未熟なカメラマン さてものひとりごと

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2013(平成25年)全国高校女子駅伝 興譲館高校応援TV観戦記その2

2013-12-29 23:35:50 | 駅伝

最終5区 3位グループを走る奥野舞子 ここから粘りの走りで2位へ浮上

前回につづき3区からです。
(3区)
3区は、寶田彩香1年生に託されました。彼女のランキングですが、3000m45位(9.24.11)、5000m18位(15.59.64)です。 富山県立山町立雄山中の出身で、小学生時代から陸上に目覚め(S&Bちびっこ健康マラソンで優勝)、中学生では、駅伝(県中学駅伝で優勝)やマラソン(黒部名水マラソン5キロ優勝)など上位の成績を残しています。興譲館高校の活躍をTVで見て、どうせ陸上をやるからにはと、富山商業高校ではなく岡山県の興譲館の門を叩きました。彼女の中学時代を知る人が、どこの高校に進学したのかと思っていると、1年生ながら興譲館高校のメンバーとして都大路を走っている彼女の姿を見て、びっくりし感動したというコメントを、どなたかのブログで拝見しました。  

さて、寶田彩香も、TOPとは離れているため、なかなかTV画面には映りませんが、2区の足立知世に比べその姿は随分大きくなってきたような気がします。豊川高校の加治屋ななこが素晴らしい走りをしたため、中継地点ではTOPとはさらに43秒差に広がりましたが、2位グループとは18秒差と射程圏内に近づいてきました。結果、順位をひとつあげて6位で、4区の高橋彩良にタスキをつなぎました。区間3位と大健闘でした。試合後の本人のコメントとして、「得意の上りで前との差をつめたが、もう少しいけたはず」とちょっぴり反省点を残しています。来年、再来年と期待したいと思います。

(4区)
4区は、2年生の高橋彩良です。ランキングは、1500m・18位(4.22.97)です。3000mは、9.28.0の記録を持っています。今回、託されたのは下り坂の多い4区。スピードを得意とする彼女にはぴったりの区間です。
大分県豊後大野市立三重中の出身で、中学時代は全国中学大会800mで6位に入ったスピードランナーです。平成23年の全国中学駅伝では、最終5区を走りました。おもしろいことに寶田彩香もこの駅伝で1区を走っていました。(雄山中17位、三重中18位)彼女も全国高校駅伝優勝の実績を持つ興譲館高校にあこがれて門をたたきました。昨年の国体少年女子B1500で準優勝をしています。今年初めてメンバーに選ばれました。

中継地点でのTOP豊川高校とのタイム差は、37秒でしたが、2位須磨学園とは11秒差、3位山梨学院大附属高校とは1秒差(なかなか抜かせずしばらく並走)と10年連続TOPスリーも、現実味を帯びてきました。終わってみれば、区間2位という素晴らしい成績。大健闘です。全区間を通して唯一、豊川高校に勝った区間でした。試合後のコメントとして、「優勝できなかったことがくやしい」と述べています。1区から、各区間の成績は13位、4位、3位、2位と素晴らしい追い上げをみせる興譲館高校です。そして、10年連続表彰台という目標は、最終5区の奥野舞子に託されます。

(5区)
5区を任されたのは、3年生奥野舞子です。宮崎市立大淀中出身、今年度の最新ランキングは、5000m.10位(15.45.66),3000m・9.29.0です。1年生から3年連続全国大会のメンバーに選ばれ、2011(H23年)の大会では4区を走り、区間2位、2012(H24年)の大会でも、4区を走り区間6位、の成績でした。このところ不調のようでしたが、見事に復活し責任ある最終区を任されました。地方の大会で、大きく旗を立てて応援をする女性を見かけましたが、あれはお母さんでしょうか。この全国大会にも祖父の佐々木さんも駆けつけスタンドで応援をしました。我が子や孫が一生懸命走る姿は、家族としては感動するものです。

