未熟なカメラマン さてものひとりごと

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城下町・津山を訪ねて その2 城東の町並みと安国寺・石林園

2020-01-23 23:35:18 | 古い町並み
城東の町並み 国指定重要伝統的建造物群保存地区

前回:その1 名園・聚楽園 につづく

次に向かったのが、旧出雲街道沿いの国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている、城東町並み保存地区です。
駐車場がわからず、町並みのはずれ作州城東屋敷駐車場に車を置かせてもらいました。
建物は一見古そうですが、昔の城東の町屋を再現するため、見本として建てられたもので、まだ25年ぐらいしか経っていないとのことでした。


(作州城東屋敷)


作州城東屋敷 観光誘致や町並み保存を目的として江戸時代の商家を1993年に新築

駐車場の北側に、大きな建物があり、覗いてみると、だんじりの格納庫でした。町全体では20基あるそうですが、こちらには4基が展示を兼ね、収納されています。
その木製の骨組みは見事で、下には、丈夫なタイヤが付いており、運行はさして難しくなさそうです



だんじり展示館


市内にある県指定文化財のだんじり20台の内、4台が展示されている

(町並み)


軒先に吊るされたくくり猿 京都・八坂庚申堂のものが有名ですが、欲を捨てると願いが叶うといわれ、その欲を捨てるために使われるのがこのくくり猿です。地域によっては、守り猿、願い猿ともいわれます。



大曲り 城下の街道は城の防備のため、わざとかぎ状に作られ、幾度も曲がっています。


国の重伝建に選定された旧出雲街道・城東の町並み 道路はきれいに舗装され電線は地下に格納され、とてもすっきりしています。

(箕 阮甫旧宅)


洋学者であり、藩医であった箕作 阮甫(みつくり げんぽ)旧宅 


内部はこのようになっています。


こちらは天井

(津山洋学資料館)


津山洋学資料館 江戸時代後期から明治初期にかけて優れた洋学者を輩出


あの杉田玄白らの翻訳した解体新書などの医学書、本格的植物学書などを展示

旧出雲街道沿いに面した町並みは、軒が低く、千本格子、なまこ壁、虫籠造りや袖壁のある建物が並んでいます。前にせり出していないので、圧迫感はまったくありません。通りも比較的広めで、ゆったりとしています。
一番、有難いのは、その多くの施設が、無料開放されていることです。


城東むかし町屋(旧梶村邸)

特に見ごたえがあったのが、NHK朝のテレビ小説「あぐり」で舞台となった城東むかし町屋(旧梶村邸)です。お庭と建物の間取りが絶妙で、懐かしい板ガラスの廊下の向こうに見える中庭に真っ赤な実を付けたナンテンが、特に印象的でした。


通りから見る町屋


室内から見るナンテン


この季節、色どりを添えるナンテンの赤


奥には立派な蔵がありました。


見事な日本庭園です。


1本のヤシの木はハイカラの象徴


奥に見えるのは茶室です。


懐かしさが伝わってくるような土間


きれいな町並みです。


ところどころにこのような路地がありました。

安国寺 美しい日本庭園で有名

津山市最後に訪ねたのが、安国寺でした。岡山県の人気庭園ランキングでも度々上位に取り上げられている、こちらの日本庭園・石林園をどうしても見たかったのです。
境内に人影はなく、お寺もカーテンが引かれていて、お留守のようでした。
建物の裏手に廻ると、小さな噴水のあるお目当ての庭園がありました。

小さな池に通された二つの石橋。後ろには、山の裾野が迫っており、斜面にはいくつもの石が、絶妙に配置され、それらが一体となって、美しい庭園が形成されています。
ただ、春の若葉、秋の紅葉の時季には、趣のある景観を創りだしてくれそうなカエデは、当然ながら落葉し、どこか殺風景なイメージはぬぐえません。
機会があれば、違う季節に是非、訪ねてみたいと思いました。



安国寺 立派な門構えです。


境内の様子 


池泉回遊式庭園は石林園と呼ばれる。江戸時代初期に作庭された。


2連の石橋が美しい


美作市 安養寺と湯郷鷺温泉館

このあと、美作市の安養寺を訪ねたあと、折角なので、湯郷温泉・鷺温泉館の湯に浸かり、ほっと一息入れて、帰途に着いたのでした。


(安養寺)


広い境内です。


山側から見る墓地と建物


美作観音

湯郷温泉

(湯郷鷺温泉館)



駐車場は満車、人気の温泉施設です。


こちらは源泉です。

(町並み)

町並みはとても静かです。


少しさびれた感があります。


向かいにあるのが湯郷グランドホテル
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城下町・津山を訪ねて その1 名園・衆楽園

2020-01-21 22:02:54 | 庭園
令和2年1月13日(月)祝日、久しぶりに岡山県津山市を訪ねました。例年、寒い冬は県北方面に行くのを尻込みするのですが、雪の心配の要らない暖冬の今年は、その心配はまったくありません。
鶴山公園は、春の桜の季節に訪ねているので、今回はパスし、まず向かったのが大名庭園の衆楽園です。


