未熟なカメラマン さてものひとりごと

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岡山県の紅葉の名所 見ごろだった宝福寺の紅葉とそばの人気店 岡山県総社市

2023-11-26 20:37:56 | 紅葉の名所
訪問日:令和5(2023)年11月20日(月)

(宝福寺の紅葉)

朝、時間に余裕ができたので、天気の良いうちにと岡山県の紅葉の名所・宝福寺を訪ねることにしました。最近は、午前中に近場を訪ね、お昼までに帰ってくるパターンが多くなってきました。到着したのは10時頃でしたが、平日にも関わらず、すでに駐車場は8割がた埋まっていました。

ひとつ残念だったのは、朝、真っ青だった空が徐々に雲に覆われてきたことです。紅葉鑑賞に、光が差すのとそうでないのとは、美しさがまったく違います。そしてついに曇天状態になり、陽が当たらなくなってしまいました。
それでも、山門横の漆喰の土塀には、赤く紅葉したモミジが大きく枝を伸ばし、否が応でも期待が膨らみます

山門を潜り、正面に仏殿を望むと、左側のエリアに小木のカエデの林が赤やオレンジ色に染まり実に見事でした。まさに見ごろと言えるでしょう。
紅葉の名所と言われるスポットは、どこもそれなりに素晴らしいと思うのですが、要は、見ごろの時期に訪問できるかどうかにかかっています



山門付近の紅葉、見事な紅葉で期待も膨らみます。


「少年雪舟像」 水墨画で有名な雪舟は、応永27年(1420)備中赤浜(現岡山県総社市赤浜)に生まれました。幼くして宝福寺へ入り、涙でネズミを描いたという逸話を残しています。それにしてもリアルな像です。


山門:明治期後半に建立。六本柱の楼門で十段の石段の上に、東に面して建っています。屋根は入母屋造りの桟瓦葺で、上層は正面3間、側面2間とし、周囲に高欄付きの縁を廻らしています。


山門を潜り参道の左側のカエデの紅葉


黄色も見事ですね


赤く染まったカエデの一枝


仏殿近くの紅葉


ちょうど見ごろでした。枝の先までしっかり残っています

(仏殿(法堂)近くの紅葉)


仏殿は江戸時代後期の建立。寺域の中心に位置して東に面して建っています。禅宗様式の意匠が典型的に示された、方三間一重裳階(もこし)付き仏殿です。


素晴らしい紅葉、出るのはため息ばかり


赤と黄色のモミジ


見上げるとご覧のような景色


赤が鮮明なモミジ


仏殿の天井にはご覧のような龍の絵 仏教において龍は守り神であり「龍神」とも呼ばれています。龍には法の雨を降らすという教えがあり、また龍神は水をつかさどるとされていることから、寺院を「火災から守る」という意味としても描かれたようです。


仏殿の内部から見る幾何学的なデザインの窓。どうしてこんなに繊細な造形ができるのでしょう。答えは次の画像です。


唯々驚くばかりです


こちらはまた、くねくねとしたデザイン


格子の丸窓から見える紅葉


どこを見ても、このような景色

国の重要文化財三重塔にかかる真っ赤なモミジ


宝福寺の一番のスポットは、やはり仏殿横のエリアです。高木が多いのですが、こちらも赤は勿論、オレンジや黄色に染まり、実に見事でした。
それから、石段の上にそびえる三重塔にかかる手前の真っ赤なモミジも実に絵になります。



絵になる景色。真っ赤なモミジはこの1本だけ。臨済宗の寺院の塔は、伽藍の後方や脇の小高い所に建てられることが多く、宝福寺の場合も例外ではなく、仏殿の後方の小高い所に建っています。


ほんとに美しいです


苔むした石像とモミジ


奥側にもこのような景色がありました


引き返します


モミジに覆われる仏殿


どこか京都のお寺にいるような錯覚を覚えます


少し晴れ間がみえてきました


さらにアップで


苔の庭 しっとりとしていい感じです。


このカットも有名な一枚です


楽しませていただきました

こうして、境内を散策したあと、引き上げることにしました。時刻は11時ごろでしたが、
駐車場はすでに満車で、空きを待つ車で列ができていました。


そば処 博吉(ひろよし)

