直し (08/01/23)
      その場凌ぎの政治から抜け出すために(3) (08/08/14)
      評価の高い日本型経営 (08/11/23)

 


次の総理は誰に

2008-12-22 16:43:41 | 麻生内閣

[次の総理は誰が良いか]
 昨日の読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」で次の総理は誰が良いと思うかと言う質問があり出席者から次のような名前が出ました。
 それに対するパネルやゲストの国会議員のコメントの内、印象に残ったものを纏めてみました。(括弧内は推薦した人のコメント)
 ただし既に亡くなっている人については省略します。
安倍晋三さん
 金 美齢さん(10年後に)
 自民党の世耕弘成さん(自民党が野党になったとき)
  確かに安倍さんはしっかりしたビジョンを持っている。
  彼が選挙に負けたのは年金と政治と金の問題で彼の所為ではない。
小沢一郎さん
 民主党の原口一博さんと福山哲郎さん
  民主党は選挙後も小沢さんを本気で担ぐのか、小沢さんしかいないのか。
  選挙後も小沢さんの言いなりでやって行くのか。
  民主党は小沢さんの他にいないのか。
  原口さんと福山さん:小沢さんは変わった、小沢さんは私たちのないものを持っている。
  岡田さんや前原さんなど首相候補者も多く居る。
塩川正十郎さん
 桂ざこばさん(大阪から総理大臣が出ていないから)
  安倍・福田・麻生の各内閣で何故塩川さんのような重鎮を置かなかったのだろう。
後藤田正純さん
 高田万由子さん:(本人も良いが奥さんの水野真紀さんがファースト・レディに相応しい人だから)
  三宅さん:自民党の総裁選のとき賑やかにするために後藤田さんも候補に立つ様に言ったのだが。
  麻生さんの支持率が落ちた最大の原因となった第2次補正予算案の翌年廻し麻生さんの言ったのは誰だ。
  「自民党3役です」と渋々世耕さん。
  自民党を飛び出して第3極を作ると言うが、自民党の若手達が立ち上がって自民党の世代交代を図るべきではないか。
小泉純一郎さん?(私の記憶が確かでない)。
 森本 敏さん
渡辺喜美さん
 宮崎哲弥さん(少し軽いけど)
前鳥取県知事の片山善博さん
 田嶋陽子さん(自治省と県知事と言う裏までしっている人に地方分権をして貰いたいから)
与謝野馨さん
 後藤田正純さん(祖母の晶子さん譲りの強い信念と幅広い識見を持っているから)

 小泉さん以下については特に記憶に残るコメントはありませんでした。

[少ない首相に相応しい人?]
 この番組の参加者の傾向から言えばある程度この様な傾向が出るのは、予測出来る事だが、皆が推薦した人の中で、誰にでも納得できるのは安倍さんと小沢さんしかいないようです。
 しかも民主党の二人への質問のように、またその回答に見る様に小沢さんには多くの問題点が内在しているようです。
 どう考えても小沢さんは策士として、野人的な麻生さんは自民党の要職で、与謝野さんはその政策で、首相を支えるのが適任のような気がします。
 残る所は安倍さんだけです。
 民主党の二人が上げた、岡田さん、前原さん、自民党で私も先日のブログでも書いた後藤田さんなどが居るがまだ若くてこれからの人達です。
 政界再編の軸?としてテレビに顔を出し出したYKKKの山崎・加藤・菅・亀井の4氏はどう見ても首相の器どころか、もう過去の人になりかかり、中には次の選挙さえ危ないと思われる人達もいるようです。
 昨日のテレ朝の「サンデー・プロゼクト」中川秀直さんが田原総一朗さんからで政界再編のキーマンとして第3極作りをけしかけられていましたが、自分たちが支援した小泉改革の負の部分のお蔭で、自民党が瀕死の状態にある反省も総括もなく小泉さんを担ぎだしたり、反麻生と思われる言動をして、麻生さんや自民党のの支持率するなど、とても首相の器とは思えません。
ない。
 その他考えられるのは、ビジョンを持ち、誠実、筋をとおす平沼赳夫さんが居ますが、何しろ無所属で、私が何時も書く様に今の所は、政治の停滞を防止する第三極つくりの中心人物として大いに期待されている様です。

