私は初老男である。
初老になると気分が落ち込んでくると、なかなか復活できない。
若いときのような「漠然とした不安」でなく「具体的な不安」であるからだろうか。
それでは「具体的な不安」とはなんであるか、と言うと・・・たとえば「お金」たとえば「体の衰え」
若いときのような回復は、望めないよなぁ・・・。
連休なのに暗くなってしまった。
気分を取り直して行こう~~~!
さて、今日ホームセンターに行った時の話。
もうこのブログにUpしたのはずいぶん前なので、知らない人も多いと思うのだが私は調理人なのだ。
それも30年ほどのキャリアになった。
だから、ホームセンターなどに行くと調理器具のコーナーで過ごすのは仕事の内になっている。
そこで、私の横で包丁を探している老夫婦がいた。
私のすぐ近くでボソボソと話しているのは、聞こえていたが、口出すのは悪いと思って自分で包丁を見ていた。
(そうだよね~。分からないよね~。)
って内心思っていたら、おばあちゃんの方が私に声をかけてきた。
「すいません、ちょっと教えてください」
と言うことで、包丁の選び方を私なりにアドバイスをしてあげた。
そのホームセンターは、結構大きくてセラミック包丁なども並んでいたし家庭用から業務用まで30種類ほど並んでいた。
一口に包丁と言っても、本当に様々だ。
種類にしても「和包丁」「洋包丁」「中華包丁」とわかれている。
家庭で使うには、和包丁の「菜切り包丁」洋包丁なら「牛刀」中華包丁には、残念ながらお勧めできる包丁はない。
結局「切れ味がよくて、長持ちして、手入れがしやすくて、安価な包丁」・・・。
そんな包丁はない!
そんなものがあったら私が欲しいわ!
だから、どれかの条件をある程度あきらめて選ぶしかない。
ふたりは「セラミック包丁」に興味があったようだ。
「ちょっとお勧めできませんねぇ」
セラミックの包丁は、当たり前だが金属ではない。
そのため、自分で「鋭い切れ味」を取り戻すことができない。(会社によっては、送り返すと1回は研いでくれたりするけど)
ただ、それはそれなりの使い道がある。割愛するけどね。
そして、チタンなども同じ理由で、家庭用には向かない。
・・・当たり前のことだから、最初に書かなかったけれど、包丁と言うのは「手入れ(研ぎ)」をすることが「前提」だ。
研がなくてよい包丁などは存在しない。
もし研がないで次々に新しい包丁を買うのであれば、すべての話は「無し」ね。どんな素材の包丁でも1ヶ月くらいは切れ味が持続するから、一ヶ月おきに包丁を買えばよい。
最初におじいちゃんの方が「今使っている包丁は研ぎにくい」って言ったから、ちゃんと包丁を研いで使う人だって分かってたから上のような話になった。
話が長くなってしまったし、細かく説明しだすとさらに2回分位は使ってしまいそうなので、先を急ごう。
結局、お勧めしたのは
材質「モリブデン鋼」で長さは21cmの「三徳包丁」値段は「2980円」
である。
モリブデン鋼は「研ぎ易さ」ではスエーデン鋼にかなわないが「錆びにくい」のである。
長さは21cmが一番良いと思う。一般家庭のまな板の大きさから言っても24cmでは使いにくい。
そして、形は「三徳包丁」これは洋包丁と和包丁の良いところを足して割った感じの包丁で、おばあちゃんにはちょうど良いと思ってお勧めした。
おばあちゃんは、職人用の値段高めの物も気にしていたが、プロ用の包丁はハードユース(酷使)に耐えるように作ってあるので、重く・硬めで家庭で使うにお勧めできない。腕に覚えがないと「宝の持ち腐れ」になりやすい。
「あまり参考にならないかもしれませんが・・・」と言いながらも自信をもって薦めておいた。
老夫婦は笑顔で「ありがとうございます」と私にお礼を言ってレジに向かっていった。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんもよい包丁に巡り会えますように。
May
1万円で「牛刀・ペティナイフ・三徳包丁のセット」なんてのが、よくテレビショッピングに出るけど、同じ1万円でちゃんとした21cmの牛刀、もしくは三徳包丁1本の方が絶対によいです!(ただし、今回のようにしっかり選ばなきゃだめだよ)
初老になると気分が落ち込んでくると、なかなか復活できない。
若いときのような「漠然とした不安」でなく「具体的な不安」であるからだろうか。
それでは「具体的な不安」とはなんであるか、と言うと・・・たとえば「お金」たとえば「体の衰え」
若いときのような回復は、望めないよなぁ・・・。
連休なのに暗くなってしまった。
気分を取り直して行こう~~~!