お昼は、事前にネットで調べていた備中国分寺境内のはずれにある蕎麦屋にしました。しかし近くまで来ても、駐車場がわかりません。少し進んだ近くの道路わきに「そば」と書かれた幟がたっており数台の車が停まっていました。ここで間違いないようです。
そこから歩いて数分。時刻は開店間もない11時過ぎ。先客が1組いました。
このお店は、オープンしてから5年ほどとか。口コミによると、ミシュランガイドにも掲載されたそうです。「鴨汁付きもりそば」にしましたが、そばは白くて細く繊細。味は申し分ありません。
幹線道路からはずれ、奥まったところにあるので、まさに穴場中の穴場ではないでしょうか。
若いご主人が一人で、何もかもやっているようで、とにかく忙しそうでした。
てんぷら類は、ありません。メニューは効率を考えて絞られているようです。



駐車場からお店に向かう途中にあった福祉施設。屋外でスタッフの方でしょうか。テンポのいい曲「高校三年生」を演奏していました。


お店の外観。左手の林は、備中国分寺に続く参道。まさに穴場中の穴場です。


信州そばでしょうか。白く、細く繊細です。味は申し分なし。部屋の片隅で石臼で蕎麦が挽かれていました。

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岡山県の紅葉の名所 今年もきれいだった!田中苑の楷の木  岡山県井原市

2023-11-19 20:32:53 | 紅葉の名所
訪問日:令和5(2023)年11月5日

11月3日、文化の日のあとの日曜日、「きれいだったよ!」という声を聞いて市内の田中苑(でんちゅうえん)に楷の木(かいのき)を観に出かけました。自宅から5分ほどの距離です。
4日(土)、5日(日)は市民会館を中心に文化祭が行われ、この日も大勢の人で賑わっていました。
さて、お目当ての楷の木ですが、ほんとにきれいでした。ただ、見ごろはやや過ぎている感じでしたが、それでも素晴らしい発色です。



楷の木の前で、記念写真を撮る人たち 青空に赤が映えます。井原市では夜の紅葉も楽しんでもらおうと、2016年からライトアップを行っていて、午後5時半から9時まで、2基のLEDの照明が赤く染まった楷の木を照らし出します。


市民会館前の広場では、テントが張られいろんな催しが開催されていました。


やや見ごろは過ぎた感じですが、素晴らしい発色です。

田中苑の楷の木は、馬越恭平(「ビール王」と言われた井原市出身の実業家)の孫にあたる方が、中国に行った時に持ち帰った苗を井原市に寄付し、昭和49年に 田中苑の土地を取得したさい、植樹したものです。



繊細な枝垂れ柳のような、たおやかな枝ぶり、色も表面は赤く、といっても濃い目のオレンジ色ぐらいに紅葉し、光のあまり当たらない内側は、黄色程度、さらに光の当たらない枝では明るいグリーン程度に紅葉し、そのグラデーションがとても見事なのです。
岡山県では、閑谷学校のものが良く知られていますが、田中苑の楷の木もなかなか負けてはいません。



紅葉しているのは、市民会館側の陽が当たっている部分のみ


内側は、オレンジ色が中心


リニューアルした井原市立平櫛田中館とのコラボ


田中苑の茶室・不老庵 この日は裏千家流のお茶席がありました。市民茶室は茶の文化の拠点として大勢の人に自然の中で茶の湯を楽しんでもらおうと造られました。 田中翁にちなんで「不老庵」と名づけられました。


たくさんの落ち葉、黄色中心です


田中苑は、南斗山(なんとざん)の東斜面を背景にした5,240平方メートルの日本庭園で、平櫛田中から名付けられました。入園無料の公園で、田中公園とも呼ばれ、井原市民の憩いの場となっています。
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山里の晩秋を彩る干し柿の里を訪ねて 広島県尾道市御調町菅野地区

2023-11-09 19:38:57 | 干し柿
訪問日:令和5(2023)11月5日(日)

私の好きなテレビ番組、NHKの『ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅』で放映された、尾道市御調町の柿農家の伝説の干し柿のカーテン。旬の頃になったらぜひ訪ねてみたいと心待ちにしていました。
場所の確認のため10月末ごろ一度訪ねましたが、想像以上の山の中で、びっくりしました。
そして、11月に入り状況確認のため電話を入れると、現在、3分の1ほど掛かっているとか。ちょっと早いかもと思いながらも待ちきれず出かけたのが、2日後の11月の5日でした。


