memories on the sea 海の記録

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怒りをうけて漁業権登録を公開   英国

2011-08-24 00:01:38 | 水産・海洋
漁業権割り当てにより大型企業は利益が出るが、小規模漁業者は生計が成り立たないという(8月15日Guradian)

英国の漁業権を誰が持っているのかわからないという小諸規模漁業者の怒りの広がりを受けて政府は漁業権登録の公約をした。これは一般大衆や漁民が英国漁業枠についてどの会社が行使できるかを知る初めての機会である。漁業権はEU委員会によって毎年加盟国にTACとして割り当てられる。さらにそれは各国によって国内漁船に割り当てられる。英国では各漁船に対する割り当ては漁船の能力、魚の状況、過去の漁船の実績などによって割り当てられる。

しかしながらその過程は不透明で、どの会社あるいは漁業者が漁獲枠を所有しているのかを知ることは難しい。漁業権は譲渡可能で、各社は商業契約により他者に権利を販売できる。英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA:The Department for Environment, Food and Rural Affairs)は非難の声を受けて救済策をとると表明した。スポークスマンはGuardian紙に対して「大型企業と10メートル以下の漁船の漁獲枠のバランスをとるための審議を最近行った」と語った。「この一環として漁獲枠の登録とインターネットWEBによる漁獲枠取引を公開しシステムをより透明なものにする。現在意見を求め、いかに進めるかを検討している」と。 新しい登録は英国水域での当初の漁獲枠が誰のものであるかを明らかにする。

現在漁業権はさまざまな団体に行き渡っている。その中の多くは漁業となんら関係のない団体も含まれる。今年のはじめにあった噂ではマンチェスター・ユナイテッドやスコットランド・ロイヤル銀行なども漁業権を所有しているという。ガーデイアン紙が接触したところ、いずれも漁業権を所有しておらず、なぜ引き合いに出されるのかもわからないという。

小規模漁業者らは大型企業や追跡できない企業に漁獲枠が買い上げられることに怒りを表している。彼らは市場では高額すぎて自分たちは買うことができず、また自らの漁獲枠は生計を立てるのには不十分である。銀行や大型企業のみが入手した権利でうまい汁を吸っていると。仮に議会が誰が漁業権を所持しているのか見つけることが不能だとしても、議員はなぜ政府が漁業権の販売“現状は受け入れがたい”と発言している。DEFRAのスポークスマンは誰が漁業権を所有しているかについては現状は“商業上の秘密”から詳細を開示できないという。

英国では漁獲枠は3つのグループに割り当てられる。漁船船主による生産者団体がその一つであり、大型漁船は生産者団体には含まれない。それに10メートル以下の漁船がある。漁業権は“固定枠配分”の形で割り当てられ、それは一定期間の各漁船の過去の水揚げ実績などによりきめられる。漁獲枠はグループ内外の漁業者間で取引が可能である。(以下省略)

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