[安倍さんしか居ないのか?]
 私は金美齢さんと似た意見を持って、安倍さんがまだ元気なころから、安倍さんは一度首相の地位を退き、首相時代の反省をしその経験を活かして、再度首相になるべきだと書いて来ました。
  その安倍さんがあのような形で辞任するとは思いもよりませんでしたが。
  然し安倍さんのしっかりしたビジョンと動かなし方針は首相としての資格を充分に持っているとまだ思っています。
 私は日本のこれといった首相に値する人が見つからない限り、安倍さんの再起を待っています。

[何故大物の政治家が出ないのか]
 それにしてはどうして大物の政治家が出ないのでしょう。
 その一つの原因は、日本では
・小選挙区でいつも党のトップの顔を伺わねば政治家として生きて行けない仕組みや、
・今や日本もの一大権力組織ななったマスコミが、政治家の失言などを過大に取り上げるため、所謂そつのない小物の政治家
ばかり育ててきたことにもある(勿論政治家自身の責任ですが)ような気がします。
参照:政治を矮小化させるマスコミ

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官僚組織の合理化と政治

2008-12-21 16:38:05 | 公務員制度

 昨日の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」で元総務相の片山虎之助、官僚出身で前鳥取県知事の片山善博、前矢祭町長の根本良一の各氏と現役の大阪府知事の橋下徹、宮崎県知事の東国原英夫、元衆議院議員で横浜市長の中田宏、松山市長の中村時広の各氏を集めて地方から見た政府や官僚組織などへの批判や要望などが議論されていました。
 片山さんを除いてはいずれも革新派の首長や元首長ばかりです。
彼らの殆ど全てが、地方自治体の職員の大幅な合理化と約10~50%の人員数のをやっていますが、地方自治体では出来るのに何故官僚組織の改革が出来ないのか考えて見ました。

[国と地方の政治組織の違い]
地方自治体
 地方自治体と政府組織の一番大きな違いは首長が住民の直接選挙で選ばれたことです。
 だからその人達は地方議会とは別の観点に立てる事、そして力は地方の議会と同等またはそれ以上の力を持っていること。
 そして特に前記の人達はその言動でマスコミので伝えられ、それが彼らへの支持の向上に繋がり、地方議会より大きな力を与えることになっていることです。
 だから松山市長の中村さんが言っていたように、市町村合併の際に膨れ上がった市会議員数の大幅な削減もできるのです。
 橋下さんのようの数々の暴言に近い発言をして、物議を醸すことがあっても、その強い支持率と橋下さんの決断があれば、大阪府の府職員の給与削減などの思い切った財政削減などが出来るのだと思います。


 日本の場合は総理大臣は政権与党から選ばれるのが普通です。
 だから総理大臣と言ってもその立場は国会議員と殆ど同じ立場です。
 だから与党の意向を無視する事はできません、特に麻生さんの様に党内基盤が弱い人はその理想が如何に優れていても、(今日のた「かじんのそこまで言って委員会]麻生さんの三年後の消費税アップを言ったことを皆が褒めていました)余程党内の根回しをしなくては時にはその発言が揺らいだり、党内から反対の意見が出ることになります。
 つまり実質的には善悪は別として、政権党が国を動かすことになっているのです。
 そのために国の経費削減で直ぐに出来て、国民の判りやすい、しかも実害が殆どない国会議員の定数削減が松山市の中村さんの市会議員削減のように、出来そうで出来ないのでしょう。
 民主党もひと頃は国会議員の定数削減を言っていた様ですが、政権奪回のチャンスが増えるほど言わなくなっているようです。

政治の停滞
 ねじれ国会になって政治の停滞が言われてからもう言い飽きた感じになっていますが、地方自治体でもし首長と地方議員の意向がことなってデッドロックに乗り上げても、首長が辞職して信を住民に問う事で事態は打開出来ますが、最近の例のように安倍さんが辞めても福田さんが辞めても、政権与党は次の首相として麻生さんを選ぶだけでお終いです。
 この最大の原因は選挙制度改革のときに参議院も衆議院とほぼ同じ制度に認めに、参議院が良識の府から衆議院と同じに政争の府になってしまったことです。
 この決定も政党間のいわば「なあなあ」で決まったのだから、参議院改革が叫ばれても、新しい総理大臣が如何にその気になってもどうにもならないのです。
 そして政治の混迷状態は続き、官僚制度改革の声にも関わらず、官僚の地位や身分は安泰です。

