天寧寺の三重塔の向こうに、尾道市街、尾道水道、尾道大橋の見える風景
「村上」でお好み焼きを食べた後、天気はもう一つでしたが、ひとりお気に入りの場所に行ってみることにしました。商店街の路地を抜け、JR山陽線の線路の下を潜って天寧寺を目指します。この参道、結構急こう配で息が切れます。天寧寺の境内で一息ついたあと、脇道に入るとさらに急な石段が続きます。途中、道は二手に分かれますが、私は真横に西方面に進みます。そして突き当りの三叉路を少し登ると、目的地です。路地の横に少しだけ広いスペースがあり、その上に小さな公園もあります。桜の頃はまた格別でしょうね。 眼下を見下ろすと、すぐ下に天寧寺の三重塔、そしてその向こうに尾道市街や尾道水道が広がり、そして遠くには尾道大橋が見えます。この場所、尾道では結構知られたビュースポットです。ここで感傷的な気分になって眺めるのが、三重塔の向こうに見える山陽線の線路、あの林芙美子の放浪記のあまりにも有名な一節を思い出すからです。
〈海が見えた。海が見える。五年振りにみる尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がって来る。赤い千光寺の塔が見える…〉
さらに天寧寺の三重塔に、ロープウエイのゴンドラがかかるととても絵になります。
ガイド犬・ドビンが亡くなって遠のいた尾道。久しぶりでしたがやはり海の見える風景はいいですね。
この場所は、あのソフトバンクの白い犬のお父さんも、西日本旅情編で「いい日旅立ち」をBGMに眺めていましたっけ。また、テレビ小説「てっぱん」でも、冒頭、この場所で踊っていますね。
スケール的には、浄土寺奥の院からの眺望が最高ですが、あの場所まで行くのが大変です。
また渡船から眺める市街地も、まるでヨーロッパに来たようでなかなかのものですよ。
月曜日のNHKのテレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯」でこのあたりが紹介されていましたが、尾道への観光客、遠いところから来られている方も多いようですね。沖縄からの金婚式を迎えた老夫婦もいました。また尾道は、県外から引っ越してくる人も多いと聞きます。また尾道を出て行っても、また帰ってくる人も多いとか。なにが人々を引き付けるのでしょう。
住む場所にもよりますが、かといって坂道が多いこのあたり、生活にはなかなか大変な一面もあります。現に空き家も多いようですね。でも路地に猫がいて、坂道から見える尾道水道なんとも云えません。