未熟なカメラマン さてものひとりごと

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京都の桜 日本庭園を巡る旅 花園周辺その2

2012-04-24 22:59:48 | 観光名所

妙心寺大方丈(重要文化財)

(八方睨みの龍)
 退蔵院を鑑賞後お寺を出るころには、入り口に入園券を買い求める長蛇の列ができていました。初めてなので様子がわからず、期待をそれほど持っていませんでしたが、素晴らしい庭園に、随分得をした気分になりました。次の訪問先は、世界遺産「仁和寺」ですが、折角なので、久しぶりに妙心寺法堂の龍の天井絵(雲龍図=重要文化財)を見ていくことにしました。受付に行くと、次の案内時間まで、約20分ありました。そこで大方丈の縁側に座って、ぼんやり方丈庭園を眺めて過ごしました。この建物も重要文化財でなかなかのものです。結局、この時間の拝観希望者は30人ほど。係の人の案内のもと、靴を脱いで法堂(はっとう)に入りました。天井を見ると、狩野探幽筆の龍の絵が迫っています。龍の目が、どこからでもこちらをみているように見えることから、八方睨みの龍とも云われています。ぐるりと視点を変えて見上げてみましたが、なるほどそのように見えました。
パンフレットには次のようにかかれています。

「龍は仏の教えをたすける八部衆の一つで龍神と呼ばれます。そのため多くの本山では、住職が上がって仏法を大衆に説く法堂(はっとう)の天井に龍 が描かれ、それが法の雨(仏法の教え)を降らすという意味や、龍神が水を司る神であるため、火災から護るという意味 がこめられます。ご開山関山慧玄国師の300年忌を記念した法堂の建造にともない、狩野探幽が55歳のとき、8年の歳月を要して描きあげたとされています。直径12mあり、龍の目は円相の中心に描かれていますが、立つ位置、見る角度によって、龍の表情や動きが変化するように見え、通称「八方にらみの龍」といわれています。」

京都には、南禅寺、東福寺、天龍寺、相国寺、大徳寺にもこのような雲龍図がありますが、重要文化財に指定されているのはここだけです。制作に8年かけたといいますから、相当な労力を費やしているわけですね。

それから法堂内に安置されていたのが、記銘のあるものとしては、日本一古い梵鐘(国宝)。その録音されていた音を聴くことができました。音階としては、ラの音になるそうです。その音を聞いているとまさにその時代にタイムスリップしたような気分になります。このあと、外に出て浴室(明智風呂)も見学もセットになっていました。同じグループ内に、熱心に聞いている男女の高校生グループがいました。おそらく修学旅行なのでしょう、小グループに分かれて、主体的に京都の観光地を巡っているのではないかと思いました。とても純情な感じがして親しみがわきました。

その後、自宅から持ってきた、おにぎりで小休止。法堂にあがる石段に座って休んでいたので、前の通りを歩く人が、ちらちらとこちらを見ていました。先客がいたのでそれに倣ったわけです。それにしてもうまい。やはり手作りのおにぎりが一番ですね。
 ひと息いれたところで、よいしょ、と立って、仁和寺に向かいます。予定では歩いて15分ほどの距離です。



仁和寺を出たところで見かけたプランターで囲まれた民家
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京都の桜 日本庭園を巡る旅 花園周辺を歩くその1

2012-04-18 20:56:48 | 庭園

待賢門院桜が満開の極楽浄土庭園 法金剛院

4月15日(日)、桜を見に京都に出かけました。今回の訪問先は、京都新聞HPの直前の開花情報で期待が持てそうな花園周辺に決めました。自宅を朝7時半出発、福山駅からのぞみを利用し、京都には10時過ぎに着きました。そのままJR在来線に乗り換え、花園駅で降ります。ここを起点に、花の寺「法金剛院」、日本庭園が素晴らしい「妙心寺塔頭・退蔵院」、世界遺産「仁和寺」、石庭にかかる枝垂れ桜が美しい「龍安寺」を巡ります。

法金剛院は、昨年もこの時期に訪ねました。花園駅前の陸橋を渡ったところにあるお寺で、関西花の寺第十三番となっています。有名なのが、このお寺を再興した、待賢門院璋子(しょうし/たまこ)にちなんだ枝垂れ桜で、その名も待賢門院桜といいます。NHKの大河ドラマ「平清盛」で、「檀れい」が演じた、鳥羽天皇の中宮「璋子(たまこ)」です。ドラマ終了直後に紹介のある物語ゆかりの地で、この法金剛院が出たのには驚きました。

