未熟なカメラマン さてものひとりごと

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上田宗箇流井原 合同の初釜が開催されました。

2023-02-19 11:47:23 | 茶道
開催日:令和5(2023)年1月22日

立春を前に、寒さの中にも春の気配を感じさせる、令和5年1月22日、井原市高屋町の華鴒大塚美術館別館緑樹園で、合同初釜が、10時、11時の二席に分かれて開催されました。総勢二十名の参加でした。
一席目はいばら文化教室、社中の皆さんが客に、井原遠鐘クラブが水屋を。二席目は主客交代でいたしました。まず、美術館の原点となる華鴒の間(洋室)で、白湯が出されて喉を潤しながら、華やいだ気分で互いに新年の挨拶を交わしたあと、レトロなガラス戸越しに日本庭園を眺めながら織部床の茶室に移動しました。



竹一重切花入に結び柳と桃太郎椿


遠鐘クラブの席




大福茶 中に梅干しと山椒の粉を付けた栗豆が入っている 

お点前は、遠鐘クラブと文化教室の両方に席を置いている私が、遠鐘クラブの側で先生から命じられ、未熟ながら一所懸命努めさせていただきました。お茶会が初めてという方も数名おられ緊張した面持ちで臨んでおられました。主菓子はいつも変わらぬ富久味庵製の「千代の糸」です。
織部床には、藤井誡堂筆「青松多寿色」の書が掛かり、竹一重切花入には前日から準備された先生渾身の結び柳と桃太郎椿が見事に調和し、席の雰囲気はピリッとしつつも次第に和やかなものに変わっていきました。亭主は二席とも先生がお勤めになりました。
水指は人間国宝・金重陶陽の備前焼で、扱いにとても緊張しました。皆さん、梅干しと山椒の粉を付けた黒豆でいただく大福茶を楽しくいただいておられました。大福茶のあとは、点て出しで薄茶が振る舞われました。
干菓子は、鶴亀の杉の羽子板風銘々皿で出され、めでたさに話しが盛り上がります。
11時からの二席目は、主客交代で遠鐘クラブの席でした。実に三年ぶりの初釜となりました。世話人代表、顧問をはじめ遠く岡山市内在住のご夫妻も駆け付けられ、久しぶりの再会に話しがはずみました。今年も無病息災で茶の湯が楽しめますようにと念じ、一同晴れやかな気分で会場をあとにしました。







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茶の湯音頭 上田宗箇流にて 岡山県井原市 アクティブライフ井原

2022-09-19 00:05:00 | 茶道
と き:令和4年9月10日(土)午後6時30分から
ところ:アクティブライフ井原メルヘンホール



アクティブライフ井原 メルヘンホール

3年ぶりにアクティブライフ井原のメルヘンホールで「観月の夕べ」が開催されました。コロナ禍ということもあって、茶席は設けられず、場所を変えて舞台での演奏のみとなりました。
このラストを飾るのが、茶の湯音頭で、今年は、我が上田宗箇流が担当でした。そして先生より指名された上田宗箇流オール井原から3名が登場、点前、正客、半東としっかりその役を演じ切りました。この茶の湯音頭、何が難しいかというと、三曲(箏、三絃、尺八)の演奏に合わせて、お点前をし、曲の終了に合わせてお点前も同時に終わらせるというところです。

設定時間は、14分15秒前後。三曲の演奏者は、終始、譜面を見ているので、お点前の動作に注視することはできず、合わせるのは非常に困難です、仮にできるとすれば最後のところだけでしょう。ということで、お点前で曲に合わせるしかありませんが、これがなかなか難しいのです。しかし何度か練習をしていると、水指の蓋をとるときに、箏の弦を「シュシュ」とこする音、終盤、水指の蓋をするときに後半の唄が始まる、などの点で、自分のお点前が早いか遅いかある程度判断することができます。



お点前に会場内の視線が集中し、相当なプレッシャーとなります。


お点前と半東、正客の3名が堂々と演じ切りました。


最後もぴったり。よかったよかった。

茶の湯音頭(茶音頭とも)は、江戸時代の文化文政期に京都で活躍した盲人音楽家、菊岡検校(きくおかけんぎょう)が作曲、八重崎検校(やえざきけんぎょう)が箏の手付をした手事物の地歌曲です。俳人横井也有(よこいやゆう)の「女手前」から抜粋した歌詞で、茶道の茶の湯の道具を歌詞に詠み込んで、男女の契りの末永く変わらぬようにと願いを歌ったもので、曲の長さと薄茶点前との時間がぴたりと一致するところから、三曲愛好家と茶人たちが席を共にして楽しむ風流が生まれました。また、三絃の調弦が「六下がり」という非常に特殊なもので、独特な響きがこの曲独自の雰囲気を作りだしています。