[官僚組織の合理化の余裕はあるのか]
 政治などは全くの素人ですが、これだけはあると断言出来ます。
 その理由はコンピューターなどの電子事務機の導入にともなう事務量が大幅に削減されても、官僚組織は戦後から殆ど合理化されいないからです。
 私どもが会社に入った当時は、技術者としての技術情報は全て手書きに写さねばなりませんでした。
 文書を作るのも手書き、正式の文書はスタッフの作った手書きの原稿を、専門のタイビストが一文字づつ拾って打つ和文タイプで打つ、大量の文書はガリ版で書いた原紙を謄写版で刷るしか道がありませんでした。
 それコピー機械が一気に解決したのですから、それだけで事務部門の作業量は2~3分の1に減りました。
 そしてご存知のように大型コンピューターの導入→スタッフの書いた原稿をパンチャーで打つ→それからパソコン導入とその高性能化→文書作成の事務量の大幅な減少です。
 それで戦後いらいいくら事務が複雑化したと言っても、その事務量は相対的に言って半分以下に減っていると思います。
 だから前の矢祭町長の根本さんが職員を半分に減らそうと思えば、職員に無茶に仕事量をを押しつけずとも出来た筈です。

 一方、企業では社内の自主管理活動で技術だけてなく事務手続きの改善活動を行って来ましたし、その成果を確かめるため企業は日本能率協会などから経営や事務処理についての外部の診断をして貰って来ました。
 だから政府官庁も職員の事務改善運動を行えばいくらでも合理化の余地は見つかる筈だし、外部からの監査を受け入れると、多分一つの省庁だけでも千件にも及ぶ指摘箇所がでるでしょう。

[麻生さんがやらねばならぬ、しかも出来ること]
 今の麻生さんに出来る事は、強い決断を持って強引にことを進め、マスコミの報道と言う支援のもとに支持率を上げることです。
 その一つ例が、麻生さんの指示によると言われる国の出先機関の統廃合とそれに伴う35,000人の人員削減にゼロ回答など消極的な回答があれば断固とした決意で、該当所管省の事務次官の更迭など思い切った対応をすること位しかないような気がします。
 そうすれば国民からの支持率のアップなど、瀕死寸前の麻生さんにも道が開くけると思うのですが。

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ビッグスリーに学ぶこと

2008-12-20 16:39:45 | 企業経営

 昨日のエントリーで日本企業が今のままで行くと米国のビッグスリーの後追いをすることに成りかねないと書きましたが、今日はそのビッグスリーに代表される、米国流の経営のやり方と従来の日本の経営を考えて見たいと思います。

 それで米国企業を代表するGMの歴史をWikipedia
で拾って見ました。
・戦後、1950年代にはGMはアメリカ最大の会社となる
・オイルショックによって小型車の需要が高まると、いすゞ等の開発協力を得たモデルなどの販売戦略の転換が進められたが、品質と生産性の悪化が顕著となる

 当時の日本の企業は米国から導入した品質管理の概念の実用化と生産管理の改善と生産性の向上に取り組んでいました。
・1984年にはトヨタとの合弁会社設立、QCに関するノウハウの吸収に努め、国内の工場のリストラ、労働条件の引き下げといった生産性を向上する取り組みにも着手
 日本のQC活動やノウハウは企業の家族的経営と修身雇用→企業への忠誠心→自主管理活動から生れたものです。
 そのころ景気の変動もありましたが、余った従業員は関連会社などに出向させて何とか雇用を確保していましたし、中には新日鉄から冠婚葬祭会社まで出された人さえいたそうです。
・1990年代を通じたアメリカの好景気は、フルサイズSUV・ピックアップトラックなどの需要を生み出国内のシェア低下には歯止めが掛からなかったものの、高い利益率維持
・2000年頃からは環境保護問題の高まりなどで、消費者の嗜好は再び燃費の良い車にシフトしたが、GMは小型車部門のジオを整理・縮小していた。
 日本の企業は長期的なスパンで考えて燃費の良い車の開発に専念したのに、GMは企業は自分の物だと思っている株主の短期的の利益の要求に応えたのでしょうか?
・9/11直後に販売量が落ち込んだ際には、生産量を落とさない方針を採ったため在庫が増加。在庫を捌くために販売店へのインセンティブの上乗せや値引き販売を激化させる悪循環に陥り、2005年までに企業収益は一気に悪化し、格付け会社からは社債を「投資不適格」にランク付けされる
 自分だけ儲けさえすればよいと言う米国の株主は当面の配当が良ければ、そのため後の企業の業績が下がっさてもその前に売り抜ければ良いと考えいたのでしょうか?