他にも約60種類と云われるハス、めずらしい黒椿などの椿類も有名です。境内に入り、受付を過ぎるとすぐに目に飛び込んでくるのが、この枝垂れ桜です。見事に満開でした。「なんと美しい!」お寺の建物や周囲にうまく溶け込んでいます。境内には、小さいながらも池があり、池泉回遊式庭園となっています。池の端から、借景となる山を一体的に見ると、ところどころに山桜も見え、まさに春爛漫「極楽浄土」という感じです。境内のソメイヨシノはすでに散りかけていましたが、若葉の出始めが少し赤っぽくて、それらがいい感じで景色となっています。桜を堪能したあとは、重要文化財に指定されている平安・鎌倉時代の仏像に対面、特に十一面観音像の美しさと装飾には魅了されます。訪問客がそう多くないので、ゆっくり鑑賞ができ、京都観光の穴場と云えるのではないでしょうか。

次に向かったのが、妙心寺塔頭・退蔵院です。法金剛院から、歩いて7・8分のところにあります。私は今までこのお寺のことはまったく知りませんでした。開花情報で見ごろとあり、近いので行ってみることにしたのです。妙心寺道から妙心寺南総門を潜ると、紅くて巨大な山門が見えますが、退蔵院はちょうど、その左側に位置します。門に「只今、紅しだれ桜、見頃です」と張り紙がありました。妙心寺は、臨済宗妙心寺派大本山で、塔頭の数は46ケ寺院あり、退蔵院は、中でも一番古く、一番広い敷地を持っているようです。

境内には、二つの庭園がありました。ひとつは、「元信の庭」といい、室町時代の画聖狩野元信による枯山水の庭園です。パンフレットには、絵画的手法で作庭されたとあります。わずかなスペースですが、庭園と枝垂れ桜とのコントラストは素晴らしく、まさに絵になるカットでした。もう一つの庭園は、「余香苑(よこうえん)」といい、昭和の小堀遠州といわれる造園家中根金作作庭とありました。
確かに、サツキを大胆にカットする手法は、小堀遠州の代表作と云われる、岡山県高梁市「頼久寺」の大刈り込みを彷彿させるものがあります。日本の近世の作庭家というと、平安神宮神苑を設計した「7代目小川治兵衛」、東福寺方丈庭園、松尾大社庭園を作庭した、我が岡山県出身の「重森三玲」などが有名です。現在、アメリカの日本庭園専門誌のランキングで堂々毎年1位を獲得しているのが、白砂青松で知られる足立美術館庭園ですが、その庭園を作庭したのが、この退蔵院・余香苑を作庭した、中根金作というから驚きです。季節の花々が咲き乱れ、アクセントに滝や茅葺の東屋を配置した庭園、スロープ状になって、奥行きを感じさせる、まさに完成された庭園という気がします。
一番奥まったところに庭園観賞のスポットがあって、多くのカメラマンが撮影をしていました。(つづく)



現代を代表する名庭園 退蔵院・余香苑
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岡山県の枝垂れ桜の名所を訪ねて 津山市千光寺

2012-04-16 22:08:39 | 観光名所

出雲街道 城東町並保存地区 訪問日4月7日

国道53号線は、最高速度60㎞というところも多い快適道路。信号が少ないのも助かります。中野ブロイラーや誕生寺を横目に走ること3.40分で津山市内に到着しました。城東町並保存地区の観光駐車場に車を停めて、久しぶりに町並みを歩きました。豪壮な建物はなく、高さ、大きさとも、小さくまとまっている感じの町並みです。その昔、NHKのTV小説「あぐり」のロケ地でお馴染みの城東むかし町家(旧梶村邸)のお庭を眺めたり、津山藩医箕作阮甫(みつくりげんぽ)旧宅、津山洋学資料館などを見学しながら、千光寺を目指します。事前に調べた情報では、町並みの1本北の通りにあるようです。むかし町屋のスタッフの方に聞いたところ、お寺が三つ並んでいる、真ん中のお寺とのこと。ちょうど通りにでたところに、保育園があり、今日は入園式があったようでした。隣には、大隅神社、立派な狛犬で、なかなか格式のある神社のように見えました。
 この付近で、もう一度道を尋ねました。答えていただいたご主人、とても親切で、わざわざ通りに出て、「あそこにカーブミラーが見えるでしょう!あれからさらに、100mぐらい先のところで、右手に大きな桜の木があるのですぐにわかりますよ」とのこと。このあたりは山裾の傾斜地、教えていただいたとおり歩いていると、最初に目に飛び込んできたのは、通りに面した旧家の枝垂れ桜。千光寺はすぐにわかりました。さて、千光寺というと広島県尾道市の千光寺が有名ですが、津山市の千光寺も、創建が室町時代といいますからなかなかのものです。

