memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

IUU漁船対策の条約        FAOで承認

2009-11-29 00:16:51 | 水産・海洋
IUU漁船(不法操業漁船)を港から締め出す目的の条約がFAO開催による会議で承認されたこの条約が発効すると、この課題に対する初めての取り決めとなる(FAO 11月25日:メルコプレス)

この条約は25カ国の批准によって発効するが、現在はブラジル、チリー、ウルグアイ、米国、EU、インドネシア、アイスランド、サモア、シエラレオネなどの11カ国が議決に続いて批准を行なっている。またこの条約は“無国籍”と呼ばれるIUU漁業にも取り上げている。正確には“IUU漁船の解消と抑止のための港湾規則に関する合意”とよばれる。この条約に署名することによって、各国政府自らがIUU操業の抑止と消滅に取り組む必要があり、各国の港を違法操業船から守りかような船舶からの水揚げ物の世界市場への流入を防ぐ。

「この条約は漁業に関して1995年以降国連の魚類資源に関する最も意義ある条約である」とFAO漁業部門の専務理事の野村一郎は評価する。「これは一里塚ともいえる体制であり、もはや我々は漁業国の能力にのみ頼るのではなく、各海洋の自由海域で操業するそれぞれの旗国が識別や報告あるいは入港拒否などを行なう段階にきた」。 IUU操業は漁業の生産性を傷つけやがては破滅に導くものである。この人類にとって深刻な問題は資源の食料と収入という両面の理由による。正規の承認なしの操業や、保護資源を捕獲すること、違法な漁具の試用、あるいは漁獲枠を無視した操業といったものがIUU操業の実態である。もちろんこうした違法行為に対抗する様々な方法があるものの、資金を要し開発途上の国にとっては、その実行は困難であり、海はあまりにも広大であって、その監視に要する必要な技術のコストも大きい。その結果として、港湾での規制はIUU漁業に対してもっとも有効な手段といえる。

この条約の目玉は:
•  外国漁船で入港を必要とする漁船は事前に目的港にその旨の通告をし許可を要請する必要があり、本船の活動内容とその積荷を通報する必要がある。この通報が当局になされることにより、事前に警報としての赤信号を出せる。
•また、港湾入港時には当事国は一定の基準に沿って本船の検問を行なうことが可能トライ、本船の書類の閲覧、漁具の調査、漁獲物の検査などによりIUU操業をしていないかどうかの査察が出来る。
• さらに港湾当局側は正規に訓練された係官や充分な機材を確保しておく必要がある。
•仮に漁船側がそうした査察を拒否した場合には、港湾を有する旗国がその情報を通達し、その漁船が掲げる旗国がそれに続く対応を行なうことが求められる。この規則は適正な国旗を掲げていない船舶にも適応される。この条約参加国は定期的な監視体制を責任を持って行なうことが求められる。