早朝5時半過ぎに自宅を出発し、真庭市の醍醐桜を訪ねました。
例年なら、平日といえども駐車場は満杯、そこで今年も早朝に訪ねることにしたのです。
一般道を通って、約1時間半後の午前7時頃、現地に到着しました。
駐車場は意外なことに、あの第一駐車場がなんと空いていたのです。
これには拍子抜けしました。これも新型コロナの影響でしょうか。
駐車場から数分歩くと、進行方向左手の小山に醍醐桜が、ドーンと姿を現します。
黒くて異様に太い幹が印象的です。
その存在感は半端ではありません。
駐車場から進むと、小高い丘の上にドーンと姿を現す醍醐桜
早朝の吉念寺集落 どの家からも醍醐桜が見えるように建てられている
海抜500メートルの見晴らしの良い高台に立つ醍醐桜
例年なら、茅葺の小屋で特産物の販売や出店が出ているのですが、今年は中止の張り紙がありました。当然、観光客もまばらな状態です。
これで、快晴なら文句のないところですが、天気予報のとおり薄雲、撮影にはいまひとつ不向きでしたが仕方ありません。
遊歩道を進むと、右側手前に2代目醍醐桜が見えます。
随分大きくなった気がしますが、初代の風格に至るには、もう数百年を要するでしょう。
醍醐桜の手前に、数本のミツマタが黄色い花を咲かせていました。
正面が二代目醍醐桜 手前にある黄色い花を付けた木がミツマタ
NHK BS 新日本風土記のオープニングに登場するのはこの場所
ここからのカットが最も美しい
岡山県の天然記念物指定の石碑
かわいい花を付けたミツマタ、数本の株がある。 枝の先が3つに分かれている
周囲をぐるりと、木道が取り囲んでいますが、一部分だけ、幹の下の小さな社にお参りできるよう整備されています。
大きな枝は何本もの支柱で支えられています。
2017年12月には、注連縄が20年ぶりに新しく取り替えられました。
1000年という時を繋いで来ることができたのは、神木として崇められながら地元の方から大切にされてきたからでしょう。
丘の上に立つ一本桜、まさに「孤高」という表現がぴったりだと思いました。
これほど均衡のとれた桜の巨木はめずらしい
どこからみても美しい
どこからみても美しい
醍醐桜 データ
推定樹齢 1000年
以前は700年と言われていましたが、平成2年、有名な樹医・山野忠彦氏が1000年と推定したことにより、以降、1000年とされています。
2016年に京都の桜守・第十六代佐野藤右衛門が請われて診断した際、幹の中は部分的に朽ちて空洞もあるが、元気な維管束(植物が生きるために必要な「水分」や「養分」を運ぶ、値、茎、葉っぱまで通っている管)もたくさん残っているとし、「まだまだ大丈夫、二百年でも三百年でも生きられる」と宣言しています。
名前の由来
通説では、後醍醐天皇が隠岐へ配流の際、この桜を見て称賛されたことから、いつの間にか醍醐桜と呼ばれるようになったといわれています。
また、異説では、一度隠岐へ流されたのち、1333年に密かに出られ、船上山(大山の北側)で挙兵、書写山への還幸途中の7月中旬、吉念寺集落に立ち寄り、当時の樹齢約300年のこの木を称賛したともいわれています。
木の大きさ
目通り(地上1.2mの高さでの幹の外周の長さ) 7.1m(岡山県下一の巨木)
根廻り 9.2m
枝張り 東西南北 20m
樹高 18m(20mとの説も)
種類
アズマヒガン(別名:エドヒガン)
醍醐桜の魅力的なところ
1. 樹形の美しいところ これほど均衡のとれた桜の巨木はめずらしいとも
2. そのローケーション 海抜500mの見晴らしの良い高台に1株そびえ立つ
醍醐桜の形容
1. 山里に凛とそびえる一本桜
2. 威風堂々とした一本桜
3. 里山に威風堂々と佇む巨木
4. しっかり大地を踏みしめ立つ
5. 深山に堂々とした威容を誇る中国地方随一の桜
6. 悠久の時の流れを刻み、苔むした老木
7. 偉大な生命力と周囲を圧する風格は何か神秘さすら感じさせる
太い幹 目通り7.1m
治療の跡が伺える
細い枝が伸びる
周囲を木道が取り囲む
集落の人により神木として大切にされてきた
アズマヒガンの花弁はソメイヨシノより小ぶりで繊細
さらにアップ
細い枝にもびっしり花を付ける
見事なボリューム
迫力さえ感じられる
たくさんの支柱に支えられている
ここは中国山地の山の中
参考 日本三大桜と日本五大桜