 最初に迎えてくれるのが、コブシの白い花です。そして山門に続く石段、左側には2本の大きな枝垂れ桜。境内の梵鐘横には、さらに大きな枝垂れ桜がありました。左の二本は7~8分咲き、右の1本は、3.4分ぐらいでしょうか。
サンシュユの目の覚めるような黄色や、有楽椿、絞りの入った椿など、椿の種類も多く、とても華やかです。こちらの奥さんに伺ったところ、「今年はだめ。花が咲き始めたところに、寒波が来たため、傷んで勢いがないし、花数も少ない」のだそうです。そして、例年ならもう少しピンクがかかっているのに、今年は白っぽいとか。と少しご不満の様子。それでも次々に、見物客がやってきます。あとで調べたところによりますと、境内の一番大きな枝垂れ桜は、樹齢150年、山門左側の枝垂れは、この桜の2世だそうです。これらが一斉に咲き乱れる、満開の季節に、是非もう一度訪ねてみたいと思いました。確かに岡山県を代表する、枝垂れ桜の名所に間違いないでしょう。
 しばらく、滞在したあと、お隣のお寺も見て帰ることにしました。こちらの山門前にも、紅枝垂れ桜、よく見ると、山の墓所付近も大きな枝垂れがありました。

 こうして枝垂れ桜を堪能し、再び、通りに出るとその先に鶴山公園の石垣が見えるではありませんか。桜はつぼみで見ごろはまだまだ先のようでした。日本の桜100選に選ばれているお城の桜、地理的に遠いのと、人出が多そうなのでついつい遠慮して、まだ桜の季節には来たことがありません。ま、楽しみは後にということで、津山をあとにしました。



千光寺の枝垂れ桜
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岡山県 しだれ桜の名所を訪ねて その1(撮影日記)

2012-04-09 23:12:07 | 庭園

静けさの中に、存在感を示す2本のしだれ桜は心を洗われるほど美しい。

 7日の土曜日、しだれ桜で有名な、岡山市の曹源寺を訪ねました。ソメイヨシノがまだ満開とは成り得ない中で、比較的に開花が早いのが曹源寺のしだれ桜です。しかし、例年なら3月の終わり頃が見ごろですが、今年は、7日・8日が見ごろでしたから、例年より10日以上、遅れているということですね。早いうちに着こうと、自宅を7時に出発しましたが、山陽道、玉島~倉敷間で事故のため、片側通行・渋滞1キロで時間をだいぶロスしました。曹源寺の駐車場は、お寺の規模に比べて狭く、20台ほどしか停めることができません。到着した8時半ごろには、すでに8割ぐらい埋まっていましたが、なんとか無事に駐車することができました。

 木々が林立し。こんもりとした境内。路地はきれいにほうきで掃き清められています。このお寺は、青い目の外国人が修行していることで知られています。この日も若い男女の外国人修行僧を何人か見かけました。思えば、我が茶道上田宗箇流の上田宗冏お家元もこのお寺の原田老師から、受戒を受けられたのでした。
正面には、大きな本殿がありますが、右手の門を通って庭園に向かいます。拝観料は大人100円です。受付があるわけではありません。専用の木箱が用意してあるだけです。さらに進むと、池がありその対岸の大きな満開のしだれ桜が目に入ります。「なんと、美しい」その姿はしっかり池に映っています。庭園内には4.5人のカメラマンがいました。だれも声を発せず、ひたすら撮り続けています。凛とした空気が張り詰め、心が洗われるような清涼感があります。

