未熟なカメラマン さてものひとりごと

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写真を超える写実絵画とは? ホキ美術館名品展Ⅱを鑑賞して

2024-02-18 21:13:27 | 美術館・博物館
訪問日:令和6(2024)年2月6日(日)
ところ:岡山シティーミュージアム


岡山駅西口周辺 (スマホ撮影)

今回の展覧会、2月12日までの会期でした。昨年末から早く訪ねたいと思いつつ、スケジュールが合わず、結局、残り1週間というところでやっと目的を果たすことができました。
岡山シティーミュージアムは、2022年夏に開催された特別展「田中達也・見立ての世界」で訪問して以来です。
今回も駐車場には苦労しました。日曜日ということもあって、岡山駅西口近くの駐車場はどこも満車、歩いて10分ほど離れたところに駐車するはめになりました。
特別展の会場は、リットシティビル南棟の4階で、2階から通じる直行のエスカレータが設置されています。



会場のあるリットシティビル南棟 (スマホ撮影)

展示されている作品は、26作家の62点。
連日のように地元新聞に展覧会の広告が掲載されていました。最終日に近いのに意外と来館者は少ないように感じました。でもその分、じっくりと鑑賞することができました。
写真かと思えるぐらい細かくて正確な描写、しかしながら写真とは違いどこか温かみがあり奥深さも感じます。大きな作品が多く、いったいどのくらい時間をかけて仕上げているのだろう、と気になるところです。

図録の中で、写実絵画の魅力について次のように語られています。「写真は一点から見た画面、いわゆる単眼ですが、人間の目は両眼なので、視差によって遠近を知覚します。人間が見ている空間と写真が再現する空間とは自ずと違ってきます。写実絵画は人間の眼でみたままが描かれています。」このように両者は大きく異なります。人間の目で見た以上のデータ量をカメラで超えることはできません。
デジタル社会にあって、たくさんの編集用ソフトでもってしても決して叶わない、ということでしょうか。

果物など静物のリアルな描写、林や草木の奥行きのある風景、女性の表情のある顔、時間がいくらあっても足りません。
ホキ美術館は、千葉市にあるそうですが、身近な岡山でこのような素晴らしい作品を鑑賞できるとは、ただただ感謝です。
出口付近の2点のみ、写真撮影が可能となっていました。
私が事前に知っていたのは、中山忠彦さんただ一人ですが、改めて実力のある作家の存在を知ることができました。特に、青木敏郎、島村信之、森本草介、野田弘志、五味文彦、生島浩各氏の作品に心惹かれました。



撮影が許可された1点  三重野 慶 「僕が見ているあなたをあなたは見れない」衣服の質感がすごい、まさに超絶技巧 (スマホ撮影)真ん中あたりに後ろ側の作品が映りこんでいます。残念。

このあと、5階の企画展「吉備の大古墳展」を訪ねました。勧められるままにクイズに挑戦し回答率の悪さに情けない思いをしながら、会場を退出したあと、駅ビル内の中華料理のお店でプチ贅沢な遅い昼食をとって帰途につきました。
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尾道散歩 いつもとは違う道を歩いてみた! 風景が溶け込む坂の町 広島県尾道市

2024-02-15 17:16:11 | 古い町並み
訪問日:R6(2024)1月29日(月)

久しぶりに穏やかな青空が広がる暖かい気持ちのよい朝。どこかに出かけたいと思いましたが、行き先がなかなか決まりません。
思案した挙句、久しぶりに尾道を訪ねることにしました。



駐車場からロープウェイ乗り場に向かう レトロ感たっぷりの建物が軒を連ねる


纏(まとい)を模した消火栓マンホール  尾組と道組ですね


尾道名物はっさく 年間を通して温暖な気候に恵まれている尾道市は、古くから柑橘類の栽培が盛んで国産レモン発祥の地でも有名です。その中でも尾道市を代表する柑橘の一つに、尾道市因島(いんのしま)発祥の「八朔(はっさく)」があります。はっさくは皮が厚く、剥きにくいのが特徴です。しかし独特のほろ苦さと適度な甘み、そしてサクッとした食感がほかの柑橘にはない食べ応えで多くの人から愛されています。特にこの因島発祥のはっさくを大福の中に閉じ込めたのが『はっさく大福』。2月の『はっさく大福』が一番オススメだそうです!

