用事を済ませて戻ってきた時間帯は、午後4時前。
もう少しで、自宅駐車場に着く。
停まろう、としたその時に見た得体の知れない物体。
近づけば近くなるほどに、その物体は大型の亀のようだ。
道路の端にあった、その亀は近づいても動かない。
もしか、死んでいるのでは、と思った。
のろのろ歩いてきた亀は、わが家の前の道路を歩いてきたのだろう。
往来する車は、ときには多い。
まさかロードキルに遭ったのでは、と思って停車した。
その亀の正体をとらえたく、携帯電話のカメラを起動する。
その途端に動き出した亀。
当初、富雄川に住んでいるイシガメが上陸した、と思っていたが、そうではなかった。
甲羅の形は、イシガメじゃない。
縞模様もあるからミシシッピアカミミガメ・・・・、でもなかった。
これって、リクガメやん。
道路の端を歩いてきたのだろう。
だから往来する車に撥ねられなんだ。
しかも生きとる。
突然に動き出したリクガメは、どこを目指しているんだろうか。
追っかけするも、むっちゃ早いリクガメに、携帯のカメラは動画に切り替えた。
駆けるように動くリクガメにカメラレンズが追いつかない。
もしもしカメよ、カメさんよ。
さてさて、お前はどこへ行く。
数軒離れたお家に向かおうとするリクガメ。
そこにおられた男性に、尋ねた。
もしもしカメよ、このカメさんはご存じですか?・・
そういえば、隣の家は、動物愛護している。
爬虫類を飼っているブリーダーのようだから、その家だろう、という。
男性は、平日にいつも来られる養護施設に務める人。
子供たちが歓ぶから、預かっておきます、と対応してくれた。
この結果で良かったのだろう。
それから数日後、長年に亘って住まいするご近所さんと井戸端会話。
こんな亀がおったん、よ。足がとても速いリクガメ・・・と、話したら、そのリクガメは、およそ10年間も我が家で飼っている、というNさんだった。
まさかの展開である。
N家が、10年間も飼っていたとは、まったく知らなんだ。
実は、地方に住んでいた息子さんが、宿泊地に飼っていたロシアンリクガメ。
飼っていた、というよりも知人から譲り受けたリクガメを、自宅に持ち帰り、それからずっと飼育してきたおとなしいリクガメ。
なんせ、人慣れしているロシアンリクガメなんや、というNさん。
ときには勝手に、頑丈なつくりのゲージから抜け出して、散歩に出かけることも・・。
気がついたら、自宅に戻ってゲージに寝ているそうだ。
じゃぁ、養護施設の隣家は、飼い主じゃなかったんだ。
そういえば、今年の3月である。
県立民俗博物館の駐車場内に大きなリクガメを見た。
のっそり動くリクガメを、家から運んで駐車場内に散歩させている所有者もいる。
ペットショップにあった特徴、飼育のし易さ、慣れやすさに「カメに負担をかけずにゆっくり飼育していくと、飼育者の顔を覚えてくれるそうだ。エサを与えるなど、軽いスキンシップを続けると、自然と慣れてくる個体が多い」と、あった。
なるほど、である。
(R4. 4.28 SB805SH 撮影)