やなか水のこみちは、ほっとできる空間
(前回のつづき 平成26年9月15日)
新町通りと呼ばれる商店街を歩いていると、さすがに「郡上おどり」で知られる町、踊りの用品をショーウインドーに展示しているお店がありました。郡上おどりは、日本三大盆踊り(日本三大民謡おどり)に数えられています。ちなみにあとの二つは、西馬音内(秋田県羽後町)、阿波踊り(徳島県)だそうです。中世の念仏踊りの流れを組み、盆踊りの体裁が整えられたのは、江戸時代とのことです。1996年に国の重要無形民俗文化財に選定されています。見物人よりも圧倒的に踊り手の方が多いといいますから、地元の人々に心から愛されている踊りなのですね。
踊りはいつでも郡上八幡博覧館で、実演を見学できるそうです。
さて、新町通りをさらに進むと、石畳みの小路がありました。並行して水路が走っています。「やなか水のこみち」です。旅の情報誌にも紹介されていて、郡上八幡城とここだけは来てみたいと思っていました。柳が垂れてとても風情があります。石のプランターに彼岸花が咲いていました。無理やり入れてこみちを撮影します。カップルが仲良く写真を撮りあっていました。小さなベンチもあって、まさにほっとできる空間ですね。
彼岸花が咲いていました。
ところどころ、路地に目をやると、古い町屋と見られる建物が連なっているのが見えます。
この郡上八幡、岐阜県でも3つ目の国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
さらに、進むと、通りの角を入ったところに、さんぷる工房の看板があがった町家を発見しました。中に入ると、小さな食品サンプルの小物がびっしり。その奥では、さんぷるの創作体験ができるコーナーもありました。ちょうど体験者が、エビのてんぷらの衣を作っているところでした。なかなかよくできていて感心しました。
郡上八幡にはこのような食品サンプル工場がいくつかあって、市を代表する地場産業の一つとなっているそうです。なぜ郡上八幡かというと、最初に製作した生みの親が郡上八幡の出身者だからだそうです。現在では、全国生産の半分以上がこの岐阜県で生産されているそうです。
さんぷる工房の店内。町屋を改修して店舗にしています。
さらに歩くと、小川を横切る水路を発見。さすがに水の都です。その先まで行ってみると大きな川があり、釣り人が長い竿を垂れていました。アユ釣りです。中には女性の釣り人もいました。このとき、すでに午前11時に近づいていました。まだまだ見たいところはいっぱいありましたが、愛犬が帰りを待っていることを思うとそうもいきません。ここで引き返すことにしました。
吉田川で釣り糸を垂れる人々。
その帰り道、気になる一軒の米屋さんを発見しました。そば粉を売っているのではないかと思い商品に目を配っていると、後方から「そばを打たれるんですか?」とこの店の奥さんでしょうか。「まだ新そばは出ていないんですよ。もうすぐなんですけどね」とのこと。ということで25年産のそば粉を500g購入しました。昨日、高山のそばの名店でも500g買ったので、計1キロとなりました。このお店(庄村米穀店)にはいろんな粉の他に、蜂蜜も販売していました。栃の花の蜂蜜を初め何種類かの蜂蜜を、初めて試食させてもらいました。
こうして、郡上八幡を最後に帰途に着くことに。井原には、夕方の5時頃到着の予定です。思えば、今回の飛騨高山の旅、岡山を起点に、兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県、長野県など、7府県に足を入れたことになります。走行距離は1300㎞超、事故に遭うこともなく、天気もよく、おまけにおいしいものも食べることができて、実に有意義で楽しい3日間でした。(岐阜高山の旅、今回で終了です)