未熟なカメラマン さてものひとりごと

ようこそ、おいでくださいました。

松本さん、本当におつかれさまでした。

2019-02-04 22:41:13 | 
全国の苗字ランキング(日本姓氏語源辞典)によりますと、全国の松本さんの苗字ランキングは15位、全国に615600人の松本さんがいるそうです。、ちなみに我が井原市長の大舌(おおした)さんの苗字ランキングは、36103位、全国には、たった70名しかいないのだそうです

さて、ここで紹介する松本さんは、、16年以上にわたり、車夫として人力車を引いて来られた、真庭市勝山(岡山県)の松本高明さん(72)のことです。体力の限界を感じ、昨年(2018)の12月1日、ついにラストランを迎え岡山市の新婚夫婦を乗せて記念のパレードを行ったというお話です。引退を決意したのは一昨年(2017年)9月のことだったようです。



2018年3月3日 勝山のお雛まつりでの松本さん


左側の張り紙に、最終年と書かれていました。

(松本さんと人力車)
松本さんは、55歳で情報通信会社を早期退職し、第二の人生は地元に貢献したいと2002年4月に「人力車まつもと」を開業しました。当初は10年間が目標だったようです。
しかしこの開業には、当初奥さんは反対したそうです。「目立つこと、派手なことがいやだった」とか。しかし、そこは夫婦、最初の7年間は夫を支え一緒について歩いたそうです。
学生時代、サッカーで鍛えた脚力を生かして、冬場を除く土日祝日を中心に活動してきました。津山市や岡山市、矢掛町などのイベントのほか、老人ホーム、結婚式にも依頼を受けて出向き、16年間に乗せた客は、3280名にもなりました。
しかし70歳を過ぎるころから、大人2人が乗ると200キロを超す車両を引く作業が堪えるようになり、奥さんの助言もあったのでしょう。ついに引退という決断に至りました。
ただ、この第二の人生、同級生や、地元の支援者に支えられ、感謝と達成感でいっぱいだそうです。
心残りは後継者だそうです。早く見つかるといいですね。



高瀬舟の発着場を見ることができます


お雛まつりで賑わう町並み保存地区

(町並み保存地区、勝山とは)
それでは、松本さんが人力車を引いて歩いた生まれ故郷勝山とはどんな町でしょう。
勝山は勝山藩2万3千石の城下町で、出雲街道の宿場町として栄えました。保存地区には白壁や格子窓の商家、なまこ壁の土蔵など伝統的な建造物が並び、いにしえの城下町の佇まいを今に残しています。
この町並みは昭和60年に岡山県で初めて「町並み保存地区」に指定されました。
この町並みを彩っているのが「のれん」です。お店や民家を含め118軒もの軒先に、それぞれをモチーフにしたのれんがかかっており、独特の風情があります。

私が松本さんを最初に見たのが、もちろんこの勝山でしたが、その後、矢掛の流しびな行列でたびたび目にするようになりました。沿道を埋め尽くす観光客の中を、お姫様を乗せて人力車をさっそうと引く松本さんの存在感は半端ではありません。



矢掛流しびな行列での松本さん

昨年(2018)の勝山お雛まつりのとき、沿道で待機する松本さんを発見。「今年も矢掛の流しびな行列に行かれますか?」との私の問いに「はい!行きますよ!」との元気な返事が返ってきました。しかし、今になってそのときの画像を拡大して確認すると、近くに張り紙があり、そこには、「人力車まつもと、最終年」としっかり書いてありました。
私たちが、一般に人力車の車夫としてイメージするのが、京都や倉敷の観光地で見かける屈強な若者の姿です。
古希を過ぎた、72歳まで現役を続けられた松本さんには敬意を表したいと思います。
長い間、本当におつかれさまでした。

(山陽新聞、毎日新聞、産経新聞のWEB記事を参考にさせていただきました)
コメント
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