memories on the sea 海の記録

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軟体動物の侵入が食物連鎖の脅威に   アルゼンチン沿岸

2011-08-14 10:48:44 | 水産・海洋
アジア原産の軟体動物であるRapana Venosa(和名:アカニシガイ)がアルゼンチンの沿岸に侵入し生態系と漁業活動の脅威となっていると同国の国家科学技術審議会Conicentの海洋生物学者が伝えている(8月9日MP)

原産地は中国であるが、アルゼンチンとウルグアイには90年代に多くの船舶のバラスト水によって持ち込まれたものとみられる。それが地元の海洋生物を餌として繁殖南大西洋沿岸の海の自然の食物連鎖を破壊している。「このアジア産の軟体動物は繁殖を続け今のところ消滅する気配はない」とConicetのRapanaに関する専門家Diego Giberto氏はいう。

地元にうまく適応し増殖したアカニシガイが最初に発見されたのは1998年のプラタ河であった。それ以降時をおかずしてブエノスアイレス沿岸に繁殖、アルゼンチンの漁業の中心地であるマルデルプラタ近くにまで広がった。天然の捕食者がいないため貪欲なアジア産の軟体動物は新しい生息地に適応し、これが2枚貝、アサリ、ムール貝、カキなどの脅威となり、これらを捕食する魚類にも影響を与えている。

「しかしながら、侵入の速度や何を食べているかなどのデータはいまだ不足しているが、漁業にとっては脅威となっている」とGiberto氏はいう。 このアジア産軟体動物は静かにウルグアイの沿岸にも侵入しているが、大学の海洋生物部門は生死にかかわらずこの軟体動物を持ち込めば金を支払うという。

この軟体動物Rapana Venosa(アカニシガイ)はイタリー、フランス、米国などでも望まれざる客とされているが、ムール貝を破滅させるためである。黒海では漁業者がこれを採捕し市場で流通のある中国に輸出している。この貝を対象とした「沿岸漁業としてのアイデアもある」とGiberto氏はいい、INIDEPがラプラタ河やアルゼンチン沿岸で篭による漁獲を試験しているという。 根絶をめざすよりその利用を考えたほうが良い「漁民にとって代替えになる」とGiberto氏はいう。

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