普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

在日外国人が見た慰安婦問題

2009-08-21 12:01:36 | 韓国

  先日、私の属する英字新聞輪読会の「Historical awarenessと言う資料で慰安婦問題を扱ったエッセイを見ましたので紹介します。
 筆者の名は Joel Assogba、アフリカ系カナダ人、英語とフランス語の教師、人権・平和・子育てなどの講演活動をしているそうです。

[彼の主張] 
 
(内容については一読してお判りになると思いますが、彼の知識不足や間違い、偏った考え方など、日本人から見て可笑しいもの(アンダーライン部分)が多くありますが、紙面の関係から余程酷いものを除いては慰安婦制度に就いての誤りの指摘に留めて置きます。なお彼の主張は青字、私の意見は黒字、付記は緑字です)
・日本の高校の高学年生のグループと第二次世界大戦についての話で、「太平洋戦争を始めたのは誰か」と聞いた時、中国人と米国人からは答えが返ったが、どの日本人からも答えはなかった。彼らは全て原爆やその被害者のことを知っていた。然し彼らの誰も(日本の)侵略や帝国軍人の残虐行為に就いて知らなかった。
 私は悲しいことだと思ったが、驚きはしなかった。なぜなら彼らは日本の軍国主義の過去を知らないようにみえたからだ。彼らの無知から私は問題を引き起こした(扶桑社の)歴史の教科書や日本人の残虐行為を軽く扱ったテレビのドキュメンタリーを思い出した。

・2001年に文科省は「新しい歴史の教科書」を認可した。それは太平洋戦争をアジア開放のための聖戦とし、日本帝国主義を美化し、ナショナリズムを推進する保守派の学者のグループによって出版されたものだ。
 今年の4月放送倫理・番組向上機構(BPO)はNHKの係員が2001年の番組の「問われている戦時の性暴力」を、安倍副官房長官の圧力に応えて(内容を)変更したことを批判した。その番組は帝国軍隊の「慰安婦」の取り扱いについて扱ったものだ。
 良かれ悪しかれ、それは取り返すことの出来ない歴史だ、そしてそれは戦争の犠牲者を癒し、人間の尊厳や正義、自由や幸福を推進するものだ。歴史は他人を傷つけたことを消したり、政治で弄んだり、責任を無視することで作られるものではない。
 BPOの放送倫理委員会
番組制作部門の幹部が、放送前に有力政治家と面談し改編指示を行ったことや、国会担当の局長が制作現場の責任者に改編を指示したことは、公共放送にとって最も重要な自主・自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為だった」(BPOの資料そのまま)と指摘しただけで、安倍さんと面談したことは批判しても、安倍さんが改編指示をしたとも、圧力を加えたとは何も書いていません。
 事実は Wikipediaの女性国際戦犯法廷
にもある様に、慰安婦模擬裁判は政治色の非常に強い偏ったもので、永田町で話題になっていたときに、NHKの担当者が安倍さんに予算の説明にきた時、この話がNHKから出たので、安倍さんから「公平・公正にお願いします」と言っただけで圧力を掛けたなどとは遠い発言です。
 圧力を掛けたと言わんばかりの報道をした朝日新聞は安倍さんなどの何度もの抗議に対して、この問題は裁判に掛けるからとして返事を拒み、(とうとう裁判にかけないまま)最後まで頰被りしたのを見ても、朝日の報道より安倍さんの言うことのほうが
正しいと思います。
子どもたちに米軍の長崎、広島への攻撃や日本の戦争犯罪を教えること、日本軍の戦争犯罪を無視することは愚かなことだ。 (余りにも奇妙な主張なのでので原文を付記します。)
It's unwise to teach children about the U.S. Army's attacks on Hiroshima and Nagasaki, yet neglect the Imperial Japanese Army's war crimes.
 日本人としてあれだけの大惨事を学校が教えないなど考えられません。
 著者の文章全体の流れか
ら考えると、他国の悪いことは横に置いて、自国の悪いことばかり教えることが国のためになると思っているようです。
 