優勝ということになりますと、豊川高校とは37秒差、そしてあの鷲見梓沙が復調していることを考えれば、もう優勝の可能性は、余程のことがなければ難しくなりました。残るは10年連続表彰台ですが、奥野舞子はとても落ち着いているように見受けられました。荻野監督の信頼が厚い、立命館宇治高校の岩井朝香が並んでも臆することなく自分の走りができました。さすがに2位に上がった時は、ジーンと感動するものがありました。

特にずば抜けた選手がいるわけでもなく、総合力で勝ち取った準優勝です。10年連続表彰台は素晴らしい偉業です。この記録は当分破られることはないでしょう。解説の山下さんのコメントにもありましたが、大会に向けてきちっと仕上げてくる興譲館高校の森政監督の手腕には感服します。監督、選手の皆さん、ほんとうにおつかれさまでした。そして、今年も感動をありがとう!!

今年度の高校駅伝記事の掲載はこれにて終了します。ご覧いただいた皆さまありがとうございました。また来年も精度を上げてアップしますので是非お立ち寄りください。



我が町 岡山県井原市 手前の建物は興譲館高校の校舎 
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感動をありがとう2013(平成25年)高校女子駅伝 興譲館高校応援TV観戦記

2013-12-26 22:21:20 | 駅伝

競技場を出てから直後の大集団

平成25年12月22日に京都で開催された第25回高校女子駅伝。5年ぶりの記念大会ということで地区の代表もあわせ58校の出場でした。当日のコンディションはまずまずのようでしたが、テレビの画面で見ると、グラウンドが濡れているようでもあり、大人数の今大会、接触による転倒が心配でした。

大会の数日前のことです。早朝6時頃、我が家のポストに新聞をとりに出ると小雨の降る中、道路を走る足音が聞こえました。よく見ると興譲館の陸上部の選手たちでした。薄暗い街灯だけが灯る暗い道、選手たちが走る背中を見送り、全国大会の健闘を祈りました。
興譲館高校は、全国の予選会でTOPの記録を出し優勝候補の一角と見られていました。そして、10年連続トップスリーの大記録がかかる大会でもありました。監督、選手ともども相当にプレッシャーがかかっていることでしょう。

しかし、今年のチームは特にずば抜けた選手がいるわけでもなく、森政監督自身も総合力で勝負するといっていました。このあたりは、立命館宇治高校の荻野監督と同じです。地元新聞によりますと興譲館の生徒、父兄、OBなど併せて350人が応援団として競技場に詰めかけたようです。スタートラインに並ぶ選手、9割方がハチマキをしているようですが興譲館高校の選手は長めの白でショートヘアのボーイッシュ、一目でわかります。対照的に豊川高校にハチマキはなく、毎年のことながら髪形もとてもおしゃれな感じがして自由度を感じました。そしていよいよスタートです。

(1区)
1区を託されたのは、1年生の大森巴菜(岡山県倉敷市 味野中出身)でした。1年生で1区を任されるのは、平成15年の新谷仁美以来です。彼女の記録は、3000mランキング29位(9.18.10)、5000mランキング15位(15.57.28)です。そして号砲が鳴り選手は一団となって競技場のトラックを走ります。大森巴菜は、接触を嫌ったのでしょうか、しばらくTOP集団に付け、その姿は長い間、テレビ画面に映ったのでした。しかし残り1キロ付近、急な上り坂に差し掛かる頃から遅れ始めました。
NHK実況解説の第一生命監督、山下さんの「優勝を狙うにはこれ以上離されると、きびしいかも」というコメントが気になりました。
 TOP集団は、残り1キロ付近で、豊川高校の関根花観、荏田高校の森田詩織、青森山田高校の西澤果穂、須磨学園の太田琴菜、山梨学院大附属の青葉愛、筑紫女学園の申水沙季、薫英女学園の松田瑞生など10名ほどに絞られてきました。レースは、昨年同様、筑紫女学園の申水沙季が、残り300mあたりから飛び出しました。あのエネルギーはいったいどこから来るのでしょう。これに豊川高校の関根花観が少し顔を反らせた独特の前傾姿勢で必死に追い上げます。意外にも薫英女学院高校の松田瑞生は最後の最後で力が出ず、区間9位で、高松望ムセンビにタスキをつなぎます。
興譲館高校の大森巴菜、区間13位のタイム、TOPとの差は24秒に広がっていました。そして2区の足立知世に笑顔のタスキリレーです。大会後のコメントで「自分の力が全国に通じず悔しい。残り1キロは、後続の先輩たちが順位を上げてくれると信じて粘った」といっています。しかし彼女の力量からするとその頑張りは十分発揮されたと思います。