国指定名勝 衆楽園  岡山県を代表する池泉回遊式大名庭園

駐車場から入ると、まず目に飛び込んでくるのが、広い池です。池には、たくさんの鴨など水鳥が羽を休めていました。



池の水面に木々が映り込む


カモなど水鳥が羽を休める


土橋も映り込む

ブルーの静かな水面に、庭園の木立や木橋が映り込み、実に絵になる景観が広がっています。
空は青空で小さな丸い雲がいい感じで浮かんでいました。
岡山県の日本庭園というと、まず岡山市の後楽園ですが、ネットで検索するとかならず2番目にランクされるのが、この衆楽園なのです。
ありがたいことに、入園料は無料。市民の憩いの場として、広く愛されているようです。
正門から反時計回りに、散策することにしました。



茅葺きの東屋・風月軒は撮影スポット


中は畳敷きでくつろぐこともできる


寒そうなアオサギ

茅葺屋根の東屋(風月軒)は、畳敷きになっており、ゆっくりくつろげそうです。
園内で、感心したのが、曲水です。高低差を利用し、うまく設計されています
2番目に印象に残ったのが、大きくて高い松です。
普通、松というと、人工的に曲げてその美しさを鑑賞するものですが、こちらの松はまっすぐ自然のまま上に伸び、幹も相当に太くて、私達が知っている松とは似ても似つかぬものでした。



曲水 微妙な高低差で水が巡る


流れに竹製の熊手、ごみ摂り用でしょうか


水面に映る木橋が美しい


季節を感じさせる松の巨木のコモ巻き


まっすぐ天に伸びた松


びっしり敷かれた松葉

もう1つの大きな建物は迎賓館、広間は見事なもので、行事などに利用されているのでしょうか。
隣の茅葺の建物・余芳閣の2階に上がってみると、こちらも畳の間で、座布団や座椅子などが置かれていました。
見事な眺望をゆっくり鑑賞でき、誰もが、殿様気分を味わうことができます。



迎賓館


余芳閣


2階に上がってみると、眺望抜群


紅葉島から見る庭園


最後に表門付近から一枚

聚楽園おわり
その2 城東の町並みと安国寺・石林園 に続く
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正月の3日、倉敷美観地区を訪ねました。

2020-01-16 22:14:51 | 古い町並み
令和2(2020)年、お正月三が日の三日目、家にいても退屈なので、被写体を求め倉敷市美観地区を訪ねました。
車は、高いとは知っていたものの、利便性を考え、アイビースクエアの駐車場に入れました。お正月だけあって、広場では太鼓の演奏などイベントが行われ、大勢の人で賑わい、まさに新春の平和な日本がそこにありました。
駐車場から最初に向かったのが、阿智神社です。本町通りの町並みから、息を切らせ急な石段を登ると、何と正門(随身門)の手前に長い行列ができていました。
拝殿の参拝に並ぶ人たちです。
その並んだ列から後ろを振り返ると、町並みの甍がきれいな波のように見えます。

境内の能舞台では、琴とテルミンの演奏が行われていました。曲は、「宵待ち草」でした。このテルミンの演奏者は椅子に座り足を組んで、人形を眺めながら音を出していました。
何とも不思議な光景です。

このテルミン、あとで調べてみると、手を触れずに音を出せるロシア生まれの楽器で、ロシア人形「マトリョーシカ」と合体させたものは、「マトリョン」と呼ばれているそうです。乾電池で手軽に音が出せるので、多くの愛好家がいるとか。
舞台はこのあと、狂言が演じられていました。
無料で振舞われる甘酒はすでに終了しており、おみくじを引いて神社をあとにしました。



倉敷天領太鼓ニューイヤーコンサート


倉敷アイビースクエア 人工池のコイ


倉紡記念館


児島虎次郎記念館


町並み 想像以上の賑わいでした


阿智神社 参拝の行列です。


振り返ると倉敷の日本瓦の甍


お正月飾り 枝垂れ柳の枝でしょうか


琴とテルミンの合奏 曲は、’宵待ち草’でした


拝殿


由緒ある本殿


お結び処


狂言

お参りのあと、どこかで休憩したいと思い、立ち寄ったのが、町屋喫茶三宅商店です。
江戸時代後期の荒物屋だった町屋をカフェに改装しています。カレーやパフェが人気です。
順番は5番待ちぐらいでした。20分ほどしてやって番が廻ってきて2階の畳の部屋に通されました。
テーブルの他には何もなく、シンプルそのもの。日替わり手作りケーキセット(シフォンケーキ)を注文し、しばし寛ぐことに。
喧騒を忘れさせてくれる有難い空間です。
しかし、スタッフの方は、急な階段を上がり降りし、大変そうです。

