普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民党の公約を読む

2009-08-01 16:06:53 | 麻生内閣

 自民党のマニフェストがやっと出ました。自民党批判を商売にしている批評家たちは後出しジャンケンだとか、民主党の真似をしているとか、民主党に財源がないと批判している癖に自民党の公約でも財源がない、きっと今までの様に国債に頼るのだろうと言っています。
 私は私なりに自民党の公約の気になった所について考えて見たいと思います
。(なお青字は公約、黒字は私の感想です。)

a.安全保障 
・拉致問題は、国家の威信をかけて被害者全員の帰国を実現
・米国に向かう弾道ミサイルの迎撃や弾道ミサイル防衛で連携する米国艦艇の防護のため、必要な安全保障上の手当てを行う
・首相官邸に「国家安全保障会議」を設置
  私は独立国日本としては少なくとも自主防衛が出来る程度の武力を持つべきだと思うのですが、現実的にはこれで仕方がないのでしょうね。
  しかし、現実に基づく施策と言う点では、民主党の公約より良いとは思いますが。

b.行政改革
・次回総選挙までに、衆議院議員の定数を、1割以上削減、10年後には、衆参両院で3割の削減
・国家公務員は、2015年までに、8万人を削減、「天下りとわたり」は全面禁止
・国の出先機関の廃止・縮小
・17年までに道州制移行
・地方分権は、国と地方の協議の場設置の法制化

  政権政党の公約の弱いところは、今までどうしてきたかと言う点から批判されることです。
 国の出先機関の廃止・縮小を進めてきたのに、官僚や族議員の反対で頓挫、「天下りとわたり」への消極姿勢、厚労省分割案の立ち消え、国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」への組織の移管は人事院総裁の反対で腰砕け。
 自民党は今までと今後の行き方が違うことを説明しなければ、国民は納得出来ないでしょう。
 15年までの公務員削減、や17年までの道州制移行など言っても、今までのやり方では「前向きに検討します」と同じように「やらない」と同意義です。 
 今後4年の間に何をするか工程表を示すべき でしょう。

c.財源
 中福祉・中負担の考えで景気が回復したあと、社会保障と少子化に充てるための、消費税率引き上げを含む、抜本的な税制改革
  国民の大多数の人達が必要と思っているが不人気な消費税増税に言及したのは、これについて議論を避けてきた民主党の公約より優れているし、実は逆に自民党のプラスの方向に働くと思います。

d.経済の 活性化
 2010年度後半には、経済成長率2パーセントを実現、2011年度までには、失業率も、不況の前に戻す。
 成長戦略として、「低炭素革命」「健康長寿社会」「日本の魅力発揮」の三つの戦略分野で、集中投資と大胆な制度改革を実施
 当面3年間で、40兆円を超える需要をつくり出し、200万人の雇用を創出。
 「平成の農地改革」も断行
 食料自給率50パーセントを目標に、意欲のある農家の経営を最大限支援し、所得の増大と生産性の向上を目指す。
 こうした政策により、10年で家庭の手取りを100万円増やし、一人当たり国民所得を、世界トップクラスに引き上げる。

 この点では民主党のばら蒔き政策による経済の活性化より遥かに現実的な政策を出していると思います。
 然し麻生さんの性格そのままに自民党の公約が実行されればバラ色の世界が拡がるような幻想を抱かせても、実現には大きな困難を伴うと思います。
 家庭の手取りを100万円増やすことは企業の社員の給料を増やすこと→企業の競争力の低下に繋がります。
 農地改革も戦後以来の農家の既得権益を冒さず(自民党の地盤を壊さず)にいかにうまく処理できるかのこれと言った処方箋はないようです。 
 これに就いても具体的な対策と大まかな工程表を示すべきでしょう、 

e.安心の実現
 小学校に上がる前の、3歳から5歳までの幼児の教育を無償
 高校生や大学生を支援するために、新たな給付型の奨学金をつくる。
  自民党案では困窮状態の学生または優秀学生に限っているだけ、民主党の案より現実的だと思いますが、本人の教育のためにも卒業後に返還させるべきだと思います。
 日雇派遣を原則禁止し雇用の常用化
 3年間で100万人の職業訓練を行い、訓練期間中の生活を支援
 女性の社会進出を支援するため待機児童の解消、女性のためのマザーズ・ハローワークの拡大
 年金がもらえなかったり、金額が少なくて、苦しんでおられる人の救済

f.教育
 教員の政治的中立を徹底
  日教組を抱える民主党への当てつけだと思いますが、趣旨には賛成です。

・麻生さんの公約発表の時の話
  麻生さんは「政府・自民党は(国民の)皆さんの気持ちへの配慮が足りなかったことを、率直に認めるとして、改めるべきは改めると宣言し、その一例として、経済と社会の活性化のための改革から所得格差の拡大と地方が疲弊→行き過ぎた市場原理主義から決別
を挙げました。
   私も行き過ぎた市場原理主義から決別には賛成で、これに走った小泉さんの方針から転換とも取られる発言は相当な勇気が要ったと思います。
   然し「改めるべきところは改める」対象として、適当な人を担ぎ上げて、後は大物の黒幕や古株の族議員がリモートコントロールすると言う、古い自民党のやり方を取り上げるべきだと思っています
 仮に次期の衆院選で勝っても負けてもこの体質を変えねば、頼り無いけど自民党と言う人達も背を向けてしまうと思います。 (なおこのことに就いては日を改めて書いて見たいと思っています。)

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