さて、今日ホームセンターに行った時の話。
もうこのブログにUpしたのはずいぶん前なので、知らない人も多いと思うのだが私は調理人なのだ。
それも30年ほどのキャリアになった。
だから、ホームセンターなどに行くと調理器具のコーナーで過ごすのは仕事の内になっている。
そこで、私の横で包丁を探している老夫婦がいた。
私のすぐ近くでボソボソと話しているのは、聞こえていたが、口出すのは悪いと思って自分で包丁を見ていた。
(そうだよね~。分からないよね~。)
って内心思っていたら、おばあちゃんの方が私に声をかけてきた。
「すいません、ちょっと教えてください」
と言うことで、包丁の選び方を私なりにアドバイスをしてあげた。
そのホームセンターは、結構大きくてセラミック包丁なども並んでいたし家庭用から業務用まで30種類ほど並んでいた。
一口に包丁と言っても、本当に様々だ。
種類にしても「和包丁」「洋包丁」「中華包丁」とわかれている。
家庭で使うには、和包丁の「菜切り包丁」洋包丁なら「牛刀」中華包丁には、残念ながらお勧めできる包丁はない。
結局「切れ味がよくて、長持ちして、手入れがしやすくて、安価な包丁」・・・。
そんな包丁はない!
そんなものがあったら私が欲しいわ!
だから、どれかの条件をある程度あきらめて選ぶしかない。
ふたりは「セラミック包丁」に興味があったようだ。
「ちょっとお勧めできませんねぇ」
セラミックの包丁は、当たり前だが金属ではない。
そのため、自分で「鋭い切れ味」を取り戻すことができない。(会社によっては、送り返すと1回は研いでくれたりするけど)
ただ、それはそれなりの使い道がある。割愛するけどね。
そして、チタンなども同じ理由で、家庭用には向かない。
・・・当たり前のことだから、最初に書かなかったけれど、包丁と言うのは「手入れ(研ぎ)」をすることが「前提」だ。
研がなくてよい包丁などは存在しない。
もし研がないで次々に新しい包丁を買うのであれば、すべての話は「無し」ね。どんな素材の包丁でも1ヶ月くらいは切れ味が持続するから、一ヶ月おきに包丁を買えばよい。
最初におじいちゃんの方が「今使っている包丁は研ぎにくい」って言ったから、ちゃんと包丁を研いで使う人だって分かってたから上のような話になった。
話が長くなってしまったし、細かく説明しだすとさらに2回分位は使ってしまいそうなので、先を急ごう。
結局、お勧めしたのは
材質「モリブデン鋼」で長さは21cmの「三徳包丁」値段は「2980円」
である。
モリブデン鋼は「研ぎ易さ」ではスエーデン鋼にかなわないが「錆びにくい」のである。
長さは21cmが一番良いと思う。一般家庭のまな板の大きさから言っても24cmでは使いにくい。
そして、形は「三徳包丁」これは洋包丁と和包丁の良いところを足して割った感じの包丁で、おばあちゃんにはちょうど良いと思ってお勧めした。
おばあちゃんは、職人用の値段高めの物も気にしていたが、プロ用の包丁はハードユース(酷使)に耐えるように作ってあるので、重く・硬めで家庭で使うにお勧めできない。腕に覚えがないと「宝の持ち腐れ」になりやすい。
「あまり参考にならないかもしれませんが・・・」と言いながらも自信をもって薦めておいた。
老夫婦は笑顔で「ありがとうございます」と私にお礼を言ってレジに向かっていった。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんもよい包丁に巡り会えますように。
May
1万円で「牛刀・ペティナイフ・三徳包丁のセット」なんてのが、よくテレビショッピングに出るけど、同じ1万円でちゃんとした21cmの牛刀、もしくは三徳包丁1本の方が絶対によいです!(ただし、今回のようにしっかり選ばなきゃだめだよ)