 日本企業、特に製造業では、労働基準法のために長時間の労働の制限があり、労働組合の存在のためにサービス残業などさせられないと言う厳しい条件の中で、何とか生産性を向上させ、自主管理活動の一貫としての改善活動でその技術を向上させ、何とか世界の企業の太刀打ちできる力を持って現在まで来ました。
 逆に言えば厳しい規制と労働組合の存在が、結果的には企業の競争力を付けて来たのだと思います。
 (正確に言えば日本全体の生産性が低いと言われているのは、事務部門、流通・農業などの他の部門の総合的な生産性が劣るため、そして技術面での弱点は大学での基礎技術の研究が弱いことだと思います。)

 今回の雇用問題は、低賃金でしかも何時でも切れる非正規従業員の導入と言う、一昔のように多くの人達の意見を取り入れてこつこつと作り上げた生産管理システムに比べて、余りにもイージーゴーイングなやり方が今回のような問題が起こっているのだと思います。
 政府が言う様3万人が離職とそれに伴う社会不安、しかも少子高齢化のなかでは輸出減に対応する内需拡大など出来る訳はありませんし、テレビでも今それを言う専門家も殆ど居なくなりました。

 これに対して企業にも言いたい所が一杯ありますが、昨日も書いたので今日はNHKの持論公論の「不安を減らす雇用対策をの一節を紹介します。
 
非正規雇用の人たちは、安い賃金で働かされ、いつ解雇されるかわからない不安を常に感じながら、働き続けなければなりません。しかも、セーフティネットの網からもこぼれ落ちてしまう。こうした人が働く人の3人に1人を占める今の社会、本当にこのままでいいのでしょうか。あらためて、議論しなければならないときに来ていると思います。
 一方で、厳しく問われなければならないのは、企業の姿勢です。今、住まいがないという派遣社員を突然、放り出しているのは、日本を代表する大手企業です。政府に規制緩和を求め、いわば、働く人たちを犠牲にして国際競争力をつけてきたはずなのに、世界的な不況の波にさらされたら、ひとたまりもないというのでは、一体、何のための制度改正だったのでしょうか。苦しくても、利益をあげている企業は多いし、これまで内部にためてきた資金もあります。役員の報酬を減らすなど、身を切る努力もしていません。それなのに、これまで、安い賃金で働かせてきた派遣社員を業績にかげりが出た途端、百人、千人単位で削減する。これで社会的責任を果たしていると言えるのでしょうか

 昨日も書きましたが
・成果主義重点よりチームワーク重点
・ドラスティックな経営より人を大切に扱う家族主義的な経営
・モチベーションを給与、昇進で高めるより、それに加えて企業への忠誠心で高める
・短期的な利益追求より長期的な発展
・企業は株主のものより、株主・経営者・従業員のものの考え
などGMが真似してきた日本の技術やQCの管理手法は、日本の経営手法が産んだものです。
  
そのような経営手法れを全て棄ててしまって、GMのやり方をそのまま真似したり、米国なみに経営者が大きな収入を得たり、先のことを考えずに当面の株主の要求に応えて配当を上げたり、非正規とは言え従業員をロボットや物扱いにして首を切ったりして、日本がいまのような厳しい市場中心主義経済の社会を勝た抜いて行くのでしょうか。
 このまま米国流そのままの経営をすれば、何時かは米国のビッグスリーの二の舞を踏む事になりはしないでしょうか。

 勿論中国などの膨大なしかも低賃金の新興国の台頭などで、相対的な日本企業の競争力が落ちていると言う厳しい環境の変化もありますが、このまま米国流の経営手法で良いのか、従来からの日本的な経営手法の良い所をどう活かすのかもう一度考え直す時だと思います。
 少なくても人的資源しかない日本が、その人達をロボットや物扱いにするのは、人道的にに許されないのは勿論ですが、経営面から考えも余りにも勿体ないと思いませんか

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泥沼の雇用問題

2008-12-19 17:25:41 | 麻生内閣

 皆さん、日本中で問題となっている雇用問題の動きは可笑しいと思いませんか?