さすがに、名将森政監督も、この結果を見て今年の上位成績は難しいと思ったようです。しかしここから監督も舌を巻くような怒涛の追い上げが始まるのでした。

(2区)
2区は、3年生、足立知世です。出身は島根県出雲一中。自己タイムは、3000mランキング36位(9.20.53)、5000m7位(15.43.72)1500m7位(4.17.64)です。
ただ、13番目の位置では、画面に映ることもまれで、状況はなかなかわかりません。しかし、昨年の大会、驚異の粘りで最終5区、二人を抜いて3位に入ったという実力のある選手です。きっと、順位を上げてくれると、期待してテレビ画面を見ていました。すると、そのうち画面の奥に、あの軽快に腕を振る特徴あるフォーム、白いハチマキ、徐々にその姿は大きくなってくるようでした。早く、順位が知りたいと思っても肝心のところでなかなか映りません。最後に中継所で「興譲館が7位に上がってきました。さすがですね」というコメントで、やっと前の6人を抜いたことがわかりました。

すごい!さすがは足立知世と思いました。かならず結果を残してくれる。期待を裏切らない。私は、彼女が今回のレースで一番の功労者ではないかと思っています。TOPは須磨学園高校の福田有以と豊川高校の堀優花の一騎打ちの様相を呈していました。中継点で同タイム(通過時間)の32.16でTOP争いは3区にゆだねられました。山梨学院大付属高校の齋藤暁、荏田高校の森田香織がこれに続き、2校は大健闘です。薫英女学院高校のスーパー1年生といわれた、高松望ムセンビは4人抜いて5位に浮上、荻野監督の信頼厚い立命館宇治高校の安藤富貴子も4人抜いて6位に浮上です。
しかし、足立知世は、今回、区間賞を狙うこの二人の記録をも上回り、区間の4位の大健闘でした。3区の寶田彩香に笑顔でタスキをつなぎます。(つづく)



興譲館高校 1区大森巴菜から2区足立知世へ
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H25全国高校女子駅伝(直前予想)レースの展開を予想する

2013-12-21 22:28:54 | 駅伝

平成23年の大会から

いよいよ、明日に迫ってきました今年の全国高校女子駅伝、どのようなレース展開になるのでしょうか。データをもとに1区、2区5区を主に予想をたててみました。(敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから‘駅伝’を選択ください。)

予想オーダー(1区から5区まで順番)
豊川高校 関根花観、加治屋ななこ、鷲見梓沙、山田日菜野、堀優花
立命館宇治高校 関紅葉、安藤富貴子、片田桃華、酒匂友香、岩井朝香
興譲館高校 大森巴菜、足立知世、山本沙生、寶田彩香、奥野舞子
須磨学園高校 太田琴菜、福田有衣、新辰啓乃、康本花梨、前畑有希
薫英女学院高校 松田瑞生、高松望ムセンビ、森京香、加賀山恵奈、加賀山実里
筑紫女学園高校 由水沙季、清水真帆、山下未来、床村千紗都、山下希望
青森山田高校 西沢果穂、矢作佳南子、伴末結、溝江愛花、Rワンジル

