旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

基本的人権

2011年09月11日 12時46分36秒 | Weblog
役所の中ではいまだ実感としては少数意見にちがいない。それでも、行政にとって「説明責任」がさらに重要な意味合いを持つようになってくる。こういう決まりですからという説明では足りない。なぜそういう制度・手続きになっているのかを明らかにするのが説明責任(アカウンタビリティ)の本質だ。隣接する行政について熟知しておかないと説明責任を果たしたことにはならない。

生活保護絡みの求職者が多い。私は生活保護に関わる仕事をした経験がない。したがって制度に不案内だ。これでは満足がいく行政サービスが提供できない。さっそく生活保護の制度について勉強してみることにした。

入門書として①岩田正美著「現代の貧困(ワーキングプアー/ホームレス/生活保護)」ちくま新書2007年刊、②大山典宏著「生活保護VSワーキングプア(若者に広がる貧困)」PHP新書2008年刊、③産経新聞大阪社会部「生活保護が危ない 最後のセーフティネットはいま~)」扶桑社新書の計3冊を買った。

①は学者、②は実務家、③は記者による著作なので、異なった視線から生活保護の実態を把握できる。制度を理解するには学者による著作、制度の実態を知るには実務家、解りやすさではマスコミの記者と割り切って読み続けている。

生活保護を受ける人たちに対する先入観や偏見があったことを認めざるをえなかった。また、見えなかった生活保護の実態がようやく見えてくるようになった。岩田正美は①の著作の中で、貧困層に対する日本的な社会的排除論の危うさを指摘している。