道路を挟んで向かいにある重要文化財井上家住宅、上部の囲いはすでにとれて外観を見せていますが、完了は2.3年先になるようです。待ち遠しいですね。



小さな小さな塑像


山茶花がきれいでした


本町通の風情あるお店


立派な門松のあるお店


三宅商店は元荒物屋の建物


2階のシンプルな座敷


ケーキセットを注文しました

このあと、美観地区倉敷川周辺を散策し、倉敷をあとにしました。
時刻は、夕方の5時ごろ。一般道を通って帰るつもりでしたが、途中、イオンから帰る車で大渋滞。止む無く引き返し、高速道路を利用することに。
しかし、反対車線の登り方面は、帰省する車で大渋滞。わかっていることとはいえ、ちょっと気の毒に思いました。



陽も西に傾いてきました


露店のお店もそろそろ店じまいです


静かに暮れゆく美観地区


倉敷珈琲館のレトロな外灯


こちらはジーンズのお店


絵になるモニュメント


春が待ち遠しいツタ(アイビー)


中庭には、静けさが戻っていました


こちらは、ツタの実
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坂越の古い町並み散策と、日生の‘海の見える公園’を訪ねて

2020-01-03 22:25:07 | 観光名所
坂越の古い町並みを歩く

室津で、牡蠣を求めたあと、次に向かったのが坂越(さこし・兵庫県赤穂市)でした。
町並み散策と、ランチに牡蠣料理でも食べようと思ったのです。しかし、お目当ての‘海の駅しおさい市場’の駐車場は満杯、道路沿いにも車があふれていました。多くが11月中旬から4月末まで行われている牡蠣食べ放題に並ぶ人たちの車です。
仕方なく、ここでのランチをあきらめ、町並みを散策することにしました。

坂越は赤穂の東部に位置し、幕末から明治にかけて、赤穂の塩を運ぶ拠点として栄えた小さな港町です。緩い勾配の坂道・坂越大道(おおどう)の両側には、坂塀や酒蔵の白壁が目につきます。
江戸時代の建物が中心で、最も風格を感じさせるのは、坂の途中に建つ築300年以上といわれる奥藤(おくとう)家です。
町並みの目と鼻の先には生島(いきしま)と呼ばれる無人島があり、島は原生林に覆われています。
坂越の町並みを散策したあと、次に向かったのが日生(ひなせ・岡山県備前市)です。



駐車場の一角に置かれた和舟 祭りに使用されるものでしょうか


坂越の古い町並み


古い町屋


造り酒屋 奥藤家


坂越といえば名酒 忠臣蔵


町並み


坂越まち並み館


昭和レトロな裏通り


周囲1.63km 生島

日生・海の見える公園

日生に入り、まず向かったのが、備前日生大橋です。鹿久居島から大橋や日生の町を撮影したかったのです。
橋の中ほどに休憩用のスペースがあり、ここから日生の海に浮かぶ牡蠣筏を見ることができます。



備前日生大橋から見る牡蠣筏


備前日生大橋


鹿久居島から見る大橋と日生の町


別角度から

このあと、ランチにと向かったのが、カキオコの人気店として知られる「お好み焼きもりした」です。しかし店内を覗いてびっくりというか予想どおり。順番を待つ人で満杯でした。
恐らく、この調子なら、1時間以上は覚悟しないといけないでしょう。

さすがにそこまで待つ気力はなく、カキオコをあきらめ、いつもの海鮮料理の店・秀吉(ひできち)に向かいました。幸いにもテーブル席が空いており‘ミニ懐石’を注文。
正面の港を眺めながら、旬の食材でいただく料理は格別です。

このあと、以前から行ってみたいと思いながら実現していなかった‘みなとの見える丘公園’に意を決して向かいました。
最初、歩いていくしかないと思っていたら、坂道の上から車が一台降りてきました。それなら車でと、細い山道を、対向車が来たらどうしようかと心細く感じながらカーブした山道を進むこと約5分、頂上の駐車場に到着。駐車場といっても、数台分のスペースしかありません。
そこから、徒歩でさらに進むこと約5分、展望広場に到着です。日生港や瀬戸内海の島々が一望できます。ただ、一番の撮影ポイントと思われる備前日生大橋は、立木が邪魔をしてうまく撮影できませんでした。駐車場と合わせ、今後の整備が待たれます。
‘幸福の鐘’も設置されており、インスタ映えすること間違いありません。



海のみえる公園からの絶景


望遠で見る渡船


備前日生大橋もこのとおり


幸福の鐘(しあわせのかね)


日生の市街地も眼下に


絶景を堪能した後、最後に向かったのが、「五味の市」向かいの海鮮バーベキューで賑わう‘海の駅しおじ’です。しかしねらいはバーベキューでも、カキオコでもなく、焼きあなごです。県内では深山公園道の駅の焼き穴子が知られていますが、こちらの焼き穴子も絶品です。
日生を訪ねたら、ここは欠かせません。
こうして、ほぼ本日の予定を消化し、気分もよく家路につきました。



日生といえば五味の市


海の駅しおじ


加子浦歴史文化館


加子浦歴史文化館 庭園

前回の‘室津を訪ねて’はこちら
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