【1区】各校のエースが集う最長距離の1区ですが、上位を狙うなら少なくとも、ここで10位以内、タイム差で15秒以内につけておくことが重要です。また、選手どうしの接触の多いところで注意も必要です。昨年は、優勝候補の須磨学園・太田琴菜が接触により転倒不本意の25位スタートとなったことはご存じのとおりです。それでは、有力校の1区の予想オーダーと記録(3000m、5000m)をみてみましょう。

筑紫女学園高校 由水沙季(9.05.20)3年
豊川高校 関根花観(9.06.97)
薫英女学院高校 松田瑞生(9.8.23、16.00.68)3年
青森山田高校 西沢果穂(9.8.82)3年
須磨学園高校 太田琴菜(9.9.39)3年
立命館宇治高校 関紅葉(9.10.60、15.42.36)3年
興譲館高校 大森巴菜(9.18.10、15.57.28)1年

ラスト1キロで、集団は上位5~10名ほどに絞られ、ラスト400mでさらにギアチェンジ、2段階ラストスパートできる力を持った選手がトップに躍り出ます。過去、ほんとにすごいと思ったのが、平成16年の大会、興譲館高校の新谷仁美と山梨学院大附属のフィレスとのデッドヒートでした。
今大会、誰が区間賞をとるのか、昨年の勢いからいくと、3年生になってもますます元気な筑紫女学園の由水沙希か薫英女学院の松田瑞生、青森山田の西沢果穂ですが、今年は豊川高校の関根花観が調子を上げていますので彼女がくるかもしれません。それとも新たなヒーローが誕生するのでしょうか。興譲館の大森巴菜はできるだけタイム差をつけられないよう、ここが頑張りどころです。また鹿児島女子高校の上原美幸もトップにからんでくると思われます。

【2区】花の2区、各校のスピードランナーが競いあいます。各校とも1区・2区の強力布陣でライバル校に差を付けたいところです。昨年は薫英女学院の松田瑞生がパワフルな走りで、いきなりTOPに躍り出ました。いつもにもない展開で前半は大いに盛り上がりました。須磨学園の横江里沙も圧巻の15人抜きで順位を一気に10位に回復しました。
それでは、予想オーダーと記録(3000m、5000m)の記録を見ていきましょう。

豊川高校 加治屋ななこ(9.09.12)
立命館宇治高校 安藤富貴子(9.13.24 16.19.04)
興譲館高校 足立知世(9.20.53 15.43.72)
須磨学園高校 福田有衣(9.16.97 16.31.20)
薫英女学院高校 高松望ムセンビ(9.08.22)
筑紫女学園高校 清水真帆(9.33.02)
青森山田高校 矢作佳南子(9.28.72)

薫英女学院は、成長株の高松望ムセンビに期待がかかります。ここまでは、豊川高校と薫英女学院が1位・2位を争う展開になりそうです。しかし3区から流れは大きく変わっていきます。豊川高校が抜け、立命館宇治高校、興譲館高校、須磨学園が追う展開です。鹿児島女子高校の倉岡奈々も伸び盛り、この区間でTOP争いにからんでくるかもしれません。

【5区】最終5区です。各校の順位はほぼついた感じです。豊川高校は堀優花、昨年はこの区間で立命館宇治高校の青木奈波にかわされ20秒以上の差をつけられてしまいました。興譲館高校は、すっかり復調した奥野舞子、昨年この最終区で二人をかわして3位になった足立知世のように根性のある走りができるでしょうか。青森山田高校は、高校長距離界NO1のR.ワンジル、いったい何人をかわして順位をあげるのか、こちらも非常に楽しみです。

興譲館高校 奥野舞子(9.31.31 15.45.66)
豊川高校 堀優花(9.11.02)
立命館宇治高校 岩井朝香(9.10.60 16.02.94)
須磨学園高校 前畑有希(9.24.46)
青森山田高校 R.ワンジル(8.49.32 15.30.41)
筑紫女学園高校 山下希望(9.20.00)
薫英女学院高校 加賀山実里(9.28.39 16.05.65)