政府・地方自治体
・麻生さんは経済・雇用対策として総額40兆円支出を表明
・地方自治体でも離職者対策を独自に始めた私の周辺で言えば、福岡県では離職者に対して3~40人の臨時雇用を発表、職業訓練対象人員を今までの3倍の2400人に拡げる、北九州市では雇用促進住宅を手配し安い家賃で離職者がホームレスにならない様に手配

自民党
 労働者派遣法制定や労働基準法の緩和などを推進した小泉グループはその責任に対して口を噤んだままで、反麻生とも取られる動きをしているなど何を考えているのだろうか。

野党
 雇用問題に関する法案を提出して、即日の採決を行い国会を混乱させている
 これに対して与党は採決を棄権したこと当然だが、共産党も採決を棄権してかっこよさを見せた。
 この野党の動きは反自民の旗印を揚げているテレビ朝日でも、麻生さんを追い込むためと批判するくらいだから論外だと思う。

大企業
・法違反かも知れない所謂「派遣切り」や内定取り消し
・契約した請負会社、人材派遣会社との契約を取り止めただけて、解雇しろと言ってはいないと言う
・離職者へ貸与したアパートの即時退去要求
・今解雇しなければ企業倒産によりさらに大量の解雇が出ると居直り発言?
・政府や地方自治体の雇用継続要請に対して、日本の景気回復が先決だと逆に要請
労働者派遣法制定や労働基準法の緩和を政府に要請した責任については口を噤んだまま
  政府や地方自治体の離職者の雇用や援助の動きに対して、他人事のような顔をした大企業は首を切る以外に社会や今まで使っていた非正規従業員に何もすることは無いのだろうか

請負会社
 従業員のクレームに対して受注した大企業に対して弱い立場にあるので、大企業に直接言ってくれというが、大企業はそれは請負会社の問題だからと受け付けない
 幾ら中小企業と言ってこんなことで済まされるのだろうか?
 これでいざ景気が回復したとき、そのような従業員を粗末に扱う会社に今までと同じように人材が集まるだろうか

人材派遣会社
 登録した人達にはただ仕事が切れただけだと済まされる。
 これで済むならこんな気楽な商売はない。
 これでは一昔厳重に取り締まられていた労働者のピンハネだ。
 
このような自分たちのしたことに責任が取れないか、何もない会社に存在価値は或るのだろうか

フリーター・パートタイマー
 ひと頃はパートは女性中心で、いざなれば家庭に戻れましたし、自分の理想の実現まではフリーターを続けるというカッコ良いと思っていた人もいたようだが、現在は自分で生計を立ている人、家族を養っている人、又将来は結婚して家族を持ちたい人達ががその主流、一旦正規従業員のラインから外れて、再び這い上がれない人達が主流になっているようだ。
 
 政府の動きは離職者の増加、ホームレスの増加の可能性、非正規従業員のと正規従業員の格差の拡大などに伴う社会不安の危険性を防止するにためだと思うが、大企業の動きはまるで日本の社会と隔絶した世界にいるようだ。

 一昔の企業の倫理観とか、企業活動を通じての社会貢献などの考え方はどこに言ったのだろう。
 大量解雇するときは、配当はゼロ、企業幹部は自主的な減給くらいの処置をしなければ、社会から受け入れられないと思う。

 グローバル化(正確には米国化)の声に煽られて企業の理念まで変えしまった行先は、米国のビッグスリーの後を追うことになりはしないか考え直すときにきていると思う。

 労働者派遣法制定などの規制緩和は経済が成長時期には上手く作用していも(私はそれでも反対だが)、経済の停滞期や下降期には上手く行かないことが、今回の事例が示していると思う。
 そして、日本経済は成長より停滞や下降が続く可能性が高いかも知れないを考えて置くべきだ。

[企業のあり方]
 企業の姿勢について全体的に言えば、
・成果主義重点よりチームワーク重点
・ドラスティックな経営より人を大切に扱う家族主義的な経営
・モチベーションを給与、昇進で高めるより、それに加えて企業への忠誠心で高める
・短期的な利益追求より長期的な発展
・企業は株主のものより、株主・経営者・従業員のものの考え
・固定した格差社会より(企業成長時期だから出来た)誰でも乗り越えられる格差社会
などが日本企業の得意なところで、これで今まで伸びてきた、しかも日本人の感性にあったやり方と思う。