私は正義の味方を自負する米国でも戦争になれば大きな戦争犯罪をするなど、如何に戦争が人を狂わせるのかを教えること、日本側の問題も良いこと、悪いことを(それこそ著者が後で言うように)公平に教えるべきだと思います。
 特に植民地時代の終わりにその後追いをして、結果的に戦争になった日本の判断の間違いと、その結果日本が世界的な植民地開放の引き金を引いたことも併せて教えることで、「日本がどんな時でも適切な判断をする必要がある」ことを生徒に考えさせることには大きな意義があると思います。
・原爆により如何に被害者が酷い目にあったかは私の想像を超える。そして皆は彼らの苦痛を知るべきだ。原爆は今まで開発された武器の中で特に放射線中毒の影響が長く残る点からが最も忌まわしい武器だ。我々はその廃止のために団結すべきだ。然しもしいくらかの日本のメディアや教科書のが、歴史の事実に就いて明らかな偏向した見方を子どもたち提供し続けると、彼らは日本が米国に戦争を仕掛ける前に何も悪いことをして居なかったと信じて大きくなるだろう。これは世界平和に対して重大な脅威になりかねない。 
 米国の原爆投下が戦争犯罪であることを教えるのが、何故偏向した見方を教えることになるのでしょう。勿論日本のしたことにも良い所、悪い所も教える前提ですが。
(今まで)戦ってきた国は全て公平な観点から戦争について反省する必要がある。日本は心からその侵略軍による性的な奴隷制度について後悔すべきだ。
 慰安婦の考え方は当時日本で制度としてあった公娼制度を戦地にも適用しただけです。そして当然に彼女らには国内で得られない高額の報酬を与えたのです。
 その点奴隷(人間としての権利(含む報酬を得る権利)・自由を認められず、他人の支配の下に労務に服し、かつ売買・譲渡の目的とされる人)と公娼とは全く違います。書くとすれば軍による公娼制度とするべきでしょう。
 問題をややこしくしたのは、軍から委託を受けた朝鮮の業者が軍の名をちらつかせて、半ば半強制的に慰安婦を集めたらしいこと、戦地でごく一部の日本兵が軍の命令に反して現地の女性に不法行為をしたことのなどが、混同して報道されたからだと思います。
  もう一つ村山政権下で河野さんが慰安婦問題について充分に調べることなく謝罪したのも、問題をさらにややこしくした原因の一つですが、これは明らかにに当時の日本政府の責任です。
・カナダと米国は戦中、戦国の日本人移民に対する非人道的な取り扱いを良く考える必要がある。米国は自国が引き起こした原爆被害者の惨状について反省し深く謝るべきだ。そして何よりも増してドイツはホロコーストで冒した罪を感じるべきだ。そのような恐ろしいことが再び起こらないようにする唯一の道は、それらについて正直に子どもたちに教えることだ。そして彼らが歴史から得られた貴重なレッスンを学ぶことだ。そうでなければどうしてその再現を止めることができることが出来るだろうか

 全体としては著者自身は世界平和を目指して公平(と自分で思っている)な立場で書いたようでその善意は判りますが、慰安婦問題に対する勉強不足は明らかです。
 問題はこの不完全な、結果として偏ったエッセイが「Student Times」と言う学生向けの新聞に掲載されたことです。
 著者の言葉を借りれば、彼のエッセイは戦争のことを何も知らない学生たちに、一部については明らかに間違った、偏った情報や考え方を吹き込むことになります。
 そしてその効果は、学生たちが著者の言うことをそのまま信じて、彼の言うように2度と過ちを繰り返さないと誓う人は少なく、日本人としてのプライドを失う人が増える可能性の方が遥かに高いと思います。
 そしてもう一つの問題は「Student Times」を発行してい「Japan Times」の親会社は、対安倍さんとの問題で書いたように頑として主張を曲げない朝日新聞です。
 私は何回かこの種の間違いについて「Japan Times」に手紙を出しましたが、もうあきらめました。
 それで著者の善意を信じて、彼に手紙を書いて見たいと思っていますが、果たして?

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