memories on the sea 海の記録

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現代の奴隷    恐ろしい漁船での生活 (2)

2010-10-12 00:03:44 | 海事
漁船自体は何か月も沖にとどまり、数週間ごとに冷凍運搬船がやってきて横付けし、漁獲物をつみとり、物資を補給する。彼らは遠隔の洋上で仕事をしているため長期間にわたって検問査察を逃れることができる。

乗組員は効率的に投獄されたようなものである。EJFがインタビューした彼らの多くは泳ぐことができない、これは国連の定義では強制労働に相当する。暴力の報告、支払いの不履行、書類の詐取などが日常的に行われているとCopeland氏は語る。
調査官らは2006年シエラレオネの沖でセネガル人200人が働いているのを発見した。人々は船の船尾に間に合わせで作られた居住区に生活、4層に仕切られていてその高さは1メートルしかなく、ダンボールを敷き詰めて寝床としていた。

この船は公式リストに記載されてはおらず、記録からはラスパルマスに寄港したことが判明したが、そこは欧州に向けての西アフリカの魚の集積地で、EUの当局にはずさんな検査体制で知られる港である。しかし調査担当者らの本来の関心事項は魚の資源である。

EJFが乗船調査した船は底引きトロールでありEU輸入ライセンスを所有、エビ、イセエビ、マグロなどを漁獲する。底引き漁船は重いチエーンで海底を引きずり回るのでサンゴなど海底にあるものをすべて削り取ってしまう。ある事例では漁船が獲ったものの7割までを投棄するがその中にはアジア市場向けに鰭を取るサメも含まれている。

漁船の船主はセネガル人の乗り組みを小さなボートに乗せマグロやサメを“釣りもの”として販売に行かせる。多くのセネガル人らは彼ら自身の水域で生計を立てることができない状態だが、その理由はこうしたハイテクトロール船による乱獲で間引きされてしまうからである。

EJFはほとんどの違法操業が便宜置籍船によって行われているとみている。国際海事法では船舶が登録を行った国がその船の活動に責任を持つことになっている。いくつかの国は僅か数百ドルの金で国籍取得を許している。こうした国々は犯罪を無視している。海賊操業漁船は漁期の間にも国籍を変えたり、船名を変更する。こうした行為によって本当の船主を見つけ法の適用を行うことが極めて困難になる。違法操業の罰金は最大でも10万ドルであり、この金額は彼らの2週間分の利益よりも少ない、とEJFはいう。

韓国船の船長、機関長、一等航海士らはシエラレオネ海軍に逮捕され、領海内で操業を行ったとして3万ドルの罰金となった。ところが同じ船が8月にまた現れ、シエラレオネとリベリアの沿岸で操業を始めたという。

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