 今回の雇用危機は企業の経営方針、労働者派遣法や労働基準法を再度見直す絶好の機会だと思う。

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公明党との関係の見直し(自民党と麻生さんの政策課題(5))

2008-12-18 16:01:39 | 麻生内閣

14日から書いている自民党の抱える問題点のシリーズの続きです。

[古賀さんの公明党との「選挙協力見直し」発言]
 最近のマスコミで公明党に関する報道が二つあった。
 その一つは古賀さんの公明党との「選挙協力見直し」発言だ。
 その内容は既知の事なので省略するが読売新聞
はその裏側の事情を次のように報じている。
・03年の衆院選から07年の参院選4回の選挙で小泉さんの郵政選挙を除いて全て比例区では民主党が勝っていること
・古賀さんが「自民党の政策で戦わなければ党組織が弱体化する」と指摘
公明党が定額給付金の支給や自動車重量税の軽減など、政策要求を強めていることに自民党の不満が高まっている
・選対委員の会食では、委員から「定額給付金をやめたらどうか」「支持者から『公明党と手を切って出直せ』と言われた」などの声が出た

[公明党提案の裁判員制度実施延期への動き]
 もう一つの動きは社民党と国民新党が裁判員制度実施延期への動きだ。
 それに付いて朝日新聞
は概略次の様に報じている。
 
社民党と国民新党が来年5月に始まる裁判員制度について、「制度そのものには反対しないが、国民の理解は深まっておらず、不安も解消されていない」などとして、問題点が解決されなければ実施を延期するよう求めていくことで合意した。今後、民主党や共産党にも働きかけていくという。
 両党の説明によると、市民が短期間でいきなり死刑判決を迫られる▽短期間で裁判を終わらせることが優先されると、被告の権利が守られない可能性がある▽守秘義務など市民の負担が重すぎる――といった点を問題視している。
 最高裁が今年4月に公表した意識調査では、積極的に参加意欲を示した市民の割合は15.5%にとどまっていた。

良くやった社民党と福島さん
 私は社民党の言動については余り評価しないことが多いが、裁判員制度に批判的に私としては今回の動きは称賛に値すると思う。
 褒めついでに言うと、
 社民党の福島党首は17日の記者会見で、自民党議員から麻生首相批判の声が上がっていることに対し、「総理も問題だが、自分の所属政党が危急存亡の時に、トップの足を引っ張る自民党の国会議員は麻生さん以下ではないか。自民党は政権末期だ。党が大変な時こそ党を支えるべきだ」と批判した朝日新聞
より)そうだ。
 確かに福島さんの言う事は筋が通っている。
 然し自民党の立場で言うと福島さんからこんなことを言われる様では、自民党も墜ちるだけ落ちたと言われても仕方がない。
 民主党の安住さんも似たようなことを言っていたが、自民党員は猛反省をすべきだ
 特に小泉改革を支え、外国人労働者100万人の導入を唱えてきた中川秀直さんのグループは改革の負の部分の如何に修正するか具体案を提案すべきで反麻生どころではないと思う。

[腐れ縁の自民党と公明党]
 近頃の公明党は自民党にとっては疫病神的な存在だ。
 自民党の比例区の国会議員の数が減っても公明党を推薦しなければならない事、国民に人気が悪い定額給付金、麻生さんの三年後の消費税増税反対、そして先々問題になるかも知れない公明党提案の裁判員制度
 然し同党(正確に言えば創価学会)の集票力に頼らなければならない、自民党に取っては俗に言えば「腐れ縁」で切ろうにも切れない。
 公明党提案の定額給付金への野党の追求を恐れて、最大の金融・経済危機に第2次補正予算案を来年廻しにしたことが、麻生内閣支持率急落の最大原因だと言われている、それが党内からの猛反発を招きまたそれがまたさらに支持率を低下させた。

[本音を隠した裁判員制度]
 死刑制度廃止を主張して来た公明党とそれと組んだ弁護士会の提案の目的ははっきりしている。
・公明党は死刑制度廃止を考えているが、国民の70~80%は同制度を支持している。
・素人が判決に参加すれば、たとえ極悪人でも死刑宣告に二の足を踏むだろう、それが死刑賛成の国民の世論に関わらず実質的の死刑廃止に繋がる
だろうと言う事だ。
   参照:これで良いのか裁判員制度