<歌 詞>
世の中に勝れて花は吉野山、紅葉は立田、茶は宇治の、都の辰巳それよりも、
里は都の末申。数寄とは誰が名に立てし、濃茶の色の深緑、
松の位にくらべては、かこひというも低けれど、情けは同じ床飾り、飾らぬ胸の裏表、
帛紗捌けぬ心から、聞けば思惑違い棚、逢うて、どうして香筥の、
柄杓の竹は直すなれど、そちは茶杓の曲み文字、憂さを晴らしの初昔。
昔し話の爺婆と、なるまで釜のなか冷めず、緑は鎖の末永く、千代万代へ。

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上田宗箇流 野点席 第30回吉備真備公献茶会 岡山県倉敷市真備町 平成30年5月4日

2018-05-08 18:59:22 | 茶道
毎年5月4日に、倉敷市真備町まきび公園内で開催される、吉備真備公献茶会に上田宗箇流オール井原の一員として参加しました。
この献茶会は、奈良時代、学者で政治家だった吉備真備公の遺徳を偲ぶものです。
ゆかりの地、倉敷市真備町では、住民の親睦と茶道文化の振興を目的に平成元年から行われているもので、今年で実に30回目になります。例年の来場者は1200名にもなります。

上田宗箇流としては、3年ぶりの参加でした。
前日の3日に準備、当日は8時前に会場入りをしました。裏千家、表千家、上田宗箇流の三流派が茶席を設けましたが、上田流の茶席は、野点の長安の席で、委員会の人の話によると一番人気の席だそうです。
公園のツツジが見ごろを迎え、小さな谷の緩やかな水の流れが涼感を感じさせます。長安の席は、頭上をカエデの新緑が覆い、まさに自然を楽しみながらいただけるお茶は野点の醍醐味といってもいいでしょう。
ただ、前日に雨が降り、傾斜のあるこの席は地面に苔がびっしり生えていて、足元がとても不安定でした。
前回、立礼台の位置は一番高いところでしたが、お客さんから点前が見えにくいということで今回は逆に一番下に設置しました。

一席が60名で、40分毎10席を設けました。ただ、人数が多いため、お点前が終わるころにまだ後方の人にお茶が出ていないことがあったり、お茶を持っていったところ、「まだ、お菓子をいただいていない」ということもありましたが、それも時間が経つにつれてうまく回るようになりました。
一番のアクシデントは、途中で雨が降ってきたことでした。ちょうど私がお点前をしていたときで、中止しようか、このまま続けていいものかと迷いましたが、ハンカチを頭に載せたり、傘をさしたりと、動じないお客様を見て、もう迷うことはありませんでした。

井原や福山からのお客様が声をかけてくださったり、武家茶がめずらしいのか、お点前を熱心にご覧になる様子が、励みになりました。
また、OHKや地元ケーブルテレビの取材、伊東倉敷市長の水屋訪問もありました。
当日は、一日中、不安定なお天気で、最後までやきもきしましたが、スタッフ15名に、学生2名のボランティアを加えた総勢17名、10席を無事に終えることができました。

会場準備や後片付けに尽力いただいた実行委員会の皆様に、感謝を申し上げたいと思います。



まきび公園




まきび公園の代表的景観


受付 まだ余裕の表情です


新緑が美しい公園です


せせらぎにかかるカエデの若葉


この位置、意外とお客様の視線が気になりません


最初は緊張します


一生懸命点前を見つめる来場者







せせらぎの音に癒されます






頭上を覆うカエデの新緑


棗(なつめ)にカエデの若葉が映り込む




お花はコバノズイナとツキヌキニンドウ
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上田宗箇流 初釜 平成30年1月28日(日)華鴒大塚美術館別館・緑樹園

2018-02-09 20:46:00 | 茶道

大福茶

今年も、上田宗箇流井原遠鐘クラブ、岡本社中、文化教室合同の初釜茶会が、緑樹園で開催されました。
参加者は、全員で17名。懐石、大福茶、薄茶と、作法にご指導をいただきながら楽しく頂戴致しました。
この席でふるまわれる大福茶には、1年の無病息災を願って、梅干と山椒の粉を付けた黒豆が入れられます。梅干の種はお守り代わりに持っていると病気にならないといわれています。
外では粉雪がしんしんと降るとても寒い一日でしたが、山椒や梅の香りに包まれたお茶室で、香ばしいお茶を味わいながら、1年のスタートを実感いたしました。

今年も、長庵茶会、真備茶会と大きな行事が続きますが、“上田宗箇流オール井原”の一員として、微力ながら貢献したいと思っています。



待合で白湯をいただきます


井原遠鐘クラブ世話人代表が、お家元の短冊を披露








今年もよろしくお願いします。

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茶の湯音頭 上田宗箇流お点前にて

2014-10-14 21:50:09 | 茶道

田中苑の楷の木(昨年の紅葉から)

