マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

登弥神社筒粥祭

2010年03月01日 08時20分34秒 | 奈良市へ
木嶋(このしま)大明神を祭る奈良市石木町の登弥(とみ)神社では毎年2月1日に「筒粥祭」神事が行われる。

粥占いとも呼ばれる神事は竹筒の中に米や小豆の粒が入っている量を判断して、収穫する37種類の作物の豊凶を予祝する。

朝日が昇るにはまだ早い早暁の四時。

奈良市の石木町、大和田町、大和郡山市の城町(旧城村の東城、西城、主水山)の3カ字の氏子さんが集まってくる。

祓えの儀を終えて元禄八年(1695)と刻銘されている鉄製の大釜で小豆粥を炊く。

マメガラで起こした火種は弾けるような音がする。

釜のなかには38本(1本は心棒で予備筒)の竹筒が入れられている。

炊き上がるまで凡そ1時間半。



6時ころに竹筒を取り出し祭壇に供える。

湯気がほくほくとあがっている。

神事まではとんどで暖をとり、温めた竹のお神酒をよばれる。

竹筒を取り出した大釜にはふるまいに出されるお粥を炊いている。

朝7時、拝殿に登り神事が始まる。

修祓、太鼓打ち、宮司一拝、献饌、祝詞奏上、玉串奉奠、宮司一拝、太鼓打ちで終えた筒粥祭神事を終え、拝殿に供えられていた竹筒が置かれた。

白衣を着た氏子は竹筒の紐を解いて一本ずつまな板に取り上げる。

もう一人の氏子が包丁で上から割いていく。



筒粥祭神事の本質はこの作法にある。

割いた竹に入っているアズキ粥。

いっぱい詰まっていれば「上々」それより少なければ「上」と量によって宮司が決定される。



その結果は作付け奉書に記される。

御戸開きとも呼ばれる粥占いの作法を終えた竹筒は回廊に並べられる。

炊きあがったお粥さんはコウコの香物とともに味わうふるまい粥。

ゴマシオをふればさらに美味くなる。

今年は平日のせいか子供たちの顔は見られない。

(H22. 2. 1 EOS40D撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。