 その理由が裁判員制度の対象が、それが批判が多い民事裁判でなくて、殆ど批判のない刑事事件それも死刑か無期に相当する凶悪事件となっている理由だ。
 私は裁判員制度の実施間近になれば、後期高齢者医療制度の二の舞になり、それが政権与党の自民党の足元を揺るがすかもしれないと書いてきたが、今回の国民新党と社民党の動きはその前兆かも知れない。

[自民党が今やらねばならぬこと]
 私は自民党はその抱える当面の問題の定額給付金ついて真っ正面から取り組むべきだと思う。
 いまやマスコミで出る経済の専門家によれば、各家庭に金を配ってもその効果は知れている、むしろその資金があればそれを一纏めにして、雇用問題の解決に当てるか、学校の耐震度を上げることかの公共工事に当てるべきだと言うのが定説のようだ。
 麻生さんも自民党もここで、いざとなれは公明党の間がぎくしゃくしても良いくらいに、腹を決めて定額給付金に要する資金を他に回すことを協議したらどうだろうか。
 そうなれば民主党も第2次補正案に反対する理由が薄れ、自民党にとっても勿論日本にとっても当面の課題の一部でもクリアすることになると思う。

 ただでさえ自民党員がかなりの幅のある政策を持っているので、国民に取ってその方向が判り難いこと、その為に基盤の弱い麻生さんの発言の振れがその支持率の低下に繋がっている。
 ここで政策の違う公明党との関係を整理し、国民に判りやすい政治を目指すべきではないだろうか。

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避けて通れぬ消費税増税論議(自民党と麻生さんの政策課題(4))

2008-12-17 17:27:04 | 麻生内閣

14日から書いている自民党の抱える問題点のシリーズの続きです。 (*注記)

[後藤田正純さんの意見]
 昨日の朝、テレビのスイッチを入れると、テレ朝の「スーパーモーニング」で自民党の後藤田正純さん
が、民主党が雇用問題に関する法案を政府より先に提出されたことを鳥越さんなどからつつかれていたところだった。
 然し、話が政局に及ぶと後は後藤田さんの筋の通った話に皆が聞き入りだけでまるで彼のワンマンショーだった。
・渡辺喜美さんへ「今は吠え捲くるより、黙って麻生さんを支えて行くべき」と助言した
・今のように政治が流動化し、結果として何も進まないのは、自民党も民主党も派閥の持つ基本政策の幅が広過ぎことだ
・その為にはしっかりした信念を持った人達(渡辺さんを含む)を集めた第三の政党が必要
消費税増税は避けられない(他の人達の質問に答えて)挙の際はその政策を打ち出して戦うべき

 自民党に批判的な人達を集めた「スーパーモーニング」のコメンテーターや当日出演していた朝日新聞の三反園記者も彼の意見を聞き入るほかないほどに筋の通った意見だった。
 後藤田さんのホームページを見ると彼は与謝野さんの影響を受けての発言のようだし、その政治経歴も必ずしもすっきりしていないが、彼が日本の政治の将来を担う政治家の一人として成長して欲しいものだ。

[消費税増税]
 麻生さんの持論の3年後の消費税増税は、マスコミからは定額給付金というばら蒔きの後そんなことを言えば、国民の消費意欲を無くすだけだ、自民党からは消費税増税など言えば次の衆院選を戦えないとの批判が根強いが、麻生さんは依然として3年後の消費税増税に固執しているようだ。