10月4日(土)午後5時30分より井原市田中苑及び市民会館で「観月の夕べ」が開かれました。各流派の茶席が設けられ大勢のお茶愛好家で賑わいました。午後7時からは市民会館ホワイエで、演奏が行われました。

このラストを飾るのが、茶の湯音頭で、今年のお点前は上田宗箇流の担当でした。そして先生よりお点前は私に命じられ、この日のために、練習を重ねてまいりました。何が難しいかというと、三曲(箏、三絃、尺八)の演奏に合わせて、お点前をし、曲の終了に合わせてお点前も同時に終わらせるというところです。

先生からいただいた設定時間は、14分17秒でした。三曲の演奏者は、終始、譜面を見ていますので、お点前の動作に注視することはできず、合わせるのは非常に困難です、仮にできるとすれば最後のところだけでしょう。ということで、お点前で曲に合わせるしかありませんが、しかしこれがなかなか難しいのです。それでも私の場合は、水指の蓋をとるときに、箏の弦を「シュシュ」とこする音、終盤、水指の蓋をするときに後半の唄が始まる、という2点で、お点前が早いか遅いか判断し、調子を合わせるようにしました。

何かアクシデントが起きない限り大丈夫と思っていましたが、それでも100人以上の視線がお点前に集中する舞台の上のことですので、最初は自然と手も震えます。意識的にゆっくりすることを心がけると、遅れ気味になり、最後で少し無理に合わせた感じになりましたが、何とか無事に終了することができました。一番気をもんでいたのは、指導いただいた先生方と家族ではないでしょうか。とにかく三曲を演奏された皆さんや、我が社中の半東役、正客役の皆さん総勢7名の努力の結晶で、感謝あるのみでした。

この「茶の湯音頭」について少し調べてみました。

茶の湯音頭(茶音頭とも)は、江戸時代の文化文政期に京都で活躍した盲人音楽家、菊岡検校(きくおかけんぎょう)が作曲、八重崎検校(やえざきけんぎょう)が箏の手付をした手事物の地歌曲です。俳人横井也有(よこいやゆう)の「女手前」から抜粋した歌詞で、茶道の茶の湯の道具を歌詞に詠み込んで、男女の契りの末永く変わらぬようにと願いを歌ったもので、曲の長さと薄茶点前との時間がぴたりと一致するところから、三曲愛好家と茶人たちが席を共にして楽しむ風流が生まれました。また、三絃の調弦が「六下がり」という非常に特殊なもので、独特な響きがこの曲独自の雰囲気を作りだしています。

<歌 詞>
世の中に勝れて花は吉野山、紅葉は立田、茶は宇治の、都の辰巳それよりも、

里は都の末申。数寄とは誰が名に立てし、濃茶の色の深緑、

松の位にくらべては、かこひというも低けれど、情けは同じ床飾り、飾らぬ胸の裏表、

帛紗捌けぬ心から、聞けば思惑違い棚、逢うて、どうして香筥の、

柄杓の竹は直すなれど、そちは茶杓の曲み文字、憂さを晴らしの初昔。

昔し話の爺婆と、なるまで釜のなか冷めず、緑は鎖の末永く、千代万代へ。

(通 釈)
世の中で花に勝れた山は吉野山、紅葉に勝れた山は立田山、茶に勝れたところは宇治、喜撰法師が古今集に、「辰巳しかぞ住む」とうたった宇治よりも、里は都の末申にあたる島原の遊郭が優れている。
通人・風流人の風流を数寄と誰が呼び、評判を高くしたのか、その通人の立てる茶の湯の濃い茶の色は深緑、松の位即ち太夫からくらべれば、囲い女郎を茶室の意をもつ「かこひ」と呼んでも身分は低いが、人情の点では生娘と同じ床飾りの美しさをもっている。
偽り飾らない胸の裏表、表裏の布から出来た帛紗、その扱い方の上手にゆかない心の悩みから、聞けば茶室の違い棚のような思惑違い、されど逢って、どうしてこうしてと話してみれば、その香筥の柄杓の竹は真っ直ぐなように正しいが、そちらは茶杓の先が曲がっているように、ゆがみ文字となって曲がって私に苦しみを与えなさる。
憂さ晴らしに初昔の茶を飲んで、やがてはありし昔の若かった当時の懐い出話をする爺婆となるまで茶釜の湯のように冷めないで、茶釜を釣った鎖のように、強く末永く変わらず千代万代と幾久しく絶えない縁を祈りましょう。

この歌詞を理解して、臨めば、情感が出てもっといいお点前ができたのではと思いましたが、「時、すでに遅し」でした。(参考文献:ウイキペディア他)



Mygarden ザクロ
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