立命館宇治高校 荻野監督 前年のチームと比較しても遜色ないし、むしろ上回る
豊川高校 森監督 過去最高のベストファイブ、1名の人選に迷っている
興譲館高校 森政監督 過去の優勝チームにも引けをとらないタイム、優勝狙える
1時間6分台を目指す薫英女学院高校、今回取り上げなかった山梨学院附属高校、荏田高校も十分にチャンスがあります。
号砲が待たれます。次回は結果を高校ごとに検証してみたいと思います。(つづく)

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2013高校女子駅伝・今年の優勝校を予想する

2013-12-19 22:55:18 | 駅伝

平成23年の大会から 1区を走る菅(興譲館)、木村(筑紫女学園)

いよいよ、大会まであと2日と迫ってきました。関係者の皆さん、選手の皆さんは相当にプレッシャーがかかっていることでしょう。特に3年生にとっては最後の晴れ舞台です。体調には十分気をつけて、当日は万全の態勢で普段通りの力を発揮されることを願ってやみません。(敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから‘駅伝’を選択ください)

そういう選手の皆さんや監督さんには申し訳ないのですが、駅伝ファンとして、どこの高校が優勝するのか予想をすることも、楽しみのひとつです。誠に勝手ながら本年度のデータ、特に最近の大会の結果から優勝校を予想してみたいと思います。
予想するに当たって、何がその重要なポイントになるか、考えてみました。以下、その要素順に並べてみました。

(1)3000mの平均タイム 
 平均値をみることによって、チーム全体の基礎力を見ることができます。
(個人の本年度ベストタイムより)
 豊川高校 9.12    
 立命館宇治高校 9.16
 薫英女学院高校 9.16
 山梨学院大附属 9.21
 興譲館高校   9.23
 青森山田高校  9.23
 荏田高校    9.24
 筑紫女学園高校 9.24
 須磨学園高校  9.25
 
(2)各都道府県の予選会、地方大会の駅伝の記録
 一番わかりやすい指標ですが、コースの形状、当日の天気などで一概に、そのタイムだけで判断はできません。たまたま故障者がいたり、他の大会に出ていたりすることもあって、必ずしもベストメンバーでないことも十分に考えられます。例えば、本番で予選会を2分以上も上回ることもめずらしくありません。昨年優勝の立命館宇治高校、予選では全国10位以下でしたが、結果は優勝でした。

 都道府県大会、地区大会の記録(記録順)
 1.07.29 興譲館高校(岡山)
 1.07.45 山梨学院大附属(山梨)地区大会成績
 1.08.14 豊川高校(愛知)
 1.08.16 須磨学園高校(兵庫)
 1.08.23 荏田高校(神奈川)
 1.08.23 常盤高校(群馬)地区大会成績
 1.08.25 青森山田高校(青森)
 1.08.48 神村学園高校(鹿児島)地区大会成績
 1.08.53 白鳳女子高校(神奈川)地区大会成績
 1.09.28 薫英女学院高校(大阪)
 1.09.36 鹿児島女子高校(鹿児島)地区大会成績
 1.09.42 北九州市立(福岡)地区大会成績
 1.09.44 立命館宇治高校(京都)
 1.09.49 柏日体高校(千葉)

(3)ランキング上位者の存在
  各校のエースが集う最長区間の1区、スピードランナーがしのぎを削る花の2区、3区、4区を繋いで、5区で逃げるというパターンが多いように、1区、2区で勝負が決まるといっても過言ではありません。この波に乗り遅れると、後半苦しい展開となります。
 特に1区は重要です。そこで、他校に負けない実力を持った選手がいるといないとでは、順位に大きな差がでます。昨年の筑紫女学園高校の由水沙季選手のように、最後の400mでギアチェンジし、他を大きく引き離す、そのような力が必要です。
  例えば、優勝を狙うなら3000mでは、9分10秒を上回るタイム、5000mでは、15分台で走れる選手の存在が必要です。また逆に、一人でもタイムの悪い選手がいると、折角好位置につけていてもあっという間に順位を落とすことになりますので、これは逆に大きなリスクとなります。