千光寺山ロープウェイ


千光寺山ロープウェイ切符売り場 左の鳥居は、艮(うしとら)神社


山頂駅に鎮座するネコの恋会門(こいえもん)と、さくら


山頂駅から見る尾道市街 左はゴンドラ(搬器・車両 三代目)小さいですが、約25名乗れるそうです。

千光寺公園展望台 PEAK(ピーク)

千光寺山ロープウェイ近くの駐車場に車を停め、いつものように千光寺を目指します。平日とあって、商店街は閑散としていました。ロープウェイは15分間隔での運行でした。ガイドさんの完璧なアナウンス、うっとり聞いているとあっという間の3分でした。
頂上駅から、千光寺公園展望台「PEAK」を目指します。
展望台からの眺望はまさに絶景、見晴らしの良さは、申し分はありません。一番絵になるのが尾道水道に架かる尾道大橋付近でしょうか。近年新しくなった市庁舎も随分近くて大きく感じます。一番端に立ってみると、まるで空を飛んでいる気分になります。



広い展望台 全長は63mもあります


尾道水道 渡船が向島とを行きかいます


まさに絶景 


こちらは反対側


しまなみ海道・尾道大橋は絵になりますね


展望台の一番端。大丈夫なんでしょうか。以前訪ねた能登半島珠洲市の空中展望台「スカイバード」を思い出します。地震で被害はなかったのでしょうか。


下から見るとご覧の通り。一本の柱で支えています。


どこか、空母のようにも見えます。

対岸の向島(むかいしま)間を行き交う渡船が、作りだす波のあとが白く曲線を描いているようで旅情を誘います。
絶景を堪能したあと、「文学の小道」を下って千光寺に向かいます。背後には大きな岩がごろごろ。頭上を通過するロープウエイの小さなゴンドラが、とてもかわいく感じます。
千光寺からさらに下ったところにあるのが見晴らしの良い公園ですが、一匹の猫ちゃんにエサをやる地元の方と思える人の姿が見えました。



文学のこみちを下って千光寺へ


千光寺 小さな地蔵のような人形がたくさん 御祈願用でしょうか


千光寺から見る尾道大橋 


浄土寺山奥の院展望台 望遠でとらえました

いつもとは違う坂道をあるいてみた

このまま下ると、天寧寺の三重塔と尾道大橋との一番のショットが撮れるのですが、今日は違う道を通ってみようと、右に折れて小さな路地を進みました。人影はまったくありません。立派な石垣の上に早くも蝋梅が満開の花を咲かせ、民家の前のわずかなスペースにはお気に入りの花壇が見えます。そこには、自然のままの尾道の日常がありました。

塀の上で、日向ぼっこをする猫ちゃん三匹にそれぞれ違う場所で出会いました。声を掛けると、大儀そうに顔を向けてくれます。坂道から見える尾道水道もどこか抒情的です。
空き家と思われる住宅もあちこちに見られ、高齢者にとってこのような坂道での生活は大変だろうなと思いながら、下ると、山陽線の踏切に出て坂道散歩は終了となります。



尾道ゲストハウス 茶園「みはらし亭」は築100年以上の建物


尾道らしい坂道の向こうには尾道水道


お地蔵さんがたくさん


地面を水平に保つため立派な石垣が目立ちます


ロウバイが満開でした


人通りのない坂道 一匹の猫ちゃんがゆっくり歩いています


こんな人通りの少ないところにお店がありました。茶立玄「山手」日本茶のお店のようです


塀の上に猫ちゃんがいました


山陽線に出ました。線路付近に民家が並んでいます。うるさくないのでしょうか。


福山方面行きの電車が通過します

商店街を歩いてみました


大和湯 元銭湯ですが、現在は中華料理店のようです

尾道商業会議所記念館


レトロな建物です。観光案内所兼休憩所となっています


2階の議場 1923(大正12)年10月に尾道商業会議所創設30周年の記念事業として建設されたもので、商業会議所として建築された鉄筋の建築物としては、現存する日本最古のものだそうです


いろんな資料が展示されています


尾道駅まで歩きました

このあと、折角なので、尾道ラーメンの人気店「一番館」で食事をして帰ることにしました。ラーメンと餃子のセットを注文。味は申し分なし。特に餃子は最高でした。あとは、いつものルーチンで、尾道浪漫珈琲でおいしいコーヒーをいただきながら一休みしたあと、お隣の土産物店で買い物をして尾道をあとにしました。
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