旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

日本語

2011年09月12日 22時01分22秒 | Weblog
日本語教室で中級クラスのアシスタントをしていたら、同じ教室で独習していた中国人の男性から声をかけられた。読解の問題で解らないところがある。教えてほしいとのことだ。面識はない。いきなりのことなので戸惑った。問題集をめくってみたら、養老孟司や池田昌子、中島義道等の文章を読んで、4枝のうちから正しい1枝を選べという問題群のうちのひとつだった。日本語の検定試験の問題集のようだ。うち養老の問題が解けないという。養老は科学者らしく、日本人が読んでも平易で解りやすい文章を書くと解説したら、中国人は敢然と養老の問題と取り組み正解を得た。

それから12、3の問題にお付き合いした。ふたりのすべての解答は一致した。1問のみが誤りだった。講師仲間の話によると滞在が15年に及んでいて、かなり日本語ができるとのことだ。初心者向けのこの教室ではややもてあまし気味だという。本人は私に、「日本語は特殊な専門用語を使う機会しかない。仕事を終えれば、中国人社会との付き合いなので日本語が上達しない。だから、日本語の検定を受けてもっと日本語能力を高めるための努力をしている。」と言う。検定を受ける究極の目的を問うてみた。確かな回答を得ることはできなかった。この中国人の日本語能力は生徒の中で突出している。1時間ほどお付き合いしてから彼と馴染みらしい講師のひとりに代わってもらうことにした。

中級コースのアシスタントに戻って授業を聞いていたら、フィリピン人の女性が講師に「べんりな」の意味が解らないと質問した。講師はなぜか私を指名して、英語で「べんりな」の意味を教えてあげてくれという。英語で「convenient」と翻訳したら、彼女は即「解った。」と答えた。私の方から、白板に書かれた「ゆうめいな」という言葉の意味が解るかと確認してみたところ、即座に「famous」と答えた。このフィリピン人女性はかなり英語ができる。