 ≪3000m≫
○豊川高校3名 関根花観(9.06.97)、鷲見梓沙(9.07.11)、加治屋ななこ(9.09.12)
○青森山田高校2名 Rワンジル(8.49.32)、西沢果穂(9.8.82)
○薫英女学院高校2名 高松望ムセンビ(9.8.22)、松田瑞生(9.8.23)
○筑紫女学園高校1名 由水沙季(9.05.20)
○須磨学園高校1名 太田琴菜(9.09.39)
 ≪5000m≫
○山梨学院大附属高校5名 斎藤暁(15.42.16)、畠山実弓(15.44.79)、青葉愛(15.49.63)、高橋真以(15.57.10)、坂口真子(15.58.28)
○興譲館高校4名 足立知世(15.43.72)、奥野舞子(15.45.66)、大森巴菜(15.57.28)、宝田彩香(15.59.64)
○青森山田高校1名 R.ワンジル(15.30.41)
○立命館宇治高校1名 関紅葉(15.42.36)
○荏田高校1名 森田詩織(15.44.10)

(4)チームの勢いと故障者の存在
駅伝は、メンタルなスポーツです。チームワークは特に大切です。チームの輪がどうなのか、上昇志向はどうかが力になります。また、メンバーに故障者がいて、代役が走るとなると結果的に力の差が出ます。

(5)過去の実績と監督の経験年数
何回も出場している伝統校には、底力があります。それらの監督は、直前の選手の状態をみて、控えの選手と入れ替えをし、コースに合った適格な布陣を決めることができます。またコースを熟知しポイントなどを十分にアドバイスできます。日頃から大会や記録会に参加させ、経験を積むことによって、本番では動じない精神力も養っています。また選手の特性を見込んで大抜擢という冒険をすることもあります。当たることもありますが、当たらなければ大きなリスクとなります。

以上の5つの要素を総合的に判断して、今年の上位校の中から優勝校を予測してみました。

○優勝 豊川高校 
圧倒的な平均タイム、すべてのポイントにおいて他校を圧倒または上位にランクしています。層が厚く、直前に故障者が出てもさほど影響はありません。アクシデントがなければ、優勝は間違いないと思われます。
森安彦監督は、過去最高のレベルのベストファイブと自己評価しています。9分12秒はチーム歴代2位の高記録です。鷲見梓沙がどの程度復調しているかがポイントだと思います。
(つづく) 



駅伝には欠かせない白バイの先導
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800人のロシア人の子どもたちを助けた船長の物語 その3

2013-12-17 22:06:53 | 歴史

MyRoseGarden 秋バラ 本文とは関係ありません。

人々の記憶から忘れられていた陽明丸と茅原基治船長がどうして再び取り上げられることになったのか、経過を追って見ていきましょう。

(最初のきっかけ)
(2009年9月) 書家・篆刻家(てんこくか)・北室南苑さん(本名北村正枝さん、女性)が、ロシアのサンクトペテルブルグで個展「篆刻アート展」を開いた時に、ロシア人女性・オルガ・モルキナさん(彼女は、この出来事に遭遇した子どもたちのその後の運命を訪ね歩いた著作を最近まとめていた。英語教師、フリージャーナリスト)から、祖父母を救ってくれた90年前に実在した日本人船長のその後の消息についての探索を是非お願いしたい、と依頼を受けました。