菅野地区は小さな小さな山里です


6世帯ほどの小さな集落です


柿の林が斜面いっぱいに広がっています。一帯にある柿の木は3000本とか


熟した柿もありました


山をくねくね上った先に突然姿を現します


柿のカーテン 柿棚の半分が完成。まさに皮むきの最盛期です。

秋晴れで気持ちの良い朝でした。
標高300mの山の頂き付近に、軒を連ねる民家。青い空と、オレンジのカーテンの柿棚が実に絵になります。この風景が撮りたかったのです。伝説の柿農家は企業を立ち上げ、株式会社尾道農園となっています。
尾道柿園へは、途中に案内板が出ているので迷うことはありませんが、道が狭いので注意が必要です。
専用の駐車場はありませんが、「無断駐車OK」と書かれた看板付近に数台、停めることができます。正面に大きな民家がありますが、尾道柿園は奥側のお宅。緩い坂道を歩くと軒先に吊るされた干し柿が見えてきます。その奥に作業場、4~5人のスタッフの方が皮むきの作業中でした。



軒先に陽光を受けて熟成中。白壁にシルエットが映っています。


柿の里みつぎ町と書かれた幟。無断駐車OKの案内板。車はここに停めます。


柿の老木。樹齢250年のものもあるそうです。


斜面にキクの花がありました。

いよいよオレンジのカーテン・柿棚へ


「写真を撮らせていただいていいですか?」と声を掛けると、
「どうぞ!」と、こころよい返事。



尾道柿園の入り口です


手前右側が作業場。4~5人の皆さんが皮むきの真っ最中でした。西条柿は縦に4つの溝があるため、機械では剥けません。


左手前が小さくなっているのは一番早くかかった柿と思われます


見事なボリューム。竹串で二重になって掛かっています。


整然と並ぶ吊るし柿。尾道柿園では日本でも少ない完全天日乾燥を行っています。


間はこのようになっています。光を十分に受けるため柿棚の間隔は十分にとってあり、傾斜を利用して高さをも計算されて効率のよい配置となっています。


青空とオレンジ色のカーテン。整然と並ぶさまが実に美しい


陽光に輝くむいたばかりの西条柿。西条柿は、広島県東広島市発祥の渋柿ですが、そのほとんどが中国地方で生産されており、栽培面積では島根県が日本一となっています。


完成品ではありませんが、甘さが伝わってくるようです。


反対側からみたところ


どこから見ても絵になります


まさに秋の風物詩です


かわいいヤギが2頭いました

尾道柿渋工房

しばし撮影のあと、立ち寄ったのが、柿渋工房。コーヒーをお願いしましたが、「干し柿とのセットもありますよ!」とのことだったので、じゃ、それでと注文すると、その干し柿の何と甘いこと。

そこでいろんなお話をさせていただきながら、まったりした時間を過ごさせていただきました。眺めが良くて、静か、心地よいBGMが流れ、ゆっくりとした時間が流れています。



工房の前はご覧のような山並み 眼下には雲海が広がることも


柿渋工房の全景。入り口が分かりにくいのですが、右にぐるっと回り込んだところにあります


柿渋、柿酢や柿渋染めの商品の購入や、カフェとして景色を眺めながら干し柿やドリンクを味わうこともできます。


センスのいい店内


ディスププレイ用の大きな熟した柿


レトロなアイテムがいろいろ


デッキでも味わえます


ウクレレも


こちらは薪ストーブ この建物は、クラウドファンディングで資金(目標額:500万円)を得て、築50年の民家をリノベーションしたもの。もともとは2階建でしたが、ストーブの煙突を設けるため平屋にしたそうです。


ピザの窯もありました


こちらは柿酢。西条柿と、上丸柿(じょうがんがき)の2種類があります。


コーヒーと干し柿のセット。まったりとした時間が過ごせます。


西条柿の干し柿。その甘さにびっくり。


柿渋で塗られた天井。見た目もきれいです。


柿渋は、防虫、抗菌、防水、防腐に効果があると言われています。


串柿。御調町(みつぎちょう)は370年の歴史をもつ串柿の一大産地でしたが
近年は生産者の高齢化とお正月の重ねもちのお飾りとしての需要も減り、生産量は減少していました。

串柿の生産が減少しても地域に多く残る柿を生かし、干柿・柿酢・柿渋の製造販売が本格的に行われています。
400年受け継がれてきた歴史と風土の上に、故郷への思いによって蘇った〝柿の里〟。
ここで育った柿を使い、干し柿、柿酢、柿渋など、この里山に伝わる柿の実の製品を、誠実に、ひとつひとつ丁寧に手作りされています。


尾道柿園 ホームページ
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