(大正時代に制定された「史跡名勝天然記念物保存法」に沿って選ばれた桜の名所より構成された。すべて国の天然記念物。上位3つが日本三大桜)
1. 三春滝桜(福島県田村郡三春町滝桜久保地内)
エドヒガン系ベニシダレザクラ 樹齢1000年以上、高さ13.5m、目通り8.1m、根廻り11.3m、枝張り東西25m、南北20m
2. 山高神代桜(山梨県北杜市武川町山高2763実相寺境内)
エドヒガン 樹齢1800年から2000年 幹廻り11.8m 樹高10.3m
3. 根尾谷淡墨桜(岐阜県本巣市根尾板所上段995)
エドヒガン 樹齢1500余年、目通り9.91m 樹高16.3m、枝張りは東西26.9m・南北20.2m。
4. 石戸蒲ザクラ(埼玉県北本市石戸宿3丁目119番地(東光寺境内))
ヤマザクラとエドヒガンの自然交配種 樹齢800年 世界でたった1本
5. 狩宿の下馬桜(静岡県富士宮市狩宿)
シロヤマザクラ 樹齢800年から1000年 最古の山桜として唯一、特別天然記念物に指定
新日本名木百選のさくら
新日本名木100選は、1990年の大阪花博に合わせ、花博協会と読売新聞社の共催で企画されたものです。新とありますが、それ以前に百選はありません。
桜では、以下の6つが選定されています。(北から順に選定当時の100選での名称及びデータから)
1. 石割ザクラ(岩手県盛岡市) ヒガンサクラ 目通り5.52m 樹齢350年 国天然
2. 三春滝ザクラ(福島県三春町)ベニシダレザクラ 目通り9.5m 樹齢1000年 国天然
3. 大島のサクラ株(東京都大島町)オオシマザクラ 目通り8.0m 国特別天然
4. 山高神代ザクラ(山梨県北杜市)エドヒガンザクラ 目通り10.6m 樹齢1000年以上 国天然
5. 淡墨ザクラ(岐阜県本巣市)エドヒガンザクラ 目通り9.2m 樹齢1500年 国天然
6. 醍醐ザクラ(岡山県真庭市)エドヒガンザクラ 目通り7.1m 樹齢700年 県天然
醍醐桜のみ、国の天然記念物に指定されていませんが、その価値は十分認められているようです。個人的に、樹齢、大きさ、樹形の美しさから、1.三春滝ザクラ、2.薄墨ザクラ、3.醍醐ザクラを新日本三大桜と称してよいのではないかと思っています。
訪問日:令和2年4月7日(火)
例年なら、平日といえども駐車場は満杯、そこで今年も早朝に訪ねることにしたのです。
一般道を通って、約1時間半後の午前7時頃、現地に到着しました。
駐車場は意外なことに、あの第一駐車場がなんと空いていたのです。
これには拍子抜けしました。これも新型コロナの影響でしょうか。
駐車場から数分歩くと、進行方向左手の小山に醍醐桜が、ドーンと姿を現します。
黒くて異様に太い幹が印象的です。
その存在感は半端ではありません。
駐車場から進むと、小高い丘の上にドーンと姿を現す醍醐桜
早朝の吉念寺集落 どの家からも醍醐桜が見えるように建てられている
海抜500メートルの見晴らしの良い高台に立つ醍醐桜
例年なら、茅葺の小屋で特産物の販売や出店が出ているのですが、今年は中止の張り紙がありました。当然、観光客もまばらな状態です。
これで、快晴なら文句のないところですが、天気予報のとおり薄雲、撮影にはいまひとつ不向きでしたが仕方ありません。
遊歩道を進むと、右側手前に2代目醍醐桜が見えます。
随分大きくなった気がしますが、初代の風格に至るには、もう数百年を要するでしょう。
醍醐桜の手前に、数本のミツマタが黄色い花を咲かせていました。
正面が二代目醍醐桜 手前にある黄色い花を付けた木がミツマタ
NHK BS 新日本風土記のオープニングに登場するのはこの場所
ここからのカットが最も美しい
岡山県の天然記念物指定の石碑
かわいい花を付けたミツマタ、数本の株がある。 枝の先が3つに分かれている
周囲をぐるりと、木道が取り囲んでいますが、一部分だけ、幹の下の小さな社にお参りできるよう整備されています。
大きな枝は何本もの支柱で支えられています。
2017年12月には、注連縄が20年ぶりに新しく取り替えられました。
1000年という時を繋いで来ることができたのは、神木として崇められながら地元の方から大切にされてきたからでしょう。
丘の上に立つ一本桜、まさに「孤高」という表現がぴったりだと思いました。
これほど均衡のとれた桜の巨木はめずらしい
どこからみても美しい
どこからみても美しい
醍醐桜 データ
推定樹齢 1000年