右に行ったり、左にいったり、山裾にあがって少し高い位置から撮影したり、近くに行って撮影したりと、いったい何枚の写真を撮ったことでしょう。カメラマンはお互い、邪魔をしないように気をつけながら、撮影をしています。ただ、朝陽がきつく、明暗の差がくっきり。時間的にはもう少し後の10時頃がベストかもしれません。こうして曹源寺の桜をしっかり堪能したあと、さて、次はどこに行こうかと思案です。
吉備路を通って、矢掛の国勝寺の椿を見て帰ろうか、それとも、新たに情報を仕入れた、津山のしだれ桜の名所、千光寺を訪ねるか、迷いましたが、折角なので、国道53線を北上し、千光寺を目指すことにしました。(つづく)

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笠岡湾干拓地の菜の花とうどん・そばの人気店

2012-04-06 22:12:31 | 観光名所

笠岡湾干拓地の菜の花畑

4月1日(日)笠岡湾干拓地の菜の花が見ごろとの情報を得て、早速、撮影に行ってきました。広大な笠岡湾干拓地、目印の「道の駅笠岡ベイファーム」の建物が見えても、まだ菜の花は見えません。国道2号線から入ると、菜の花畑の手前に高い道路があり、背丈の低い菜の花は隠れてまったく見えないのです。
さすがにこの時季、菜の花を見ようという多くの来訪者で駐車場は満車でした。それにしても、きれいな黄色。まさに満開です。菜の花の独特の香りは、どこか懐かしい感じがします。恋人同士や、小さな子どもを連れたファミリーが多く、誰もが皆、同じように記念撮影をしていました。この菜の花畑、以前は、笠岡空港のとなりにあり、養蜂のためのミツバチがブンブン飛んでいましたが、道の駅ができたことにより場所が移動しました。たまたまなのかも知れませんが、今日は一匹も目にすることはありませんでした。そういえば、チョウも見なかったですね。被写体としては、寂しい限りです。

菜の花は連作を嫌うようですので、来年は、場所が変わるかもしれません。
この笠岡湾干拓地、日本で3番目の広さを誇るそうですが、そのうち1,191haが農林省管轄の農業用地で、大規模農園や放牧などが営まれています。
菜の花畑は、7haで1000万本だそうですが、干拓地らしくフラット、一目で見渡せるので実に壮観です。
ところで、菜の花畑、日本で一番有名なのが、北海道滝川市の菜の花畑です。その作付面積、なんと150haといいますからすごいですね。背後に雪をいただいた山々が連なるカットや、緩い起伏のある丘もあり、被写体としては最高だと思います。一度は行ってみたいですね。

菜の花畑を堪能し、道の駅で特産物を見たあと、ベイファームをあとにしました。
次に向かったのが、うどん・そばのお店「麺処 吉川(きっかわ)」です。笠岡湾干拓地から、車で15分ほど。2号線を東に進み陸橋を渡ってすぐのところにあります。天草公園の南側です。私は、今回が初めてでしたが、幟が立っていたのですぐにわかりました。こちらでのお目当ては、そばです。実は、「風の駅いでたに」でそば打ちを習っているメンバーから、近隣でそばのうまいお店ということで、名前があがったのがこの店でした。

到着したのが、午後2時半ごろでしたから、時間的にもう、そばは終了しているのがわかっていました。このお店、ご主人が数年前に開業され、もともと手打ちうどんのお店でしたが、最近、そばも始めたとのことです。そばは、一日限定20食といいますから午前中に行かないとありません。カウンターに座ると、何ととなりの方が、おいしそうにざるそばを食べているではありませんか。念のため、「そばは終わっていますよね」と尋ねると、店員の方が、主人に念を押しながら「はい、終わりました」との返事。誠に残念、菜の花畑を見る前にこちらに来ればよかったと、思いましたが、もう遅い。通常は午前中で終わってしまうようですが、今日は特別に注文が入り余分に作ったようでした。しかたないのでざるうどんを注文しました。コシのあるなかなかの味です。
こちらのそば粉は、いろんな所から取り寄せられているそうです。ざるそば用は長野産や美星産、福井産、茨城産を使用し、かけそば用は北海道産・出雲産を使用しているようです。
壁に貼られた色紙に「高橋邦弘」とありました。あとで調べたら有名なそば打ちの名人でした。主人はこの方に師事しているようです。次は是非、そばを食べてみたいと思いました。

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