昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

日々の雑記(ボンタン)

2005-04-09 21:05:57 | 日々の雑記
 今日お昼に三重の妹から宅急便が届いた。特別な事で無くて、これまで数年来老妻のメル友で毎日のように交信し、お互い気が向けば身近な品を送り合っている。
 今日のは、先日こちらから送った海産物のお返しなのだろう。地場産のお茶と、そのお茶請けにと云う事なのか、この地域の老舗和菓子屋の名物菓子、その他に妹の長男が所属する農場の果樹園での「ボンタン=文旦」が2個入っていた。他にも葉の付いた「デコポン」なども在ったが、ボンタンはデコポンと違って、この地域では余り馴染みが無くまだまだ珍しい部類の果物である。早速カメラに収めるべくその肉厚の皮を剥いた。鼻を突く柑橘系の芳醇な香りに、頬の奥に痛みを感じるほどの生唾が 口中に溢れた。

 何よりも先ず賞味とばかりに齧りついた。ボンタンを賞味しながら、若い頃の記憶を辿り、「室生犀星」の詩を想いだしていた。何しろ20代の頃のことなので、その詩の題名も分らず、又内容も1部分だけしか想いだせないのだが・・・

    ※ ボンタン実る樹のしたに眠るべし
      ボンタン思えば涙は流る
      ボンタン遠い鹿児島で死にました
      ボンタン九つひとみは真珠・・・