普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本が第二次大戦で負けたことの功罪

2009-08-17 15:33:41 | 政策、社会情勢

 昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で、何故日本が大東亜戦争を始めたか、日本がそれに負けて良かったか悪かったかの討論がありましたが、これについての私の考え方を纏めて見ました。

[日本が無謀な戦争を始めた原因]
 番組では「軍部を抑え切れなかった政治家の無能」の意見が大勢を占めていましたが、私が昨日も書いたように、それ以上と言うかそれ以前と言うか判りませんが、五・一五事件や二・二六事件発生当時の日本の不況を余所に政治家達の党利党略の争いに対しての、国民の政治不信が、下記の日本の歴代の首相の出身を見ても判るように、次第に軍部が政治の実験を握らせ、民間の政治家たちの軍部の暴走に対して制御不可能になっていたと言うのがより真相に近いと思います。

五・一五事件から敗戦までの歴代の総理大臣

 田中義一(陸軍から政友会に入る)→濱口雄幸(民政党)→若槻禮次郎(民政党)→犬養毅(政友会、五・一五事件で死亡)→齋藤實(海軍)→岡田啓介(海軍、二・二六事件)→廣田弘毅(外務官僚)→林銑十郎(陸軍)→近衞文麿(火曜会、支那事変勃発)→平沼騏一郎(枢密院)→阿部信行(陸軍)→米内光政(海軍)→近衞文麿→東條英機(陸軍、対英米開戦)→小磯國昭(陸軍)→鈴木貫太郎(海軍、終戦の詔書を発布)→東久邇宮稔彦王(皇族、米国の占領下) (黒字:政党の幹部、青字:民間人、黒太字:軍人)
 これを見ても判るように政党出身の首相は犬養毅さんの暗殺以来全く無くなり、それ以外の民間人と軍出身者、遂には殆どが軍人ばかりの首相となっています。
 つまり政治家への不信が廻り廻って無謀な開戦に繋がった大きな原因となったのです。
(なお今日のエントリーは比較的短いので五・一五、二・二六事件のころ流行っていた青年日本の歌(昭和維新の歌)の内容をご参考までに*注記で紹介して置きます。
 私たちも子どものころ意味も判らずに歌っていた記憶がありますので、少なくとも決起した青年将校のやった事に問題がありと知りつつ、多くの人達も彼らの心情に同情していたのではないでしょうか。)

[日本が戦争に負けて良かったことと、考えねばならぬこと]
 たかじんの番組ではパネルの人達全員が日本が負けて良かったとフリップを出していました。
私の考えでは、
・良かった点
 日本が軍国主義から脱却できたこと
 地主、小作農の開放が進んだこと
 日本経済の建て直しに集中できたこと

・考えねばならないこと
 世界の現実無視の理想的過ぎる憲法が押しつけられた
 日本古来の美風無視の教育が浸透し多くの弊害をもたらした
 日本のしてきたことは全て悪、米国のやってきたことは善の色眼鏡をかけされられたために、物事を真っ直ぐに見ることが出来ない人達が現れた
 一部の国民が日本人としての自意識やプライドを無くした
 上記のような諸理由のために、外交・国防・貿易など何もかも米国依存、(年次改革要望書や「旗の見える協力要請」のように)米国の言うことは皆正しいと考える風潮が拡がった 
 戦前の民政党・民政党の対立から、戦後は自民党と復活した左翼の社会党と自民党の対立となったが、国民の多数は自民党を支持したために、事実上の自民党の一党支配が続き数々の弊害を起こした。
などなどあります。
 それより他にも、私の気付かないか、書き漏らした「良かった点」、「考えねばならない点」も多くあると思います。
 いずれにしても、私たちが「考えねばならぬ」ことは、「考えねばならぬこと」で上げた全てことは米国だけの責任ではなく、日本の責任でもあり、独立国日本としてはその殆どが自主的に解決出来、また解決しなければならない問題だと思います。

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*注記:青年日本の歌(昭和維新の歌)
1.汨羅の淵に波騒ぎ 巫山の雲は乱れ飛ぶ 混濁の世に我れ立てば 義憤に燃えて血潮
2.権門上に傲れども 国を憂ふる誠なし 財閥富を誇れども 社稷を思ふ心なし
3.ああ人栄え国亡ぶ 盲たる民世に踊る 治乱興亡夢に似て 世は一局の碁なりけり
4.昭和維新の春の空 正義に結ぶ丈夫が 胸裡百万兵足りて 散るや万朶の桜花
5.古びし死骸乗り越えて 雲漂揺の身は一つ 国を憂ひて立つからは 丈夫の歌なからめや
6.天の怒りか地の声か そもただならぬ響あり 民永劫の眠りより 醒めよ日本の朝ぼらけ
7.見よ九天の雲は垂れ 四海の水は雄叫びて 革新の機到りぬと 吹くや日本の夕嵐
8.ああうらぶれし天地の 迷ひの道を人はゆく 栄華を誇る塵の世に 誰が高楼の眺めぞや
9.功名何ぞ夢の跡 消えざるものはただ誠 人生意気に感じては 成否を誰かあげつら
10.やめよ離騒の一悲曲 悲歌慷慨の日は去りぬ われらが剣今こそは 廓清の血に躍るかな