以前は700年と言われていましたが、平成2年、有名な樹医・山野忠彦氏が1000年と推定したことにより、以降、1000年とされています。
2016年に京都の桜守・第十六代佐野藤右衛門が請われて診断した際、幹の中は部分的に朽ちて空洞もあるが、元気な維管束(植物が生きるために必要な「水分」や「養分」を運ぶ、値、茎、葉っぱまで通っている管)もたくさん残っているとし、「まだまだ大丈夫、二百年でも三百年でも生きられる」と宣言しています。
名前の由来
通説では、後醍醐天皇が隠岐へ配流の際、この桜を見て称賛されたことから、いつの間にか醍醐桜と呼ばれるようになったといわれています。
また、異説では、一度隠岐へ流されたのち、1333年に密かに出られ、船上山(大山の北側)で挙兵、書写山への還幸途中の7月中旬、吉念寺集落に立ち寄り、当時の樹齢約300年のこの木を称賛したともいわれています。
木の大きさ
目通り(地上1.2mの高さでの幹の外周の長さ) 7.1m(岡山県下一の巨木)
根廻り 9.2m
枝張り 東西南北 20m
樹高 18m(20mとの説も)
種類
アズマヒガン(別名:エドヒガン)
醍醐桜の魅力的なところ
1. 樹形の美しいところ これほど均衡のとれた桜の巨木はめずらしいとも
2. そのローケーション 海抜500mの見晴らしの良い高台に1株そびえ立つ
醍醐桜の形容
1. 山里に凛とそびえる一本桜
2. 威風堂々とした一本桜
3. 里山に威風堂々と佇む巨木
4. しっかり大地を踏みしめ立つ
5. 深山に堂々とした威容を誇る中国地方随一の桜
6. 悠久の時の流れを刻み、苔むした老木
7. 偉大な生命力と周囲を圧する風格は何か神秘さすら感じさせる
太い幹 目通り7.1m
治療の跡が伺える
細い枝が伸びる
周囲を木道が取り囲む
集落の人により神木として大切にされてきた
アズマヒガンの花弁はソメイヨシノより小ぶりで繊細
さらにアップ
細い枝にもびっしり花を付ける
見事なボリューム
迫力さえ感じられる
たくさんの支柱に支えられている
ここは中国山地の山の中
参考 日本三大桜と日本五大桜
(大正時代に制定された「史跡名勝天然記念物保存法」に沿って選ばれた桜の名所より構成された。すべて国の天然記念物。上位3つが日本三大桜)
1. 三春滝桜(福島県田村郡三春町滝桜久保地内)
エドヒガン系ベニシダレザクラ 樹齢1000年以上、高さ13.5m、目通り8.1m、根廻り11.3m、枝張り東西25m、南北20m
2. 山高神代桜(山梨県北杜市武川町山高2763実相寺境内)
エドヒガン 樹齢1800年から2000年 幹廻り11.8m 樹高10.3m
3. 根尾谷淡墨桜(岐阜県本巣市根尾板所上段995)
エドヒガン 樹齢1500余年、目通り9.91m 樹高16.3m、枝張りは東西26.9m・南北20.2m。
4. 石戸蒲ザクラ(埼玉県北本市石戸宿3丁目119番地(東光寺境内))
ヤマザクラとエドヒガンの自然交配種 樹齢800年 世界でたった1本
5. 狩宿の下馬桜(静岡県富士宮市狩宿)
シロヤマザクラ 樹齢800年から1000年 最古の山桜として唯一、特別天然記念物に指定
新日本名木百選のさくら
新日本名木100選は、1990年の大阪花博に合わせ、花博協会と読売新聞社の共催で企画されたものです。新とありますが、それ以前に百選はありません。
桜では、以下の6つが選定されています。(北から順に選定当時の100選での名称及びデータから)
1. 石割ザクラ(岩手県盛岡市) ヒガンサクラ 目通り5.52m 樹齢350年 国天然
2. 三春滝ザクラ(福島県三春町)ベニシダレザクラ 目通り9.5m 樹齢1000年 国天然
3. 大島のサクラ株(東京都大島町)オオシマザクラ 目通り8.0m 国特別天然
4. 山高神代ザクラ(山梨県北杜市)エドヒガンザクラ 目通り10.6m 樹齢1000年以上 国天然
5. 淡墨ザクラ(岐阜県本巣市)エドヒガンザクラ 目通り9.2m 樹齢1500年 国天然
6. 醍醐ザクラ(岡山県真庭市)エドヒガンザクラ 目通り7.1m 樹齢700年 県天然
醍醐桜のみ、国の天然記念物に指定されていませんが、その価値は十分認められているようです。個人的に、樹齢、大きさ、樹形の美しさから、1.三春滝ザクラ、2.薄墨ザクラ、3.醍醐ザクラを新日本三大桜と称してよいのではないかと思っています。
訪問日:令和2年4月7日(火)