 私は基本的には麻生さんの考え方に賛成だが、素人の私が色々書くより読売新聞の社説 の一部を引用させて頂く。
・社会保障費の「削減路線」はすでに破綻している。
・高齢化の進行に伴い、社会保障費は、毎年約8000億円のペースで自然に膨らんでいく。
・「削減路線」を維持する新たな財源としてたばこ税を引き上げ、1000億円規模の財源を確保して社会保障費にあてようとしたが、選挙への影響などを懸念する自民党内の圧力に押され、土壇場で見送った。 (たばこ農家の自民党への支持率低下を恐れた)
・雇用保険に拠出してきた1600億円規模の国庫負担を廃止する案、政府管掌健康保険への国庫負担1000億円を企業の健保に肩代わりさせる法案の成立はすでに断念した。
・後期高齢者医療制度の保険料引き下げなどに伴い、第1次補正予算でも、大幅な追加支出をしている。
・基礎年金の国庫負担割合を2分の1まで引き上げることについても政府の腰は定まっていない。
・法律で「安定財源を確保した上で2009年度までに実施する」と4年前から決まっていたにもかかわらず、 「安定財源の確保」を怠ってきた
必要な約2・5兆円を安定的に確保するには、消費税率を引き上げるしかない。分かっていながら、議論すら避けてきたツケだ。
・政府・与党は、来年度については特別会計の積立金、いわゆる埋蔵金を取り崩して帳尻を合わせる方針だが、安定財源とは言えない。
 読売の社説は社会保障費に限っての議論だ。
 それに加えて、麻生さんは経済・雇用対策として総額40兆円の支出を発表したが、少なくともそれに対する大きな反対意見は政界やマスコミからは出ていない。
 然しその財源についての議論は殆どされていないが、誰が考えても、この状況は単年度だけで済ませられる問題でなく、仮に埋蔵金で当面凌げても、麻生さんの言う様に景気回復が三年かかるとすれば、再来年度からは現在でも膨大な赤字国債の発行に頼るしかない
 そして現在の負担を次世代に残さないためには、今の苦しい財政状況の中では、消費税増税でこれを少しづつ返して行くしかない
 まさに麻生さんの言う様、消費税増税の経済(経団連は消費税増税を提案している)や国民の生活に直接影響する難しい問題を取り組むべきだと言うのは正に正論だ。
 そして後藤田さんが言う様にこの問題を堂々と掲げて衆院選を戦う考え方には筋が通っている。
 これらを阻む最大の原因は、これが自民党政権の命取りになるかも知れぬことだ。
 自民党やマスコミは麻生内閣の支持率急落までは、民主党の政局至上主義を批判し国民のほうに眼が向いていない批判してきた。
民主党を批判してきた当の自民党が政局ばかりに眼を向けて、世論調査の支持率は見ても、長い眼で見てどうすれば国民のためになるかには眼を向けていないこと
・後藤田さんが指摘したように、派閥の政策の違い→党内基盤の弱い麻生さんの政策のぶれ
・そしてそのためにやらねばならぬことが判っていても出来ない自民党政治への批判
が麻生内閣の支持率の急落に繋がっているのだ。

 政権交代論者の私の立場から言えば、私は麻生さんがその持論を通して与党を説得し、場合によっては、消費税増税を公約にして衆院選を戦って貰いたいと思う。
 国民は世論調査でみるように所得税増税にある程度の理解を示している。
 国民は選挙に不利になる増税を敢えて打ち出して戦う麻生自民党の本気度を評価するかも知れない。
 それで仮に自民党が負けても、少し頼り無い所もあるが国民が一度はやって貰っても良いなと思う民主党がいる。
 頼り無いと言えば自民党も同じだ。
 前にも何回か書いた様に、価値観の全く違う社会党が野党第一党の時代は終わったのだ。
 村山さんを担いだだけのことが、今まで、そして将来までずっと引きずるかも知れない日本人の歴史観の問題や、その下にいた河野さんの慰安婦発言に繋がっているのだ。
 民主党は私の希望的観測だか、少なくとも旧社会党のように、日本の将来に大きな禍根を残すことはしないだろうし、党自身のためにも社会党の二の舞をすることはしないと信じたい。

 例え自民党が消費税のことで負けても、消費税増税を大々的に議論することは日本の将来にとって大きな価値があると思う。

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*注記: [自民党と麻生さんの政策課題]
自民党政権が国民に負うべき責任

・先進国の中で飛び抜けて大きい債務残高
・戦後から殆ど手つかずの官僚制度
・日本人の国民性に合わない労働者派遣法の制定と労働基準法の改正

国民が自民党と麻生さんに求めているもの
・首相の強いリーダーシップ
・適切な経済対策

自民党として考えて欲しいこと
・自分より国民優先、国民からいつも見られていること
・首相を中心とする挙党一致
・戦う姿勢を忘れぬこと
・筋を通すこと
・筋を通すためには次期選挙戦の敗戦を恐れぬこと
・社会党が野党第一党時代の甘い時代のことを忘れること

(太字は今日のエントリーに関係する問題)