北室南苑さん、その後、石川県金沢市で船が陽明丸であることを特定します。船を所有していた太洋日本汽船株式会社の中西眞誠常務が調査に加わりました。
調べる過程で、東京都目黒区の防衛省防衛研究所の資料には、1920年5月にアメリカ赤十字から、ウラジオストクにいる800人のロシアの子どもを親元に帰すために協力して欲しいとの依頼があったことが記されていました。
軍部はできる限りの便宜をはかると返答しましたが、当時すでにシベリアから撤退しようとした時期であったため、具体的行動には出ていないようです。
しかし、この子供たちの輸送を、陽明丸のオーナーだった勝田銀次郎が買ってでました。陽明丸は貨物船であったため、勝田銀次郎は多額の改造費を寄付して船を改装しました。

(個展から2年後の2011年夏)
船長のカヤハラについては、北室南苑さんは、東京や神戸に出向いて調査を行いました。そして多数の資料を調査することで、ようやく茅原基治船長を特定することができたのです。
北室南苑さんは、2011年7月ごろ、船長が岡山県笠岡市の出身の茅原基治という人で、そのお墓が岡山県笠岡市にあり、その遠縁にあたる茅原好子さんというひとが、墓を管理していることを突き止めました。茅原基治は、出身の金光中学校の恩師、佐藤範雄校長あてに、年賀のあいさつ代わりとして、手記「露西亜小児団輸送記」を送り、この手記は、現在、金光図書館が神徳書資料として所蔵していることがわかりました。

(南山高校の生徒たちも協力)
ちょうど、その頃、北室さんの活動を知った名古屋市昭和区にある南山高校の生徒が、在日ロシア大使館などと連絡を取って、オルガ・モルキナさんの居場所を探し出して交渉し、授業の一環として日本に招請することを計画していました。 

(2011.10.27オルガ・モルキナさん来日)
南山高校の生徒の招きで、ついにオルガ・モルキナさんが来日し、南山高等・中学高男子部の生徒ら1200人の前で講演を行いました。
北室南苑さんは、オルガ・モルキナさんに会いに名古屋を訪れました。すでに依頼から2年が経過していましたが、オルガ・モルキナさんは、茅原基治船長のことが判明してうれしいと話し感謝の意を伝えました。

オルガ・モナキナさんは、このあと岡山県倉敷市のホテルで船長の親族と初めて対面し、午後墓参を行い、花束を供えて感謝の言葉を送りました。茅原好子さんは、生前の茅原基治氏のことをよく覚えており、とてもやさしい人だったと言っています。ただ、船長でロシア人の子どもたちを助けたというそのことは、知らなかったそうです。

(2013.2月NPO法人を立ち上げ)
北室南苑さんと、関係有志が集まり、「人道の船 陽明丸顕彰会」を立ち上げました。
この救出劇のことについての海外の評価は、米国赤十字社の記録に基づくものしか公表されておらず、日本側の献身的な協力の部分が大きかったことについてはほとんど語られていませんでした。
見返りはまったくなく、しかも引き受けることのリスクの大きさを考えれば、断わることもできたはずです。
会社としての大きなリスクを承知で快諾した陽明丸船主・勝田銀次郎氏の度量の広さ、義侠心をも併せて再評価を促すスタートラインに立てた思いと、北室南苑さんは言っています。
陽明丸関係者の事跡をさらに精査検証し、それらを整理保存してゆくことを通して日本人の美徳にもう一度日矢が差し込むことを望んでいます。

(2013.10上旬、オルガ・モルキナさん二度目の来日)
陽明丸の茅原基治船長らの功績を紹介する展示施設が、今月上旬、石川県能美市のNPO法人「人道の船陽明丸顕彰会」の顕彰館に開設されました。
開幕に合わせて、オルガ・モルキナさんが来日。茅原基治船長の親族から寄託された写真と愛用カバンのほか、祖父母から話をきいて歴史を調べたモルキナさんの著書などが並びました。(おわり)

次に、この救出劇に関わった、勝田銀次郎など関係者のことについて、もう少し詳しく調べてみたいと思います。(つづく)


800人のロシア人の子どもたちを助けた船長の物語 その1
800人のロシア人の子どもたちを助けた船長の物語 その2
800人のロシア人の子どもたちを助けた船長の物語 その4
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